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犬のマッサージの目的 筋肉の弛緩ポジション マッサージの基本的な心得


犬のマッサージの目的

犬のマッサージには5つの意味があります

飼い主がリーダーであることを犬に再認識させる
リーダーの再認識 犬が自分の体を自由に触らせるのは、気を許した仲間やリーダーに対してのみです。飼い主が犬の体を満遍なく触ることで、犬の頭の中では「飼い主=仲間/リーダー」という認識が自然と強まり、アルファシンドローム(権勢症候群)を予防します。
犬の身体の異常をいち早く検知してあげる
 犬の体を触ることで腫瘍やリンパ節の腫れなどの異常をいち早く気づくことができます。
腫瘍に気づかず、肉眼で確認できるようになるまで成長させてしまうような飼い主は、愛犬家ではありません。
犬の血流を促進することで疲労の回復を高める
犬の疲労 犬と人間の筋肉の収縮様式は共通です。 運動すれば疲労物質として乳酸が発生し、体内のPhが下がります。運動や散歩で発生した酸を血流に乗せ、 肝臓や筋肉に還流させることで疲労の回復が早まりますが、マッサージにはその血液還流を促進する効果があります。
犬と飼い主との信頼関係を強化する
 マッサージによって精神的、肉体的な快感を与えることで「この人と一緒にいたい!」という気持ちが強まります。この気持ちはそのまま、犬と飼い主との信頼関係を強化してくれます。
飼い主自身がリラックスする
アニマルセラピー 人間が動物と触れ合うと、血圧が下がったり、アルファ波(リラックスしたときの脳波)が出るなど、いわゆる「アニマルセラピー」的な効果があると報告されています。しかしこうした科学的な実証を待つまでもなく、「動物と触れ合っていると何だか安心する!」という体感は、犬や猫とじゃれ合っているときに誰しも感じることでしょう。

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筋肉の弛緩ポジション

 筋肉には硬直した状態と弛緩した状態とがあります。結論から言うと、 硬直した状態の筋肉にマッサージを施しても、何の効果もありません。ですからマッサージの前に筋肉を弛緩した状態に置く必要があるのです。では筋肉が硬直してしまう原因と、筋肉を弛緩させる方法を見ていきましょう。

硬直の原因その1〜力みによる筋肉の硬直
硬直 筋肉に力を入れると、当然筋肉は硬直します。この状態の筋肉にマッサージを施しても、硬直した筋肉がマッサージ圧を全て吸収してしまい、何の効果も発揮しません。
 皆さんも右ひじを曲げて二の腕(上腕二頭筋)に力こぶを作ってみましょう。そしてその力こぶを左手でマッサージしてみます。すると全然気持ちよくないことがお分かり頂けると思います。
 このように、力んで硬直した筋肉にマッサージを施しても、何の効果もないということを覚えておきましょう。
硬直の原因その2〜関節の引っ張りによる筋肉の硬直
 骨格に付着している筋肉(いわゆる”骨格筋”)は、基本的に関節を横断しています。しかしこの関節の角度によっては筋肉を過剰に引っ張ってしまい、硬直させてしまうこともあります。この状態の筋肉にマッサージを施しても、硬直した筋肉がマッサージ圧を全て跳ね返してしまい、何の効果も発揮しません。
マッサージチェア 皆さんもちょっと大き目の電気屋さんに入り、マッサージチェアの体験コーナーに行ってみましょう。肩をもまれるとそこそこ気持ちいいのですが、腰の部分をもまれても全然気持ちよくないことがお分かり頂けると思います。これは骨盤が腰の筋肉(脊柱起立筋の下部)を引っ張ってしまい、硬直してしまっているためです。
 このように、関節の引っ張りによって硬直した筋肉にマッサージを施しても、何の効果もないということを覚えておきましょう。
筋肉を弛緩させる「弛緩ポジション」
うつ伏せ 筋肉を硬直させないためには、筋肉が一番リラックスして弛緩できる「弛緩ポジション」を取ることが必要です。人間でもマッサージ店に行くと、うつ伏せになったりしますが、これは体を重力から解放し、不要な力みや関節の引っ張りをなくし、マッサージ効果を高めるためです。
 犬をマッサージする場合も同様に、「弛緩ポジション」を取らせる必要がありますが、これはマッサージする部位によって微妙に異なりますので、「犬のマッサージ・実践編」で詳しく説明していきます。

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マッサージの基本的な心得

マッサージをする際に基本となる心得を幾つが列挙しますので、しっかり覚えましょう。

骨や被毛ではなく筋肉にコンタクトすること
 骨や被毛を触っても気持ちよくありません。皆さんもむこうずね(いわゆる”弁慶の泣き所”/解剖学的にいうと脛骨粗面)や髪の毛をなでてみましょう。全然気持ちよくないですよね?犬のマッサージをするときも同様です。骨や被毛を触られても犬としてはうっとうしいだけですので、 あくまでも疲労のたまった筋肉にコンタクトするように心がけましょう。
コンタクトは指の腹で行うこと
 筋肉を押し付けるときに指先を立ててしまうと、押圧が強くなりすぎて犬からすると痛いだけです。ですから 接触面積をなるべく広げ、指先の体温が犬の体に伝わりやすくなるように、コンタクトは指の腹で行うことが基本です。特に女性で爪が伸びていたり、付け爪をしたりしている人は、爪の先が犬の肌に食い込まないよう充分気をつけてください。
やたら力を入れないこと
 人間と犬の体格は違います。人間に行う時と同じ力でマッサージを行うと、犬にとっては圧が強すぎて不快の原因となります。 犬と人間との体格差を考慮し、基本は弱めで行ってください。
ゆっくりとしたリズムで行うこと
 犬をリラックスさせるには、ゆったりとしたリズムでマッサージしてあげる必要があります。駅前の「て○みん」やスポーツマッサージのように、やたらシャカシャカと筋肉を揺さぶったりする必要はありません。イメージは、生まれたばかりの子犬の体を、母犬がなめて綺麗にするときのリズムです。このゆったりとしたリズムによって、犬は母犬の優しさと感触を思い出し、心身ともにリラックスしやすい状態になります。
犬のリアクションを常に見ること
 人間の場合もそうですが、個々の好みという問題が必ずあります。ある人は肩のマッサージを好みますが、ある人は肩を触るとやたら痛がるということもあります。ある人は指圧を好みますが、ある人はスポーツマッサージを好むこともあります。
 犬の場合も同様で、個体によってマッサージの強さやリズムの好みが微妙に違います。 ですから基本に忠実に行うと同時に、犬のリアクションを見ながらリズムや強さを微調整することも重要です。
犬が疲れているタイミングで行うこと
 人間と同様、疲労していない筋肉をマッサージすると、時として不快感が生じます。いつでもどこでもマッサージするのではなく、散歩の後や運動の後、寝る前など、犬の体に疲労が蓄積したタイミングでマッサージを行うと一層効果的です。
犬の催促を適度に受け流すこと
 犬がマッサージの気持ちよさを学習すると、「ねぇ早くなでて!」と催促してくることがあります。しかしこの催促に応じてしまうと「自分の命令に従った⇒自分がボスなんだ!」と犬が勘違いし、アルファシンドローム(権勢症候群)を助長する危険性があります。ですから犬のリクエストに応じて安易にマッサージを施すのではなく、 何らかの指示に従ったごほうびとしてマッサージをしてあげるとよいでしょう(たとえば「マテ」を指示し、うまくできたらそのごほうびとしてマッサージしてあげる、など)。
東洋医学のツボマッサージについて
 東洋医学には「経絡思想」があります。簡単に説明すると、「人体には”経脈”と”絡脈”という二つのエネルギーラインが存在し、そのライン上を”気”が流れている。その気の流れの結節点が”経穴”、いわゆる”ツボ”である。気の流れが悪くなると体調も悪くなるので、経穴に刺激を加えることで気の流れを回復しなければならない」というものです。しかし同じ考え方をそっくりそのまま「犬」という動物にいきなり応用するのは、科学性と客観性にやや欠けると判断されるため、当サイトでは採用しておりません。


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