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犬のお迎え計画

 飼う犬が決まった後、自宅まで犬を移動させるさまざまな段階について解説します。引き取り先から自宅に向かうまでの移動手段や、家についてからの注意点などをあらかじめ抑えておくと、トラブルが少なくて済みます。

運搬手段の決定

 犬の引き取り先としては、犬を購入したペットショップやブリーダーの犬舎、犬を譲り受けた保健所や動物愛護センターや知人の家などが想定されます。おのおのの状況に応じて、犬の運搬手段をシミュレーションしてみましょう。

車で運搬する場合

 犬が車内でおしっこやウンチをしてしまった場合は、具合が悪くなって戻してしまった場合を想定し、いらないタオルやバスタオル、ティッシュペーパーなどを用意します。また、犬を入れるクレートやキャリーバッグなども必要です。 キャリー一覧

徒歩で運搬する場合

 引き取る犬が小型犬の場合は、犬を入れるキャリーやクレートが必要です。中~大型犬の場合、持ち運ぶことはほとんど不可能ですので、首輪やリードが必要となるでしょう。ただし、首輪とリードにすでに慣れており、ある程度人間に従って歩くことができる、という条件が必要となります。 キャリー一覧 首輪・リード一覧

電車で運搬する場合

 手荷物扱いで有料になりますので有人改札にてご確認下さい。犬が大きく、指定された大きさのケージ内に入りきらない場合は、必然的に他の運搬手段に頼ることになります。盲導犬や補助犬以外、公共の乗り物に裸の状態(ケージやクレート、バッグに入っていない状態)で乗り込むことはできませんので要注意です。以下ではJRにおける例を記載しますが、船やバス、飛行機などに乗せるときは事前にそれぞれの会社のお問い合わせ下さい。 キャリー一覧
JRにおけるペットの扱い
  • まずペットを縦・横・高さの合計が90cm程度のケージに入れる。
  • ケージ+ペットの重量が10kg以内であれば乗せることができる。
  • 但し小荷物扱いとなるので、手回り品切符を買って付ける。
  • 走行距離100kmにつき料金は270円。
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引き取り先での確認事項

 特殊なケースを除き、生まれたての子犬を引き取るということは余りありません。引き取り先においてある程度の期間を過ごした子犬を引き取るという状況がほとんどです。ですから、引き取り先における犬の日常的な過ごし方をあらかじめ知っておくと、新たな環境に連れ込んだ際、スムーズにことが運びます。

えさの確認

 与えていた餌の種類、量、回数、時間を必ず確認しましょう。急に餌の種類や食事の時間を変えると、下痢などをする恐れがありますので、家に着てからの1週間は今までと同じ食生活を維持するようにします。その後、徐々に食生活を切り替えていきます。

予防接種の確認

 混合ワクチンの種類と接種回数を確認し、注射済み証明書をもらいましょう。 犬のワクチン接種

寄生虫検査の確認

 寄生虫検査の有無を聞き、済んでいるようなら結果を教えてもらいましょう。 犬の寄生虫症

トイレの確認

 排便の時間や特徴を聞きます。それまで使っていた排便用具(ペットシーツ/新聞紙)を確認し、子犬が排便しやすいように最初のうちは同じ用具を使うようにしましょう。 トイレグッズ一覧

おもちゃの確認

 子犬が使っていたお気に入りのおもちゃや毛布などがあれば譲ってもらいます。そうしたものがあるだけで、住む場所が変わっても比較的ストレスを軽減することができます。 おもちゃ一覧
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家に向かう際の注意

 車で移動する場合は、乗り物酔いする犬も多いので極力寄り道はしないで家に直行しましょう。 また移動中は必ず嘔吐、もしくは粗相をすると考えたほうが無難です。 ペットシート・いらないタオルやバスタオル・ティッシュペーパーを用意しておきましょう。 犬とのドライブ
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家についてからの注意

 今までいた場所から離れて新しい環境で暮らすことに伴うストレスから、子犬が下痢、嘔吐、食欲不振などの体調不良になることがあり、これをニューオーナーシンドロームと呼びます。例えば以下は、アニコム損保が公開している「家庭どうぶつ白書2014」(PDF)からの抜粋です。折れ線グラフは、ペットショップから迎えたばかりの子犬や子猫の体調不良に気づき、動物病院へ問い合わせた件数を示しています。家に着いてから最初の2~3日にピークを迎えていることがお分かりいただけるでしょう。なお体調不良の内容としては「咳・くしゃみ」(226件/13.7%)、「下痢」(195件/11.8%)、「フードトラブル」(162件/9.8%)、「嘔吐」(151件/9.1%)、「誤飲」(97件/5.9%)、「元気がない」(46件/2.8%)などが上位を占めています。 子犬や子猫を迎えてから30日間における動物病院への問い合わせ件数  犬を迎えた初日は、うれしくて家族全員で犬を取り囲んで抱いたりなでたりするのが常ですが、子犬にとっては環境が変わった時点で相当なストレスを受けていますので、初日はじっと我慢して子犬のペースに合わせてあげましょう。子犬が新しい環境に慣れてきたら、犬のしつけを参考にして徐々に行動をしつけていきます。

まずは排泄

家に着いたらまず、犬に排泄場所を教え、リラックスさせます。  生後2ヶ月の子犬は約1時間に一度のペースで排泄します。家に着いたらまずサークル内に入れ、排泄するまで待ちましょう。サークル内で無事に排泄が済んだら、すかさずそのタイミングで頭を軽くなでてほめてあげます。これを繰り返すことにより子犬は「サークル内で排泄する⇒ほめられる」という関係を学習していきます。 犬のトイレのしつけ トイレグッズ一覧

家の中を探検

家についたばかりの子犬は不安でいっぱいです。思うままに家の中を探検させて挙げましょう。  排泄が終わったら、ハウスを設置している部屋を探検させましょう。じゃれついてきたら遊び相手になってください。ただし無理に遊びに誘うと子犬にとって逆にストレスになりますので、最初のうちは子犬のペースに任せます。他の部屋に行かせるなど、行動範囲を広げるのはトイレの訓練が終わってからで結構です。 ハウス・ケージ一覧

一休み

なれない環境や見慣れない人間に囲まれて、子犬も気疲れしてしまいます。  探検や遊びが終わって子犬が疲れた様子を見せ始めたら一休みさせます。どこでも自由に休ませるのではなく、場所はハウスの中が良いでしょう。「休むときはハウスの中」という習慣を初日からつけておきます。ハウスには引き取り先からもらった子犬の好きなおもちゃや毛布などを置いておくと良いでしょう。 ハウス・ケージ一覧 ハウスのしつけ

食事

子犬がおなかをすかせたころあいを見計らって、用意しておいた食事を出してあげましょう。  引き取り先で確認しておいた餌の種類や量を参考にして餌の準備をします。環境が変わったストレスでうまく食事を消化できない可能性があるのでやや量を少なめにするとよいでしょう。食べない場合は無理に食べさせようとせず、時間を置いて再び与えてみてください。 犬の食器一覧 ドッグフード一覧

子犬のペースでコミュニケーション

いきなりしつけやトレーニングを始めるのではなく、まずは子犬のペースに人間があわせてあげます。  子犬はトイレ→遊び→一休み→トイレ・・・・というサイクルで生活します。時間がある限りこの子犬のペースにあわせてコミュニケーションしてください。しっかり遊んであげると子犬が適度に疲れますので、ぐっすり眠って夜鳴きするということも少なくなります。

おやすみ

たっぷり遊んだ後はゆっくり休ませて挙げましょう。  コミュニケーションをとっている内に夜が来ます。基本的にはハウスの中で寝かせますが、ハウスの中に一人ぼっちにすると寂しさから夜鳴きすることがあります。また犬の社会化期(犬の性格を決定する重要な時期)に相当しますので、ハウスに一人ぼっちにしてしまうと分離不安(保護者や仲間がいないと不安で吠え立てる性格)の強い犬になってしまう危険性もあります。
 一番良いのは飼い主の見える場所にハウスを移動してあげることです。夜鳴きしたらなでたり抱いたりして落ち着かせましょう。ただし、あまりにも長期的にハウスを開けて子犬を抱いたりしていると、「鳴けばかまってくれるんだ!」と覚え込んでしまいますので、時期を見計らって夜鳴きに対しては無視する方向に切り替えることも必要です。 子犬の社会化期 犬の無駄吠えのしつけ
犬用フェロモン「DAP」
 「DAP」(Dog Appeasing Pheromone, ダップ)とは、日本語で「犬用鎮静フェロモン」という意味で、出産後の母犬から分泌されるといわれる「育児フェロモン」を人工的に生成したものです。その効果については多角的に検証されていますが、「新しい家に迎えられたばかりの子犬に関し、粗相の頻度を減らす効果は無いものの、夜鳴きを減らす効果はある」という実験結果が示されています(→こちらこちら)。
フランスの「ceva社」から発売されている犬用鎮静フェロモン「ADAPTIL」  市販商品としては、フランスの「ceva社」が製造している「ADAPTIL™」が有名ですが、残念ながらこの会社は日本法人や正規代理店をもっていません。よって商品を購入する場合は、自分で海外から取り寄せるか、手続きを代行してくれる個人輸入に依頼する必要があります。

2日目以降

血液検査やワクチン接種のため、落ち着いたころあいを見計らって動物病院へ連れて行きましょう。  初日同様、「トイレ→遊び→一休み→トイレ・・・・」という子犬の生活サイクルにあわせるのが基本です。子犬が新しい環境に慣れたようなら、なるべく早いうちに一度動物病院に連れていきましょう。
 ここで健康診断を行い、混合ワクチンや狂犬病ワクチンの接種プログラムを獣医師と相談します。またフィラリア、ノミ、ダニ予防についても説明を受けてください。この時期の子犬はまだ免疫機構が万全ではありませんので、病院内で他の犬と接触しないようにクレートやキャリーに入れて下さい。 犬のワクチン接種 犬の寄生虫症 キャリー一覧
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犬の抜け毛対策

抜け毛を減らせれば犬アレルギーも軽減できる  実際に犬と暮らし始めると、当初は予想もしなかったさまざまな事態に出くわすことがあります。その中の一つが「抜け毛」です。毎日抜け落ちることはもちろんのこと、夏の前と冬の前にある換毛期においては、その量が急激に増えます。しかし、あらかじめ心の準備をしておき、しっかりとした対策を心得ていれば、それほど問題になることはありません。以下は、一般的な抜け毛対策です。なお、毛が抜けないよう犬に衣服(ドッグウェア)を着せる人もいますが、万人向きではないため当ページでは省いてあります。また極端に被毛を刈り込んでしまうと、紫外線がじかに皮膚に照射されるためお勧めできません。

毛が抜け落ちる前に取り除く

 犬の毛が環境内に抜け落ちる前に取り除いてしまえば、掃除の手間が省けて楽です。ブラッシングを毎日の日課にすれば、被毛の中に残った死毛を減らすことができるでしょう。アイテムとしては、スリッカーブラシや「ファーミネーター®」、「フーリー®」などがあります。また掃除機と連結した「ペットグルーミングツール®」のような商品も売られています。もし犬が嫌がらないなら、体に直接コロコロをかけるという方法も有効でしょう。

落ちた毛を取り除く

 被毛の手入れが間に合わず、抜け毛が環境内に落ちてしまっても、しっかり掃除すれば大部分を取り除くことができます。カーペットの場合はコロコロ、フローリングの場合はワイパーをかけ、床にたまった抜け毛をかき集めましょう。また最近はペットの抜け毛専用の「サイクロンクリーナー®」なども売られていますので試してみる価値はあるかもしれません。アナログなものだと「一毛打尽®」のような、じゅうたんにめり込んだ抜け毛をかき集めるアイテムも売られていますし、普通のゴム手袋を用いて安上がりで済ませる人もいます。

衣服に付いた毛を取り除く

 犬をなでたり抱っこすると、必ず飼い主の衣服に毛が付着します。衣服に付いた抜け毛が目立つよう、部屋着は犬の毛色と反対色を選んだほうがよいでしょう。例えば、犬が白なら部屋着は黒にするなどです。洗濯すれば衣服に付いた抜け毛の半分以上は取れますが、洗濯機の故障や目詰まりの原因になってしまう危険性もありますので、事前にある程度コロコロを掛けておいた方が無難です。
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