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犬を迎える際の室内環境

 犬を飼うときに必要となる室内グッズや、環境を整える際のこつです。大型犬の場合を除き、犬と人間とでは体の大きさがまるで違いますので、人間目線のみならず、犬目線からの環境整備が必要となります。

室内環境の整え方

 犬が暮らす室内の整え方をまとめました。犬の事故・怪我・病気などを予防することが主たる目的です。足りないものがある場合は犬に必要なペットグッズ等で補完してください。
室内におけるチェックポイント
犬を迎える際気をつけたい室内における項目一覧です。
  • 1、エアコン
  • 2、電化製品
  • 3、空気清浄機
  • 4、ハウス
  • 5、サークル・ケージ
  • 6、テーブルや小物
  • 7、じゅうたん・カーペット
  • 8、ドア
  • 9、ゲート

エアコン

 部屋の温度は人間の好みに合わせてしまいがちですが、犬と人間の体感温度は違います。犬の体高で温度をはかり、室温の微調整を計りましょう。特に夏場になると、毎年のように熱中症(熱が体内にこもりすぎて体調不良に陥ること。最悪のケースでは死亡することも)で動物病院に運ばれるわんちゃんのニュースを耳にします。これは、人間に比べて犬の方が、体温を外に逃がす能力が劣るということを理解していない飼い主が、かんかん照りの中、犬を散歩に連れ出したり、冷房の聞いていない室内や車内に犬を放置することが原因のひとつになっています。 犬に関する夏の注意 犬が熱中症にかかった

電化製品

 電化製品のコードは子犬にとってかっこうのおもちゃになります。誤って感電事故が起こらないよう、コンセントカバーやコードカバーなどを用いて予防しましょう。

空気清浄機

 ペットを室内で飼育していると、ペット特有のにおいが発生します。部屋の中にこもらないよう、空気清浄機をかけたり、こまめに換気するなどの工夫をしましょう。また、消臭剤が常に手元にあると便利です。 空気清浄機一覧

ハウス

 犬は元来敵から身を守ることが出来る巣穴のような場所を好みます。ハウスやクレートなど、周囲を壁で囲まれた巣穴に相当する場所が部屋の中にあえると犬は安心するものです。エアコンの風邪が直撃したり直射日光が差し込んだり、人通りが多くて落ち着かない場所を避けて設置してあげましょう。 ハウス一覧

サークル・ケージ

 トイレのしつけをする際、サークルが近くにあると便利です。子犬がおしっこやうんちを催したらすかさずサークルの中に入れ、トイレの場所を覚えこませましょう。 サークル・ケージ一覧

テーブルや小物

 犬が誤飲してしまう危険性のある小物は部屋の中から一掃しましょう。犬がテーブルの足をかじって傷を付けてしまうような場合は、忌避剤(きひざい-ビターアップルなど、苦味のはいったスプレー)をかけておくなどの工夫が必要です。

じゅうたん・カーペット

意外と犬の怪我の原因になりやすいのがじゅうたんやカーペットです。  犬の爪が引っかかって足を怪我しないよう、毛足の短いものを選びましょう。毛足が長く先端がループ状になっているようなタイプは避けるようにします。またフローリングの床はつるつるすべるため、犬の足腰に負担をかけてしまいます。じゅうたんやカーペットを敷くのが理想的ですが、代替案(だいたいあん)としては、コルク素材を用いたり、フローリング専用の滑り止めを塗るなどの方法があります。
フローリングの上でスリップしてしまう犬
 以下でご紹介するのは、つるつるのフローリングの上でジャンプに失敗してしまう犬の映像です。何も考えずにお気楽な気持ちで見ると、一見おもしろ動画のように思えますが、犬の体に負担をかける室内環境を放置しているという観点からは、決して笑うことが出来ませんよね。
 犬の足から力がしっかりと床に伝わるよう、じゅうたん・カーペット・コルク素材、フローリング用滑り止めなどの導入が望まれます。 元動画は⇒こちら

ドア

 犬が挟まれてしまわないよう、ドアストッパーなどでドアを固定しておきましょう。もしくは、ドアの上にタオルなどをかけておき、誤ってドアが閉まっても完全には閉じきらないようにしておくのもアイデアです(しっぽが挟まれずにすむ)。 犬が骨折した

ゲート

 犬に立ち入って欲しくない場所(寝室・キッチン・暖房器具の近くなど)にはゲートを設けて侵入をブロックしましょう。留守番させるときなどにも使えます。 ゲート一覧
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誤飲・誤食の注意リスト

 室内において犬が誤(あやま)って飲み込んだり(=誤飲・ごいん)食べてしまう(=誤食・ごしょく)危険性のあるものを、一覧リストで示します。いかにもありそうなものから、まさかそんなものまで?と思うようなものもありますので、犬をこれから飼う方も、もうすでに飼っている方も、是非一度ご確認下さい。 犬が異物を飲み込んだ

煙草・灰皿

誤飲・誤食に気をつけたいタバコ  犬に限らずニコチンを口から摂取すると死に至ります。また副流煙による呼吸器系への悪影響を考えると、 煙草を吸わないに越したことはありませんので室内環境から一掃しましょう。

アクセサリーや小物

誤飲・誤食に気をつけたいアクセサリーなどの小物  室内に落としたアクセサリーや小物を犬が間違って飲み込まないように十分注意してください。 特に先のとがったピアスなどを飲み込んでしまうと大変です。

クリップなどの文房具

誤飲・誤食に気をつけたいクリップなどの小さな文房具類  犬はとりあえず何でも口にいれようとします。クリップなどの金属を飲み込んで消化器官を傷つけないよう、室内全体の床の上をまめに掃除しましょう。

乾電池・ボタン電池

誤飲・誤食に気をつけたい乾電池やボタン電池  犬が電池や磁石などを複数個飲み込んでしまうと、胃と腸がくっついてしまうという漫画のようなことが本当に起こりえますので室内環境から一掃しましょう。またコイン形のリチウム電池に関しては、国民生活センターからもボタン電池の誤飲に注意(PDF)という形で警告が出されています。電池が消化管内に停滞すると、そこから電流が漏出し、わずか1時間程度でも消化管に穴が開くとのこと。

タオルや靴下

誤飲・誤食に気をつけたいタオルなどの布製品  犬が布を噛み千切って飲み込んでしまうと腸閉塞などの原因となります。いらなくなったタオルや靴下などを不用意におもちゃとして与えないで下さい。

洗剤や薬品

誤飲・誤食に気をつけたい洗剤などの化学薬品  犬が容器を噛み切って中身を飲み込むことがあります。最悪の場合は中毒症状を起こして死に至りますので、必ず室内の犬の目の届かないところに保管してください。

コード・ケーブル類

誤飲・誤食に気をつけたいコードなどの通電性のあるもの  犬が絶縁体を噛み切って中の金属コードに触れてしまうと感電します。室内のケーブル類には噛み付き防止スプレーなどを塗って決して口に入れないよう子犬の頃からしつけておきましょう。

ティッシュペーパー

誤飲・誤食に気をつけたいティッシュなど繊維性のもの  犬が興味本位で大量に飲み込んでしまうと、体内で消化されずに目詰まりを起こし、腸閉塞などの原因となります。室内の犬の手の届かないところに置いておきましょう。

人間用のぬいぐるみ

誤飲・誤食に気をつけたいぬいぐるみなどいたずらの対象となるもの  人間用のぬいぐるみは目の部分がボタンでできていたり、背中にファスナーなどがついている場合があります。 犬におもちゃとして与えると噛み千切って飲み込む危険性がありますので、与えるときは犬用のぬいぐるみにしてください。

誤飲・誤食に気をつけたい種  梅干やあんず、桃の種などは一見小さいですが、小型犬からするとかなり大きなものになります。食道に種子がつまり、呼吸困難やチアノーゼ(酸欠状態)になることもありますので、安易にテーブルの上に放置しないようにします。

串・魚の骨

誤飲・誤食に気をつけたい焼き鳥の串  焼き鳥の串に食べた後のいいにおいがついていたり、食べ残した肉片などがついていると、がっついた勢いで飲み込んでしまうときがあります。また魚の骨も同じ理由で飲み込まれることがあります。食後はフタ付きのゴミ箱にしっかり入れたり、散歩中にゴミ捨て場をあさらないよう気をつけます。

ボール類

誤飲・誤食に気をつけたいボール類  子供が遊ぶスーパーボールやゴルフボール程度なら、中~大型犬は飲み込んでしまいます。室内から一掃すると同時に、屋外では河川敷などによくゴルフボールが落ちていますので要注意です。

誤飲・誤食に気をつけたい針  縫い針や釣り針なども誤飲事故の報告があります。縫い針は胃にまで達してそこに穴を空け、肝臓、肺、心臓などの周辺臓器を傷つけることもあります。また釣り針は抜けないように「返し」がついていますので、食道などに刺さった場合は手術せざるをえないこともあります。

小石・砂

誤飲・誤食に気をつけたい小石・砂  子犬の異食症(食べ物以外のものを口に入れる)や老犬の痴呆症状の一例として、小石や砂などを食べてしまうというものがあります。飲み込めるような小さな石などは犬から隠してしまいましょう。 犬にとって危険な毒物 犬にとって危険な有毒植物
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タバコは百害あって一利なし

 部屋の中でタバコを吸うと、犬の健康を損なうという研究報告が幾つかあります。ですから犬がいる場所での喫煙は望ましくありません
犬に対するタバコの害
  • 1997年の調査 受動喫煙している犬の方が鼻腔にガンを生じやすい(→出典)。
  • 2006年の調査 30匹のヨークシャーテリアを対象とした観察で、喫煙者のいる家庭で暮らしていた犬の方に、「炭粉沈着症」、および「尿中コチニン」の両方が検知された。「炭粉沈着症」とは、免疫細胞の一種であるマクロファージの細胞質に炭素が溜まった状態のことで、肺疾患の原因とされているもの(→出典)。
  • 2013年の調査 明治大学・応用獣医学の纐纈(こうけつ)雄三教授が率いる研究グループは、喫煙など飼い主の側の生活習慣が、同居しているペット犬のアトピー性皮膚炎の発症リスクを高めていること、および犬の毛が短いほど発症年齢が早くなることを明らかにした(→出典)。
犬の受動喫煙は、様々な健康障害を引き起こす  このように、犬にタバコの煙を吸わせることは「百害あって一利なし」です。今まで自分の喫煙習慣を気にも留めていなかった方は、今後家の中に「喫煙エリア」のようなものを作り、煙が他の部屋に入らないようにするといった工夫が必要となるでしょう。
電子タバコなら大丈夫? 電子タバコが安全というのは全くの誤解  従来の火を用いるタバコではなく、電子タバコなら大丈夫だろう、と思いがちですが、そういう訳にはいかないようです。イギリスでは2014年にニコチン入りのカートリッジを誤飲した子犬が死亡していますし、日本でも厚生労働省が発がん性物質を含む可能性があるとして調査に乗り出しています。液体であれ気体であれ、電子タバコと言えども安全とは言えないということです。
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見えない化学物質に注意

 室内環境を整える際は、人とペット双方の健康を考え、揮発性有機化合物がなるべく少なくなるよう努めた方がよいでしょう。「揮発性有機化合物」(きはつせいゆうきかごうぶつ, VOC, Volatile Organic Compounds)とは、常温で蒸発し、気体となる有機化合物の総称です。目に見えない状態で室内を漂うこうした化合物が、ときに体に悪影響を及ぼすことがあります。

VOCの引き起こす症状

 揮発性有機化合物(VOC)が引き起こす体調不良としては、「化学物質過敏症」と「内分泌かく乱」が代表格です。飼い主やペットに慢性気管支炎喘息といった症状が現れているにもかかわらず、明確な原因が見つからない場合は、ひょっとすると目に見えないVOCが悪さをしているのかもしれません。

化学物質過敏症

 「化学物質過敏症」(MCS)とは環境中に存在する微量な化学物質によって体調不良が引き起こされる現象のことです。明確な症状がないこと自体が特徴で、アレルギー的な側面と中毒的な側面を兼ね備えています。具体的な症状は以下。主に人間に現れるものですが、同じ哺乳類の属する犬に現れてもおかしくはありません。
化学物質過敏症の症状
  • 自律神経の症状発汗異常・手足の冷え・頭痛・疲れやすい
  • 精神の症状不眠・不安・うつ状態・不定愁訴
  • 気道の症状のどが痛い・のどが渇く
  • 消化器の症状下痢・便秘・吐き気
  • 眼科的の症状結膜への刺激・調節障害・視力障害
  • 内耳の症状めまい・ふらつき・耳鳴り
  • 運動器の症状筋力低下・筋肉痛・関節痛・振るえ
  • 循環器の症状動悸・不整脈・循環障害
  • 免疫の症状皮膚炎・喘息・自己免疫異常

内分泌かく乱

 「内分泌かく乱」とは、化学物質によって体の内分泌系が乱され、体調不良に陥ることです。この現象を引き起こす揮発性有機化合物は、ときに「環境ホルモン」と呼ばれることもあります。環境省は約70種類の化学物質を、内分泌かく乱作用が疑われる物質、すなわち環境ホルモンとしてリストアップしています。具体的には以下。
環境ホルモンの一部
  • プラスチック可塑剤フタル酸エステル類
  • プラスチック原料等スチレンダイマートリマー・ビスフェノールA
  • 有機リン系農薬マラチオン
  • ピレスロイド系農薬ペルメトリン・シペルメトリン・フェンバレレート・エスフェンバレレート
  • 有機塩素系農薬クロルデン・ノナクロル・ディルドリン・DDT・HCH(BHC)
  • 多環芳香族炭化水素ベンゾピレン

VOCの発生源

 揮発性有機化合物(VOC)は、建物だけでなく、建物の中にある日用品や家電製品からも発生する厄介なものです。具体的な発生源としては以下のようなものが挙げられます。家庭の中にあるほとんど全てのものが、VOCの発生源になりうることがお分かりいただけるでしょう。
VOCの発生源と主な材料
  • 建材パーティクルボード、化粧板、壁紙、断熱材、シール、プラスチック配管、塗料、防カビ剤、合成接着剤
  • 家具・調度品カーペット、タンス、カーテン
  • 暖房・厨房機器開放型石油ストーブ、ガスレンジ、システムキッチン
  • 空調機器空調システムのダクト内壁
  • 日用品化粧品、事務用品、接着剤、芳香剤、消臭剤、滅菌剤、貴金属、重金属
  • 電化製品・事務機器掃除機、コピー機、マーカー
  • 自動車関連燃料、排ガス、内装材

VOC対策

 揮発性有機化合物の発生源の中には、環境の中から取り除くことが難しいものもあります。しかし努力と工夫により、接触を減らすこと自体は可能です。具体的には以下。
揮発性有機化合物の低減法
  • 窓の開けてよく換気する
  • 壁の給気口をできるだけ開けておく
  • 室内ドアを開放して通気をよくする
  • 台所の換気扇で通気を促す
  • そもそも汚染源を持ちこまない
 最後に挙げた「そもそも汚染源を持ちこまない」を実現するためには、まず何が汚染源なのかを知っておく必要があるでしょう。厚生労働省は住宅室内の空気中における化学物質濃度の指針値を提示しています。体調不良を引き起こしやすい化学物質の名称、およびそれが引き起こす主な症状を併記しましたので、避けられるものは可能な限り避けたほうがよいと思われます。なお「1ppm」は百万分の一、「1ppb」は10億分の一という意味です。
室内の化学物質濃度・指針値
  • ホルムアルデヒド指針値=0.08ppm
    眼・鼻・喉への刺激と炎症、流涙、接触性皮膚炎、発ガン
  • アセトアルデヒド指針値=0.03ppm
    眼・鼻・喉への刺激、接触性皮膚炎、高濃度で麻酔作用、意識混濁、気管支炎、肺浮腫等
  • トルエン指針値=0.07ppm
    眼や気道への刺激、高濃度かつ長期の暴露で頭痛、疲労、脱力感等
  • キシレン指針値=0.2ppm
    トルエンと似た症状
  • パラジクロロベンゼン指針値=0.04ppm
    高濃度かつ長期の暴露で肝臓、腎臓、肺への障害、およびメトヘモグロビンの形成に影響を与える
  • エチルベンゼン指針値=0.88ppm
    眼・喉への刺激、めまい、意識の低下等
  • スチレン指針値=0.05ppm
    眼・鼻・喉への刺激、眠気、脱力感等
  • テトラデカン指針値=0.04ppm
    高濃度で麻酔作用、接触性皮膚炎
  • フタル酸ジブチル指針値=0.02ppm
    眼・皮膚・気道への刺激
  • フタル酸ジ-2-エチルヘキシル指針値=0.0076ppm
    眼・鼻・気道への刺激、接触性皮膚炎
  • フェノブカルブ指針値=0.0038ppm
    アセチルコリンエステラーゼ阻害、倦怠感、頭痛、めまい、吐き気、瞳孔の収縮等
  • クロルピリホス指針値=0.07ppb
    アセチルコリンエステラーゼ阻害、倦怠感、頭痛、めまい、胸部圧迫感、吐き気、瞳孔の収縮等
  • ダイアジノン指針値=0.02ppb
    クロルピリホスと似た症状
室内を汚染している化学物質 化学物質過敏症について 住宅室内空気中の化学物質濃度の指針値
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