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犬の購入・入手方法

 犬を入手する際のさまざまなルートをまとめました。ほとんどの人は「とりあえずペットショップへ!」と考えがちですが、そのほかにも色々と犬を手に入れる方法はあります。是非参考にしてみてください。

動物愛護団体から譲り受ける

 動物愛護センター、保健所、各種動物愛護団体など、捕獲された犬や飼育放棄された犬の里親探しを行っている団体から、犬を里子として引き取るという方法です。
メリット
 無料である。殺処分される犬を救うことができる。
デメリット
 犬の側に何らかの問題があることも。
 飼い主が見つからない場合、保護されている犬は炭酸ガスによって殺処分されます。ですからこうした団体から犬を里子として引き取ることは、犬の命を救うことにつながります。
 特徴としては純血種よりも雑種のほうが多く、子犬よりも成犬が多くいるなどです。性格にやや問題のある犬もいますので、引き取る前には犬が保護された経緯をはっきりさせたほうがよいでしょう。飼い主に問題があって犬が心に傷を負っていたり、逆に犬自身に問題があって捨てられた場合もあります。
 なお、動物病院でももらい手のいない犬や猫の里親を募集していることがあります。一度お近くの動物病院に問い合わせてみてください。また、犬や猫を保護している動物病院と里親希望者とをつなぐVeterinary Adoptionのようなサイトもあります。 捨て犬を引き取るには? 犬や猫の殺処分について 犬や子犬の里親募集案内
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ペットショップで購入する

 犬や猫の生体販売を行う店、通称ペットショップで犬を購入するという方法です。 犬・猫の小売
メリット
 気軽に行けて手軽に入手できる。グッズや育て方について相談に乗ってもらえる。比較的安い。
デメリット
 金儲け主義のお店は子犬の健康や社会化期に無頓着のこともある。犬の競り市から仕入れている場合は感染症にかかっていることも。
 ペットショップは身近にあって入りやすいという反面、良心的な店とそうでない店との差が大きいのが特徴です。ひどい店では、皮膚病にかかったり骨折してしまった子犬をダンボールに入れ、ごみのように保健所に持っていったり、生後半年を過ぎて「旬」ではなくなった犬を生きたまま冷蔵庫で凍死させ、死体を一般ごみとして出すなどといった例もあるようです(朝日新聞出版・太田匡彦著・「犬を殺すのは誰か」内)。よい店と悪い店を見分けるときの一般的な基準を以下に示します。
ペットショップの見分け方
  • 標識が店舗内に掲示してあるか? 改正動物愛護管理法(2006年6月~)の施行により、登録業者を証明する標識の掲示が義務化されました。(ただし掲示されていたとしても、悪質な業者なら標識自体を偽造していると思います) 動物愛護法を知ろう
  • 犬に関する知識が豊富か? 犬の原産国、ルーツ、性格の特徴などの質問に店員が答えられないようなら×。 犬の種類
  • ライフスタイルに合う犬を勧めてくれるか? 犬のいい点だけをやたら強調し、「お似合いですよ」的なお愛想を言う。「抱っこさせたら勝ち!」とばかりに、やたら犬とのスキンシップを勧め、購入を促す。
  • 子犬同士で遊ぶ時間を設けているか? プレイルームがなくゲージに入れっぱなし。子犬は他の犬と遊ぶことで身体能力、バランス力、社会性などを身に付けますので子犬を遊ばせていないような店は良心的とはいえません。 子犬の社会化期
  • 子犬の居場所が衛生的か? うんちやおしっこが放置されていたり、ゲージや食器が汚くて不衛生な店は論外です。
  • 生後一ヶ月程度で売られていないか? 子犬を性格を形成するのに重要な3~13週を迎える前に犬を売りに出すような店は犬や飼い主の幸せを考えて、しっかりとしたアフターケアをしてくれるとは思えません。また法律違反でもあります。 動物愛護法を知ろう
  • 子犬を競り市から仕入れていないか? 犬の競り市にはまだ抵抗力の弱い子犬が売りに出されることが多いので、入手した後で何らかの身体的トラブルが見つかることもあります。しかし多くのペットショップが、いまだにオークションに依存しているというのが現状です。「この子犬はどこで生まれましたか?」とショップの店員に聞いてみましょう。子犬の来歴を知らなかったり適当に返答をごまかしたりするような店舗は、一体どこから子犬を仕入れているのでしょうか。ペットショップで犬を買う前に
  • 生命保障制度の内容に問題はないか? 病気や死亡に対する保障制度が整っていないのは、犬の健康に自信がない証拠です。犬を入手する際ははっきりと確認してからにしましょう。
  • 注意事項を書面でくれるか 改正動物愛護管理法(2006年6月~)の施行により、販売に際しては飼育方法や病気の有無を記載した書面を交付することが義務付けられました。うやむやにしようとする店はすぐに出ましょう。 動物愛護法を知ろう
 なお、Jogoeが1994年に行った調査によると、子犬の入手先と特定の問題行動との間には、明らかな相関関係があるという結果が出ています。具体的には、飼い主を競争相手とみなしてうなったり噛みついたりする支配性攻撃行動、および見知らぬ子供、大人、犬、動物に対して恐怖心を示す社会性の恐怖心に関し、ペットショップを経由した犬において高い数値が出ています(出典:「ドメスティックドッグ」, インターズー)。
子犬の入手先と社会性の恐怖心
子犬の入手先と支配性攻撃行動
 この結果の原因としては、以下のようなものが考えられます。
ショップ犬の問題行動要因
  • 性格を無視してパピーミルで大量生産されたため
  • 社会化期のすごし方が不適切なため
  • 世代間トラウマの影響
 最後に挙げた「世代間トラウマ」とは、「特定の事物に恐怖を抱く親の性質が、なぜか子供に遺伝する」という奇妙な現象のことです。2013年に行われた実験では、ペパーミントの匂いに対して恐怖を抱くよう調整されたメスのマウスと、何の恐怖症も持っていないオスのマウスとを掛け合わせたところ、生まれてきた子マウスは、なぜか生まれつきペパーミントの匂いに対して恐怖を示すようになったといいます。またこの傾向は、母親がそばにいようがいまいが変わらなかったとも(→出典)。こうした事実から研究者は、特定の事物に対する母親の恐怖が、未知のメカニズムを通じて子に受け継がれる「世代間トラウマ」(intergenerational trauma)と呼ばれる奇妙な現象の存在を浮き彫りにしました。
 もし母犬の出産環境が、パピーミルに近いような状態だったら、そこで受けたトラウマが生まれてくる子犬に影響するという可能性を否定できません。そして生まれてきた子犬の多くは、性格を形成する上で重要な社会化期(生後3~13週齢)の真っ只中に、オークション会場やショップのショーケースといった理想的とはいえない環境に置かれます。このように考えると、劣悪なブリーダー→オークション会場→ペットショップというルートを通過した子犬が、心のどこかにトラウマを形成し、その結果「支配性攻撃行動」や「社会性の恐怖心」といった性格のゆがみとして現れてしまうのは、無理もないことです。なお2016年に行われた最新の調査でも、「ペットショップから入手した小型犬」は問題行動の危険因子になり得ることが明らかになっています。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
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ブリーダーから購入する

 犬を繁殖し、生まれた子犬を商品として販売する人を一般的にブリーダーといいます。ペットショップ経由ではなくダイレクトにブリーダーから子犬を購入するという方法です。 犬・猫の生産
メリット
 特定犬種に関する知識が豊富で飼育法など細かく相談できる(住所・氏名などのブリーダー情報は、犬の専門誌や、ブリーダーを登録したポータルサイトなどをご参照下さい)。
デメリット
 金儲けのために表層的な知識でブリーダーを名乗っているにわかブリーダーもいる。常に子犬がいるわけではないので予約をしてから家に来るまで時間のかかることもある。
 業界内ではしっかりとした知識で健康な子犬を産ませるブリーダーと、劣悪な環境でただただ数多くの子犬を産ませて金儲けをしている繁殖屋(はんしょくや)とを区別しています。後者はパピーミルとも呼ばれ、極端な例では、見るに忍びないような汚らしい環境に繁殖犬をすし詰め状態にし、散歩をさせることもなくひたすら妊娠と出産を繰り返させます。
 ブリーダーにしても繁殖屋にしても犬種標準(スタンダード)と呼ばれる犬の容姿に関する規定をクリアし、血統書をつけることに専心しているという点においては共通です。こうした血統書信仰を作り出しているのは、実は消費者自身であるという側面もありますので、以下のページもぜひご一読ください。 血統書について 犬種標準について  以下は、よいブリーダーを見分ける際の一般的なチェックポイントです。
よいブリーダーの見分け方
  • 特定犬種を長く繁殖しているか? 流行犬種ばかりをとっかえひっかえ繁殖しているブリーダーは危険。その犬が好きで仕事をしているというより、金儲けが優先されていることが多いです。
  • 余りに多くの犬種を繁殖していないか? 何種類もの犬種を良い状態で繁殖させるのは実際困難です。多くの犬種を繁殖させる代わりに、一つ一つの繁殖の質が落とされている危険性もあります。
  • 施設は清潔か? 当たり前のことを当たり前のように実行していることがよいブリーダーの必須条件です。施設が不衛生だったり「見学お断り」などと言うブリーダーはその時点で論外でしょう。
  • 繁殖に用いた母犬や老犬の面倒を見ているか? 繁殖を終えて引退した母犬や老犬の面倒をしっかりと見ているブリーダーは良心的といえるでしょう。
  • 事前の説明はしっかりしているか? 金儲け主義のペットショップのように犬の良い点だけを説明して押し売ろうとするのではなく、メリットとデメリットの両面をきちんと説明してくれるブリーダーを選ぶべきでしょう。「売れたら後は知らん」という態度は、飼い主の幸せも犬の幸せも考えているとは思えません。
  • 子犬の社会化期は終えているか? 犬の性格形成にとって最も重要な生後3~13週をたくさんの犬や動物、人間の元で送ると人なつこく元気の良い犬に育つことが多くなります。良心的なブリーダーならこの時期を終えてから売りに出すか、もし時期を終えていなくても、飼い主にその時期をどう送るかについて詳しく説明をしてくれるはずです。 子犬の社会化期
  • 遺伝病に関する知識は豊富か? 繁殖に密接に関わる問題として遺伝病があります。親犬に遺伝病があると子犬にも多かれ少なかれ遺伝する危険性があります。病気の少ない元気な子犬を繁殖させようとしているブリーダーなら、当然犬の遺伝病に関する知識も豊富にあるはずです。 犬種標準について
BioPlus
 近年は、ブリーダーと家庭とを仲介する新たなビジネスモデルも誕生しています。具体的には株式会社AHBが運営するBioPlusなどです。
 この会社では、契約したブリーダーの元で生まれた子犬に対し、全国5カ所のウェルネスセンターでの専属獣医師による健康診断、ワクチン接種の徹底、マイクロチップ装填などを標準化することで、トレーサビリティ(子犬の来歴を正確にたどれること)が明確なコンパニオンアニマルだけの提供を目指しています。
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通信販売で購入する

 近年では家具や家電同様、ペットもインターネットを通じて販売されています。このネット通販を介して犬を購入するという方法です。 犬・猫の小売
メリット
 移動することなく犬を選んで入手できるので楽。
デメリット
 全ての販売者が良心的とは限りません。注文した犬と違う犬が届けられたり、病気の犬が届いたりすることもある。
 家にいながらにして犬を比較検討して入手できるということは、店に足を運ぶという時間と労力を省略してくれるという点において 大きなメリットです。しかしパソコンの画面から知ることのできる情報は限られています。 子犬の動きや鳴き声、親犬の性格や健康状態など、その子の成長を予想する上で重要な情報まではわかりませんので、 理想通りの犬が届くかどうかは一種の賭けになるでしょう。
 また、ペット通販にかかわるトラブルも発生しているようです。以下では2012年4月17日・読売新聞に掲載された記事を引用します。なお、2013年9月1日から施行された改正動物愛護管理法により、ペット販売時の対面説明が義務化されました。これにより、たとえネット販売であっても顧客に対面して飼育方法などを説明することが業者に義務づけられるため、「写真と実物が違う」などインターネット売買に伴う苦情が減ることが期待されます。
ペット通販に関するトラブル
 ペットを一度に多種類から選べ、価格も店頭販売より1~2割程度安く購入できる場合が多いペット通販ですが、犬や猫のインターネット販売を巡るトラブルが相次いでいるようです。
 ペット通販に関する苦情は、国民生活センターが統計を取り始めた2006年度以降、2011年度までに約960件を数えるとのこと。「購入後すぐ死んだ」、「代金を払ったのに届かない」、「病院で検査を受けたら病気が見つかった」などの苦情が多く、国は年内にも動物愛護法を改正し、対面販売の義務化を盛り込む方向で検討しています。
 国民生活センターによると、ネット業者は連絡がとりにくい分トラブル解決が難しいとされ、また環境省の調査でも、ペットのネット販売などでは2割以上でトラブルが発生、さらに購入されたペットの1割強は、健康状態が悪かったとのこと。
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知人から譲り受ける

 知人の飼っている犬が子犬を産んだときなど、無料で譲り受けるという入手経路です。
メリット
 無料である。母犬や兄弟犬を一緒に見ることができ、子犬の育ち方を予想しやすい。人間や兄弟犬と一緒に暮らしているので、社会化期をうまく送った子犬が多い。
デメリット
 あくまでも繁殖に関しては素人なので、そうとは知らずに遺伝病をもった子犬を繁殖させている危険性がある。
 生まれてからずっと人間や母犬、兄弟犬に囲まれているので、比較的良好な環境の下で社会化期を送ることができるでしょう。その分将来は人好きで人見知りをしない元気な犬に育つ可能性が高まります。
 しかしその知人が、子犬の引き取り手がいないにもかかわらず、面白半分や暇つぶし感覚で犬を繁殖し、藪から棒に「子犬が産まれちゃったからもらってよ!」と言ってきた場合は要注意です。まず、そうした人は同じ行為(安易な繁殖)を繰り返しやすいということ、そして犬種にもよりますが、ペットショップで買ったいわゆる純血種の犬同志を交配した場合は、雑種犬に比べて遺伝病の発生確率がやや高いこと、さらに、犬を飼育するもろもろの環境が整っていないにもかかわらず、知人からの頼みということで、見切り発車で子犬を譲り受けてしまうことがあること、などが問題点として挙げられます。
 犬をもらうときはタダだからといって喜ぶだけではなく、犬を飼う環境や条件が整っているかどうかを事前に精査することが重要となります。 犬を飼う前に必要な条件
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