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犬における去勢と避妊手術のタイミング~犬種別の病気統計から導き出したベストな年齢

 犬に対する不妊手術(オス犬の去勢・メス犬の避妊)はいつ行うのがベストなのでしょうか?犬種別の疾患データを元にした適正年齢を一覧リストでご紹介します。

調査概要

 アメリカにあるカリフォルニア大学デーヴィス校の調査チームは、年間5万ケースの診察を行う複数の獣医療教育病院に集積された患犬たちの電子医療データを後ろ向きに参照し、犬に対して不妊手術を施すタイミングと各種疾患との間の関係性を統計学的に検証しました。医療機関にはかかりつけの病院として利用する一次診療施設から専門性の高い三次医療施設までが含まれており、解析対象となった疾患の具体的な内容は以下です。
 アメリカ国内で人気の高い35犬種に絞り込んで疾患リスクを検証したところ、以下のような結果になったと言います。
Assisting Decision-Making on Age of Neutering for 35 Breeds of Dogs: Associated Joint Disorders, Cancers, and Urinary Incontinence
Frontiers (2020), Benjamin L. Hart1, Lynette A. Hart, Abigail P. Thigpen, Neil H. Willits, DOI:10.3389/fvets.2020.00388

不妊手術のタイミングと疾患リスク

 以下はアメリカ国内で人気の高い35犬種における疾患リスクと不妊手術(オス犬の去勢+メス犬の避妊)との関係性を統計的に解析した結果です。「筋」は筋骨格系疾患、「ガン」は各種の悪性腫瘍、「尿」は尿失禁(尿もれ)という意味です。太字になっている場合は統計的に有意(≒偶然で説明するのが難しい現象)、細字になっている場合は増加傾向(≒いくらか偶然の余地がある現象)を意味しています。
 日本国内にも同一犬種がいますが、繁殖に際して同じ血統が用いられているとは限りませんので、遺伝子が強く関わっている疾患に関してはデータをそのまま転用することはできません。またアメリカにおいては中~大型犬が主流ですので、日本国内において人気のある小型犬種のデータが欠落していることもあります
犬種別・不妊手術と疾患リスク

アイリッシュウルフハウンド

 アイリッシュウルフハウンドのオス犬49頭(未去勢30頭+去勢済み19頭)とメス犬37頭(未避妊21頭+避妊済み16頭)を解析したところ、1~2歳未満で去勢手術を受けたオス犬におけるガンの発症率が25%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは7.7%で、統計的に格差がある(p<0.05)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満ガン-
1~2歳未満--
2~8歳--

イングリッシュスプリンガースパニエル

 イングリッシュスプリンガースパニエルのオス犬109頭(未去勢52頭+去勢済み57頭)とメス犬103頭(未避妊37頭+避妊済み66頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における尿失禁の発症率が13%と、未手術のメス犬より高くなる傾向が確認されました。統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満-尿
1~2歳未満--
2~8歳--

ウェストハイランドホワイトテリア

 ウェストハイランドホワイトテリアのオス犬68頭(未去勢35頭+去勢済み33頭)とメス犬74頭(未避妊28頭+避妊済み46頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ウェルシュコーギー

 ウェルシュコーギーペンブロークおよびウェルシュコーギーカーディガンのオス犬120頭(未去勢42頭+去勢済み78頭)とメス犬120頭(未避妊50頭+避妊済み70頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患(椎間板疾患)の発症率が9.1%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは4.9%でした。統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

オーストラリアンキャトルドッグ

 オーストラリアンキャトルドッグのオス犬119頭(未去勢61頭+去勢済み58頭)とメス犬118頭(未避妊48頭+避妊済み70頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率が15.4%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは2.1%で、統計的に格差がある(p<0.05)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

オーストラリアンシェパード

 オーストラリアンシェパードのオス犬228頭(未去勢93頭+去勢済み135頭)とメス犬212頭(未避妊76頭+避妊済み136頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率が7.4%、および2~8歳で受けたメス犬の発症率が7.9%でした。未手術のメス犬との間に統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満-ガン
1~2歳未満--
2~8歳-ガン

キャバリアキングチャールズスパニエル

 キャバリアキングチャールズスパニエルのオス犬123頭(未去勢51頭+去勢済み72頭)とメス犬163頭(未避妊87頭+避妊済み76頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

グレートデン

 グレートデンのオス犬193頭(未去勢90頭+去勢済み103頭)とメス犬160頭(未避妊69頭+避妊済み91頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。しかし大型犬種に属しており、筋骨格系への脆弱性を潜在的に抱えているため、手術を行うなら1歳以降に行ったほうが良いだろうと言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

コッカースパニエル

 コッカースパニエルのオス犬193頭(未去勢71頭+去勢済み112頭)とメス犬188頭(未避妊61頭+避妊済み127頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率が10.5%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは1.4%で、6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
 また1~2歳未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率が16.7%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは0%で、統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-
6~12ヶ月齢未満-
1~2歳未満-ガン
2~8歳--

コリー

 コリー のオス犬55頭(未去勢29頭+去勢済み26頭)とメス犬61頭(未避妊24頭+避妊済み37頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率が40%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは0%でした。また6~12ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における尿失禁の発症率が13%でした。どちらの数字も統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-ガン
6~12ヶ月齢未満-尿
1~2歳未満--
2~8歳--

ゴールデンレトリバー

 ゴールデンレトリバーのオス犬683頭(未去勢318頭+去勢済み365頭)とメス犬564頭(未避妊190頭+避妊済み374頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満と6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率がそれぞれ25%と10.9%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは4.6%で、合算した場合に統計的に格差があると判断されました。またガンについてもそれぞれ19.4%と15.5%で、両年齢層を合算した場合のリスクが統計的に有意と判断されました。
 一方、6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率が17.7%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは4.2%で、6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差があると判断されました。また6~12ヶ月齢未満と1~2歳未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率がそれぞれ17.2%と14.3%でこちらも統計的に格差があると判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満ガン
6~12ヶ月齢未満ガンガン
1~2歳未満-ガン
2~8歳--

ジャーマンシェパード

 ジャーマンシェパードのオス犬786頭(未去勢514頭+去勢済み272頭)とメス犬471頭(未避妊173頭+避妊済み298頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満、6~12ヶ月齢未満、1~2歳未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率がそれぞれ19.2%、18.2%、8.9%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは6.3%で、統計的に格差があると判断されました。
 また6ヶ月齢未満、6~12ヶ月齢未満、1~2歳未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率がそれぞれ19.6%、15.3%、5.3%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは4.8%で、こちらも統計的に格差があると判断されました。
 さらに2歳齢未満で避妊手術を受けた場合、尿失禁の発症率が9%にまで高まることが確認されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満尿
6~12ヶ月齢未満尿
1~2歳未満尿
2~8歳--

ジャックラッセルテリア

 ジャックラッセルテリアのオス犬179頭(未去勢92頭+去勢済み87頭)とメス犬197頭(未避妊84頭+避妊済み113頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

シーズー

 シーズーのオス犬216(未去勢104頭+去勢済み112頭)とメス犬216頭(未避妊77頭+避妊済み139頭)を解析したところ、1~2歳未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率が17.7%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは0%で、統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満-ガン
2~8歳--

シェットランドシープドッグ

 シェットランドシープドッグ(シェルティ)のオス犬61頭(未去勢31頭+去勢済み30頭)とメス犬72頭(未避妊20頭+避妊済み52頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満と1~2歳未満で避妊手術を受けたメス犬における尿失禁の発症率がそれぞれ6%と33%でした。統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満-尿
1~2歳未満-尿
2~8歳--

スタンダードプードル

 スタンダードプードルのオス犬135頭(未去勢47頭+去勢済み88頭)とメス犬140頭(未避妊53頭+避妊済み87頭)を解析したところ、1~2歳未満で去勢手術を受けたオス犬におけるガン(特に悪性リンパ腫)の発症率が26.7%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは4.3%で、統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満ガン-
2~8歳--

セントバーナード

 セントバーナードのオス犬53頭(未去勢26頭+去勢済み27頭)とメス犬41頭(未避妊18頭+避妊済み23頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率が100%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは5.6%で、6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。大型犬種で筋骨格系疾患に対する脆弱性を潜在的に抱えているため、オスもメスも1歳を過ぎてからが良いだろうと言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-
6~12ヶ月齢未満-
1~2歳未満--
2~8歳--

トイプードル

 トイプードルのオス犬102頭(未去勢49頭+去勢済み53頭)とメス犬136頭(未避妊58頭+避妊済み78頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ダックスフント

 ダックスフント(全サイズ混合)のオス犬347頭(未去勢177頭+去勢済み170頭)とメス犬311頭(未避妊99頭+避妊済み212頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。その一方、未去勢オスの椎間板疾患有病率が38%、未避妊メスのそれが53%ときわめて高く、犬種特有疾患である事実が改めて浮き彫りとなりました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

チワワ

 チワワのオス犬450頭(未去勢261頭+去勢済み189頭)とメス犬587頭(未避妊298頭+避妊済み289頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ドーベルマン

 ドーベルマンのオス犬200頭(未去勢109頭+去勢済み91頭)とメス犬161頭(未避妊53頭+避妊済み108頭)を解析したところ、1~2歳と2~8歳で去勢手術を受けたオス犬におけるガンの発症率がそれぞれ5.6%と13.2%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは1.9%でした。統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
 一方、メス犬においては2歳未満で避妊手術を受けた場合の尿失禁がそれぞれ19%(p<0.01)~25%(p<0.05)に高まることが明らかになりました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-尿
6~12ヶ月齢未満-尿
1~2歳未満ガン尿
2~8歳ガン-

バーニーズマウンテンドッグ

 バーニーズマウンテンドッグのオス犬133頭(未去勢59頭+去勢済み74頭)とメス犬102頭(未避妊37頭+避妊済み65頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満、6~12ヶ月齢未満、1~2歳未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率がそれぞれ23.1%、24%、23.1%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは4.4%で、統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
 また6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率が37.5%で、未手術との間に統計的に格差があるとは判断されなかったものの、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満
6~12ヶ月齢未満-
1~2歳未満-
2~8歳--

パグ

 パグのオス犬202頭(未去勢96頭+去勢済み106頭)とメス犬180頭(未避妊63頭+避妊済み117頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ビーグル

 ビーグルのオス犬124頭(未去勢42頭+去勢済み82頭)とメス犬132頭(未避妊45頭+避妊済み87頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率が15%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは2.4%でした。統計的に格差があるとは判断されませんでしたが、オス犬に関しては手術時期をやや遅らせたほうが良いのではないかと言及されています
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満-
1~2歳未満--
2~8歳--

ブルドッグ

 ブルドッグ のオス犬354頭(未去勢198頭+去勢済み156頭)とメス犬204頭(未避妊90頭+避妊済み114頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ボーダーコリー

 ボーダーコリーのオス犬190頭(未去勢105頭+去勢済み85頭)とメス犬209頭(未避妊88頭+避妊済み121頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬におけるガンの発症率が12.5%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは1.9%で、6ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.05)と判断されました。
 また6~12ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬におけるガンの発症率が10.8%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは0%で、こちらも6ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満ガンガン
6~12ヶ月齢未満ガンガン
1~2歳未満--
2~8歳--

ボストンテリア

 ボストンテリアのオス犬142頭(未去勢75頭+去勢済み67頭)とメス犬150頭(未避妊54頭+避妊済み96頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬におけるガンの発症率が12%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは5.5%で、6ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満ガン-
6~12ヶ月齢未満ガン-
1~2歳未満--
2~8歳--

ボクサー

 ボクサーのオス犬423頭(未去勢220頭+去勢済み203頭)とメス犬338頭(未避妊128頭+避妊済み210頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満、6~12ヶ月齢未満、1~2歳未満で去勢手術を受けたオス犬におけるガンの発症率がそれぞれ21.4%、17.3%(※ログ・ランク検定)、1~2歳未満で手術を受けたオス犬のそれが31.6%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは17.4%で、統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
 また未手術のメス犬におけるガンの発症率が10.9%だったのに対し、6ヶ月齢未満で手術を受けたメス犬のそれが16.3%、6~12ヶ月齢未満が14.1%、1~2歳が20%でした。この格差は統計的に有意とは判断されませんでしたが、もっと規模を大きくして再調査した場合、有意になる可能性があると言及されています。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満ガンガン
6~12ヶ月齢未満ガンガン
1~2歳未満ガンガン
2~8歳--

ポメラニアン

 ポメラニアンのオス犬153頭(未去勢84頭+去勢済み69頭)とメス犬169頭(未避妊65頭+避妊済み104頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

マルチーズ

 マルチーズのオス犬121頭(未去勢49頭+去勢済み72頭)とメス犬151頭(未避妊65頭+避妊済み86頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ミニチュアシュナウザー

 ミニチュアシュナウザーのオス犬110頭(未去勢47頭+去勢済み63頭)とメス犬120頭(未避妊25頭+避妊済み95頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ミニチュアプードル

 ミニチュアプードルのオス犬101頭(未去勢41頭+去勢済み60頭)とメス犬99頭(未避妊30頭+避妊済み69頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率が8.7%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは0%で、6ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.01)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満-
6~12ヶ月齢未満-
1~2歳未満--
2~8歳--

ヨークシャーテリア

 ヨークシャーテリアのオス犬312頭(未去勢134頭+去勢済み178頭)とメス犬373頭(未避妊144頭+避妊済み229頭)を解析したところ、手術の有無によって筋骨格系疾患や悪性腫瘍の発症リスクが変わらないと判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満--
6~12ヶ月齢未満--
1~2歳未満--
2~8歳--

ラブラドールレトリバー

 ラブラドールレトリバーのオス犬1095頭(未去勢714頭+去勢済み381頭)とメス犬838頭(未避妊400頭+避妊済み438頭)を解析したところ、6ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率が12.5%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは5.9%で、6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差があると判断されました。
 また6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患の発症率が11.3%(※ウィルコクソン検定)だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは5.8%で、こちらも6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差があると判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満
6~12ヶ月齢未満
1~2歳未満--
2~8歳--

ロットワイラー

 ロットワイラーのオス犬467頭(未去勢315頭+去勢済み152頭)とメス犬382頭(未避妊143頭+避妊済み239頭)を解析したところ、6~12ヶ月齢未満で去勢手術を受けたオス犬における筋骨格系疾患の発症率が21.7%だったのに対し、未手術のオス犬におけるそれは7.7%で、6ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.05)と判断されました。
 また6ヶ月齢未満で避妊手術を受けたメス犬における筋骨格系疾患(※特に前十字靭帯損傷)の発症率が42.9%だったのに対し、未手術のメス犬におけるそれは16.3%で、6~12ヶ月齢未満と合算した場合に統計的に格差がある(p<0.05)と判断されました。
手術の時期オス犬メス犬
6ヶ月齢未満
6~12ヶ月齢未満
1~2歳未満--
2~8歳--