犬が捻挫したときの病態


犬が捻挫したときの原因と症状
犬が捻挫をする原因としては、高い場所からの落下、足場が悪いところでの全力疾走、おもちゃキャッチの失敗、障害物へのつまづき、急な方向転換、交通事故など様々なものが考えられます。またそり犬、レース犬、アジリティ犬、猟犬など、激しい運動を要求される犬において発症確率が高くなります。以下は犬の骨格における関節の位置、および犬が捻挫したときに示す主な症状です。
犬の捻挫したときの主症状

- 患部が赤くなる(通常は被毛で見えない)
- 患部が腫れる
- 患部が熱くなる
- 患部が痛む(触られるのを嫌がる)
- 足を引きずっている
- 動き方が不自然(左右非対称)
犬が捻挫したときの応急処置・治療法
犬が捻挫したときの治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬が捻挫したときの主な治療法
- RICE 捻挫した部位に発生した炎症を抑える処置を施しますが、一般的に炎症に対する応急処置はRICEという言葉で要約されます。RはRestで安静(患部を動かさない)、IはIcingで冷却(氷水などで血液の急激な流入を緩和する)、CはCompressionで圧迫(患部を圧迫して血液量を減らす)、EはElevationで挙上(心臓より高いところに持ち上げて血液量を減らす)です。
- 獣医さんへ
通常、無理な運動をしなければ3日程度で回復の兆しを見せるはずですが、なかなか痛みが引かなかったり足を引きずっているようなら、獣医さんの元へ連れて行きましょう。
特に犬の場合、加齢や肥満などが原因で膝の中をクロスするように補強している十字靭帯のうち前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)が断裂してしまうケースが多く見受けられます。また捻挫よりひどい脱臼や骨折の可能性もありますので、適宜レントゲン等を撮ってもらいます。