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犬が出血したらどうする?~原因・症状から応急処置法まで

 犬が出血した場合について病態、症状、原因、応急処置法別に解説します。不慮の怪我や事故に遭遇する前に予習しておき、いざとなったときスムーズに動けるようにしておきましょう。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

犬が出血したときの原因と症状

 犬の体は被毛に覆われており、ある程度外傷には強い構造を持っていますが、短毛の犬などは地肌が近いためどうしても傷を受けやすくなってしまいます。また強い衝撃が加わったり、鋭利なものにぶつかったりすると、いくら被毛があってもやはり皮膚に傷がついてしまいます。
 犬が出血をきたすような傷を負う状況としては、他の犬や猫とのケンカ、ガラスを踏んだ、安全ピンを踏んだ、転倒、落下、爪が折れた、床ずれ(同一姿勢で長時間いたため、皮膚が壊死を起こした状態)などが挙げられます。
 犬が出血したときの主な症状は以下です。
犬の出血したの主症状
  • 出血が確認できる
  • 患部を気にするしぐさ
  • 患部を触ろうとすると痛がる

犬が出血したときの応急処置・治療法

 犬が出血したときの治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬が出血したときの主な治療法
  • 出血箇所を見つける  毛で覆(おお)われて分かりにくいことがありますので毛をかき分けながらよく探し、場合によっては周辺の被毛をカットして傷を見つけます。この段階でかすり傷程度なのか、動脈に傷が付きどくどくと鮮紅色の動脈血が流れているのか、静脈に傷が付き暗紅色の静脈血がだらだらと流れているのかをある程度判断します。
  • 止血する  出血が軽度の場合はガーゼを当てて止血します。血が止まったら傷口が開かないように包帯を巻きましょう(特に足の場合)。 包帯は犬が自分で取ってしまわないようにややきつめに巻きます。場合によってはエリザベスカラーなどを用いて、犬の口が患部に届かないよう、物理的に遮断してしまいます。
     鮮紅色の動脈血がどくどくと拍動に合わせて流れているときは、傷口よりも心臓に近い部分に固く包帯を巻いて止血します。また暗紅色の静脈血がだらだらと流れているような場合は、傷口そのものを包帯できつく巻いて止血します。
  • 獣医さんへ  動脈や静脈が傷ついて出血がひどく、犬がぐったりしているような場合は早急に獣医さんに相談しましょう。軽症の場合は消毒と抗生物質の投与、重症の場合は麻酔下での縫合、場合によっては皮膚の移植が施されることもあります。