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犬の歯のケア

 健康な犬の歯は、歯垢(しこう)、歯石(しせき)、口臭のないものです。この理想状態に保つために飼い主がきちんと歯や口の中のケアをしてあげましょう。

犬の歯のチェック

 まずは犬の口の中をのぞいて見ましょう。健康な犬の口内は臭いもなく、歯も真っ白できらきらしています。もし犬の口の中や歯に以下のような異常が見られる場合は、さまざまな疾患の可能性が考慮されますので、一度獣医さんに診てもらった方がよいでしょう。なお歯茎から毛のようなものが生えている場合、それは毛づくろいをした際に刺さったクズ毛です。歯垢や歯石の形成を助長してしまいますので、見つかった場合は早急に取り除いてください(→詳細)。 犬の口の異常・病気
健康な犬の歯と、異常のある口や歯の比較写真
犬の口・歯の異常と病気の関係
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犬の歯周病リスク

 2014年、小型犬を対象として行われた調査では、歯周病は特に門歯や前臼歯において発症しやすいことが明らかになりました。
 調査の対象となったのは52頭のミニチュアシュナウザー。歯磨き習慣をやめてから6週間ごとに歯肉炎と歯周病に関する口腔内の精査が行われました。その結果、30週以内に98%の確率で大なり小なり歯周病を発症し、さらに60週間が経過した段階では以下のような事実が明らかになったといいます(→出典)。
全体に占める各歯の歯周病率
  • 門歯=54.1%
  • 前臼歯=29.8%
  • 後臼歯=14.1%
  • 犬歯=2.0%
歯周病を発症した歯全体における門歯・前臼歯・後臼歯・犬歯それぞれの割合(%)
各歯における歯周病率
  • 門歯=53.7%
  • 前臼歯=22.3%
  • 後臼歯=16.8%
  • 犬歯=5.8%
門歯・前臼歯・後臼歯・犬歯それぞれにおける歯周病発症率(%)
 このように、特に門歯や前臼歯が歯周病を発症しやすいという傾向が浮き彫りとなりました。さらに門歯では「裏面」、前臼歯では「奥歯に近い側」、後臼歯では「前歯に近い側」、犬歯では「均等」といった具合に、歯周病を発症しやすい面も特定されたとのこと。こうした事実を踏まえて飼い主が念頭に置くべきは、前面裏面含め、全体的に磨くことを基本とし、とりわけ「口先に近い方の歯」を念入りに歯磨きするという点です。
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犬の歯磨きの仕方

 日頃のケアを怠(おこた)ると虫歯歯周病(ししゅうびょう)になりますので、できれば毎日、犬の歯磨きをするのが理想です。 時間の経過と歯面蓄積物の推移  歯の表面に付着するものは「歯面蓄積物」と総称され、「菌膜」(ペリクル)、「歯垢」(プラーク)、「歯石」(ターター)などがあります。菌膜は歯を磨いた直後から歯の表面に形成される薄い膜のことで、数百万個の細菌から構成されています。菌膜が放置された場合、約24時間で形成されるのが歯垢です。これは細菌コロニーに唾液、多糖類、細胞成分などが加わって構成されるネバネバした塊のことを指します。さらにこの歯垢が放置された場合、2~3日で歯石が形成されるようになります。これは歯垢にカルシウムやリン酸塩が結合し、石灰化して硬くなったものです。歯面蓄積物の推移を模式的に示すと上図のようになります。歯垢や歯石を口の中に作らないためには、菌膜が形成されてから24時間以内にこれを除去しなければいけないことがお分かりいただけるでしょう。「歯磨きは毎日」とされているのはこのためです。 犬の歯は飼い主が定期的にチェックし、専用の歯ブラシやガーゼ、歯磨き粉などでケアしてあげましょう。  菌膜が形成された歯の表面を大まかに磨くときは指先にガーゼを巻きつけてケアします。この時片方の手で犬の唇を上にめくるように押さえておくとやりやすいでしょう。最近では指サック型の歯ブラシも販売されていますので、こうしたアイテムを利用するのも手です。
 とりわけ歯周病を発症しやすい門歯や前臼歯を磨くときは、柔らかい犬用歯ブラシ、もしくは子供用歯ブラシを用いて細かく磨きます。犬の歯茎は血が出やすいので必ず柔らかい歯ブラシを使うようにしてください。また人間用歯磨き粉に配合されていて馴染み深い「キシリトール」は、犬や猫などの小動物にとっては有毒です。少量でも低血糖を起こし、意識が混濁(こんだく)したり足元がふらついたりしますので、人間用のキシリトール配合歯磨き粉は絶対に使用しないで下さい。また殺菌効果を期待してティーツリーオイルを飲ませたり歯に塗り付けるといった行為もNGです。
歯の表面にこびりついた歯石は、スケーラーと呼ばれる器具で除去します。  歯の表面にこびりついた歯垢が硬くなり、歯石(しせき)になってしまった場合は「スケーラー」(右写真)と呼ばれる道具でケアします。しかしこの方法で取り除けるのは、歯の表面にある大き目の歯石だけで、歯の根元付近にこびりついている頑固な歯石までは取り除けません。一方、動物病院で行う「スケーリング」(歯石除去)は超音波など専用の機器を用いて行いますので、より完璧に近い口腔ケアが可能となります。なお近年は「無麻酔デンタルケア」という安価なサービスを行っているところもありますが、仕上がりが完璧とは言いがたいというデメリットもあります。詳しくはこちらの記事をご参照ください。
 犬の口内疾患を予防するためには、日頃から「歯に良い」とされているデンタル商品や、歯磨き効果のあるおもちゃを与えておくことも重要です。 歯に良いフードとは? 犬に必要なお手入れグッズ
犬の歯磨き動画
 以下でご紹介するのは犬の歯磨きの仕方を説明するハウツー動画です。犬がなかなか口元を触らせてくれないような場合は、まずボディコントロールのしつけを読み、人の手を嫌がらないようにしておきましょう。その後、フレーバー付きの歯磨き粉を使うなどして、犬にとって歯磨き自体が楽しいイベントになるよう心がけます。 元動画は⇒こちら
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