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拾い食いについて 拾い食いを直す〜基本方針 拾い食いを直す〜実践

拾い食いについて

拾い食い」とは犬が飼い主の許可を得ずに勝手に落ちているものを食べてしまうことです。まずはその拾い食いについて考えて見ましょう。

拾い食いするときの状況と犬の心理
道端に落ちているパンのかけらを拾い食いする
『クンクン・・・ちょっと変なにおいだけど食べちゃおう!』(権勢症候群による拾い食い)
隠しておいた餌を盗み食いする
『あ!いいもの見つけた。取られないうちに食べちゃおう!』(権勢症候群による拾い食い)
自分のうんちを拾い食いする
『飼い主さんに構ってほしいなぁ・・・そうだ!うんちを食べてみよう』(注目を引くための拾い食い)
拾い食いの原因
犬が拾い食いする状況や心理は色々ありますが、拾い食いの原因を一言で言うと
「拾い食いすることと不快が結びついていない」&「拾い食いをやめることと快が結びついていない」という 飼い主の側のしつけ不足が根本的な原因です。
犬が飼い主をリーダーとみなしていれば、決してリーダーの許可を得ずに物を食べると言うことはありません。勝手に拾い食いをするということは、 犬が飼い主をリーダーと認められておらず、自分自身がリーダーであると思い込んでいる心理状態、 つまり「権勢症候群(アルファ・シンドローム)」がその根底にあると考えられます。
してほしい行動と快、してほしくない行動と不快を結び付け、犬と飼い主との序列関係を修復することが、拾い食いをしつけ直す際には必要となります。

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拾い食いを直す〜基本方針

拾い食いをしつけ直すに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動
食べ物が落ちていても拾い食いしない
してほしくない行動
落ちているものを勝手に拾い食いする
してほしい行動と快(賞)、してほしくない行動と不快(罰)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を正の強化(陽性強化)、 後者を負の強化(陰性強化)と呼ぶことは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べました。これを踏まえて拾い食いをしつけ直す場合を考えて見ましょう。
正の強化〜陽性強化
「食べ物が落ちていても拾い食いしなかった」瞬間に快(賞)を与える
負の強化〜陰性強化
「落ちているものを勝手に拾い食いした」瞬間に不快(罰)を与える
拾い食いをしつけ直す際は陽性強化、陰性強化の両方が効果的です。 なぜなら「落ちているものを勝手に拾い食いした⇒大きな物音で不快感を与えた」という形で負の強化をしたとしましょう。 この時犬は「飼い主の許可を得ずに勝手に食べた⇒不快な大きな音がした」という解釈をするでしょう。この解釈は上記した負の強化(陰性強化)の目的に適っていますので、犬の拾い食いをしつけ直す際は陰性強化も採用してよいと思います。
拾い食いをしつけ直す際は、落ちているものを勝手に拾い食いした瞬間に罰を与える「負の強化」をメイントレーニング、拾い食いをやめておとなしくなった瞬間に賞を与える「正の強化」をサブトレーニングとして進めていきます。

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拾い食いを直す〜実践

拾い食いをしつけ直すに当たっての基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。
まずは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べた大原則、つまり「一つの行動と快・不快を同居させないこと」、 「行動の最中に賞罰を与えること」を思い出してください。
・ 快を与えるもの(賞)を用意する=おやつ、なでる
・ 不快を与えるもの(罰)を用意する=下記表参照
快を与えるもの(賞)を用意する
おやつを使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。
なでるときは軽く「よーし」や「いいこ」や「グッド」などのほめ言葉を決めておき、その言葉と同時に軽く一回なでてあげます。あまり激しく撫で回してしまうのは望ましくありません。第一に犬が興奮しすぎて集中力がなくなりますし、第二になでられることに慣れてしまって「なでる」という行為が犬にとって賞(快を与えるもの)でなくなってしまう危険性があるからです。カレーが好きでも1日3食カレーだったらうんざりしますよね?それと同じです。
不快を与えるもの(罰)を用意する
犬に不快を与える際の注意点は、「飼い主が自分に不快感を与えた」と思わせないことです。なぜなら飼い主に対する愛情が薄らいでしまうからです。
犬のこの心理は人間も一緒です。たとえばいつも尻尾を振って主人の帰宅を出迎えてくれる愛想のいい犬Aと、機嫌がいいときは主人を出迎えるけれども、機嫌の悪いときはうなり声を上げる犬Bの二匹を飼っていたとしましょう。 どちらがよりかわいいですか?多くの人は犬Aの方をよりかわいいと感じますよね?
このように自分に快を与える一方で何らかの不快を与える要素を併せ持っていると、その分どうしても愛情が薄らいでしまうのです。ペットと飼い主の固い絆を維持するには、 飼い主は常に快を与える存在であることが重要です。
そこで必要となるのが「天罰」です。これは飼い主が不快を与えたと犬に気づかせることなく、何らかの罰を与えることです。具体的には以下のようなものがあります。
《 犬に対する天罰いろいろ 》
視覚的天罰 いきなり布や上着のようなものを犬の視界にかぶせる
聴覚的天罰 石を入れた空き缶を落とす
嗅覚的天罰 酢を薄めたスプレーを噴霧する
味覚的天罰 噛み付き防止剤=ビターアップル
触覚的天罰 リードで首輪をぎゅっと引く

ステップ1 犬が拾い食いする状況を作る
ステップ2 興奮して飛びついた瞬間に不快を与える
ステップ3 拾い食いすることをやめた瞬間に快を与える
ステップ4 ごほうびの回数を減らす
ステップ1 犬が拾い食いする状況を作る
犬が拾い食いする状況を再現します。床に犬の大好きなおやつなどを転がしておきましょう。
ここからしつけのスタートですが、「食事のしつけ」をまだマスターしていない場合は、まずそちらが先です。
ステップ2 拾い食いしようとした瞬間に不快を与える
犬がおやつを見つけて拾い食いしようとしたら、その瞬間にすかさず用意していた天罰を与えます。犬は「この状況で食べようとしたら嫌なことがあるぞ!」と学習し、拾い食いすることに段々と消極的になってきます。犬の動きを中断させる必要がありますので、リードと首輪を装着し、軽くギュッとひっぱる天罰がやりやすいでしょう。
なかなか拾い食いをやめようとしない場合は、天罰の種類を変えてみます。リードを引っ張ってもあまりこたえていないようなら、頭の上から急に布や上着を被せて驚かせるという視覚的な天罰に切り替えてみましょう。犬によって「不快」と感じるトリガーが微妙に違いますので、そこは試行錯誤です。
ステップ3 拾い食いをやめた瞬間に快を与える
飼い主の許可を得ずに拾い食いすることで天罰が下り、その直後拾い食いするのをやめた瞬間に「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。
「拾い食いする⇒天罰⇒拾い食いするのをやめる⇒ごほうび」という一連の流れで行ってください。天罰が下ったすぐ後でごほうびを与えることで、「何をすれば天罰が下り、何をすればごほうびがもらえるか」の境界線が明確化し、犬の理解を助けます。この場合は「落ちているものを許可なく勝手に食べようとすると嫌な事があるなぁ・・・。でもそのままじっとしていると飼い主さんからごほうびがもらえるぞ!じっとしていた方がいいんだね!」となります。
ステップ4 ごほうびの回数を減らす
犬の拾い食いがなくなってきたら、今度はごほうびを与える回数を減らしていきましょう。常にごほうびを与えていると犬がごほうび自体に飽きてしまったり、肥満の原因になりかねません。毎回ごほうびを与える⇒2回に1回ごほうびを与える⇒3回に1回⇒4回に1回・・・と減らしてゆき、最終的には「いいこ」などのほめ言葉だけにします。

犬の集中力には限界があります。しつけトレーニングは1日10分を目安にしてください。
集中力が切れているのにトレーニングを続行すると、「トレーニング=いやなこと」という陰性強化がなされます。

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