トップ犬のしつけ方屋外で必要となるしつけ犬のリーダーウォークのしつけ

犬のリーダーウォークのしつけ

 リーダーウォークとは犬が飼い主から付かず離れず寄り添って歩くことです。飼い主の持つリードが軽くたるんでいるくらいが理想的といえます。犬の安全を守るためにも飼い主の安全を守るためにも、散歩に連れ出す前に確実にマスターさせておかなければなりません。

リーダーウォークの必要性

 リーダーウォークとは、犬がリードを引っ張らず、自発的に飼い主の足元に寄り添って歩いてくれる状態のことです。英語では「リードが緩んだ状態での散歩」という意味で「loose leash walking」とも呼ばれます。
 犬を散歩させるときは原則として、飼い主が犬にリードをつけ引き運動によって行わなければなりません。これは「動物愛護法」及び環境省告示である「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」よって定められている義務です。さらに各都道府県には屋外に犬を連れ出す時の独自のルールが設けられています。例えば東京都では「東京都動物の愛護及び管理に関する条例」によって「犬を制御できる者が、犬を綱、鎖等で確実に保持して、移動させ、又は運動させる」という義務を都民に課しています。
 このように日本国内に暮らしている限り、犬を散歩させるときは法律や条例に従い、犬にリードを取り付けて引き運動によってリーダーウォークを行う必要があるわけです。 リーダーウォークとはリードが緩んだ状態で犬が自発的に飼い主について歩くこと  こうしたルールを守らなかったりリーダーウォークができていない場合、犬の身に危険が及んだり飼い主が何らかのトラブルに巻き込まれる危険性が高まってしまいます。詳しくは「犬の散歩のマナー」で解説してありますが、一部を抜粋すると以下のようなものがあります。 犬の散歩のマナー
犬の散歩に絡む事件・事故
  • 犬が事故に遭ったり怪我をする犬が車道に飛び出して車にひかれる。歩行者の足元に絡みついて踏まれる。公園に落ちていた毒餌を拾い食いして中毒死してしまうなど。
  • 犬が他の犬に飛びかかる1999年、愛知で66歳の男性が散歩させていた中型犬3頭のうちの1頭が、向こうからやってきたポメラニアンの方へ突然走り出した。前のめりになって転びそうになった男性は弾みでリードを離し、解き放たれた犬はポメラニアンに噛みついた。ポメラニアンはその後かみ傷が原因で死亡し、中型犬の飼い主に賠償金の支払いが命じられた。
  • 犬が通行人に飛びかかる2016年、大阪市内の路上で突然飛び出してきたトイプードルに驚いた通行人が自転車ごと転倒。骨折などの重症を負い、最終的にノーリードを許した犬の飼い主が通行人側に300万円を支払うことで和解した。2018年、大阪府高槻市でジョギング中の男性が突然飛び出してきたミニチュアダックスフントに驚いて転倒。10ヶ月の通院に加え手首への後遺症が残った。民事訴訟にまで発展し最終的には犬の飼い主に対し1,280万円の支払いが命じられた。
  • 犬が飼い主を引き倒す1997年、静岡市の市道で犬を連れて歩道を散歩していた女性が、他の犬の鳴き声に興奮した犬に引きずられて車道に飛び出し、走ってきた乗用車にはねられ頭を強く打って即死した。1998年、奈良近鉄大阪線の踏切で犬を散歩させていた男性が6両編成の特急にはねられて即死した。踏切内に迷い込んだ犬を助けようと遮断機を持ち上げて線路内に入ったものとみられている。男性が胸に抱いていた犬も死亡した。
 上記したように、犬の動きをしっかり管理していないと犬、飼い主、通行人に大きな被害が及んでしまうのです。犬にリードを取り付けないいわゆるノーリードは論外ですが、リードを付けていてもしっかりの動きを制御できていないと、やはりトラブルの原因になってしまいます。こうしたトラブルを未然に防ぐのが「リーダーウォークのしつけ」です。では具体的にやり方を見ていきましょう。
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リーダーウォークに必要なグッズ

 犬にリーダーウォークをしつける際は最低限、首輪もしくはハーネス(胴輪)、そして飼い主が握るリード(引き綱)が必要となります。それぞれの細かい種類や特徴に関しては、「犬の散歩グッズ」にまとめてありますのでご参照ください。 犬の散歩グッズ

首輪の弊害

 犬に装着する散歩グッズは基本的にハーネスを優先的に用いるようにします。犬に対しては当たり前のように首輪が用いられますが、小型犬には向いていません。大型犬に比べて体高が低い小型犬はリード引っ張るとベクトルが垂直方向にかかり、以下のような感じで首が強く締まってしまいます。 体高が低い小型犬がリードを引っ張ると、首に対して強い圧力が加わる  さらに小型犬に限らず、犬の首輪が原因と考えられている様々な弊害もちらほらと報告されています。詳しくは「首輪とハーネスの比較」でも解説してありますが一部を抜粋すると以下のようなものがあります。 首輪とハーネスの比較
首輪による犬への弊害

犬の散歩に適した装具

 首輪が様々な弊害をもたらす危険性があることから、犬に装着する散歩グッズとしては首への負担が小さいハーネスが優先的に用いられます。具体的には「バッククリップハーネス」「フロントクリップハーネス」「コントロールハーネス」「ヘッドカラー」です。これらのアイテムは仮に犬が強く引っ張ったとしても、構造的に弱い首にかかるストレスが小さく抑えられます。

バッククリップハーネス

 バッククリップハーネスとは、リードの結合金具が背中についたタイプのハーネスです。小型犬用のハーネスはほとんどがこのデザインです。

フロントクリップハーネス

 フロントクリップハーネスとは、リードの結合金具が胸元についたタイプのハーネスです。バッククリップハーネスよりも動きの抑制力が強まります。 リードの取付金具が背中についた「フロントクリップハーネス」

コントロールハーネス

 コントロールハーネス(ノープルハーネス)とは犬が急に動き出したり強い力でリードを引っ張ると、体の一部に圧力がかかって身動きを取りづらくなる機能を持ったハーネスのことです。ほとんどは前足を振り出すときの筋肉が付着する肩甲骨を抑え込むデザインになっています。

ヘッドカラー

 ヘッドカラー(ヘッドホルター)とは犬の口元にリードの一部を巻きつけるタイプの首輪のことです。馬に用いる「はみ」(馬銜)をイメージすればわかりやすいでしょう。犬がリードを引っ張ると口元のリードが引っかかって横向きになりますので、それ以上進めなくなり自発的に突進を止めます。力の強い中~大型犬でも弱い力で制御できるのが特徴です。

犬の大きさに適した装具

 犬にはたくさんの種類がおり、体の大きさもバラバラです。犬の体の大きさに最も適した装具は何なのでしょうか?詳しくは「散歩グッズの選び方」で解説してありますが、ほんの一部を抜粋すると以下のようになります。ポイントは構造的に弱い犬の首をいかに守るかという点です。 散歩グッズの選び方

超小型犬

 超小型犬は成犬の体重が3kg未満の犬のことです。具体的にはこうした犬種などが含まれます。 成犬の体重が3kgに満たない超小型犬~チワワやヨーキーなど
  • 室内でのしつけ時バッククリップハーネス | ノーマルカラー
    超小型犬は首が弱く、すぐに気管虚脱を起こしてしまいますので基本的には小型犬用のハーネスを用います。犬がまだ子犬であまりにも体が小さい場合、そもそもサイズの合うハーネスが売っていないこともありますので、ひとまずノーマルカラーで代用し、体が大きくなり次第ハーネスに切り替えます。
  • 路上での散歩時バッククリップハーネス
    しつけが終了して強く引っ張ることが無くなったらバッククリップハーネスに統一します。一部には「小型犬は骨格がきゃしゃだからハーネスよりも首輪の方が良い」と言う人もいますが、構造的に首より弱い部分はなく、体との接触面積が首輪よりも狭いハーネスはありません。

小型犬

 小型犬は成犬の体重が3~10kg未満の犬のことです。具体的にはこうした犬種などが含まれます。 成犬の体重が3~10kgの小型犬~ミニチュアダックスフントやパグなど
  • 室内でのしつけ時バッククリップハーネス
    犬が強く引っ張っても首元に負担がかからないよう、基本的には小型犬用のバッククリップハーネスを用います。子犬で体が小さい場合はパピー用(超小型犬用)のハーネスを用いるとぴったり合うことがあります。
  • 路上での散歩時バッククリップハーネス
    しつけが終了し、強く引っ張ることが無くなったらバッククリップハーネスに統一します。

中型犬

 中型犬は成犬の体重が10~25kg未満の犬のことです。具体的にはこうした犬種こうした犬種などが含まれます。 成犬の体重が10~25kgの中型犬~ボーダーコリーやウェルシュコーギーなど
  • 室内でのしつけ時フロントクリップハーネス | ヘッドカラー
    中型犬くらいになると引っ張る力が強いため、バッククリップハーネスだと飼い主が体ごと持っていかれる可能性があります。抑制力が強いフロントクリップハーネスを用いたほうがよいでしょう。ブルドッグのようにマズルが極端に短くなければヘッドカラーでも構いません。
  • 路上での散歩時バッククリップハーネス | フロントクリップハーネス
    しつけが終了し、強く引っ張ることが無くなったらバッククリップハーネスに統一します。真新しいものを見たら興奮して突進してしまう癖がある犬の場合は、急にリードを強く引っ張ることを想定しフロントクリップハーネスのほうがよいでしょう。

大型犬

 大型犬は成犬の体重が25kg以上の犬のことです。具体的にはこうした犬種こうした犬種などが含まれます。 成犬の体重が25kg以上の大型犬~秋田犬やラブラドールレトリバー
  • 室内でのしつけ時フロントクリップハーネス | コントロールハーネス | ヘッドカラー
    大型犬はかなり力が強いため、しつけの最中は抑制力が強いフロントクリップハーネスやコントロールハーネスを用いるようにします。大型犬の場合、ボクサーのような短頭種にも装着できるものがありますのでヘッドカラーでも構いません。
  • 路上での散歩時フロントクリップハーネス | コントロールハーネス | ヘッドカラー
    しつけが終了して強く引っ張ることが無くなったとしても、大型犬は力が強いため、リードを強く引っ張ってさまざまなトラブルを招いてしまう危険性が大です。万が一に備え、しつけ時と同じフロントクリップハーネス、コントロールハーネス、ヘッドカラーを装着して犬に対する抑制力を保ったほうが無難でしょう。
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リーダーウォークのしつけ手順

 リーダーウォークのしつけは以下のような流れで進行します。リンクのある項目はページを分けて詳しく解説してありますのでご参照ください。
リーダーウォークの下準備

いつから始める?

 リーダーウォークのしつけはいつから始めればよいのでしょうか?絶対的に守らなければならないルールではありませんが、犬が1歳未満の子犬の場合、社会化期のピークが終わる生後9週齢をスタートラインにし、3回目のワクチン接種が終了する生後16週齢をゴールに設定すればわかりやすいでしょう。詳しくは「子犬の散歩はいつから?」で解説してありますのでご参照下さい。 子犬の散歩はいつから?  生後3週齢から6週齢まではスムーズに歩くための基礎体力作りが優先です。クッションなどで部屋の中に緩やかなスロープを作り、バランス感覚と足腰の筋力を養ってあげましょう。生後6週齢から8週齢までは社会化期のピークで、外界の刺激に慣らすことが最優先です。「犬をいろいろな音に慣らす」などを参考にして外に出るための予行練習をしましょう。犬がすでに成犬になっている場合にはすぐに始めて構いません。 犬をいろいろな音に慣らす

どこで始める?

 リーダーウォークのしつけは実際に外で行う前に、まず室内で行う必要があります。これは外の世界は刺激が強すぎて頭が真っ白になり、犬の突発的な動きが出やすくなってしまうためです。犬の気を引くおもちゃなどを全て片付け、犬が否応なく飼い主の方に注目するようなしつけエリアを作りましょう。

罰とごほうび

 リーダーウォークをしつける際のポイントは「リードがピンと張ったら嫌な感じがする」「リードが緩んで飼い主さんの足元に行ったらいいことがある」という関連性を徹底的に覚え込ませることです。

リーダーウォークの罰

 犬に装着する道具には「フロントフリップハーネス」「コントロールハーネス」「ヘッドカラー」などがありますが、すべてに共通しているのは「歩きにくくて嫌だなぁ…」という嫌な感じを味わわせるという点です。
 暴力的なドッグトレーナーの中には安易に「チョークカラー」や「ショックカラー」を用いる人がいますが、これは国によっては動物虐待とみなされる残酷な行為です。また「ジャーク」(ラピッドチェック)と呼ばれる素早くリードを引っ張る動作は犬の首に強い負担をかけてしまいますのでやってはいけません。特にパグシーズーなどの短頭種に用いると眼球脱出の危険性があるため禁忌です。またしつけと称してこの動作を用いているドッグトレーナーやドッグウォーカー(散歩の代行人)も頼ってはいけません。肉体的な苦痛を伴う強い嫌悪刺激は犬と人間の信頼を損なう危険な行為ですので、安易に用いないよう注意します。詳しくは以下のページをご参照ください。 犬への罰について リードを素早く引く「ジャーク」という動作は犬の首に強い負担をかける  リーダーウォークにおける罰(嫌悪刺激)は「なんだか動きにくいなぁ」という軽い嫌悪感で十分です。人間で言うとタイトスカートをはいたまま走るとか、絶えずずり下がるブカブカのズボンを履いたまま歩く感じに近いでしょう。誰かに強制されなくても、自然とゆっくり歩くようになりますよね。

リーダーウォークのごほうび

 リーダーウォークにおけるごほうび(強化刺激)としては基本的におやつを用います。しかし絶えずおやつを与え続けると犬が肥満に陥ったりおやつがないと歩かなくなる可能性がありますので、褒めてあげることに緩やかにシフトしていきましょう。なおリードをガジガジ噛んでしまう犬がいますが、この行動をごほうびの代わりにしてはいけません。散歩している最中でもリードに噛みつく癖がついてしまいます。
犬に対するごほうびいろいろ
  • おやつおやつをごほうびとして使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。与えるときは犬が満腹にならないよう、なるべく少量だけにします。
  • なでるなでるときは軽く「よーし」や「いいこ」や「グッド」などのほめ言葉を決めておき、その言葉と同時に軽く一回なでてあげます。あまり激しく撫で回してしまうのは望ましくありません。第一に犬が興奮しすぎて集中力がなくなりますし、第二になでられることに慣れてしまって「なでる」という行為が犬にとって賞(快を与えるもの)でなくなってしまう危険性があるからです。
  • おもちゃおもちゃを選ぶときは、あらかじめ犬に何種類かのおもちゃを与えておいて一番のお気に入りを確かめておきます。ただし一度与えると回収するのが困難になるため、しつけセッションの最後に与えるようにします。
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リーダーウォークの実践

 リーダーウォークに必要な道具、必要なスペース、ごほうびと罰、基本的な手順が理解できたら早速実践に移りましょう。まずは「犬のしつけの基本理論」で述べた大原則、「犬をじらせておくこと」「一つの刺激と快不快を混在させないこと」「ごほうびと罰のタイミングを間違えないこと」「しつけ方針に家族全員が一貫性を持たせること」を念頭においてください。まだマスターしていない方は以下のページを読んで「すべきこと」と「すべきでないこと」が何であるかを把握しておきます。 犬のしつけの基本
リーダーウォークの実践

首輪とリードを付けて犬を歩かせる

 まずは犬に首輪とリードを付けて自由に歩かせてみましょう。いきなり屋外に行くのではなく、まず真新しいものが少ない室内で行ったほうが効率的です。近くにあるものに興味を引かれてうろうろ歩いたり、しきりに地面(床やカーペット)のにおいを嗅いで立ち止まったりするかもしれませんが、これは犬にとって自然な行動です。まずはしばらくの間好きなように探索行動をさせてあげましょう。 How to Leash Train your Puppy! どんな犬でも真新しい環境に置かれた場合はまず匂いをかいで周囲を探索する  犬がリードをガジガジ噛んでしまうような場合は、噛み付く前にごほうびを鼻先にちらつかせ、そちらに意識を移します。名前を呼んでアイコンタクトを取り、オスワリを指示してみましょう。まだ終わっていない場合はそちらのしつけを優先するようにします。ちゃんとできたらごほうびを与えてほめてあげましょう。犬がリードの存在を忘れている間にしつけに移ります。 犬がリードに噛み付くときはごほうびを鼻先にちらつかせて意識をそらす

リードを引いた瞬間に罰が加わる

 犬が好き勝手に飼い主から離れると、リードがピンと伸び、自動的に首輪やハーネスに圧力がかかります。この不快感が十分強ければ、犬は苦痛から逃れようと引っ張りを自発的にやめてくれます。この際、飼い主が強引に引っ張らないよう注意して下さい。これが嫌悪刺激を提示する(正)ことにより、行動頻度を低下(弱化)させる「正の弱化」の基本です。 How to Train your NEW PUPPY to Walk on Leash! 犬がリードを引っ張ることによって発生した圧力が自然と天罰(嫌悪刺激)になってくれる  しかし多くの犬は探索欲求や対向反射(下記参照)が強く、多少首や胸元が苦しいくらいでは引っ張りをやめてくれないことが多々あります。また、犬が中~大型犬の場合、立ち止まらせるだけでも一苦労です。そんなときに役立つのが先述した「ヘッドカラー」「フロントクリップハーネス」「コントロールハーネス」です。
対向反射
 対向反射(たいこうはんしゃ, opposition reflex)とは、首や胸に圧力を感じると反射的に同じ力で対抗しようとする習性のことです。散歩の途中、飼い主がリードを引けば引くほど、犬も同等の力で引き返そうとする現象にはこの習性が関わっています。散歩中の引っ張りを「飼い主と行う綱引き」と学習してしまった犬は、この状態自体が一種の遊びとなり、なかなかやめられなくなります。
 ヘッドカラーを装着した状態で引っ張れば引っ張るほど、犬は正面を向いていられなくなるため、ただ単に首を締め付けられるよりも強い不快感を感じることになります。またフロントクリップハーネスやコントロールハーネスを装着した犬は、引っ張れば引っ張るほど肩甲骨の周辺を締め付けられ、身動きが取れなくなります。犬は次第にリードを無理やり引っ張ってピンと張った状態になると嫌な事がある!と学習していきます。 犬のヘッドカラー~強く引けば引くほどマズルにかかった輪にトルクが加わり、前方に進めなくなる 犬のコントロールハーネス~強く引けば引くほど肩甲骨にロックが掛かり前に進みにくくなる  外界の刺激に慣れていない中~大型犬の場合、飼い主の制止を振り切って道路に飛び出してしまうこともありますので、特に最初のうちはこうしたアイテムを用いてしっかり犬の体をコントロールしてあげる必要があります。これはリードを引っ張る犬の体を守ると同時に、飼い主が引き倒されてしまうリスクを軽減するためもに重要です。

近くに寄ってきた瞬間ごほうび

 リードを引っ張ることで不快が生じた犬は、不快が生じない位置を探して飼い主の横に来るでしょう。その瞬間を見計らって「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。これは「飼い主の横につくこと」とごほうびとを結びつけるオペラント条件付けです。犬は徐々に飼い主さんの横にぴったり寄り添えばいいことがある!と学習していきます。これが強化刺激を提示する(正)ことにより、行動頻度を増加(強化)させる「正の強化」の基本です。 How to Leash Train your Puppy! 犬が自発的にリードを緩めて飼い主の足元に来たらほめてごほうび  ごほうびを与える時のタイミングはリードが緩んで犬が自分の足元に来た瞬間ですので絶対に逃さないようにします。タイミングを逃すと、逆にぴんと張った瞬間にごほうび与える危険性がありますので、素早く強化できるよう空いた方の手におやつを用意しておきましょう。「間違った行動→不快→引っ張りをやめる→ごほうび」という一連の流れをワンセットで流れるように行ってください。

右側と左側の両方を歩かせる

 犬が飼い主の横に寄り添って歩くことに慣れてきたら、飼い主の右側を歩くパターンと左側を歩くパターンの両方をまんべんなく経験させましょう。実際に歩道を歩く時は、道の混み具合によって犬を自分の右側に歩かせる状況と左側を歩かせる状況の両方が頻繁に登場します。あらかじめ犬に両方のパターンを経験させておけば、犬も飼い主も混乱が少なくなるでしょう。なお飼い主の左側につかせる「ヒール」と右側につかせる「ツイテ」に関しては「ヒール(ツイテ)のしつけ」でも詳しく解説してありますので、リーダーウォークに慣れたら次のステップとしてトライしてみて下さい。How to Teach your Puppy to Walk on a Lead 右側歩行と左側歩行の両方にならせておくのは歩道を歩く時の予行演習

歩く速度や歩くルートを変えてみる

 家の中での練習が終わったら、今度は実際に外に出てみましょう。まず最初は人通りの少ない場所や時間帯を選び、アイコンタクトお座りの復習をします。具体的には屋外での散歩の練習でも解説してありますのでご参照下さい。 3 Things Your Dog MUST Know to Walk Nicely on Leash 外に出たらまずオスワリの復習をし、その後でいろいろな場所を歩く  屋外でも飼い主の指示に集中できるようになったら、少しずつ歩く場所を変えていきましょう。家の中とは違って外の世界には非常に多くの刺激があり、そうした新しいものが犬の気をひきつけるかもしれません。そのたびごとに気が散ってうろうろするかもしれませんが、そのうちに飽きて戻ってきます。そのタイミングでごほうびを与え続けていれば「飼い主さんの元に戻ればいいことがある」という記憶が強化されますので根気よく繰り返しましょう。

おやつの回数を減らす

 犬がリーダーウォークを覚えたら、今度はごほうびを与える回数を減らしていきましょう。常にごほうびを与えていると犬がごほうび自体に飽きてしまったり、肥満の原因になりかねません。毎回ごほうびを与える→2回に1回ごほうびを与える→3回に1回→4回に1回・・・と減らしてゆき、最終的には「いいこ」などのほめ言葉だけにします。
しつけをする上での注意  犬の集中力は10分~15分ほどです。集中力がなくなってきたらいさぎよくしつけを中断してその日の夜や翌日に改めて再開しましょう。飼い主がしつけを焦って犬の感情を無視して強引に行ってしまうと、しつけ自体が犬にとっての苦痛になってしまいます。
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犬が歩かない原因と対策

 犬を散歩させる時の問題としては、「犬がリードを強く引っ張る」ということと「犬が歩こうとしない」という両方があります。犬が何かに跳びつこうとするような時は、「犬の飛びつく癖をしつけ直す」を参照ください。基本的には犬の気を引いている対象から言葉やおやつで飼い主の方に意識をそらせ、お座りの姿勢をとらせます。座った状態から飛び上がるほどできませんので飛びつき予防になります。犬の飛びつく癖をしつけ直す 犬が散歩を拒絶して歩かなくなる理由には健康上の問題もある  逆に「犬が歩かない」というような場合はどうすればよいのでしょうか?以下のような理由が考えられますので、それぞれの原因に合わせ対処してみましょう。

病気や怪我

 犬が歩かない理由は病気や怪我があるからかもしれません。
 犬の歩き方を真後ろから観察し、アンバランスになってないかどうかを確認してみましょう。左右どちらか一方によろけるとが、ある特定の足に体重がかかることを避けて引きずるように歩いているといった兆候が見られる場合は、犬が捻挫などの怪我をしている可能性が大です。しばらく様子をみて犬の歩き方が左右対称になるまで待ちましょう。また爪の伸びすぎは怪我の原因になります。散歩の前は短めに切りそろえておきましょう。
 その他、大型犬や小型犬に発症しやすい筋骨格系の病気がたくさんありますので、「犬の歩き方チェック」でご確認下さい。 犬の歩き方チェック 犬の爪のケア

老齢

 犬が歩きたがらないのは老化による体力の低下が原因かもしれません。
 今まで散歩好きだった犬が年をとるにつれてだんだん出不精(でぶしょう)になるということがよくあります。体力が低下して運動するのがしんどくなった、真新しいものに対する興味がなくなった、変形性関節症など抱えていて足が痛いなど様々な理由が考えられます。そんな場合は無理強いをせず、散歩の量を減らしてあげましょう。足腰が悪い場合は介護用ハーネスなどを装着し家の周りを軽く歩かせてあげます。小型犬の場合は散歩用バギーに乗せて外の空気を吸わせてあげるのも良いでしょう。ペット用スリングに抱きかかえて飼い主と一緒に軽く散歩するという形もあります。 老犬の骨や筋肉が衰えた場合の介護

満腹

 犬が歩かない理由は満腹による脳のかん流低下もしれません。
 食事をとった直後、血液が食べたものを消化するために消化器系に集まり、脳への血流量が相対的に減ってしまう現象を「脳のかん流低下」と呼びます。食後に眠くなる現象と言えばわかりやすいでしょう。犬でもこの現象があると考えられており、餌を食べた直後のタイミングで散歩に連れ出そうとすると拒絶されることがあります。
 犬の散歩の基本でも詳しく解説していますが、散歩を行うタイミングは食事の前の方がベターです。もし食後のタイミングで散歩を行っている場合は、食前に行うように切り替えてみましょう。胃捻転の危険性が低下すると同時に、犬のモチベーション(お腹が空いたから狩りに出ようという本能的な衝動)が高まって自発的に歩いてくれるかもしれません。 食餌と散歩の最適時間

天気が悪い

 犬が歩かない理由は単純に天気が悪いからかもしれません。
 雨が降っている時や雪が降っている時、あるいはかんかん照りで気温が30度を超えているような時、犬は散歩を拒絶することがあります。人間の温度感覚と犬のそれとは全く同じではありませんので、犬が「散歩に行きたくない」という意思表示をしているときは潔く諦め家の中で芸やトリックなどを代わりに行ってあげましょう。 犬の芸・トリック  外が寒いときは犬に防寒具を着せてみます。外が暑い時は散歩の時間を日没前後や日の出前後をにずらしてあげます。雨が降っているときは被毛が濡れてしまわないよう雨具を着せてあげます。飼い主のちょっとした気遣いで、散歩に対する犬のモチベーションが戻ってくれるかもしれません。 気温と散歩の最適時間

強化が足りない

 犬が歩こうとしない理由は、飼い主による強化不足が原因かもしれません。
犬がちゃんとリーダーウォークしているのにしっかり褒めない飼い主が結構いる しつけを行う際、無意識的にリードを強く引っ張っていないでしょうか?犬が足元に来たときちゃんとおやつを与えたり褒めていますでしょうか?よくあるのは、犬がちゃんとリーダーウォークしているのに褒めもしなければごほうびも与えないというパターンです。目と目を合わせるだけで飼い主の横にピタッとついてきてくれるという関係は、ちゃんとした強化を繰り返し行って初めて実現できるものです。最初から理想的な状況を目指すのではなく、しっかりとステップを踏みましょう。
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