犬の散歩グッズ~首輪・ハーネス・リードの種類と特徴を理解し正しい選び方をマスターする
トップ犬の散歩犬の散歩グッズ

犬の首輪

 首輪とは、犬の首元に巻きつけるリング状のアイテムのことです。「カラー」(collar)とも呼ばれます。犬が屋外を散歩するときは、法律で鑑札や注射済票を装着することが義務付けられています。また飼い主がリード(引き綱)を付けて運動を行わなければなりません。首輪はこうした散歩必需品を取り付けるときの土台として必要です。

首輪の基本構造

 一般的な首輪の構造は「ベルト」「留め具」「係留リング」から成ります。

ベルト

 「ベルト」は犬の首をぐるりと囲うひも状の部分のことです。素材にはナイロン、ポリエステルといった合成繊維やレザー(革)などが用いられます。
繊維製の首輪
 繊維製の首輪の素材には、綿といった天然繊維のほかナイロンやポリエステル製といった合成繊維があります。
  • メリット首輪の一部にアジャスター(コキカン)が付いたものもあり、購入した後でのサイズ微調整が可能 | 風雨に強い | 安い | 引っ張りに強い | 軽い | デザインが豊富
  • デメリット使っているうちにアジャスターのループがずれて緩んでしまうことあり
革(レザー)製の首輪
 革(レザー)製の首輪はほとんどが牛革をタンニンなめしにしたヌメ革でできています。長さ調整は人間用のベルトと同様、輪の先端に空けられた調整穴とバックル(尾錠)で行います。締めることも緩めることもできるよう、犬の首周りが調整穴の真ん中にくるサイズを選ぶのが基本です。
  • メリット使い込んでゆくうちにほぐれてクッタリと馴染んでくる | 高級感がある
  • デメリット使い始めはゴワゴワして固い | 防傷加工をしていない場合革の表面に簡単に傷が付く | 水に弱く、雨に濡れるとシミ、膨張、カビができたり、色落ちや色移りを起こすことがある | 高温にさらすと急激に乾燥して傷んだり、変色・褪色することがある | 分厚くて重い | 比較的高価

留め具

 留め具はベルトの輪をピッタリと閉じるときに用いられるロックのことです。
  • バックルタイプ革製の首輪で用いられるバックル人間用のベルトと同じ構造した「バックルタイプ」(尾錠タイプ)は革製の首輪で用いられます。首輪の長さを調整するときはベルト穴の刻み幅で行うしかなく、例えば「1cmきつくしたい」と思っても刻み幅が1.5cmの場合は、5mmの誤差が生まれてしまいます。小型犬にとっての5mmと大型犬にとっての5mmとでは大違いですので、事前の首周りの計測は正確に行う必要があるでしょう。またワンタッチタイプに比べ装着には時間がかかります。
  • ワンタッチタイプ合成繊維製の首輪で用いられるスナップシートベルトのようにカチャッとはめ込む「ワンタッチタイプ」(スナップタイプ)は合成繊維製の首輪で用いられます。強化プラスチックや金属製などがありますが、引っ張り強度に関する具体的な数値はほとんど公開されていません。バックルタイプに比べて装着が簡単です。
  • クイックリリースタイプ首輪に強い力が加わった時自動的に外れるクイックリリースシステムある一定の圧力がかかると自動的に外れるクイックリリース機能がついたタイプの首輪は、子犬や成犬の室内装着用に用いられます。「安全首輪」とか「セイフティカラー」などとも呼ばれます。散歩などで用いる際はクイックリリースの両端に取り付けられた金具にリードを固定することでリリース機能を無効化します。

係留リング

 係留リングは飼い主が持っているリードをつなげる部分にある「D」の形をした金具です。「Dかん」などとも呼ばれます。かなりの強度が求められますので金属以外の素材はほぼありません。鑑札や名札などを装着するときにも用いられることがあります。

首輪の種類・特徴

 首輪は形状や目的によって以下のような種類に分類されます。

フラットカラー

 フラットカラーとは最も一般的に用いられている断面が平ら(フラット)な首輪のことです。テープ型カラーとも呼ばれます。名札や名前を縫い込んだり迷子札を装着しやすいというメリットがあります。幅は小型犬の1.0cmから大型犬の2.5cmまでさまざまです。

ロールドカラー

 ロールドカラーとは断面が円形になった首輪のことです。コード型カラーとも呼ばれます。フラットカラーに比べて首との接触面積が小さくなるため強い圧力がかかり、首への負担が増えてしまいます。

チョークカラー

 チョークカラーとは、首輪全体が輪なわ(ヌース)になっているものです。素材の多くが金属製のチェーンであることから「チェーンスリップカラー」とも呼ばれます。チョークカラーは犬の首への負担が大きいことから非難の対象になりやすい  特徴は「チョーク」(choke=窒息させる)という言葉が示すとおり、リードを引っ張ることで首輪が無制限にきつく締まっていくという点です。犬の体に対するストレスが大きいという観点からしばしば非難の対象になります。例えばカナダのオンタリオ州のトロントでは2017年3月、チョークカラーおよびそれに類する装具の使用を禁止する条例案が持ち上がりました(抵抗勢力のため後に撤回, TORONTOIST)。力の強い犬や体の大きな犬を制御しやすいということから熱心な支持者もいます。 チョークカラーのサブタイプ~スリップリードとファーセイバーカラー  レザー(革)でできておりリードと一体化したものは「スリップリード」(slip lead)、チェーンの輪が少ないものは犬の被毛への負担が少ないということから「ファーセイバーカラー」(Fur saver collar)と呼ばれることもあります。しかし基本的な構造は同じで、引っ張れば引っ張るほど犬の首が締められていきます。

ハーフチョークカラー

 ハーフチョークカラーとは、首輪の一部に調整用の輪がついているものです。特徴はリードを引っ張ると、チョークカラーのように無制限に締まるのではなく、輪の部分だけが締まるという点で「セミチョークカラー」とも呼ばれます。強く引っ張るとベルトのサイズが首周りぎりぎりまで締まりますので、首輪が抜けにくくなるというメリットがあります。しかし同時に、犬の首を多少締める形になりますので、まったくストレスや苦痛が無いというわけではありません。 ハーフチョークカラーは首輪の一部が伸縮することでベルト長を自動調整する  原型は頭蓋骨が非常に小さいグレイハウンドの首輪が抜けてしまうことを予防する目的で使われていた「マーチンゲール」(martingale)という首輪です。その後、チョークカラーと合体して現在の形になり、グレイハウンド以外の犬にも用いられるようになりました。ハーフチョークカラーとは和製英語で、海外では上記「マーチンゲールカラー」もしくは「リミテドスリップカラー」と呼ばれるのが一般的です。

プロングカラー

 プロングカラーとは首輪の内側に金属製のトゲトゲ(プロング, prong)が出っ張っているものです。「ピンチカラー」(pinch collar)とも呼ばれます。犬もしくはハンドラーのどちらかがリードを引っ張ると首輪が首に食い込むという仕組みになっています。通常はハーフチョークと一体になっており、無制限に締まるのではなく、すぐに締め付けの限界が来て首への過剰なダメージを防ぐようにできています。 首輪の内側にとげのついたプロングカラーを動物虐待とみなす国もある  犬へのストレスが大きいことから使用を禁止している地域もあります。例えばネットを通じて署名運動を促進する「change.org」では、英国内におけるプロングカラーの全面禁止を求めるペティションが展開されています(→change.org)。

ショックカラー

 ショックカラーとは犬をある特定の行動から遠ざけることを目的としたしつけ専用の首輪です。犬が吠えたり敷地内から出ると、首輪に電気が走ったり犬が嫌うシトロネラという物質が噴射されたりします。首輪が接近すると電流が流れ、犬の脱走を強引に止める商品は通称「見えないフェンス」と呼ばれますが、設定によってはかなりの苦痛を与えてしまいます。
 犬へのストレスが大きいことから法律で使用を禁止している国や地域もあります。例えばデンマーク、ノルウェー、スウェーデン、オーストリア、スイス、スロベニア、ドイツ、ウェールズ、オーストラリアの一部の州などです。

ヘッドカラー

 ヘッドカラーとは口が完全に閉じてしまわない程度に輪を装着し、そこにリードを結びつけたものです。「ヘッドホルター」(head halter)とも呼ばれます。特徴は犬や飼い主がリード引っ張ると鼻先が横を向き、前に進めなくなるという点です。ちょうど馬に装着する「はみ」(馬銜)をイメージすれば分かり易いでしょう。引っ張り癖のある犬にリーダーウォークをしつけるときなどに用いられます。
  • メリット弱い力で体の大きな犬をコントロールできる | 自動的に口が閉じるので咬傷事故を予防できる | 母犬によるしつけ(口元を噛む)を模しているため犬が自然と従いやすくなる | ご褒美を与えるタイミングが取りやすい
  • デメリット首輪に比べて犬が装着に慣れるまでにやや時間が掛かる | 犬が急激に動いたりハンドラーが強く引っ張ると首が急激に横を向き怪我をしてしまう危険がある | 繰り返しマズルに圧力を加えていると皮膚や被毛が擦れてしまう | 鼻ぺちゃ短頭種には装着しにくい | 長毛種の場合被毛の量が多くてうまく力が伝わらない | また見た目が「口輪」に似ているため知らない人が見たら猛犬と勘違いしてしまう

スマートカラー

 スマートカラーとは、最新のテクノロジーを用いた首輪のことです。GPS機能がついたもののほか、犬の歩数や心拍数をモニタリングできるといったものもあります。
 例えばアメリカではハイテク首輪「Buddy」がクラウドファンディングを通じて商品化を目指しました。機能はGPS、行動モニター、健康モニター、安全ライトなど盛りだくさんです。またすでに市場に出回っている「Waggit」という商品もあります。日本国内においては京セラが首輪に後付けで装着する「あんしんGPS」という商品を提供しています。犬向けのペットモードでは、子機を装着したペットの位置や移動経路はもちろんのこと、歩数や消費カロリーもある程度測定してくれます。 スマート機能のついた首輪がスマートカラーでありチョークカラーのことではない  日本国内では「チョークカラー」のことをなぜか「スマートカラー」と呼んでいる人がいるようです。「チョーク」(窒息させる)という語感を嫌ってこのような名称を選んだのでしょうが、一般の人に対して誤解を招きかねませんね。

ノミ取りカラー

 ノミ取りカラーとは首輪の中にノミやダニに対する殺虫成分を練り込んだ首輪のことです。これ単独で用いるのではなく、通常の首輪に重ねる形で装着します。有効成分はフェノトリン、ピリプロキシフェン、防虫効果があるハーブなどで、一度装着すれば3~6ヶ月ほど効果が持続するとされています。犬の中には首輪の臭いを嫌ったりアレルギー性皮膚炎を発症してしまうものもいます。また「ペルメトリン」(ペルメスリン)と呼ばれる成分は猫に対して有毒ですので、犬と猫が同居している家庭においては使用できません。

首輪に関連した事故や怪我

 犬の首輪には「散歩をする時にリードをつなぐ」「身元を示すIDを装着する」「緊急時につかんで体を引き寄せる」といった役割があり、屋外を散歩するときのほか部屋の中でもつけっぱなしにしている人がいます。しかし家の中でも外でも完全に安全ということはありません。以下は犬の首輪に関連した事故や怪我のうち発生頻度が高いもののリストです。

首吊りの危険性

 首輪に関する事故や怪我のうち最も多いのは「首吊り事故」です。これは突起状のものに首輪が引っかかり、そのまま体重がかかることによって発生します。屋外ではフェンスの支柱、犬小屋の屋根、柵の上にある鳥よけスパイク、室内では衣装かけ、リードフックなど、首輪がはまるものであれば全てが事故の原因になりえます。
 2017年3月、スコットランドのファルカークに暮らすコッカープーの「ミッシィ」が、キッチンキャビネットに備え付けられていたティータオルにジャンプしたはずみで首輪がタオルホルダーに引っかかり、首吊り状態になって命を落とすという事故が起こりました。飼い主がたった15分間だけ留守にしている間に起こった不慮の事故です(→DailyStar)。

エレベーター事故

 リードにつないだ状態の犬をエレベーターホールに残したまま飼い主だけが箱に乗り、そのまま扉を閉めて昇降してしまうという事故がたびたび報告されています。スマホの操作に気を取られているとこういった単純なミスも起こりやすくなってしまうでしょう。 犬を箱の外に置き去りにしたままエレベーターが動いてしまうという事故はよく起こる

首輪が小さすぎて食い込む

 成長期にある子犬にサイズが合わない首輪をしたまま交換を忘れ(怠り)、大きくなった体に少しずつ首輪が食い込んでしまうという事故も起こりえます。
 2017年8月、イギリス・エセックスの路上をさまよっていた身元不明の犬「ギネス」(8ヶ月齢)は、成長に伴って首輪が首に食い込み20針を縫う大怪我を負ってしまいました(→DailyMail)。

抜けてしまう

 犬の頭に対して首輪が大きすぎ、すっぽ抜けてしまうという事故もたびたび起こります。
 2017年3月ウェールズのニューポートの森を飼い主と共に散歩していた「イジー」は、何かに驚いて急に走り出したはずみで首輪がすっぽ抜けてしまい、そのまま迷子になってしまいました。農夫に撃たれそうになりながらもなんとか自力で生き延び、飼い主と再会できたのはおよそ8ヶ月後のことです(→DailyMail)。

歯が引っかかる

 犬同士がじゃれ合っているときに下顎の歯が首輪に引っかかってしまい、首締め状態になるということがたびたびあります。歯をひっかけた方は下顎に怪我を負い、首輪をしている方は首が締め付けられるというボクシングでいうクロスカウンターのような事故です。首輪のほか歯が名札に引っかかってしまうというパターンもあります。

皮膚炎を起こしてしまう

 首輪を長時間装着することによって下にある皮膚が障害を受け「カラーバーン」(collar burn)や「カラーラッシュ」(collar rash)と呼ばれる炎症を起こしてしまうことがあります。例えば皮膚が濡れた状態で長時間首輪を装着し、細菌が繁殖して感染性の皮膚炎を起こすとか、ノミ取り首輪に含まれる成分が皮膚にダメージを与えてアレルギー性の皮膚炎を起こしてしまうなどです。またリードを繰り返し引っ張ることで皮膚が擦れ、擦過傷に発展してしまうというパターンもあります。これは人間で言う「靴ずれ」に近い状態です。

首輪の付け方・選び方

 たくさんある首輪の中で一体どれを選べばよいのかに関しては、犬の体の大きさ、年齢、しつけをどの程度マスターしているかによって変わります。詳しくは「犬の散歩のしつけ」で解説してありますのでご参照下さい。 散歩グッズの選び方  首輪が緩すぎると犬が後ろに強く引っ張ったときに抜けてしまいます。逆に首輪がキツすぎると頚椎の負担が増えたり、脳の血流が阻害され、犬に苦痛を与えてしまいます。ですから、犬に首輪を装着するときは緩すぎずきつぎないちょうどよい状態でフィットさせる必要があります。
 ちょうど良い首輪の目安は後頭部と首の境目に指が2本入るくらいの隙間があることです。小型犬の場合は1.5本くらいでも構いません。チェックするときは首の下側ではなく後頭部で行うようにします。繊維製の場合はアジャスター(コカキン)で、革(レザー)製の場合は尾錠でベルトの長さ調整を行います。 犬の首輪は指2本が楽に入るくらいの余裕を持たせて  被毛が多い犬種の場合、首の太さを実際の太さよりも少し多めに見積もってしまうことがありますので気をつけます。また、ミニチュアピンシャーやグレイハウンドのように頭蓋骨が小さく下に行くほど首が太くなるような犬種の場合は特に抜けてしまう可能性が高いため、幅の広い首輪かハーネスを用いたほうがよいでしょう。
 子犬の場合、成長に伴って首周りがだんだん大きくなります。首輪が小さいままだと食い込んでしまいますので成長に合わせて調整するか、サイズの合ったものに交換するようにします。
 首輪にアジャスター(コカキン)がついている場合、調整部分がずれて最適なサイズより大きくなってしまうことがあります。装着するたびにチェックするようにします。
 レザー素材の場合、使っているうちに微妙に伸びたり雨に濡れて表面がぼろぼろになったりすることがあります。毎日チェックし、いたんでいるようであれば交換するようにします。また水に濡れたらその都度乾いた布などで拭き取らなければなりません。
犬の散歩グッズトップへ

犬のハーネス

 ハーネスとは犬の胸元や胴体に輪を固定することで動きをコントロールする装具のことです。日本語では「胴輪」(どうわ)などと訳されます。盲導犬にもハーネスが装着されていますが、あれは目が不自由な人を誘導するための特殊なものであり、一般家庭で飼われているペット犬には金属を含まない安価なタイプが用いられます。

ハーネスの基本構造

 一般的なハーネスの構造は「ボディストラップ」と「係留リング」から成ります。ストラップの数には2~4本のバリエーションがあり、基本的にはストラップの数が増えるほど価格も上がっていきます。ハーネスには非常に多くの製品がありますが、基本的なデザインはおおむね以下の3種です。
  • 2ストラップ犬用ハーネス~2ストラップ型2ストラップタイプは胸を横断するようにかかる「ショルダーストラップ」と胴を囲む「ガースストラップ」から成ります。ショルダーストラップの調整が効かない場合、きつすぎたりブカブカすぎるというサイズのミスマッチがよく起こります。
  • 3ストラップ犬用ハーネス~3ストラップ型3ストラップタイプは胸を横断するようにかかる「ショルダーストラップ」と胴を囲む「ガースストラップ」、そして前二者を体の正面でつなぐ「チェストストラップ」から成ります。後述する「コントロールハーネス」に多いタイプです。
  • 4ストラップ犬用ハーネス~4ストラップ型4ストラップタイプは首を囲む「ネックストラップ」、胴を囲む「ガースストラップ」、そして前二者を体の正面でつなぐ「チェストストラップ」、および背中でつなぐ「バックストラップ」から成ります。多くの場合、首周りと胴回り両方の微調整ができるため、サイズのミスマッチはあまり起こりません。

ハーネスの種類・特徴

 ハーネスの種類は、リードを付ける部分や機能によって以下のように分けられます。

バッククリップハーネス

 バッククリップハーネスとはリードとの結合リングが背中にあるタイプのハーネスのことです。 リードの取付金具が背中についた「バッククリップハーネス」
  • メリット犬への装着が楽でリードが前足に絡みにくい | 引っ張っても首にストレスがかかりにくい
  • デメリット犬が強くリードを引っ張ると両手両足の推進力が全てリードにかかりコントロールを失いやすい

フロントクリップハーネス

 フロントクリップハーネスとはリードとの結合リングが胸元にあるタイプのハーネスのことです。 リードの取付金具が背中についた「フロントクリップハーネス」
  • メリット犬が強く引っ張るとリードが左右どちらかの肩甲骨に引っかかりそれ以上進みにくくなる
  • デメリットリードが前足に絡みやすい | 強く引っ張ると首元にストレスがかかる | 頻繁に引っ張るとネックストラップが擦れて首にストレスがかかる

コントロールハーネス

 コントロールハーネスとは犬が急に動き出したり強い力でリードを引っ張ると、体の一部に圧力がかかって身動きを取りづらくなる機能を持ったハーネスのことです。引っ張らせないという意味で「ノープルハーネス」(No-pull harness)とも呼ばれます。 コントロールハーネスは犬の肩甲骨と抑え込む ほとんどは前足を前方に振り出すときに用いる肩甲骨とその周辺筋肉を抑え込むことにより、前に進みめなくなるという仕組みになっています。人間で言うと、タイトスカートを履いた状態で走る感じに近いでしょう。
  • メリット力の弱い人でも犬の動きを制御しやすい
  • デメリットきつく装着しすぎると犬に不快感を与える | 歩くたびに前足に摩擦が起こって擦り傷になりやすい | 強く引っ張ると横ずれが起こってストレスが掛かる

介護用ハーネス

 介護用ハーネスとは怪我や老化などによって足腰が弱った犬の歩行を補助するための特殊なハーネスです。前足が弱っているときは胴部に、後ろ足が弱っているときは骨盤部にハーネスを装着することで、飼い主が上から支持できるようなデザインになっています。小~中型犬の場合は胴全体を包み込むようなタイプもあります。

ハーネスに関連した事故や怪我

 ハーネスは首輪をしているときのような首元に対するストレスがほとんどないというのが大きな特徴です。しかしその他の部位に対するストレスがゼロというわけではありません。

すっぽ抜け

 ハーネスは前に進もうとする犬に対しては非常に強い拘束力を発揮します。しかし意表をついて犬が後ろ向きに進むと、すっぽ抜けて脱走を許してしまうことがあります。特に被毛の量が多い犬の場合、理想よりも大きいサイズのハーネスを付けてしまうことがあり、すっぽ抜けの危険性が高まります。

擦過傷・床ずれ

 ハーネスがきつすぎると皮膚との接触部分がすりきれて擦過傷を起こしてしまう可能性があります。また長時間装着し続けると、血の流れが悪くなって床ずれ(褥瘡, じょくそう)に近い状態が引き起こされてしまいます。
 2017年7月、イギリスのチェシャイア州にある犬用ホテルに預けられた「ビリー」(4歳)は、2週間もの間ハーネスを装着したまま適切な世話を受けませんでした。その結果、胸元に合った金属プレートとの間で何回も摩擦が起こり、15cm近い傷になってしまいました(→Sun)。
 また2017年7月、オーストラリアのシドニーに暮らすパグの「オーティス」は、飼い主がブラジル旅行している間、ネットを通じて雇われたペットシッターから適切な世話を受けていませんでした。ハーネスを3週間近く装着したまま過ごした結果、胸元に15cm近い傷が残ってしまいました(→7NEWS)。 ハーネスを長期的に装着すると血流障害から床ずれを引き起こすことがある  上記したのは極端な例ですが、ハーネスが全くストレスフリーではないということはお分かりいただけるでしょう。アジャスターが付いていない安物を買ってしまうと、サイズが合わないまま歩く羽目になり、ハーネスと皮膚とが何度もこすれ、脇の下などに擦過傷ができてしまいます。

ハーネスの付け方・選び方

 たくさんあるハーネスの中で一体どれを選べばよいのかに関しては、犬の体の大きさ、年齢、しつけをどの程度マスターしているかによって変わります。詳しくは「犬の散歩のしつけ」で解説してありますのでご参照下さい。 散歩グッズの選び方  ハーネスがきつすぎると皮膚や被毛との擦れ合いが強くなり、犬に不快感を与えてしまいます。逆にハーネスが緩すぎるとすっぽ抜けの危険性が高まります。ですからハーネスを装着するときは、きつすぎず緩すぎないちょうど良い具合にフィットさせなければなりません。
 ストラップの数には2~4本というバリエーションがありますが、基本的には全てのストラップに指を入れ、2本程度の余裕があることを確かめます。例えば以下のような感じです。 ハーネスを装着するときは指2本が楽に入るくらいの余裕を持たせて  安いハーネスの中にはアジャスターがガースストラップにしかついていないものが結構あります。しかし犬種によって骨格は微妙に違いますし、個体によって太り具合が微妙に変化します。サイズの微調整が効かない既製品を装着するときは、犬の体にストレスが加わっていないかをとりわけ注意深くチェックする必要があります。 ハーネスがきつすぎると接触部分に摩擦が生じる 具体的には前足の肩周り、胸の中央部分などです。被毛が擦り切れていないか、触った時に、犬が痛がらないかなどを確認しましょう。
犬の散歩グッズトップへ

犬のリード

 リードとは犬と飼い主をつなぐ頑丈な引き綱のことです。「リーシュ」(leash)とも呼ばれます。動物愛護法では犬を連れて外を散歩するときには飼い主が引き運動で行うことで犬を制御することが原則とされていますので、犬が公道を歩く時は必ず飼い主がリードにつながなければなりません。

リードの基本構造

 リードの基本構造は、引き綱の本体である「リード」、首輪との結合部である「留め具」、飼い主が握る「ループハンドル」から成ります。

リード本体

 リード(引き綱)本体の素材には以下のような種類があります。
繊維製のリード
 繊維製のリードの素材には、綿といった天然繊維のほかナイロン、アクリル、ポリエステルといった合成繊維があります。幅は1~2cm程度、長さは1~1.8m程度で値段は安価です。
  • メリットリードの一部にアジャスター(コキカン)が付いたものもあり、購入した後でのサイズ微調整が可能 | 風雨に強い | 安い | 引っ張りに強い | 軽い | デザインが豊富
  • デメリット犬が急に動いてリードを引っ張ると、ループハンドルを握っている飼い主の指や手のひらがこすられて怪我をしてしまうことがある
革(レザー)製のリード
 革(レザー)製のリードはほとんどが牛革をタンニンなめしにしたヌメ革でできています。一部に人工皮革が用いられていることもあります。外見だけから本革か合皮かを見分けることが難しいため、買う際は素材が何であるかをよくお確かめ下さい。幅は1~2cm程度、長さは1~1.8m程度で値段は高価です。
  • メリット使い込んでゆくうちに繊維がほぐれてクッタリと馴染んでくる | 高級感がある
  • デメリット防傷加工をしていない場合革の表面に簡単に傷が付く | 水に弱く、雨に濡れるとシミ、膨張、カビができたり、色落ちや色移りを起こすことがある | 高温にさらすと急激に乾燥して傷んだり、変色・褪色することがある | 繊維製よりも重い | 比較的高価 | ガムと勘違いして犬がガジガジと噛んでしまうことがある
金属製のリード
 金属製の鎖でできたもので、リード全体が金属製のものやリードの一部だけが金属製のものがあります。値段は中くらいですが、革(レザー)が部分的に使用されている商品はやや高額になります。
  • メリット丈夫
  • デメリット犬がガジガジ噛み付くと歯が折れてしまうかもしれない | 重量があるため力の弱い人には不向き | チェーンの環に指や衣服を挟むことがある
その他
 ショックアブゾーバー(バンジージャンプに使う弾力素材など)がついておりリードが伸び切ったときの「ガツン!」という衝撃を吸収してくれるもの、反射素材が埋め込まれて暗い夜道でも自動車の運転手から見やすくしてくれるもの、滑り止めのラバーがついておりスリップを防いでくれるもの、長さが50cm程度しかない短引き用リードなどがあります。

リードの留め具

 リードと犬の首輪をつなぐ留め具には通常、ナスビのような楕円形をした「ナスカン」(茄子鐶)と呼ばれる金具が用いられています。開口部のタイプには大きく分けて「鉄砲ナスカン」(ボルトスナップ)と「レバーナスカン」(トリガースナップ)があります。 リードの先端に用いられる金具「ナスカン」  鉄砲ナスカンの特徴は取り付けが簡単だけれども強い力で外れることがある点、レバーナスカンの特徴は逆に取り付けにやや時間がかかるけれどもめったに外れない点です。

ループハンドル

 ループハンドルは飼い主がリードをしっかりと握るために取り付けられた輪状の部分です。通常は破損しないようにしっかり縫い合わされていますが、プラスチックのワンタッチバックルやナスカンでループの一部を外せるタイプのものもあります。これはリードを一時的にどこかにつなぐときに用いるものです。 ループハンドルを特大サイズにしたショルダーリードやジョガーリード  飼い主が両手を自由に使えるよう、ループを特大にして肩がけできるようにしているものは「ショルダーリード」、飼い主が犬と一緒にジョギングできるようウエストに巻きつけるタイプのものは「ジョガーリード」とも呼ばれます。

リードの種類・特徴

 リードを目的別に見ると以下のような種類に分けられます。一番安全なのは最もシンプルな「シングルリード」を用いて犬を1頭だけ散歩させることです。その他のリードに関しては法律という側面および安全性という側面に以下に述べるような問題を抱えています。

伸縮リード

 伸縮リードとは掃除機のコードのように長さを自由に調整することができるリードのことです。「フレキシブルリード」や「リトラクタブルリード」とも呼ばれます。基本的にはグリップの中に巻き戻るようにできており、手元にあるスイッチでリードをロックしたりリリースしたりして長さを調整します。リードはナイロンやポリエステルなどの合成繊維でできており、長さは最大で4~8m、形状には断面が平らなフラット(テープ)タイプと丸いロールド(コード)タイプがあります。グリップはプラスチック製で200g~250g、リードの重さを加えると全体では300~400gです。
  • メリットロングリードのように手で巻き取らなくても自動的に収納される | 犬の行動範囲が広がる
  • デメリット犬の助走距離が長くなり制御しにくくなる | リードが伸び切った時犬と飼い主にガツンと衝撃が加わる | ハンドルを落とすと犬のほうに飛んでいってしまう | 首輪につけている金具が壊れると飼い主の方に勢い良く跳ね返ってきてしまう | 重くて手が疲れる | 巻取り機能が壊れる | 巻き戻すときにリードが絡まる | グリップ内部の異常を確認できない | リードとの摩擦熱で出入り口部分のスロット、もしくはリード自体が摩耗する | 散歩中に壊れるとリードの長さを調整できなくなる

デュアルリード

 2頭引きリードとも呼ばれ、2頭同時に運動させるときに用いられるリードです。 2頭引きリードを使用するときは「動きを制御できること」が絶対条件  動物愛護法および家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 (環境省告示)では、犬の所有者が道路などの屋外で運動させる場合には「犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと」と定められています。犬が中~大型犬だと2頭同時に「制御できる者」はなかなかいないでしょう。また「引き運動」によって個々の犬を制御することも困難です。ですから自分が所有している敷地の外でこのリードを使用している時点で動物愛護法違反に問われても不思議ではありません。

ロングリード

 長い距離を移動する猟犬など特殊な役割を担った犬や服従訓練中の犬などで用いられます。一般家庭で用いるときは、フェンスで囲まれた敷地内などで用います。長さは10~20mと長く、ほとんどはフラットタイプです。 ロングリードはリトリーブや猟犬の訓練で用いられる  動物愛護法および家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 (環境省告示)では、「犬の所有者等は、犬を係留する場合には、係留されている犬の行動範囲が道路又は通路に接しないように留意すること」と定められています。犬を外飼いしている場合、敷地がよほど広くない限り係留用のリードとしては使えないでしょう。

バイシクルリード

 自転車にアタッチメントとして取り付けることにより、飼い主が自転車に乗った状態で犬の散歩できるリードのことです。「サイクルリード」とも呼ばれます。 自転車に取り付ける形のリードは違法とみなされる危険性が高い  動物愛護法および家庭動物等の飼養及び保管に関する基準 (環境省告示)では、犬の所有者が道路などの屋外で運動させる場合には「犬を制御できる者が原則として引き運動により行うこと」と定められています。自転車に乗っている状態で引き運動はできませんので、使用している時点で動物愛護法違反ということになります。また仮に片手でリードを持っていたとしても、自転車の片手運転が禁止されていますので道路交通法違反になります。

リードに関連した事故や怪我

 リードの先に2リットルのペットボトルを結びつけ、目の高さから落としてみましょう。体重2kgの小型犬が全速力で駆け出した時、飼い主の手には落下するペットボトルと同様の衝撃が加わります。心の準備をしていたら何とか支えきれるでしょうが、油断しているときには思わぬ怪我を負ってしまうかもしれません。また犬の体重が5kgや10kgのときは、小型犬のときとは比べ物にならない衝撃が加わります。

ループハンドルを離す

 飼い主がループハンドルを離してしまい、犬が逃げ出してしまうという事故は頻繁に起こります。特に犬が急に動いたときや、勢い良く動いて突然リードの限界が来たときなどが危険です。

留め具が外れる

 リードと犬の首輪をつなぐ部分に使われている「ナスカン」が「ボルトスナップ」(鉄砲ナスカン)の場合、強い力が加わると外れてしまうという欠点があります。

手を切る・骨折する

 犬の急激な動きに飼い主が付いていけず怪我を負ってしまうことがあります。軽いものはリードに手のひらをこすられて摩擦で火傷したり切れてしまうというものです。重いものでは、手に巻き付けていたリードが強く引っ張られ指や手首を骨折してしまうというものがあります。

転倒する

 犬に引っ張られて転倒し、腕や肘を骨折することがあります。多くの場合は大型犬ですが、飼い主がサンダルやヒールなど不安定な履き物をはいていた場合、小型犬の軽い力で転んでしまうこともあります。

通行人に蹴られる

 リードが長すぎたり散歩中のコントロールが不十分な場合、犬が人通りの激しいところに入ってしまい、通行人に蹴られることがあります。

伸縮リードの危険性

 リードの長さを自由に調整できる伸縮リードに関しては、非常に多くのデメリットと事故例が報告されています。以下は一例です。 伸縮リード(フレキシブルリード)は便利だが事故例も多い
  • 金具の破損事故 2015年10月、イギリスの湖水地方に暮らしているジャッキー・サマーズさん(当時54歳)が、犬の散歩をしている途中、伸縮リードの金具が壊れて勢い良く跳ね返ってきました。この事故でジャッキーさんは、金具が当たった左目の視力を失っています(→Mirror)。
     また2015年1月、ペンシルベニア州ノーサンバーランド郡に暮らす女性がAmazonを通じて購入した伸縮リードが首輪から金具ごとはずれ、跳ね返ってきた金具で左目を失明しています。彼女はAmazonを相手取って9万ドルの訴訟を起こしましたが、結局敗訴しました(→PENN LIVE)。
  • ブレーキ不全事故 2008年7月、日本の中部地方にあるホームセンターで購入した伸縮リードのブレーキに欠陥があり、飼い犬が怪我(十字靱帯断裂)をしたとしてリードの輸入販売業者を相手取った損害賠償訴訟が行われました。2011年10月、名古屋高裁は「伸縮リードのブレーキ装置は本来備えるべき機能を有しておらず、製造物責任法3条における欠陥があった」として損害賠償請求の一部を認めています(→国民生活センター)。
  • 飼い主の転倒事故 2003年、オーストラリア在住の高齢男性(当時84歳)がジャックラッセルテリアを伸縮リードで散歩させていたところ、犬が男性の足元をぐるぐる回ってリードが絡みつき、転倒して大体骨頭を骨折するという重傷を負っています(→MJA)。
 上記したような様々な危険性に加え、伸縮リードには大きなデメリットがあります。それは、せっかく覚えたリーダーウォークを忘れてしまうという点です。犬はしつけを通して「リードを装着している間は飼い主の足元を歩かなければならない」と記憶しています。しかし伸縮リードを用いて犬に自由行動させてしまうと「リードを装着しているけれども飼い主から離れていいんだ!」という誤解を招きかねません。これではせっかく行ったリーダーウォークのしつけが台無しになってしまうでしょう。

リードの持ち方・使い方

 リードに関連した事故や怪我で述べたように、犬にリードを付けて散歩することには意外と多くのリスクが伴います。リスクを最小限に抑える方法は、シングルリードを用いて1頭ずつ散歩させることです。その他、以下に述べるような注意点を守っていれば、犬の脱走や飼い主の怪我といったトラブルを十分予防できるでしょう。

留め具

 リードと犬の首輪をつなぐ部分に「ボルトスナップ」(鉄砲ナスカン)が用いられている場合、開口部のかんぬきに金具が当たった状態で外側に力をかけると外れてしまうことがあります。こうした分離事故を予防する際は以下のような工夫が必要です。
留め具のトラブル防止策
  • 最初からレバーナスカンを選ぶリードを選ぶ段階でレバーナスカンを選ぶようにします。鉄砲ナスカンとレバーナスカンのどちらか一方を自由に選べる商品もあります。
  • 補助リードを持つ首輪とハーネスを両方装着し、それぞれにリードを結びつけます。首輪の金具が外れてもハーネスのほうが残っていれば犬は脱走できません。
  • 輪ゴムストッパーを付ける鉄砲ナスカンの取手に輪ゴムをぐるぐる巻きにし、通常よりも下がりにくくします。万が一外れそうになっても輪ゴムの弾力がストッパーになってくれるという仕組みです。
  • 補助かんを取り付けるナスカンに二重かんを取り付け、そこにさらに板ナスカンやカニカンを取り付けて首輪に装着します。リードについているオリジナルのナスカンが外れても、補助かんが脱走を防いでくれるでしょう。
ナスカンが外れなくするようにするには輪ゴムや補助かんを取り付けて補強する

ループハンドルの握り方

 ループハンドルの握り方が甘いと犬の動きに対応できず脱走を許してしまうかもしれません。しかし握り方がきつすぎると犬の動きで指や手首に大きな力が加わり、脱臼や骨折、転倒と言った事故につながるかもしれません。リードを握る際は、犬の脱走と飼い主の怪我の両方を予防する必要があります。以下は一例です。
リストグリップ
犬の体が小さいときはリードを手首に巻きつけるリストグリップで  犬の体重が5kg未満の場合、ループハンドルに手首を通し、リードの余った部分を折り返して握ります。犬の突発的な動きで手や手首に負荷はかかりますが、犬の体重が5kg未満ならよほどの猛スピードで動かない限り大怪我や転倒事故に発展することはないでしょう。デメリットは持ち手を変えるのに時間がかかるという点です。
サムグリップ
犬の体が大きいときは転倒事故を避けるためサムグリップで  犬の体重が5kg以上の場合、ループハンドルを親指に引っ掛け、リードの余った部分を親指の上で折り返して握ります。犬の体重が重い分、突発的な動きで飼い主の手や手首に大きな負荷がかかり怪我や転倒事故に発展する危険性が高いため、指や手首に巻き付けない方が安全です。しかし逆に犬が脱走してしまう危険性が高まるため、周囲の環境や犬の動きから目を離さないようにします。

リードの適切な長さ

 リードが短すぎると犬の動きが窮屈になり、足にぶつかったり蹴ってしまうかもしれません。逆に長すぎると犬の助走距離が増えて勢いがつきすぎてしまいます。また人に突っかかる、犬や飼い主の足にリードが絡まる、リーダーウォークを忘れてしまうという危険性もあります。一般的なリードの長さの目安は以下です。場所や犬の興奮度に応じてリードを折り返し、短く調整して持ち直します。
  • 小型犬=1.2~1.5m
  • 中・大型犬=1.5~1.8m

リードの持ち方

 リードの持ち方には片手で持つ「ワンハンド」と両手でもつ「ダブルハンド」があります。
ワンハンドグリップ
リードのワンハンドグリップは持ち替えやすいが制御力は低い  ワンハンドで持つときは犬をリードと同側に置き、長さを50~100cm程度に調整します。メリットは飼い主の片手が自由になる点、デメリットはリードに対する制御力が低下する点です。人通りの多い場所(リードを短く)、通い慣れた道で犬が突発的な動きを見せることがないような場所(リードを長く)に適しています。
ダブルハンドグリップ
リードのダブルハンドグリップは持ち替えにくいが犬への制御力が高い  ダブルハンドで持つときは一方の手でループハンドルを握り、もう一方の手でリードの中間地点を握って制御します。犬の位置はループハンドルの反対側、補助している手と同じ側です。メリットは犬の突発的な動きを制御しやすい点、デメリットは両手がふさがれる点です。力の強い中~大型犬を散歩させる時や、気の散るものが多く犬が突発的な動きをしやすい場所に適しています。
犬の散歩グッズトップへ

散歩札

 犬の飼い主は飼い犬を連れて屋外を散歩する際、住んでいる市区町村への登録証明書である「鑑札」、狂犬病予防注射を受けたことの証明書である「注射済票」、そして万が一迷子になってしまった時に必要となる「迷子札」の3つを装着していなければなりません。また飼い主自身も、万が一災害や事故に巻き込まれたときに備え「緊急連絡カード」を携帯していると安心です。

鑑札と注射済票

 狂犬病予防法(第一章の第4条)により、犬の飼い主には飼い犬を市区町村に登録すること、および交付された鑑札と注射済票を犬に装着することが義務付けられています。
 鑑札と注射済票を装着する最も簡単な方法は、リードをつなぐときに用いるD型リング(Dかん)に取り付けてしまうというものです(下写真)。しかしこの方法では歩くたびにガチャガチャ音が鳴ってうるさく、またリング状の金具が突起物に引っかかってしまう危険性もあります。 犬の散歩札~鑑札と注射済票  騒音を避けたい時は鑑札入れ(ネームホルダー)を用いるとよいでしょう。多くの場合鑑札と注射済票がすっぽりと入るようなデザインになっており、札同士がぶつかって音を立てることもなくなります。ただし近年は各地方自治体が工夫をこらし、長方形以外のデザインを採用していることがままあります。その場合は事前に札と入れ物の寸法をチェックし、ちゃんと入るかどうかを確認しましょう。
 首輪が抜けてしまった場合に備えるなら、札をチョーカー(※チョークチェーンではない)など首輪とは全く別の装具に取り付けるという方法があります。これだと万が一首輪が外れてしまっても、札を付けたチョーカーは犬の首に残ってくれますので、飼い主のもとに連絡が来やすくなります。素材は軽くて丈夫なものがよいでしょう。

迷子札

 動物愛護法(7条6)では「動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置を講じるように努めなければならない」とされています。ですから、飼い主は首輪を用いるにしてもハーネスを用いるにしても犬に迷子札を装着しなければなりません。
 迷子札とは、迷子犬を見つけた人がすぐに飼い主に連絡を取れるよう、犬の名前、飼い主の名字、飼い主の連絡先(電話番号)を小型プレートに記したものです。主に以下のような種類があります。

吊り下げタイプ

 吊り下げタイプは名札は金具を首輪やハーネス、あるいは独立したチャームに装着するというものです。メリットは取り付けるのが簡単な点と値段が安い点、デメリットは歩くたびにガチャガチャ音が鳴る点、突起物に引っかかりやすくなる点です。

埋め込みタイプ

 埋め込みタイプの迷子札は強力な接着剤やカシメ金具で首輪やハーネスに埋め込んでしまうというものです。メリットはいちど取り付けたらなかなか外れない点、デメリットは装具の一部に穴を開けるため強度が低下する点、比較的費用がかかる点です。

マイクロチップ

 マイクロチップとは電子情報を含んだ米粒程度のチップを背中の皮膚に埋め込むというものです。
 メリットは外れてしまう心配がほとんどない点、名札のようにかさばらない点。デメリットはいちど埋め込むと取り外すことができない点、ごく稀に皮膚の下で位置がずれてしまうことがある点、ごく稀にマイクロチップリーダーを当てても情報が読み取れないというトラブルがある点です。

電子タイプ

 上記した迷子札は全て他人が犬を見つけて初めて効果を発揮するというものです。しかし近年は通信技術の向上により、飼い主自らが積極的に犬を見つけるための商品が続々と開発されています。
 「Bluetooth」という短距離通信技術を用いた商品は、犬に装着した子機から信号が発せられ、それを飼い主が持っている親機で受信して居場所を特定するという仕組みです。一方GPS技術を用いた商品は、衛星から犬の子機に信号を発することで現在地を絞り込み、飼い主に知らせてくれるという仕組みです。いずれにしても、犬の子機は首輪やハーネスに装着するようデザインされていますので、近代的な迷子札ということも言えるでしょう。 具体的な商品に関しては迷子探しに役立つ商品をご参照ください。 迷子探しに役立つ商品
犬の散歩グッズトップへ

排泄物処理グッズ

 犬のうんちやおしっこを道端に放置することは「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第5条)」「軽犯罪法(第1条27項)」に抵触すると同時に、近隣住人とのトラブルを引き起こす可能性があります。トイレは家で済ませておくのが基本ですが、屋外で催(もよお)してしまった場合は飼い主がしっかりと後処理をしなければなりません。市販のうんち袋と500ml程度の水は必ず携帯するようにします。

うんちの処理グッズ

 犬が散歩中に催してしまったら止めることはできません。仕方ないのでなるべく人目のつかないところに連れていき、排泄させます。排泄後のウンチは市販のうんち袋などで回収し、必ず自宅に持ち帰ります。
 うんち回収袋はビニールからできた外袋と水に流せる紙製の内袋の二層構造になっています。袋を手袋のように手にはめこみ、外側に露出している内袋でうんちをつかみます。つかんだら袋の内外をひっくり返し、ビニールの外袋が外側に来るようにします。
 匂いが漏れないようマナーポーチ(うんちを持ち帰るための消臭・密閉性のある小袋)などに入れたらそのまま家に持ち帰り、水に流せる紙製の内袋ごとトイレに流します。ただしうんちと一緒に石ころなどをつかみ取ってしまった場合は水洗できませんので、なるべく余計なものは入れないよう注意します。またしっかり包めば一般ごみや燃えるゴミとして受け付けてくれる自治体もありますので事前にご確認下さい。

おしっこの処理グッズ

 散歩中に犬がおしっこを催してしまった場合は、なるべく人通りが少なく水はけの良い下水の近くなどでさせるようにします。やってはいけないのは民家の私有地内、一般住宅の塀やフェンス、金属製のポールの根本などです。2016年2月には大阪府池田市の市営公園で照明柱が倒れ、2017年4月には埼玉県さいたま市浦和区の路上で道路標識が突然倒れるという事故が起こっています。これらはともに犬によるおしっこで金属が腐食したことが原因と考えられています。
 犬のおしっこが終わったら、その部分にペットボトルや散歩用携帯ボトルに入れた水をかけて洗い流します。犬の散歩中のおしっこは近所トラブルに発展しやすい非常にデリケートな問題です。人間関係で嫌な思いをしないため、犬のおしっこは家の中で済ませておくことを強くおすすめします。
犬の散歩グッズトップへ

適切な服装

 犬を散歩させる時、飼い主は動きやすいカジュアルな服装にしておく必要があります。また、ある特定の状況においては犬に着せるドッグウェアが役立つこともあります。

飼い主の服装

 犬を散歩させる時の服装のポイントは、犬の動きに十分対応できるということです。また熱中症や低体温症にかからないよう、季節に合わせて適宜変えていく必要もあります。 犬を散歩させるときの服装は「犬の急な動きに対応できる」がポイント
  • 足に対する負担が少なく、犬が急に動き出しても踏ん張れる履き物が必要です。具体的には、スニーカーやスポーツシューズが楽でしょう。逆に避けたいのはヒール、パンプス、ミュールなどかかとの高いもの、サンダル、下駄、草履など足との密着度が低くてカパカパ動くものです。こうした履き物だと飼い主の足が痛くなったり、犬に引っ張られた時に踏ん張りが効かず転んでしまうことがあります。
  • 下半身・ボトムス長時間おいても疲れないようズボン(パンツ)スタイルが良いでしょう。逆に避けたいのは男性では腰履き、女性ではタイトスカートです。
  • 上半身・トップス上半身に関しては特に制約はありませんが、犬が見たときに興奮して飛びつきたくなるようなひらひらの飾りは避けたほうがよいでしょう。また暗いときに上下真っ黒の服装していると交通事故に遭う危険性があるため、背景に溶け込むような色は避けるようにします。
  • バッグ散歩中には最低限うんち袋、500ml程度の水、少量のおやつを携帯する必要があります。飼い主が両手の自由を保つため、バッグに入れて肩から下げるかウエストポーチに入れて腰近辺に巻きつけるのがよいでしょう。

犬の服装

 犬を屋外に連れ出す際は、服を着せる前にまずノミやダニ、およびフィラリア対策をしておく必要があります。飲み薬やスポット滴下タイプなどがありますので、犬の体重に合わせて動物病院で処方してもらって下さい。
 寒さを防ぐとか汚れを防ぐといった目的でドッグウェアを着用する際は、犬の前足の動きを邪魔しないこと、そして犬の足の動きを飼い主から隠してしまわないことを選ぶ際のポイントとします。犬の足の動きを邪魔すると、犬に不快感を与えると同時にドッグウェアと被毛や皮膚がこすれて擦過傷になってしまうかもしれません。またパーカーのフードなどで前足の動きが飼い主から見えない状態だと、犬の不快感やちょっとした異常に気づきづらくなってしまいます。 飼い主の中は他者とのコミュニケーションを求めて犬に服を着せる人もいる  犬に着せる服、通称「ドッグウェア」は意外と多くの人が着用しており、近年ではすっかり散歩グッズの1つとして数えられています。たとえば2009年に博報堂生活総合研究所が行った調査では、首都圏を散歩していた犬745頭のうち330頭(44.3%)、阪神圏を散歩していた犬481頭のうち183頭(38%)がドッグウェアを着用していたとのこと。特に顕著だったのは小型犬の着用率で、ドッグウェアを着用していた犬合計513頭のうち481頭と93.8%を占めていました。
 飼い主がドッグウェアを着用させる主な理由は以下です。
ドッグウェア着せる理由
  • 防寒具として
  • 汚れを防ぐため
  • 乱れた毛並みを隠すため
  • 個性を表現するため
  • 人から注目を集めるため
 犬にとって必要かどうかという観点で考えると「防寒具として」「汚れを防ぐため」には一理あります。例えば毛が短い小型犬の場合、冬場に外に出ただけでブルブル震えてしまうことがあります。そんな場合は防寒具としてドッグウェアを着せてあげると犬が感じる苦痛が減ってくれるでしょう。またドッグランなどに遊びに行ったとき、犬のテンションが上がって土に体を擦り付けたり、他の犬からベロベロ舐められてしまうことがあります。そんなときは、事前にドッグウェアを着せておけば汚れ予防になるでしょう。
 一方「乱れた毛並みを隠すため」「個性を表現するため」「人から注目を集めるため」という着用理由は、犬にとって必要なのではなく、飼い主の自意識や体裁を保つことを目的としています。こうした理由でのドッグウェアの着用は必要という要件を満たしていませんので、犬が不快感を抱いていないかどうかをしっかりと確認する必要があるでしょう。
犬の散歩グッズトップへ