プリスクリプションダイエット腸内バイオーム～原材料から添加物の安全性まで

　「プリスクリプションダイエット腸内バイオーム」はヒルズ（Hill's）が製造・販売している犬向け療法食です。「バイオーム」（biome）とは細菌叢を意味しています。
　パッケージに大きく「繊維/消化ケア」と記載されているように、最大の特徴はヒルズ独自のブレンドで配合された可溶性および不溶性の食物繊維です。メーカーが「アクティブバイオーム＋テクノロジー」と呼ぶこの製法は、軟便の24時間以内の解消と再発防止をサポートするといいます。療法食は医薬品ではありませんが、栄養成分が特殊なため獣医師の指示に従って給餌することが推奨されています。
　公式サイトではドライとウェットが紹介されています。 ドライ 種類と成分保証値

種類	タンパク質	脂質	カロリー （kcal/g）
ドライ	21%	12.6%	3.33

料金・価格 給餌目的 フードのタイプ 原産国 製造・販売 公式情報 NEXT：原材料と添加物リスト

　「プリスクリプションダイエット腸内バイオーム」は腸内細菌叢の改善に特化してデザインされた商品です。腸内細菌と疾患との関係性は科学的にそれほどはっきり解明されているわけではないものの、ヒルズによると「善玉菌を増やす」効果があるとのこと。この菌が具体的に何を意味しているのかはわかりませんが、犬のフローラに関しては「犬の腸内細菌叢」で詳しく解説してありますのでご参照ください。
　商品の目玉である食物繊維としてはサイリウム、セルロースといったおなじみの成分のほか「ピーカンナッツ殻パウダー」という少し変わったものも使用されています。「ピーカン」（Pecan, ペカンとも）とはクルミ科の落葉高木とその種実を指す広い言葉で、腸内細菌叢を整えて消化管の健康を促す可能性が示されています。詳しくは「ピーカンナッツ」をご参照ください。
　その他、ショウガの根、柑橘類の乾燥した果肉、クランベリーの絞りカス（ポマス）などの発酵性炭水化物が加えられています。メーカーが「アクティブバイオーム＋テクノロジー」と呼んでいるのはこうした組み合わせのことだと考えられます。 素材・添加物の区分と安全性