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サイリウム~安全性と危険性から適正量まで

 ドッグフードのラベルに記された「サイリウム」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも犬に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?

サイリウムの成分

 サイリウム(psyllium)はオオバコ科オオバコ属(プランタゴ)の種子の皮のことです。吸水することで数十倍に膨張することから主に食物繊維源として用いられます。 ドッグフードの成分として用いられる「サイリウム」  種類にはインド原産のブロンドサイリウム(ホワイトとも)や地中海地方原産のブラックサイリウム(フレンチやスパニッシュとも) がありますが、特定保健用食品として許可されているのはブロンドサイリウムの方です。表現としては「血清コレステロールを低下させるよう工夫している」「コレステロールが高めで気になる方」「おなかの調子を整える」などが許可されています。

サイリウムは安全?危険?

 サイリウムを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?
 13頭の犬を対象とし、6.7%の割合でサイリウムを含んだ犬用ビスケットと、何も含んでいないビスケットを並べたとき、どちらを好むかが10日間に渡って調査されました出典資料:Pires, 2013。その結果、サイリウム入りが52%、サイリウムなしが48%という結果になり、両者の間に違いは見られませんでした。積極的に好まれることがない代わりに、積極的に忌避されることもないようです。
 以下でご紹介するのはサイリウムに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。

アラビノキシラン

 アラビノキシラン(Arabino xylan)は植物に含まれるヘミセルロースの一種。サイリウムにおける主要な食物繊維源で、水分を吸着する作用を有しています。
 消化管内で水分を吸収することにより、便の水分含有量が増え、結果として便秘の改善につながると考えられています。また消化管内に過剰な成分がある場合は、余分な水分を吸着することによって下痢の予防に役立っていると考えられています。
 その一方、十分な水分を取らない状態であまりにも大量のサイリウムを摂取すると、喉に詰まったり、胃拡張、胃石、腸内ガスの過剰生成が引き起こされる危険性が示されています。

サイリウムシードガム

 サイリウムシードガムはブロンドサイリウム(Plantago ovata Forsskal)の種皮から得られた、多糖類を主成分とするもの。「サイリウムハスク」とも呼ばれます。日本では厚生労働省によって既存添加物の増粘安定剤として認可されています。
 1990年、米国内においてサイリウムを含む下剤を取り扱ってきた看護婦が、サイリウム種皮を含む食品を摂取したことによりアナフィラキシーショックを起こしたという症例報告がなされたことから、アレルギー反応を引き起こす危険性が示されました。一方、1991年に行われた調査では、高度に精製されたサイリウムの場合、体内の抗体とアレルゲンとの間で結合が起こらないとの結果が示されています。
 こうした知見から厚生労働省の内部部局である生活衛生局は、サイリウム製品を使用する場合は高度に精製されたものを選ぶこと、および必要に応じてアレルギーの危険性を周知するよう呼びかけています出典資料:生活衛生局
サイリウムが腸内でゆっくりと細菌の発酵を受け、他の繊維質よりも多くの短鎖脂肪酸を生成することが報告されています(Calabro, 2012)。その一方、鉄イオンの吸収を阻害する可能性も示されています(Fernandez, 1982)。犬における適正量はわかっていませんが、大量に摂取すると貧血を招く危険性を否定できません。