トップ犬のしつけ方室内で必要となるしつけ犬の留守番のしつけ

犬の留守番のしつけ

 犬の留守番(るすばん)とは、視界から飼い主がいなくなってもおとなしくしていることです。飼い主がいないことに強い不安を感じ、家の中のものを壊したり大きな声で延々と吠え続ける「分離不安」は、犬にとって強いストレスになると同時に近隣トラブルの元にもなります。早急に解決しておきましょう。

犬の留守番のしつけの必要性

 犬と一緒に暮らしていたとしても24時間ずっと一緒という事はありませんので、「飼い主が犬の視界から消える」という状況は必ず発生します。そうした状況になったとき、犬が不安に陥ってクンクン鳴きを始めたりキャンキャン鳴きを始めたら、近隣住人に「うるさい!」と怒鳴られてしまうかもしれません。例えば以下は2008年に東京で実際に報告された判例です。
首都高速道路沿いに立つ築30年近い13階建てマンションの7階に4人家族が暮らしていた。ところが10階から引っ越してきた隣人の飼育する犬2頭の鳴き声がうるさく、管理組合に言っても改善されない。そこで平穏な生活を侵害されたとして訴えを起こし、犬の殺処分および慰謝料を支払うよう求めた。裁判では原告の訴えを認め、精神的苦痛に対する慰謝料として5万円、弁護士費用相当損害金として1万円の合計6万円の賠償を命じられた。
 犬の鳴き声が留守番中に発せられたものなのかどうかはわかりませんが、犬の無駄吠えが深刻な近隣トラブルに発展する可能性を秘めていることはお分かりいただけるでしょう。ですから、たとえ犬の視界から飼い主の姿が消えても、犬が不安に陥って騒がないようあらかじめつけておく必要があるわけです。 留守番時の犬の鳴き声は騒音トラブルのもとになる  また留守番のしつけは飼い主と別れることに伴う犬の精神的な苦痛を緩和する上でも重要です。2005年、ペンシルベニア州立大学の調査チームは、過去5年間に死亡した犬721頭の飼い主を対象とし99項目からなるアンケート調査を行いました(Dreschel, 2010)。飼い主や犬の基本データを収集すると同時に、犬で見られた恐怖や不安傾向が病気、死因、寿命とどのような関係にあるのかを統計的に検証した所、以下のような傾向が浮かび上がってきたといいます。
  • 飼い主の主観で「お行儀が良い」と評価された犬は寿命が長い
  • 非社会的なものに対する極端な恐怖症や分離不安を抱えた犬では皮膚疾患が重症化する
  • 見知らぬ人間に対する恐怖心が強い犬では寿命が短い
 飼い主の姿が見えない状況において強い不安を感じる犬では、「皮膚疾患が重症化する」という傾向が見られました。こうした事実から、不安が免疫力を悪化させて身体に悪影響を及ぼすという可能性を見ることができます。人間で言う「心身症」に近い感じでしょうか。ですから飼い主は、犬がひとりぼっちの状況になっても不安や恐怖を抱かないよう慣らしておく必要があるわけです。
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犬の分離不安を理解する

 犬の分離不安(ぶんりふあん, separation anxiety)とは飼い主の姿が見えない時に限って、犬が問題行動をとってしまう状態のことです。学術文献で報告されるようになったのは1970年代とかなり前のことですが、動物行動医学の分野では未だに統一した見解には至っておらず、用いられる用語すらバラバラです。例えば同じ状態を示す言葉として「分離関連行動」「分離関連の問題行動」「分離関連のストレス」などがあります。

分離不安の特徴的な行動

 分離不安の犬に見られる特徴的な行動は、飼い主がいるときに「ストーカーのようにあらゆる場所につきまとう」「一緒に寝たがる」「抱っこをせがむ」といったものです。しかし飼い主といるときの行動は単なるヒントでしかなく、実際に分離不安かどうかを判断する際は「飼い主がいなくなったときだけ問題行動を示すか?」という観点で行われます。以下は分離不安の犬が留守番中に示す特徴的な行動です。最初の「鳴き声」「粗相」「破壊行動」が最も多く見られます。
犬の分離不安の症状
犬の分離不安の三大症状は鳴き声、粗相、破壊行動
  • 鳴き声吠える | クンクン鳴き | 遠吠え(※分離不安の犬が発する吠え声は母犬とはぐれた子犬が発する「救難信号」(distress call)と同じ。ハイピッチ+一定のリズム+単調なトーンという特徴を持つ)
  • 粗相トイレ外でのおしっこやうんち
  • 破壊行動物を噛む | 掘る | 引っかく(※特に飼い主が最後に触ったものに対する破壊行動が多い。例えばドアなど)
  • 食欲不振
  • 抑うつと活動性低下
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 過剰グルーミング
  • 過剰な活動性
  • 同じ場所を往復・旋回
  • よだれを垂らす
  • 隠れる
  • 震える
  • あくびをする
  • 口元をなめる
  • 耳下げ・前足上げる・尻尾を下げる
  • 外の環境に働きかける
  • 熱烈な挨拶行動とつきまとい
 留守番しているときの犬の状態を留守番カメラや録画で観察している人はあまりいません。結果として、分離不安であるにもかかわらず「うちの犬はちゃんと留守番ができるお利口さん」と勘違いしている飼い主が少なからず存在します。また近隣からの騒音苦情によって初めて気づくというケースもしばしばです。録画観察もせず、近隣からの苦情もない場合、犬の分離不安が長期にわたって放置され、飼い主も知らないうちに福祉を損ない続けるということが十分に起こり得ます。

分離不安の持続時間

 分離不安に関連した行動は、基本的には飼い主の姿が見えなくなってすぐ、遅くとも10分以内に現れます。
 2010年、イタリア・ミラノ大学は、分離に関連した問題行動があると判断された犬23頭(5ヶ月齢~13歳/平均年齢2.9歳)を対象とし、自宅で留守番させている時の様子を録画観察しました。20~60分(平均49.87分)の留守番時間を設けて調査した所、以下のような割合で問題行動が見られたといいます。「%」は待機時間内における割合です。
分離不安行動の割合
  • 吠える・クンクン鳴き・遠吠え=23%
  • 外の環境に働きかける=21%
  • ハァハァと息をする=14%
  • 頭を床につけて寝そべる=12%
  • 破壊行動=6%
 こうした行動が見られるのは飼い主がいなくなってから10分以内で、「鳴き声」が出るまでは3.25分、「破壊活動」が出るまでは7.13分だったといいます。また「鳴き声」と「環境への働きかけ」に関しては時間の経過とともに減っていったのに対し、「ハァハァと息をする」(パンティング)は逆に増えていったとのこと。
 こうした事実から、分離不安の犬が見せる留守番中の問題行動は、飼い主の姿が見えなくなってから10分以内に始まり、犬が疲れて息切れを始めるまで延々と続くと考えられます。さらにいったん疲れて落ち着いたと思っても、23~28分サイクルで行動がぶり返すといった報告もあります(Voith and Borchelt)。

分離不安になりやすい犬

 過去に行われた調査では「オス犬に多かった」「特定の犬種で多かった」「保護施設出身の犬で多かった」といったものが報告されています。しかし厄介なのは、上記したすべての項目において「関係性は見られなかった」という矛盾する報告が存在しているという点です。ですから現時点においてはすべての犬に起こりうると考えるのが妥当でしょう。参考までに、分離不安を示しやすいとして報告されたことがある犬種を以下に示します。
分離不安になりやすい犬種?

分離不安の原因

 犬が分離不安になってしまう原因としては以下のようなさまざまな仮説が提唱されています。しかし動物行動医学の分野で統一した答えは出されていません
分離不安の原因に関する仮説
  • 過剰な愛着人間の乳幼児と母親との間で見られるような愛着が犬にも存在しており、飼い主のことを「安全基地」とみなすようになる。通常であれば離乳とともに緩やかに鳴りをひそめていくが、犬の中には完全に成長してからも飼い主に対する愛着が弱まらず、強い依存心(hyper-attachment)を抱くようになるものがいる。
  • 別離中の恐怖体験留守番中に偶然起こった恐怖を引き起こすような体験がきっかけとなり、飼い主がいない状況を病的に怖がるようになる。例えば、留守番中ににわか雨が降り出し激しい雷鳴にさらされたなど。
  • 感情的ホメオスタシス視界の中に飼い主がいる状態を「継続的刺激」(maintenance stimuli=デフォルト状態)として記憶し、飼い主がいない状態に違和感を感じて元の状態に戻そうとする。
  • 相反過程理論相反過程理論(opponent-process theory)とは、なでられるとかおやつをもらうといった快感(プラス)を繰り返し飼い主からもらっていると、飼い主がいなくなったときの感情がニュートラル(プラマイゼロ)地点に戻って落ち着くのではなく、ちょうど振り子のようにそこを通り過ぎて不快(マイナス)にまで振れてしまうという現象のこと。飼い主不在による不快感を解消するため飼い主の存在を熱烈に求めるようになる。
 2016年にフィンランドの調査チームが行った報告では、恐怖や不安傾向が強い犬の体内ではある特定の代謝産物が高い値を示すとされています(Puurunen, 2016)。分離不安の原因はさておき、不安に陥りやすい犬では通常の犬とは違う生理学的な変化が体内で起こっているものと推測されます。

分離不安の治療法

 分離不安の治療は基本的に、苦手な刺激に少しずつ慣らせていく「系統的脱感作」と、苦手な刺激を逆に大好きな刺激に入れ替えてしまう「拮抗条件付け」が用いられます。アメリカにおいては行動薬理学の観点から分離不安用の薬が補助的に処方されることもあります。
 2006年、イギリス・ブリストル大学の調査チームは分離不安傾向がある犬を「一般的な治療法グループ」「1頭1頭に合わせたオーダーメイドの治療法グループ」「治療なしグループ」に分割し、留守番中の行動を録画観察することによってどのような効果が見られるかを検証しました(Blackwell, 2006)。その結果、「治療なしグループ」においては何の改善も見られなかったのに対し、治療を行ったグループでは治療開始6週間のうちに75%の犬で問題行動の改善が見られたといいます。また治療法の組み合わせ順や、1頭1頭に合わせたオーダーメイドかどうかという点は治療効果にそれほど影響を及ぼさなかったとも。
 こうした結果から、分離不安の犬にアプローチする際はとりあえず「一般的な治療法」からスタートするのが妥当だと考えられます。そしてこの分離不安の治療法は、そっくりそのまま留守番のしつけにつながります。では具体的にどのように犬の分離不安と留守番のしつけを行うのかを見ていきましょう。
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犬の留守番のしつけ・実践

 基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。しつけに入る前に家族会議を開き、「すべきこと」と「すべきでないこと」をしっかりと確認しておくようにします。

リラックスシグナル

 リラックスシグナルとは、飼い主と一緒にいるときのリラックスした気分を古典的条件付けを通じてさまざまな情報に結びつけることです。
 まずは犬に留守番させる時に用いる「留守番エリア」を決めましょう。ケージやサークルを留守番エリアにする場合はハウスのしつけを参考にし、スムーズに誘導できるようしつけておきます。部屋全体を留守番エリアにする場合は、犬用ベッドや毛布(マット)に誘導できるようにしておきましょう。 ハウスのしつけ 留守番エリアをサークルにするか室内全体にするかは犬の個性次第  留守番エリアが決まったら、その場所とリラックスシグナルを強烈に結びつけていきます。犬をエリアに誘導したら、飼い主は犬から見える場所に待機し安心させてください。犬がリラックスして副交感神経が優位になったら、その状態に様々な情報をリンクしていきます。例えば以下のような感じです。
リラックスシグナルの例
  • 聴覚的シグナル飼い主が本を朗読する時の声をあらかじめICレコーダーなどに録音しておき、留守番エリアで犬がリラックスしているときに低音量で流す→飼い主の声とリラックスが結びつく
  • 嗅覚的シグナル洗濯しておらず飼い主の匂いが適度に残った服やタオルを留守番エリアでリラックスしている犬の下に敷いてあげる→飼い主の匂いとリラックスが結びつく
  • 視覚的シグナル留守番エリアでリラックスしている犬と飼い主との間にパーティションを設ける→飼い主の姿が見えない状況とリラックスが結びつく
  • 味覚・触覚的シグナル留守番エリアでリラックスしている犬におやつを入れたコングや知育玩具などを与える→持続性のあるおもちゃで遊ぶこととリラックスが結びつく
Tips to Help Your Dog Relax When He's Home Alone 飼い主がそばにいるときのリラックス状態と中性刺激をリンクする  上記したようなリラックスシグナルをあらかじめたくさん作っておくと、留守番中の室内にシグナルを残しておくことによって犬の不安が緩和されます。要するに、実際には飼い主がいなくても「近くに飼い主さんがいる!」という感覚を持ってくれるのです。

犬の依存心を軽減する

 犬の「依存心」とは、ワンワン吠えたり飛びついたら飼い主が自分のことを構ってくれるという強固な思い込みのことです。この行動パターンを持ったまま留守番させてしまうと、飼い主の姿が見えないことに不安を覚えた犬はワンワンと鳴き叫んで飼い主を呼ぼうとします。またドアをガリガリひっかいて飼い主を探しに行こうとします。それが分離不安の犬でよく見られる「鳴き声」や「破壊行動」です。
 飼い主は日ごろから「フォーマットトレーニング」を行い、犬の願望を満たす前には必ずアイコンタクトオスワリマテを行う練習をしておきます。また犬の要求吠えや飛びつき癖は徹底的に無視しておかなければなりません。ポイントは「鳴いたり飛びついたら何とかしてくれる」という犬の思い込みを完全にうち砕き、「鳴いても叫んでも自分の願望はかなわない」という思考に切り替えてしまうのです。こうすることによって留守番中の犬は「声を出しても飼い主さんはどうせ来てくれない…」と諦めるようになり、無駄吠えが減っていきます。 問題行動予防トレーニング

寝床を分ける

 飼い主との別離に慣らすため、犬との寝床は分けるようにします。
 1996年に行われた調査(Jogoe)で「飼い主と一緒に寝る犬は対立的な攻撃性と分離不安傾向が高まる」と報告されたことから、多くの書籍等で「飼い主と一緒に寝てはいけない」といったアドバイスが記載されるようになりました。いつの間にかそれに尾ひれが付き「家の中における序列が崩れ、自分がリーダーと思い込んでしまう」としているものもあります。しかし犬と飼い主が一緒に寝ることで分離不安になるのではなく、そもそも犬が分離不安だから一緒に寝たがると言った方が真実に近いでしょう(Overall, Simpson)。「リーダー論」もほぼ無関係です。 飼い主との別離状態に慣らすため一緒のベッドで寝ることは控える  飼い主のベッドで寝ることと犬の愛着の度合いはさほど関係がないという報告も一部にはありますが(Flannigan, 2010)、分離不安の有無にかかわらず、これまで犬と一緒に寝ていた場合は少しずつ間隔を広げ、飼い主と離れている状態に慣らせていったほうが無難でしょう。例えば「飼い主のベッドの中→ベッド脇に置いたマット→ベッドから1m離したマット→ベッドから2m離したマット→寝室のドア付近→寝室のドアの外(ドア閉めず)→寝室のドアの外(ドア半分閉める)→寝室のドアの外(ドア閉める)」といった具合です。子犬の場合は寝床として使っているサークルやケージごと移動するようにします。分離不安のない犬ならスムーズに順応できるでしょう。分離不安の犬なら時間はかかりますが、日頃から慣らせておくことで留守番中のストレスが減ってくれます。

犬を音に慣らす

 犬が分離不安の場合、高い確率で同時に「怖がり」や「音に敏感」といった傾向を示します。
 2014年、ノルウェーの獣医科学校が分離不安の犬215頭を調べた所、最も多い共存症が「音過敏症」で、43.7%(94頭)で見られたといいます(Strengen, 2014)。また2017年、フィンランド・ヘルシンキ大学が192犬種の飼い主合計3,284人を対象としてアンケート調査を行った所、分離不安が強い犬の58.8%では「怖がり傾向」が見られ、49.5%では「音過敏症」が見られたとも(→詳細)。
 こうしたデータから、留守番中に不安に陥ってしまう犬は外から聞こえるちょっとした物音で恐怖を感じてしまう可能性が高いため、あらかじめいろいろな音に慣らせておくことが重要になります。具体的には「犬をいろいろな音に慣らす」で解説してありますのでご参照ください。 犬をいろいろな音に慣らす

外出ルーチンを崩す

 「外出ルーチン」とは飼い主が家を出る前に行う決まりきった行動のことです。例えば「鍵を持つ」「コートをはおる」「カバンにスマホを入れる」などが含まれます。
 こうした行動と外出とを結び付けて記憶している犬は、飼い主が鍵を持ち出したりコートをはおった瞬間、「飼い主さんがいなくなってしまう!」と予測してパニックに陥り、大きな声で吠え始めたり、飼い主に体当たりして外出を阻もうとします。外に出るたびにこうした行動を取られると犬も飼い主も疲れてしまいますので、外出ルーチンを崩して犬に予測させないようにしなければなりません。
 外出ルーチンを崩す際は、ルーチンを行った後に外出しないというフェイクを入れる必要があります。例えば、以下のような感じです。
外出ルーチンのフェイク
  • 鍵をジャラジャラ鳴らしたけれども机の上に置いてそのままテレビを見続ける
  • コートをはおったけれどもそのままパソコンでインターネットをする
  • カバンにスマホを入れたけれども食卓について夕食を食べる
 上記したようなフェイクを入れておくと、「外出ルーチン=飼い主の不在」という記憶が崩され、犬がパニックに陥りにくくなります。個々のルーチンに慣れたら「鍵をジャラジャラ鳴らしてコートをはおるけれどもトイレに行くだけ」のようにルーチンを複数個組み合わせて慣らせておきましょう。

飼い主の不在に慣らす

 「待て」のしつけでは1つの場所にとどまったまま飼い主の指示が出るまで動かないでいることを学びました。留守番のしつけではそこから1歩進み、ある1つの場所にとどまったまま飼い主の姿が見えなくなるという状況に慣らせていきます。

まずは体半分を隠す

 待てのしつけでは飼い主の姿が見える状態で数歩離れた場所まで移動していましたが、留守番のしつけではドアによって飼い主の姿が見えない状態まで持っていきます。
 室内ドアが見える場所に犬を誘導し、お座りをさせて待てを命じます。室内ドアがない場合は大きめのパーティション(間仕切り)で代用してください。待てのしつけで練習した通り、まずは犬から離れていきましょう。そのままドアの外に体を半分だけだします(パーティションの場合は半分だけ体を隠す)。犬が待てを維持できたら戻って「いいこ」とほめおやつを与えましょう。 Hidden Camera Dogs' Howling when they are left alone at home 飼い主の姿が半分見えない状態に慣らす  犬が我慢できずに途中で動き出したり、自分のところに寄ってきてしまった場合は、目を合わせたり声を出したり犬を触ったりせずにもう一度元の場所に誘導し、お座りと待てを命じます。
 犬が寄ってきたときに反応を見せてはいけない理由は、「マテが解除されていないのに動き出すこと」を強化してしまうからです。これではせっかく終えた「待て」のしつけが崩れてしまいますし、留守番のしつけにもなりません。また同様に、犬が我慢できずに吠えだしたタイミングで声を出したり姿を見せたりはしないで下さい。これでは吠えることを強化することになってしまいます。鳴き止んだタイミングで姿を現し、声を出したり犬を触ったりせずにもう一度元の場所に誘導してお座りと待てを命じます。

完全に姿を隠す

 体が半分隠れた状態に慣れてきたら、今度は同じようにドアの外に出てパタンと閉めてしまいましょう(パーティションの場合は完全に体が見えないようにする)。最初は3秒ほど数えてドアを開け犬のところに戻ってあげます。そして「いいこ」とほめおやつを与えましょう。 飼い主の姿が完全に見えない状態に慣らす  途中で犬が動き出してしまった場合は、前述した通り声を出したり触ったりせず、元の場所に戻すようにします。また最初から5分待たせてしまうと失敗する確率が高まりますので、待たせる時間は犬がクリアしやすい3秒くらいからスタートしてください。

1分間待機に慣らす

 犬がドアを閉めた状態に慣れてきたら、少しずつ待機時間を伸ばしていきましょう。しつけを焦ると失敗の原因になりますので5秒ずつを伸ばしていくことにします。ドアを閉めてから5秒待たせ戻ってほめておやつを与えます。クリアできたら10秒→15秒→20秒・・・と待ち時間を伸ばしていき、まずは1分間待機状態を維持できるようにしましょう。
 犬が動き出してしまったり吠えだしたときの対処法は、前述した通りノーリアクションです。また再会してテンションが上り、ワンワン吠えているときにごほうびは与えないで下さい。こうすることで犬は「飼い主が視界から消えても騒がなければ必ず戻ってくる」ことを学習していきます。

5分間待機に慣らす

 犬が1分間我慢できるようになったら、今度は1分単位で待ち時間を伸ばしていきましょう。ずっとお座りの状態だと疲れてしまいますので、ここからは「伏せ」の姿勢で待ってもらうことにします。ドア(パーティション)が見える場所に犬を誘導し、伏せの姿勢にして待てを命じます。そしてドアの外に出て完全に閉めてしまいましょう。1分間の待機にはすでに慣れているはずですので、今度は2分間待たせてみます。2分たったらドアを開け、犬がじっとしていたら近くに寄って「いいこ」とほめおやつを与えましょう。同じ要領で待機時間を3分→4分→5分と1分単位で伸ばしていきます。
 犬が動き出してドアをガリガリしたり吠えだしたときの対処法は、前述した通りノーリアクションです。また再会してテンションが上り、ワンワン吠えているときにごほうびは与えないで下さい。ごほうびは全て犬がじっとおとなしくしているタイミングで与えるよう徹底します。

15分間待機に慣らす

 犬が5分間待機できるようになったら、今度は5分単位で伸ばしていきましょう。ここからは実際に留守番させる状況に近づけるため、あらかじめ決めておいた留守番エリアを用いていきます。マット、サークル、ケージおよび各種のリラックスシグナルを用意しましょう。
 ここでは犬の留守番エリアを「サークル」と想定して解説します。犬のサークル内に飼い主の匂いがついたタオルや服を入れ、録音しておいた自分の声をBGMで小さく流します。そしてコングのような持続性のあるおもちゃを与えてサークルの扉を閉めましょう。飼い主は静かに部屋の外に出てドアを閉め完全に姿を見えなくし、その状態で10分間待たせてみます。飼い主の匂いが消えるようトイレに隠れてしまってもかまいません。 How to train your dog to be left alone- clicker training 留守番エリアにリラックスシグナルを置き10分間の別離状態を作る  犬が吠えたりしなかったらドアを開け、犬のほうに近寄り「いいこ」とほめてあげましょう。10分がクリアできたら待ち時間を15分まで伸ばしてみます。クリアできずに激しく吠え立てるようでしたらいったん5分まで戻り、1分単位で「6分→7分→8分・・・」と少しずつ待ち時間を伸ばす方針に切り替えます。

待機時間をランダムにする

 犬が15分までの待ち時間に慣れたら、今度は姿を隠す時間をランダムに変えてみましょう。決まりきった時間でばかり練習していると、犬は「10分たったら飼い主さんが帰ってきてくれる」と学習してしまうかもしれません。これでは10分を経過した頃からそわそわと不安を感じ始めてしまいます。一方、待ち時間を2分、5分、12分、7分・・・などでたらめに設定して練習しておくと「飼い主さんはいなくなる。でも待っていれば必ず帰ってきてくれる」と考えてくれるようになり、一定の時間が過ぎても不安を覚えにくくなります。
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犬に留守番させる時の注意

 犬に留守番をさせなければならない場合、外出の前、外出して犬が留守番中、そして外出が終わって帰宅するときの全てにおいて注意点があります。

留守番の限界時間

 犬に留守番をさせてもよい限界時間に関する明確な基準はありませんが、犬が分離不安であろうとなかろうと、長時間の留守番は望ましくありません。2016年、ドイツ・ミュンヘン大学の獣医科学部チーム4つの異なる生活環境における犬たち(オス16頭+メス31頭のビーグル)の自発的行動を24時間観察しました。すると休憩するときはスペースに余裕があっても、他の犬のそばで過ごすことが多かったといいます(→詳細)。犬を長時間独りぼっちにさせるのは本能や習性に反すると考えられますので、なるべく避けたいところです。

子犬の留守番限界時間

 子犬に留守番させる場合、まずはトイレのしつけを終わらせていなければなりません。子犬の膀胱(おしっこを貯めておく袋)は非常に小さいため、週齢によって以下に示すような間隔でおしっこをする必要があります。飼い主は子犬のおしっこサインが見られるたびにトイレに誘導し、トイレの正しい場所をしっかり記憶させます。 犬のトイレのしつけ
子犬のおしっこの間隔
  • 8~10週齢未満=1時間
  • 10~12週齢未満=2時間
  • 3月齢=3時間
  • 4ヶ月齢=4時間
  • 5ヶ月齢=5時間
  • 6ヶ月齢以上=6時間以上
 生後13~14週齢までは社会化期です。生涯で一度しかない貴重な時期ですので、人間がいない環境に慣れることよりも、将来的に出会うであろう様々な刺激にあらかじめ慣らせておくことの方が圧倒的に重要になります。ですから長時間の留守番をさせることは望ましくありません。 子犬の社会化期  とは言え「人間がいない環境」自体も子犬が慣れておかなければならない刺激の1つです。いつから子犬に留守番をさせてよいのかは議論の分かれるところですが、おしっこを3時間くらい我慢できるようになった生後14週齢くらいから、1日2時間程度の留守番に慣らせていくのが妥当でしょう。なお室内における誤飲、誤食、落下事故等を防ぐため、留守番させる時は必ずトイレを設置したサークルやケージ内にします。
 現在の日本の法律では生後8週齢の子犬を販売することが許可されています。またペットショップにおける販売に際しては、購入者の家庭環境を細かく調べるという事はありません。その結果、1日10時間留守番させなければならない人に、長時間の留守番は無理な生後8週齢の子犬を販売するというおかしな状況が発生してしまいます。
 その歪みは「犬のストレス」「問題行動」「飼い主のストレス」「飼育放棄」という形で現れ、誰1人として幸せになるものはいません。保護者がいない環境は、鳴き声、粗相、破壊行動といった典型的な行動のほか、下痢、嘔吐、食欲不振といった恐怖やストレスに起因する自律神経系の症状を引き起こすこともあります。少なくとも子犬が生後14週齢に達するまでは、家族、友人、知人、ペットシッターなどに頼み、子犬を長時間独りぼっちにさせないよう配慮することが望まれます。

分離不安犬の限界時間

 犬が分離不安の場合、不安に関連した行動は遅くとも30分以内には始まりますので、できれば30分程度に収めておきたいところです。日ごろから不安を緩和するための練習を積んでいても、ストレスがゼロになるというわけではありませんし不安に関連した問題行動が出ないというわけでもありません。鳴き声による近隣住人への迷惑および粗相や破壊行動による室内の損傷を予防するためにも、留守番は1時間以内に収めたいものです。

分離不安がない犬の限界時間

 犬に分離不安がない場合、比較的長時間の留守番にも耐えられますが、全くストレスがないというわけではありません。
 2011年、スウェーデン農科学大学の調査チームは、分離不安の傾向がない12頭の犬を対象とし、待ち時間が留守中の犬の行動と飼い主と再会した時の行動にどのような影響をもたらすかを観察しました(Rehn, 2011)。30分、2時間、4時間という待ち時間を設けて比較した所、飼い主と再会したときの行動に明白な違いが見られました。具体的には、30分のときに比べ待ち時間が2~4時間の時、活動性、環境への働きかけ、しっぽ振り、飼い主との交流といった行動の増加が見られたと言います。
 こうしたことから、明確な分離不安の傾向がなくても、飼い主と数時間離れていると犬はストレス(寂しさ?)を感じてしまうものと推測されます。

留守番の時間と問題行動

 犬に留守番させる時間が長くなればなるほど、問題行動が起こるリスクが高まります。
 オーストラリア・クイーンズランド大学が中心となったチームは、2001年から2013年の期間、ブリスベンにあるペット動物行動クリニックを訪れた犬7,858頭のデータを元にし、犬の問題行動を助長する遺伝要因と環境要因が何であるかを検証しました。その結果、飼い主のワークスタイルが犬の問題行動に大きな影響を及ぼしていることが明らかになったといいます。 犬の問題行動を助長する遺伝要因と環境要因  具体的には以下で「20未満=家を空けるのは週20時間未満」「不定期=勤務時間が一定でない」「20~40=家を空けるのは週20時間以上~40時間未満」「40~60=家を空けるのは週40時間以上~60時間未満」を意味します。また数値はオッズ比で、枠の色が濃ければ濃いほどリスクが高いことを意味しています。 飼い主のワークスタイルと犬の問題行動オッズ比(OR)一覧  上の表で示したように、1週間における留守番の時間が長くなればなるほど、犬の問題行動が起こりやすくなるという関係性がおわかりいただけるでしょう。決して明確な基準ではありませんが、1週間の留守番の時間がトータルで20時間を超えないようにしたいものです。

留守番させる前の注意

 犬に留守番させなければならない時、できれば事前に散歩(子犬の場合は散歩の室内トレーニング)を済ませておきます。身体に疲労感が残っていれば自然と眠くなりますので、留守番中に活発に動きまわるということが少なくなります。また散歩の後にご飯を食べさせておけば、血液が消化器系に集まりますので眠気がより一層増します。おもちゃで綱引きをするなど犬が興奮するような遊びに付き合ってしまうと、犬の心と体が興奮して眠気が飛んでしまう可能性があります。出かける30分くらい前からはなるべく交流は避けた方がよいでしょう。

ケージ・サークルで留守番させる場合

 ケージ・サークルといった限られたエリア内で犬を留守番させることのメリットは、家の中のものが壊されにくくなるという点です。デメリットは犬のストレスになりうるという点でしょう。
 クレートやサークルといった狭い空間の中に入れた方が不安感が減少するという意見(Horwitz, 2002)がある一方、ケージの存在が不快感を増加させている傾向が観察された(Palestrini, 2010)という矛盾した報告もあります。犬によってリアクションは違いますので、その犬の個性に合わせて使用するかどうかを決めるほうがよいでしょう(Overall, 2002)。あらかじめハウスのしつけを終わらせ、なおかつケージやサークルをリラックスシグナルとリンクしておけば、比較的楽に順応してくれます。 Long Term Confinement Area For Puppies By Urban Dog Training 犬をサークル内で留守番させるときは寝床とトイレをなるべく遠くに置くこと  ケージやサークルをレイアウトするときは、一方にクレートのような身を隠せる場所、他方のなるべく離れた場所にトイレを設置します。水はいつでも飲めるようにしておきますが、容器に入れた状態だとこぼしてしまうことがあるため、ケージの側面に取り付けるノズルタイプのものも併用するようにします。いきなり取り付けでも使い方がわかりませんのであらかじめ練習しておきましょう。活発な子犬の中には柵を乗り越えてしまうものもいます。万が一子犬が室内にさまよい出ても重大な事故が起こらないよう、間違って飲み込みそうなもの、上から落ちてきそうなもの、子犬が登って落下してしまいそうなものはあらかじめ排除しておくと安心です。 犬用サークル・ケージ
 ケージをガジガジかじる「ケージバイター」の場合、おもちゃを用意しておかないと金属をかじって歯が折れてしまうこともあるため、必ず犬が口の中に入れられるものを用意しておきます。理想はコングのような持続性のあるもので、あらかじめリラックスシグナルとしてリンクしておけば効果は倍増します。ただし大型犬の場合、小さなコングくらいだったら丸呑みできますので、必ず体のサイズに合ったものを買ってください。骨、ひづめ、生皮といったあまりにも固いものは歯の破折の原因になってしまいますので避けたほうがよいでしょう。誤飲事故が起こりやすい紐状のもの、壊れやすいもの、小さなものは体の大きさにかかわらず一切与えないようにします。子犬がペットシーツをかじってしまう場合は、あらかじめテープなどでしっかり固定しておきます。

室内で留守番させる場合

 室内で留守番させる時のメリットは、犬が自由に動き回れて環境に対する働きかけが自分の意志でできる点です。ケージやサークルにストレスを感じる犬にとっては大きな利点でしょう。デメリットは室内にあるものが破壊行動の対象になりやすい点、そして家の中にあるもので事故が起こってしまう危険性がある点です。
 室内全体を留守番エリアにする場合は、部屋の片隅に寝床を置き、そこからなるべく遠いところにトイレを設置します。水や食事はその中間地点におき、水の容器がひっくり返ることを想定して複数箇所においてあげましょう。基本的なことは「犬が喜ぶ部屋の作り方」でも解説してあります。 部屋をドッグプルーフにする  犬に壊してほしくないものは徹底的に隠しておきます。スリッパ、電気スタンド、壁に掛けた絵画などです。またエアコンのスイッチを間違って押してしまわないよう、リモコンは絶対に見つからない場所に隠しておきます。夏場の冷房を暖房に切り替えてしまうと、最悪のケースでは熱中症で死んでしまいます。 留守番中の事故を防ぐため、落下の危険性があるものは全て取り払っておく  ケガや事故の原因になりそうなものは徹底的に隠すか予防策を施しておきます。例えばパネル型テレビ、アイロン、花瓶などです。首輪が引っかかりそうなリードフックのようなものにもアクセス出来ないようにしておきます。できない場合は犬の首輪を外しておきましょう。犬が飲み込んでしまいそうなものも一つ残らず片付けてください。留守中に誤飲事故が起こってしまうと病院に連れて行ってくれる人がおらず、最悪のケースでは窒息死もしくは中毒死してしまいます。 部屋から危険なものをなくす 留守中の犬はキッチンや窓の隙間などに侵入する  犬の中には非常に器用に家の中から脱走するものがいます。戸締りはしっかりとしていかなる隙間も残さないようにようにしましょう。またタッチ式コンロを誤って触ってしまい、火災が発生するというケースが海外でも国内でも報告されています。犬に立ち入って欲しくない場所はペットゲートなどで厳重に立入禁止にしておきます。頭のいい犬の場合、ハンドル式のドアくらいだったら人間の見よう見まねで開けることができますので、必ずドアストッパーで開かないように二重ロックをしておきましょう。

留守番中の注意

 留守中、家財道具が壊されないようにするのも重要ですが、それよりも重要なのは犬がケガや事故に巻き込まれないようにするということです。

室内の基本設定

 犬が家の中のどこで留守番するかにかかわらず、室温はエアコンで調整します。犬がリモコンをかじったりに踏んづけてしまわないよう、必ず届かないところに隠してください。
 夏場は27~28℃に設定し、犬の寝床に直接風が当たらないようにします。またカーテンを閉めて直射日光を遮ってください。扇風機をかけている人がいますが、犬は汗をかきませんので体温調整にはほとんど関係がありません。最悪のケースでは熱中症で死んでしまうこともありますので、電気代をケチらずにエアコンを用いるようにします。
 冬場は26℃くらいに設定し犬の寝床に直接風が当たらないようにします。電気ストーブやホットカーペットは事故や低温火傷の危険性がありますので使用は控えてください。ペット用の低温ホットカーペットなら火傷の心配はありませんが、電気コードをかじってしまう危険性があるためやはり控えるようにします。

留守番カメラ

 部屋の中に留守番カメラを設置して留守中の犬が何をしているのかを観察することは有意義です。 留守中の様子をカメラで捉えておくと犬が見せる思わぬ行動に気付くことができる  事故の原因になりそうな想像を絶する犬の行動が見つかったり、分離不安の犬がドアを閉めてからどの程度で問題行動を示し始めるのかがわかったりします。また留守番のしつけによって問題行動がどの程度減ったのかの評価もできるようになります。

帰宅・再会時の注意

 飼い主が留守番させていた犬と再会する際、気をつけなければならないことが2つあります。1つは再会した瞬間に犬が見せる問題行動にごほうびを与えないこと。もう1つは留守番中にしてしまった問題行動に罰を与えないことです。

あいさつ行動にごほうびを与えない

 長く続いた別離の時間が終わり、家のドアが開いて飼い主と再会する瞬間、犬はさまざまなあいさつ行動を見せます。具体的には「吠える」「飛びつく」「顔をなめる」などです。しかしこうした状況は、犬を偶発的に強化して問題行動を助長させてしまう危険性を含んでいますので注意しなければなりません。
 たとえば飼い主が「寂しかったかい?私も寂しかったよ!」と言って犬を思い切りなでてあげたとしましょう。すると犬は「吠える」「飛びつく」「顔をなめる」といった行動をとったことで飼い主が喜んでくれたと勘違いし、留守番とは全く関係ない状況においても、こういう行動を取ろうとしてしまうのです。オペラント条件付けにおける「正の強化」ですが、この場合強化しているのは正しい行動ではなく望ましくない問題行動ということになります。 犬と再会したときの偶発的な強化が犬の問題行動を知らないうちに助長している  こうした偶発的な強化を避けるため、飼い主は犬と再会した時の決まり事を設けておかなければなりません。例えば、以下のような感じです。
犬との再会時のルール
  • 犬を無視するとき吠えている間 | 人の体に前足をかけている間 | 顔をなめている間
  • 犬にごほうびを与えるとき吠えることや飛びつきを止めた瞬間「お座り」を指示し、うまくできたらほめてあげる
 こうした決まり事を作っておくことで偶発的な強化による問題行動の状況を予防できると同時に、飼い主と再会した犬の喜びを抑圧せずに済みます。こうした再会時のルールは家族の中の誰か1人が守ればよいというものではなく、全員が守らなければなりません。いちど家族会議を開き、無視するタイミングとごほうびを与えるタイミングについて共通理解を得ておいたほうがよいでしょう。

留守中の問題行動を罰しない

 留守番している間に不安に駆られた犬は、ドアを引っかいて傷つけてしまうかもしれません。部屋の隅に置いてあった置き物を落として壊してしてしまうかもしれません。床の上にうんちやおしっこをしてカーペットを汚してしまうかもしれません。こうした犬の問題行動を見つけたとき、飼い主の中には「自分に対する嫌がらせだ!」と思い込み、怒鳴りつけたりや体罰で叱ってしまう人がいます。しかしこうした時間差の罰には全く意味がありませんので絶対にやってはいけません行動の直後以外のタイミングで罰を与えても全く意味がない  犬のしつけの基本理論でも詳しく解説しましたが、犬が行動と賞罰を結びつけるのは行動の直後にごほうびや罰が加えられた時だけです。うんちをしてから20分後に怒鳴られても自分が何に対して怒鳴られてるのかは全く理解できません。何もしていないのに叱られるわけですから、人間で言うと「お前万引きしただろう!」と言いがかりをつけられ、スーパーの事務室に連れていかれるようなものです。理不尽な言いがかりや罰は、犬でも人間でも関係性を著しく悪化させますので絶対にやってはいけません。
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