トップ犬のしつけ方室内で必要となるしつけ犬のトイレのしつけ

犬のトイレのしつけ

 トイレとは、犬が自分から決められた場所でうんちとおしっこをすることです。散歩とトイレの時間を一緒にすることは、法律に違反すると同時にさまざまなトラブルの原因になります。また家のあちこちにうんちやおしっこをされては大変ですので、このしつけは早い段階で教える必要があります。多少時間がかかりますが、根気良くがんばりましょう。

トイレのしつけの必要性

 犬のトイレは大きい方であれ小さい方であれ、室内で行うのが理想です。もし家の外でしてしまったらどうなるのでしょうか?代表的なトラブルとしては以下のようなものがあります。

法律違反になる

 犬の排泄物に関してはいくつかの法律で規制がかかっています。屋外に犬の排泄物を放置することは法律違反になってしまうので要注意です。
犬のトイレ・関連法規
  • 動物愛護法所有者等は、自らが飼養及び保管する家庭動物等が公園、道路等公共の場所及び他人の土地、建物等を損壊し、又はふん尿その他の汚物、毛、羽毛等で汚すことのないように努めること(家庭動物等の飼養及び保管に関する基準・共通基準2)
  • 廃棄物処理法公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない(廃棄物の処理及び清掃に関する法律・第5条)
  • 軽犯罪法公共の利益に反してみだりにゴミや鳥獣の死体その他の汚物または廃物を捨ててはいけない(軽犯罪法・1条27)

事故が起こる

 犬のおしっこを屋外に放置すると、時として思いもかけない事故が起こることがあります。
 2016年、大阪の池田市にある市営公園で照明柱が腐食して倒れ、当時小学4年生の女児が両手を挟まれて骨折するという事故が起こりました。市が事故の原因を調査したところ、犬の尿が柱の根本に何度もかけられた結果、柱の地中部分の腐食が進んだ可能性があるとの結論に至っています。さらに2017年には埼玉県のさいたま市でも、犬のおしっこによる腐食が原因で道路標識が突然倒れるという事故が起こっています。
 このように犬のおしっこは、環境を汚すだけでなく文字通り環境を破壊する力も持っていますので、軽い気持ちで屋外に放置してはいけません。

対人トラブルに発展する

 犬のうんちを屋外に放置すると、ひどい対人トラブルに発展する危険性があります。
 2011年、東京都墨田区の路上で女性が犬を散歩中、路上で犬がフンをした事をめぐって近所の30代の男性と口論になり、女性の夫である元大相撲大関のタレントが男性を突き飛ばして暴行容疑で書類送検されるという事件が起こっています。さらに2017年、愛知県の豊橋市で犬のふんを片付けずに立ち去ろうとした男(73)が、同市の自営業男性(59)に注意されたことに腹を立て、相手を蹴って暴行容疑で逮捕されています。逆ギレもいいところですが、そもそも法律を守らない人間に理屈は通じないのでしょう。

トイレのしつけの重要性

 上記したように、犬に屋外でトイレをさせてしまうと飼い主や第三者を巻き込んだ様々なトラブルに発展してしまう危険性があります。ですから犬のトイレは散歩の途中でするのではなく、外に出る前の家の中ですでに終わらせておかなければなりません。 東京都民が犬に関する迷惑だと感じる内容の内訳  2011年、東京都福祉保健局が東京都民895人を対象として「犬に関する迷惑だと感じる内容」に関する調査を行った所、88.7%の人が「うんち」、57.7%の人が「おしっこ」と回答しています。口には出さないものの快く思っていない人はたくさんいますので、なるべく早いうちにトイレのしつけを終わらせておきましょう。
犬のトイレのしつけトップへ

犬のトイレのしつけ・基本方針

 犬のトイレのしつけに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動
便意を催したら、犬が自発的に所定の場所に行って用を足すこと
してほしくない行動
便意を催したら、犬が自分勝手な場所で用を足すこと
 してほしい行動と快(ごほうび・強化刺激)、してほしくない行動と不快(おしおき・嫌悪刺激)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を強化、 後者を弱化と呼ぶことは犬のしつけの基本理論で述べました。これを踏まえて犬にトイレをしつける場合を考えて見ましょう。
強化
「犬が自発的に所定の場所に行って用を足した」瞬間に快を与える
弱化
「犬が自分勝手な場所で用を足した」瞬間に不快を与える
 犬のトイレのしつけに際しては弱化よりも強化の方が効果的です。
 これは、「便意(べんい)をもよおした→間違った場所で用を足した→大きな物音で不快感を与えた」という形で正の弱化をしてしまうと、犬は「用を足した→不快な大きな音がした」と学習してしまう危険性があるためです。これでは用を足すこと自体に恐怖を感じてしまい、結果として、飼い主に隠れておしっこをするようになったり、自分の便を食べてしまう食糞症(しょくふんしょう)になりかねません。
 ですから犬が誤解してしまうような正の弱化ではなく、所定の場所で用を足した瞬間におやつなどの快を与えるという 正の強化でトイレをしつけるのが基本方針となります。
望ましくないしつけ方  日本国内では数十年前から、「粗相をした場所に犬を連れて行き、鼻先を押し付ける」という都市伝説的なトイレトレーニングが横行しています。しかし犬の短期記憶能力回想能力でも詳述したとおり、犬は数分前の出来事と現在与えられている罰の因果関係を結びつけることができません。この行為には全く意味が無いばかりか、犬と飼い主の信頼関係を損なう危険性もありますので、安易な情報に流されないようにしましょう。
犬のトイレのしつけトップへ

犬のトイレのしつけ・実践

 基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。まずはしつけに入る前に「犬のしつけの基本理論」で述べた大原則「ごほうびと罰のタイミングを間違えないこと」「しつけ方針に家族全員が一貫性を持たせること」を念頭においてください。まだマスターしていない方は以下のページを読んで「すべきこと」と「すべきでないこと」が何であるかを把握しておきます。 犬のしつけの基本

トイレの準備をする

 犬の室内用トイレとしては市販されているペットシーツとトイレ用のトレーを用いるのが簡便です。必要不可欠というわけではありませんが、犬にトイレとして認識してもらうため、部屋の他の部分とは見た目も匂いも明確に違った区画があったほうがよいでしょう。

トイレの大きさ

 トイレには様々な種類がありますが、体の大きさに比べてあまりにも小さすぎるとおしっこがはみ出してしまいます。逆に体の大きさに比べてあまりにもトイレが大きいとトイレとして認識してくれず、せっかく買ったのに全く使ってくれないという事態に陥ってしまいます。体の大きさとトイレの大きさに関するベストな比率というものはありませんが、「小型犬に大型犬用のトレーを用意する」など極端なことをしなければ、通常はトイレとして認識してくれます。

壁付きトイレ

 オス犬でもメス犬でも片方の後ろ足を上げておしっこする犬がいます。犬にそうした癖がある場合、壁(ウォール)付きのトイレを用意してあげると部屋の汚れを防ぐことができます。
 足を上げてのおしっこは小型犬のオスに多いようです。2017年、ニューヨーク・コーネル大学のチーム行った調査では、足を上げておしっこをする頻度に関しオス犬でもメス犬でも小型犬の方が中型犬や大型犬よりも多かったと言います。またオス犬に関しては去勢手術を行っていない犬において高い頻度が確認されたとも。おしっこをするときに後ろ足を上げやすい犬の特徴は?  去勢手術を受けていない小型犬のオスでは、おしっこをするときに片足を上げる確率が高いと考えられますので、あらかじめ壁付きのトイレを選んだほうが無難かもしれません。

トイレの置き場所

 犬のトイレは寝床や食事場所からなるべく遠い場所に置いてあげます。
 犬を始め縄張りを作る動物種は、巣や休息場などから離れた場所で尿や糞をするのが一般的です。犬のこうした習性に関して動物行動学者のB.ハート氏は「糞中に含まれる虫卵を介して広がる腸管内寄生虫に対する、本能的な防衛システム」だと推測しています。また2016年、ドイツ・ミュンヘン大学の獣医科学部チームは4つの異なる生活環境における犬たち(オス16頭+メス31頭のビーグル)の自発的行動を24時間にわたって観察しました。その結果、自由に外出できるグループではすべての犬が自発的に屋外で排便をし、自由に外出できないグループは休息エリアからなるべく遠い場所で排便をしたと言います。 人が見ていない時、犬は高確率で食糞する  こうした事実から、犬のトイレは休息場所からなるべく遠い場所に設置してあげるのがベストということがわかります。休息場所とトイレを隣り合わせで設置するタイプのケージやサークルが売られていますが、上記した犬の習性から考えると決して理想的とは言えません。またたとえ寝床から離れた場所であっても、しょっちゅうドアが開閉するような落ち着かない場所は避けるようにしましょう。部屋が狭くてどうしようもないという場合は、トイレの周りだけパーティションのような囲いを設けてあげると犬が安心してくれることがあります。

犬にトイレを覚えさせる

 トイレの準備が整ったら犬にトイレの場所を覚えてもらいましょう。

犬のトイレサインを読み取る

犬が便意を催すと、ある一定の行動を取りますので目印になります。  犬にトイレを覚えさせる前に、まず犬の便意(おしっこしたい・うんちしたいというトイレサイン)を読み取る訓練をしましょう。
 犬が便意を催しやすいのは、寝起き、えさを食べた後、運動の後です。このタイミングに合わせて特に犬の様子を観察するようにします。犬がうんちやおしっこをしたくなると、以下のようなトイレサインを見せます。
  • そわそわ落ち着かなくなる
  • 後ろ足の動きがぎこちなくなる
  • しきりに自分のお尻を気にする
  • 床の匂いをくんくんと嗅ぎ始める
 こうしたしぐさはトイレを探している前兆ですので、飼い主は犬の便意のサインを見逃さないようにします。また、犬がいつトイレをしたかという犬の排泄記録をつけておくと、おしっこやうんちのタイミングをつかみやすくなるので効果的です。犬種によって違いはありますが、子犬における大まかなおしっこの間隔を以下に示します。子犬を迎えたばかりの生後8~10週齢ころは1時間に1回の割合でおしっこをしますので、サインを見逃さないようにしなければなりません。
子犬のおしっこの間隔
  • 8~10週齢未満=1時間
  • 10~12週齢未満=2時間
  • 3月齢=3時間
  • 4ヶ月齢=4時間
  • 5ヶ月齢=5時間
  • 6ヶ月齢以上=6時間以上
クレートトレーニング
 犬をクレートなどの囲いに入れてトイレを人為的に我慢させ、排尿排便する瞬間を飼い主がコントロールすることを「クレートトレーニング」と呼ぶことがあります。トイレのタイミングを計るのが難しい場合などに利用される方法で、1時間我慢させたらトイレに連れて行くなど、あらかじめルール設定しておきます。
 クレートに安心して入るようしつけることも同様に「クレートトレーニング」と呼ぶため紛らわしいですが、「トイレのしつけ」という文脈でこの言葉が出てきたときは、別物として覚えておきましょう。

トイレと指示語をリンク

トイレに合わせて指示語を聞かせる  犬の便意を読み取ったら、犬を所定のトイレに連れて行きましょう。そこで用を足し始めたら、飼い主は決めておいた指示語を犬に聞かせます(たとえばうんちしている間に「ワンツーワンツー」など)。そうすると犬の頭の中では「用を足す」という行為と「ワンツーワンツー」という音声的な情報が結びついていきます。 「ワンツーワンツーと声を掛けられていると、安心して用を足せるぞ!」と覚えこませることが重要です。

うまくできたらごほうび

犬が上手にトイレをできたらごほうびを与える  犬が所定のトイレで用を足せたら、「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えましょう。犬の頭の中では、「この場所で用を足すとごほうびがもらえるんだ!」と記憶されますので、積極的に所定のトイレで用を足そうとする意欲が生まれます。
 なお、排尿や排便は「自己報酬的行動」といって、その行為自体が気持ちよく、犬にとってのごほうびになってくれるという側面も持っています。この理屈にのっとり「トイレのしつけにごほうびは必要ない」とするトレーナーもいますが、場所とごほうびとを結びつけた方が失敗する確率が下がりますので、報酬を与えても間違いではありません。ただしトイレにいくたびに毎回おやつを与えていると、賢い(ずるがしこい?)犬の場合、ただ単におやつが欲しいがためにトイレに行くというフェイク行動を見せることがあります。ですから犬がしっかりとトイレの場所を覚えたら、「いいこ」というほめ言葉だけにシフトしていくようにしましょう。
 トイレをした後に「よくできたねぇ!じゃあハウスに入りましょうね」などといって犬をハウスに閉じ込めてしまうと、これは犬にとっての罰(不快なこと)になる可能性があります。結果として「トイレで用を足すと閉じ込められて面白くないや!」と記憶し、逆にトイレでの排便を拒むようになりますので気をつけましょう。
犬の「青木まりこ現象」  犬は同じ場所で繰り返しトイレをしていると、そのうちその場所に来ただけで便意を催すようになってきます。イアン・ダンバー氏はこのことを「足元の選択」、「場所の選択」という言葉で表現していますが、古典的条件付けによって成立した学習の一種と言えるでしょう。人間でも「青木まりこ現象」といって、書店に足を運ぶと、訳もなく突如として便意がこみ上げてくる現象が有名ですが、これも場所と排便行為が結びついた学習例と言えます。

トイレに失敗したときの対処法

 犬がトイレに失敗した時の飼い主の態度は非常に重要です。
正しい対処
そっと犬を隔離→粗相した場所をきれいに掃除→消臭
よくない対処
大きな声で騒ぐ→犬の見ているところで掃除
犬がトイレの失敗をしたときにやってはいけないのは、犬を叱ったり大声を上げること  よくある間違いは「あらー何やってるの!ここじゃないでしょう!!」などと高い大きな声を出してしまうことです。犬にとっては「あ!飼い主さんが喜んでくれてるな!もっといろんな所でおしっこしてみよう!」となります。つまりトイレ以外の場所で用を足すことに対して「正の強化」を行っているのです。
 また飼い主が粗相(そそう)の処理している姿を見せてもいけません。なぜなら「あそこでおしっこをしたら、飼い主さんが来てくれるんだな。ようし!いろんな所でおしっこをして飼い主さんに構ってもらおう!」となってしまう可能性があるからです。
 正しい対処法はこうです。もし犬がトイレ以外の場所に粗相をしてしまったら、飼い主はまず犬をその場所から隔離(かくり)します。犬から見られない状況になったら、汚れた場所をタオルやペットシーツなど吸水性のあるもので拭いたり、うんちを取り除くなどします。そして忘れずに、その場所に消臭スプレーを掛けておきます。なぜなら犬は自分のおしっこやうんちの匂いのある場所に、再び用を足そうとする習性があるからです。再犯を予防するためには匂いを消す必要があります。犬のトイレの失敗

囲いに入れる時

 休息場所からなるべく遠い場所で排泄をする習性がある犬にとって、寝床とトイレを並べて置くタイプの囲い(サークルやケージ)は違和感に満ちたものです。ですから基本的には使わないようにします。しかし留守番のときや夜眠るときなど、犬を数時間にわたって1ヶ所に留めておきたい状況がしばしば発生します。
 そんな時は、留守番用の特別なトイレを用いるのではなく、普段使っているトイレとペットシーツをサークルやケージの中に入れるようにします。多少匂いが残っていますので、鼻のよい犬からすれば「自分のトイレだ!」とすぐに認識できるでしょう。また犬は自分の寝床を汚さない習性がありますので、狭い空間の中に寝床とトイレがあった場合、寝床以外の場所を勝手にトイレとして認識してくれます。
 寝床とトイレ以外の狭いスペースを狙ってわざわざおしっこをしてしまうような場合は、あらかじめ囲いの全体にペットシーツを敷いておきましょう。犬がペットシーツをぐちゃぐちゃにする癖があるときは、ずれないようテープなどでしっかり固定しておきます。
 普段からサークルやケージ内に入れたトイレを使っている場合はそのまま使うようにします。しかし先述したように、寝床とトイレが近い状態は犬が本能的に嫌うレイアウトです。特別な理由がない限りベッドとトイレはなるべく離れた場所に置いてあげましょう。

トイレを変える時の注意

 今まで使っていたトイレ変える時は1週間くらいかけてゆるやかに移行するようにします。

ペットシーツを変える時

 急にペットシーツを変えてしまうと匂いが変わって犬がトイレとして認識してくれなくなる可能性があります。ですからまずは新しいペットシーツを1/3程度にカットして今まで使っていたペットシーツの端っこにおくようにします。犬が匂いや見た目に慣れてきたら、シーツの大きさを1/2→2/3という具合に少しずつ大きくしていき、最終的には新しいペットシーツに入れ替えてしまいます。1週間くらいかけてゆっくりと移行して下さい。

トレーを変える時

 トレーのデザインを急に変えると、犬が警戒して入りたがらなくなってしまうかもしれません。ある日突然、何の前触れもなくトイレを交換するのではなく、新品が届いたらまずは部屋の中央に置き、犬に匂いを嗅がせてあげましょう。犬がひとしきり匂いを嗅いで警戒心を解いたら、今度はその新品を今まで使っていたトイレのそばまで移動します。犬が新しいトイレの存在を気にせずトイレできるようになったら、いよいよ古いトイレと交換してみましょう。いきなり交換するよりはスムーズに使ってくれるはずです。1週間くらいかけてゆっくりと移行して下さい。どうしても使ってくれないような場合は、犬のおしっこを軽く塗りつけて拭き取ります。トレーに残った微妙な匂いを自分のものだと認識してくれたら使ってくれるかもしれません。

庭をトイレにする時

 犬のしつけ本の筆者が欧米人の場合、屋外での排泄を前提としたものが見受けられます。この背景としては、欧米では中~大型犬の飼育が多いことや、庭付きの一戸建てに住んでいる人が多いという住宅事情があると思われます。日本国内では必ずしも最適な方法とは言えない場合もありますので、そのようなしつけ本を目にした場合は、内容を日本風に解釈した上で読んだ方が無難でしょう。

庭トイレのデメリット

 家が一戸建ての場合、庭を犬用のトイレにしてしまう人がいます。しかしこれはいくつかの点においてオススメできません。 庭を犬のトイレにすることには沢山のデメリットがある
  • 天候に左右される庭をトイレにしていると、外の天気にかかわらずトイレの度に犬が外に出なければなりません。外が土砂降りで雷が鳴っていたらどうなるでしょう?雷の音が嫌いな場合、外に出るのが嫌でおしっこを我慢してしまうかもしれません。その結果、家の中で粗相したり我慢しすぎて膀胱炎になってしまう可能性もあります。
  • 外に出る重労働庭をトイレにしていると、犬が年をとって足腰がヨボヨボになっても、トイレの度に外に出なければなりません。ほっぽり出すわけにはいきませんので、飼い主がリードをつけて付き添うことになります。こうした状況はわざわざ外に出る犬にとっても苦痛ですし、それに付き合う飼い主にとっても苦痛です。
  • 近所迷惑水はけが悪い庭の場合、長年同じ場所でおしっこやうんちをしていると、土壌に臭い成分が染み込んで悪臭を放ってしまうことがあります。この状態は動物愛護法が定める「所有者等は、家庭動物等のふん尿その他の汚物、毛、羽毛等の適正な処理を 行うとともに、飼養施設を常に清潔にして悪臭、衛生動物の発生の防止を図り、周辺の生活環境の保全に努めること」に反していますし、近隣トラブルの原因にもなります。また犬が庭で転げ回った際、被毛に自分の排泄物がつく危険性もあります。

庭をトイレにする場合

 何らかの事情でどうしても庭に犬用のトイレを設置したい場合、基本的には室内トイレの時と同様、正しい行動に対してごほうびを与える正の強化が基本となります。
  • 犬用の屋外トイレを作る庭全体をトイレにしてしまうと不衛生ですので、ある特定のエリアを犬用のトイレにします。杭やポールなどを打ち込んで目印にしておけば犬がトイレとして認識しやすくなるでしょう。また足を上げる癖のある犬の手助けにもなります。地面は水はけの良い場所、もしくは水洗いしやすい場所を選びます。 砂状の場所だと犬が前足でひっかいて散らかしてしまう可能性がありますので避けたほうがよいでしょう。
  • 犬をトイレに誘導する犬のトイレサインが見られたらリードをつけてトイレの場所まで誘導してあります。最初のうちは犬のおしっこを染み込ませたペットシーツなどをその場所に置いておいても構いません。犬がおしっこやうんちを始めたら「ワンツー」など、事前に決めていた言葉をかけてあげましょう。排泄が終わったら「いいこ」などと声をかけてごほうびを与えます。ごほうびは徐々に少なくし、最終的にはほめ言葉だけにして下さい。
  • トイレを掃除する犬のおしっこを長時間放置すると悪臭を放ってきますので、市販の消臭剤などをかけて臭いを抑えるようにします。しかしこうした製品の消臭効果には限界がありますので、どうしても臭いが消えない時は土壌をそっくり入れ替える必要があります。土の廃棄方法に関しては所属自治体にご確認ください。
 庭をトイレにしている飼い主は、トイレのたびにリードをつけて庭に出るのが面倒くさくなり、そのうち「やっといで!」とノーリードの犬を庭に解き放つ時がやってきます。庭は事前に「犬を外や庭で飼う」で詳しく解説したような脱走対策を施していなければなりません。また飼い主は、たとえ自分の家の庭だとしても犬が逃げ出さないよう見張っていなければなりません。 犬を外や庭で飼う

屋外でトイレをしたら?

 犬の排泄は散歩前に済ませておくことが理想ですが、生理現象を100%コントロールすることは困難です。結果として散歩の途中でもよおしてしまい、屋外でおしっこやうんちをしてしまうことがあります。
 犬がおしっこをしてしまった場合、携帯している水などをかけて洗い流します。洗い流した水自体が汚染の原因になるという見方もありますが、遅かれ早かれ雨で洗い流されますので、要は時間の問題です。
 犬がうんちをしてしまった場合は、携帯している犬用のうんち袋で回収し、自宅に持ち帰ります。地方自治体によっては燃えるゴミとして処理してくれることがありますので確認しておきます。詳しくは「犬の散歩のマナー」でも解説してありますのでご参照下さい。 犬の散歩のマナー 犬の排泄物を屋外に放置するという行為はトラブルのもとになりやすい  2011年、東京都福祉保健局が東京都内に暮らす犬の飼い主242人を対象として行った調査では、50%の人が「おしっこを水で洗い流す」と回答したのに対し40.1%の人が「何もしない」と回答しています。またおよそ9%の人が「犬のうんちをまったく持ち帰らない」「場所によっては持ち帰る」「無回答」と回答しています。冒頭で述べたように、犬のおしっこやうんちは様々なトラブルにつながる導火線です。基本的には散歩の前にトイレを済ませておき、万が一屋外でしてしまった場合は、最低限のマナーを守るようにしましょう。
犬のトイレのしつけトップへ