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音に慣らすことの必要性 音に慣らす〜基本方針 音に慣らす〜実践

音に慣らすことの必要性

音に慣らすこととは、犬が気になる音を聞いても取り乱さない状態のことです。

散歩中には自動車や自転車、オートバイなどの乗り物が必ず存在します。エンジン音やブレーキ音、クラクションやベルの音にいちいち反応して取り乱していたら、いつか興奮した犬が道路に飛び出して事故にあってしまうでしょう。あるいは他の犬の吠え声や猫の鳴き声などにおびえていたら、いつまでたっても家の中に閉じこもりっきりの引きこもり犬になってしまう危険性もあります。
つまりいろいろな音に慣らすことはペットを社会に溶け込ませるという意味があるのです。

では具体的に音に慣らすトレーニングを見ていきましょう。

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音に慣らす〜基本方針

音に慣らすことのしつけに際して、飼い主はまず以下のことを念頭に置きます。
してほしい行動
いろいろな音を聞いても取り乱したり興奮しない
してほしくない行動
いろいろな音を聞くと取り乱したり興奮してしまう
してほしい行動と快(賞)、してほしくない行動と不快(罰)を結びつけるのがしつけの基本であり、前者を正の強化(陽性強化)、 後者を負の強化(陰性強化)と呼ぶことは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べました。これを踏まえて音に慣らすことをしつける場合を考えて見ましょう。
正の強化〜陽性強化
「いろいろな音を聞いても取り乱したり興奮しなかった」瞬間に快(賞)を与える
負の強化〜陰性強化
「いろいろな音を聞いて取り乱したり興奮してしまった」瞬間に不快(罰)を与える
いろいろな音に慣らす際は陽性強化、陰性強化の両方が効果的です。 なぜなら「気になる音がした⇒興奮して吠えた⇒大きな物音で不快感を与えた」という形で負の強化をしたとしましょう。 この時犬は「興奮して吠えた⇒不快な大きな音がした」という解釈をするでしょう。この解釈は上記した負の強化(陰性強化)の目的に適っていますので、犬をいろいろな音に慣らす際は陰性強化も採用してよいと思います。
ですからいろいろな音に慣らす際は、音を聞いても興奮しなかった瞬間に賞を与える「正の強化」をメイントレーニング、音を聞いて興奮した瞬間に罰を与える「負の強化」をサブトレーニングとして基本方針とします。

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音に慣らす〜実践

音に慣らすことをしつけるに当たっての基本方針を理解したところで、いよいよ実践に入りましょう。
まずは「犬のしつけ・基本中の基本」で述べた大原則、つまり「一つの行動と快・不快を同居させないこと」、 「行動の最中に賞罰を与えること」を思い出してください。
・ 快を与えるもの(賞)を用意する=おやつ、なでる
・ 不快を与えるもの(罰)を用意する=下記表参照
・ 生活の中にあるいろいろな音を用意する
快を与えるもの(賞)を用意する
おやつを使う場合は犬がおいしいと感じるもの+カロリーの低いものを選ぶようにしましょう。
なでるときは軽く「よーし」や「いいこ」や「グッド」などのほめ言葉を決めておき、その言葉と同時に軽く一回なでてあげます。あまり激しく撫で回してしまうのは望ましくありません。第一に犬が興奮しすぎて集中力がなくなりますし、第二になでられることに慣れてしまって「なでる」という行為が犬にとって賞(快を与えるもの)でなくなってしまう危険性があるからです。カレーが好きでも1日3食カレーだったらうんざりしますよね?それと同じです。
不快を与えるもの(罰)を用意する
犬に不快を与える際の注意点は、「飼い主が自分に不快感を与えた」と思わせないことです。なぜなら飼い主に対する愛情が薄らいでしまうからです。
犬のこの心理は人間も一緒です。たとえばいつも尻尾を振って主人の帰宅を出迎えてくれる愛想のいい犬Aと、機嫌がいいときは主人を出迎えるけれども、機嫌の悪いときはうなり声を上げる犬Bの二匹を飼っていたとしましょう。 どちらがよりかわいいですか?多くの人は犬Aの方をよりかわいいと感じますよね?
このように自分に快を与える一方で何らかの不快を与える要素を併せ持っていると、その分どうしても愛情が薄らいでしまうのです。ペットと飼い主の固い絆を維持するには、 飼い主は常に快を与える存在であることが重要です。
そこで必要となるのが「天罰」です。これは飼い主が不快を与えたと犬に気づかせることなく、何らかの罰を与えることです。具体的には以下のようなものがあります。
《 犬に対する天罰いろいろ 》
視覚的天罰 いきなり布や上着のようなものを犬の視界にかぶせる
聴覚的天罰 石を入れた空き缶を落とす
嗅覚的天罰 酢を薄めたスプレーを噴霧する
味覚的天罰 噛み付き防止剤=ビターアップル
触覚的天罰 リードで首輪をぎゅっと引く
生活の中にあるいろいろな音を用意する
代表的な生活音を当サイトで用意しました。小さな音量から初めて徐々に大きな音量にしていきます。
生活中に存在するいろいろな音

ステップ1 気になる音を出してみる
ステップ2 音を聞いてもおとなしくしていたらごほうびを与える
ステップ3 音を聞いて興奮したら罰を与える
ステップ4 音量を上げてみる
ステップ5 ごほうびの回数を減らす
ステップ6 実際の生活音に触れてみる
ステップ1 気になる音を出してみる
「生活の中のいろいろな音」中のサウンドを小さい音で一つずつ出してみましょう。犬によっては全く関心を示さずおとなしくしている犬や、逆に完全に興奮して無駄吠えを繰り返してしまう犬がいるかもしれません。ひとまず音を出して犬の反応を見て見ましょう。
ステップ2 音を聞いてもおとなしくしていたらごほうびを与える
音をきかせても犬がおとなしくじっとしていたら、その瞬間にすかさず「いいこ」などのほめ言葉と同時にごほうびを与えます。犬は「じっとしていたらごほうびをもらえた。もっとじっとしていよう!」と学習していきます。これが正の強化で、犬を音に慣らす際のメイントレーニングとなります。
ありがちな間違いは、音を聞いて犬が興奮している時に「よーしいいこだ!大丈夫だからおとなしくしなさい」などといって犬を落ち着かせようとする行為です。犬の解釈としては「音を聞いた⇒興奮した⇒飼い主さんが喜んでほめてくれた⇒もっと興奮しよう!」となり、全く逆の強化を行っていることになります。 あくまでも犬がおとなしくなった瞬間がほめるタイミングです。
ステップ3 音を聞いて興奮したら罰を与える
ある音を聞いて犬がどうしても興奮するようなら、負の強化を用いたサブトレーニングを活用します。つまり音を聞いて興奮したその瞬間に犬に罰を与えますが、くれぐれも飼い主が不快を与えたことを悟られないように 「天罰」方式で罰を与えてください。これにより犬は「興奮したらいやなことがあった・・・じっとしていたほうがよさそうだな!」と学習していきます。これが負の強化で、犬を音に慣らす際のサブトレーニングとなります。
負の強化は常に正の強化と一体で行います。つまり「音を聞いた⇒興奮した⇒不快な天罰が下った⇒おとなしくした⇒ごほうびをもらえた」という一連のつながりをもたせ、 天罰の後には必ず正しい行動とそれに対するごほうびをセットにします。両者をセットにすることで、 何をすると天罰が下り、何をするとごほうびをもらえるのかの境界線が明確化し、犬の理解を助けます。
ステップ4 音量を上げてみる
小さな音量に慣れてきたら、今度は音量を上げて同様のトレーニングを行います。
ステップ5 ごほうびの回数を減らす
犬がいろいろな音、いろいろな音量に慣れてきたら、今度はごほうびを与える回数を減らしていきましょう。常にごほうびを与えていると犬がごほうび自体に飽きてしまったり、肥満の原因になりかねません。毎回ごほうびを与える⇒2回に1回ごほうびを与える⇒3回に1回⇒4回に1回・・・と減らしてゆき、最終的には「いいこ」などのほめ言葉だけにします。
ステップ6 実際の生活音に触れてみる
最後の仕上げです。実際に外に出たりお友達の家に行ってみましょう。実際の生活の中で聞こえるの様々な音を聞いても、じっとおとなしくしていたら合格です。まだ興奮するようでしたら、何の音をきっかけに興奮するのかを見極め、おうちに帰ってから補習しましょう。

犬の集中力には限界があります。しつけトレーニングは1日10分を目安にしてください。
集中力が切れているのにトレーニングを続行すると、「トレーニング=いやなこと」という陰性強化がなされます。

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