トップ犬の種類か行に属する犬の種類コモンドール

コモンドール

 コモンドールの体の特徴(体高・体重・分類)、誕生した場所や来歴、一般的な性格やお手入れする際の注意点などを写真や動画とともに詳しく解説します。

コモンドールの基本情報

コモンドール
  • 体高
    オス⇒ 65~80cm
    メス⇒ 55~70cm
  • 体重
    オス⇒ 50~59kg
    メス⇒ 36~50kg
  • 分類
    ワーキンググループ
犬の購入や繁殖の前に  現在犬の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている犬がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また犬を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 犬の購入・入手方法 犬を選ぶときの注意 ペットショップで犬を買う前に

コモンドールの歴史・ルーツ

 コモンドールの起源は、トルコ語を話す遊牧民族「クマン人」が、12世紀ごろハンガリーに持ち込んだ犬だと考えられています。クマン人たちは元々中国の黄河周辺を本拠地とする民族でしたが、台頭するモンゴル民族に追いたてられる形で、徐々に西方へ移動することを余儀なくされました。最終的には、現在のハンガリーあたりに腰を落ち着け、連れてきた犬たちと共に暮らすようになったようです。そして、このクマン人の犬たちが、土着の牧羊犬と交配を重ねることで、現在のコモンドールの基礎が出来上がったものと推定されています。
ラッカ羊  コモンドールの名が始めて登場するのは、1544年に書かれたハンガリーの書物です。犬名は「クマン人の犬」を表す「Koman-dor」という言葉から派生したと考えられています。この頃から、ヒツジの一種である「ラッカ羊」(写真右)に似せるよう、意図的に選択繁殖されるようになったようです。
 第二次大戦によって数が激減し、一時は1,000頭を切るにまで数が落ち込みましたが、その後は順調に個体数を回復しました。AKCによる公認は1937年です。2004年には、後世に伝えるべき遺産として、ハンガリーの国宝に指定されています。

コモンドールの性格・特徴

 コモンドールの性格は忠実で仕事熱心、遊び好きで用心深く主人に対し献身的です。身体は二重の被毛を持っています。幼犬時には上毛、下毛共に柔らな毛質ですが、成長するに従って柔らかい下毛を波状の粗い上毛が巻き込み縄状を形成するようになります。この縄状の被毛は過酷な天候に耐える外套の役目を果たし、また狼やコヨーテなどの外敵との戦いでは鎧の役割を果たします。その特徴的な外見から、時に「モップドッグ」とも呼ばれます。

コモンドールのお手入れ・注意点

 コモンドールには、毎日の十分な散歩が必要です。被毛が多すぎて乾くのに大変時間がかかるので、水泳はさせないほうがよいでしょう。 コモンドールのシャンプー 基本的に無駄毛の処理は必要ありません。しかしその被毛はモップのように汚れやホコリを吸着しやすく汚れやすいのが難点です。独特の縄のような被毛になるまでには少なくとも2年程度かかりますが、シャンプーには手間がかかります。教科書的なシャンプーの仕方は以下のようになります。
 「バスタブに半分位の湯を入れて犬を立たせる。縄状被毛にシャンプーを含ませ、両手で挟んで押すようにして汚水を出す。汚れた湯をバスタブから抜く事を繰り返す。ブラッシングは無用。ひとつひとつの縄は皮膚の元から手指で分ける。」 被毛が完全に乾くまでに丸一日を要するとも言われる大変な作業のため、よほど汚れや匂いがひどい場合でない限り数ヵ月間に一度~1年に一度という間隔でシャンプーを行います。ちなみに被毛をカットすると右写真のような外観です。

コモンドールの動画

 以下でご紹介するのはコモンドールの動画です。
 コモンドールの起源は古く、紀元前1790年のハムラビ法典にも、コモンドールと思われる犬に関する記述が見られるとか。手入れをしないとまるで巨大なモップのようになる被毛は、全犬種の中で最も重くなり、時に7キロ近くにまで及びます。オオカミが襲ってきたとき相手に気づかれずに不意打ちできるよう、このもじゃもじゃの被毛をカムフラージュにしてひつじの群れの中に混じりこんいました。その特異な容姿はアメリカのミュージシャン・ベック(Beck Hansen)のアルバム「ODELAY」のジャケットとしても登場します。
 群れを守ろうとする防衛本能が強いため、他の犬と仲良くするのはやや苦手です。また独立心が旺盛なため、熟練した飼い主が子犬の頃からしつけを施す必要があり、万人向きのペットとはいえません。長い被毛にはドロや昆虫が絡まりやすいため、定期的な手入れが必要となります。
元動画は→こちら
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