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犬の老化はいつから始まる?~年齢換算表から老衰のサインまで

 犬の老化を考えるときは「体の大きさ」というものを考慮しなければなりません。最新科学に基づいた年齢換算表と、犬が見せる老衰のサインを元にして、いち早くペットの老化に気づいてあげましょう!

最新版・犬と人間の年齢換算表

 一体いつからが「老犬」なのかははっきり断言できません。しかしジョニー・D・ホプキンス博士の行った統計学的な調査によると、一般的な目安として 小型犬なら9~13歳、中型犬なら9~11歳、 大型犬なら7~10歳、 超大型犬なら6~9歳くらいから老化現象が始まると考えられています。それを踏まえて犬と人間の年齢換算表をひとまず見てみましょう。

犬の体型別・人間との年齢換算一覧表

犬の
実年齢
小型犬

人間
中型犬

人間
大型犬

人間
超大型犬

人間
1ヶ月齢1歳1歳1歳1歳
2ヶ月齢3歳3歳3歳3歳
3ヶ月齢5歳5歳5歳5歳
6ヶ月齢9歳9歳9歳9歳
1歳13歳13歳13歳13歳
1歳半20歳20歳20歳20歳
2歳24歳24歳24歳24歳
3歳28歳29歳31歳39歳
4歳33歳34歳38歳49歳
5歳38歳39歳45歳59歳
6歳42歳44歳52歳69歳
7歳46歳49歳59歳79歳
8歳50歳54歳66歳89歳
9歳54歳59歳73歳99歳
10歳58歳64歳80歳-
11歳62歳69歳87歳-
12歳66歳74歳94歳-
13歳70歳79歳--
14歳74歳84歳--
15歳78歳89歳--
16歳82歳94歳--
17歳86歳---
18歳90歳---
19歳94歳---
20歳----
  • 小型犬=9kg未満
  • 中型犬=9~23kg未満
  • 大型犬=23~54kg未満
  • 超大型犬=54kg以上
 超小型犬だろうと超大型犬だろうと、最初の24ヶ月でほぼ体の成熟が完成すると考えられています。ですから2歳になるまでの間は、犬の体型によって加齢の速度は変わりません。 犬の場合哺乳類の一般原則に反し、体が大きいほど短命になる  一方3歳以降は加齢のスピードが急激に変わり、特別な換算表が必要となります。表の色分けはカンザス州立大学の老齢医学専門家が考案したものです(W.D.Fortney, 2012年)。薄いカーキ色のマス目が「高齢」(人間で言うと中年)、濃いカーキ色のマス目が「老齢」(人間で言うと老境)を意味しています。全く同じ年齢であるにも関わらず、体型によって別のグループに振り分けられることがお分かりいただけるでしょう。別ウィンドウで開くバージョンも用意しましたので以下のリンクからどうぞ。 【最新版】犬と人間の年齢換算表

なぜ大型犬の寿命は短い?

 2006年に行われた統計調査により、犬の寿命は体高と体重に反比例するという事実が明らかになりました(Greer, 2006)。すなわち背が高くて体重が重い犬ほど短命であるということです。
 この「体重と寿命の反比例現象」は万国共通であり、日本で飼われている犬にも当てはまることが明らかになりました(Inoue, 2015)。以下は2010年4月1日から2011年3月31日までの期間、アニコム保険によって収集された合計299,555頭の犬のデータから試算した、体重別の犬の平均寿命です。「5kg未満」を除き、体重が増えれば増えるほど寿命が短くなっていることが一目でお分かりいただけるでしょう。
体重別・犬の平均寿命
犬は体高と体重が増えれば増えるほど寿命が短くなるという特殊な動物
  • 5kg未満=13.8歳
  • 5~10kg=14.2歳
  • 10~20kg=13.6歳
  • 20~40kg=12.5歳
  • 40kg以上=10.6歳
 通常哺乳類は、体が大きくなればなるほど寿命も長くなると考えられています。例えばネズミの寿命が2~3歳であるのに対しゾウのそれは60~70歳などです。ではなぜ犬だけは体の大きさと寿命が反比例してしまうのでしょうか?
 その理由についてはよくわかっていませんが、仮説としては人間が大型犬種を無理矢理作り出してきたため、命を脅かすような進行性の病気を発症しやすくなったからというものがあります。また胸の中央にある「胸腺」(きょうせん, thymus)と呼ばれる小さな器官が大型犬では生涯の早い時期に小さくなり始めることが関わっているのではないかという仮説もあります。さらに最新の研究では、大型犬の体内における解糖系によるエネルギー産生比率(=無酸素的エネルギー産生比率)の高さがDNAにダメージを与えているのではないかと推測されています。 犬の免疫老化には胸腺の機能が関わっている 小型犬より大型犬の寿命が短い理由は無酸素系エネルギーのせい?
いずれにしても犬の寿命に関するミステリーを解き明かすには、もう少し時間と研究が必要なようです。

犬の老化のサイン一覧リスト

 犬の老化が始まったのかどうかは、前のセクションで解説した年齢換算表からある程度は予測することができます。例えば体重3kgのチワワなら「8歳」、体重60kgのグレートピレニーズなら「4歳」といった具合です。しかし老いるスピードは犬によって変わりますので、飼い主はペットが示す老衰のサインにいち早く気づいてあげなければなりません。
 以下は犬の老化を示す代表的なサインです。子犬に近ければ近いほど少なく、老犬に近ければ近いほど多くなります。
歩き方に出る老化のサイン
  • 散歩を催促しない・散歩に連れて行っても途中で帰りたがる
  • 怪我をしていないのに足を引きずるようになった
  • スムーズに立ち上がれない
  • 階段の昇降や段差のある場所に上がれない
  • 歩いている途中で物にぶつかることがある
  • 肉球が以前よりも固くなった
睡眠習慣に出る老化のサイン
  • ずっと寝たままの時間が長くなった
  • 睡眠時間が異常に短い
  • 無意味に徘徊するようになった
  • 夜鳴きをする
気質・性格に出る老化のサイン
  • 子犬や他の犬と遊ぶことをしなくなった
  • おとなしかったのに噛み付くようになった
  • 感情の起伏が激しく、情緒不安定だ
能力に出る老化のサイン
  • しつけを守れない(トイレなど)
  • 飼い主を識別できない
  • 飼い主の言うことを聞かない
  • 寒さに弱くなり室内でも震えている
  • 暖かい場所にずっといたがる
呼吸器に出る老化のサイン
  • 呼吸するたびにゼーゼーと音がする
  • 息遣いが浅く静かになった
  • 息をすると痰がからんだような音がする
  • 咳をすることが多くなった
食餌・消化器に出る老化のサイン
  • ぐらつく歯がある
  • 口臭がするようになった
  • 歯の汚れが目立つようになった
  • 2~3日便秘のことがある
  • 水を飲む量が増えてきた(減ってきた)
  • 食べ過ぎると吐いたり下痢をしたりする
  • 食べ物の好みが変わった
感覚器に出る老化のサイン
  • 睡眠中に体に触れても反応しなくなった
  • 体をなでても反応が少ない
  • 尾に触っても気にするそぶりを見せない
その他の身体的老化サイン
  • 鼻が乾いていることが多い
  • 毛が薄くなり、地肌が見えるようになった
  • 皮膚の一部にいぼのようなものがある
  • 四六時中発情している(雌)
  • 発情が不定期になった(雌)
  • 睾丸が大きくなったような気がする(雄)
  • 鳴き声がしゃがれてきた
  • じっとしていても眼球が小刻みに震えている
  • 頭部を上に向けたり、うなだれることが多くなった
犬の老化のサインは飼い主が責任持って把握すること!  犬が老境に差し掛かってきたら、ペットと最も身近に接している飼い主が上記したようなさまざまなサインをチェックするようにします。老化の兆候をいち早く発見できれば、犬の老化を予防する方法などを参考にして脳や身体に刺激を与え、老衰をなるべく遅らせることができるかもしれません。