犬の熱中症はこう防ぐ!~原因・症状から応急処置・予防法まで
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犬の熱中症はこう防ぐ!

 犬が熱中症にかかった場合について病態、症状、原因、応急処置法別にまとめました。不慮の怪我や事故に遭遇する前に予習しておき、いざとなったときスムーズに動けるようにしておきましょう。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

熱中症が起こる理由は?

 犬の熱中症とは上がりすぎた体温をうまく下げることができず、体中の機能が低下してしまった状態のことです。平熱が37.5~39.2℃の犬においては深部体温(直腸温)が41℃を超えた場合に熱中症と診断されます。 犬における熱中症の境界線は深部体温で41℃  41℃を超えると熱によって脳にまでダメージが及び始め、43℃を超えると体中の様々な器官が機能不全に陥って急激に死亡率が高まります。さらに49~50℃というと極端な温度にまで高まると、たった5分でも細胞の構造が崩れて組織の壊疽が始まり、もはや生きていられません。
 なお熱中症と紛らわしい表現として「高体温症」「発熱」「熱痙攣」「熱疲労」「熱射病」などがありますが、全て別々の意味を持っています。簡略化すると以下です。 熱中症と紛らわしい表現一覧
  • 高体温症高体温症とは、犬の平熱である37.5~39.2℃(深部体温)を超えた状態のことです。「発熱」と「熱中症」の両方を含むため、熱中症と完全に同義語というわけではありません。
  • 発熱発熱(はつねつ)とは、体内に侵入した細菌やウイルスの増殖を抑えるため、体が自分の意志で体温を上げた状態のことです。体温を下げてしまっては意味がないので、通常パンティングは起こりません。
  • 熱中症体温調整能力の低下、もしくは体温調整能力を超える外気温によって、熱が体内にこもってしまった状態です。体温を下げるためのパンティングが発生します。
  • 熱痙攣熱痙攣(ねつけいれん)とは軽度の熱中症のことです。人間においては、発汗に伴う水分とナトリウムの喪失によって筋肉のけいれんが起こるため、こう呼ばれます。
  • 熱疲労熱疲労(ねつひろう)とは中等度の熱中症のことです。皮膚や筋肉への血流量が異常に増えることで血液循環がおかしくなり、体温調整機能が破綻(はたん)した状態を指します。
  • 熱射病熱射病(ねっしゃびょう)とは重度の熱中症のことです。体内に長時間熱がこもった結果、脳内の体温調整中枢が破壊された状態を指します。体温は42度を超え、細胞の壊死(えし)、タンパク質の変性から全身性炎症反応症候群(SIRS)を経て多臓器不全、そして死に至ります。

まずは血液大移動による冷却

 犬の脳内にはエアコンのコントロールパネルのような体温調節中枢があり「セットポイント」(平熱)と呼ばれる温度が生まれつき設定されています。人間の場合は36.5~37.5℃、犬の場合はそれよりもやや高く37.5~39.2℃くらいです。 体温を効率的に下げるため体の中心部から周辺部へと血液が移動する  体温が上昇してセットポイントから1℃でも高くなると、内臓の血管が縮むと同時に皮膚や筋肉に分布している血管が広がり、体の中心部から周辺部に血液が大移動を始めます。そして体の表面に集まった血液は「伝導」「対流」「放射」「気化」によって熱を外界に逃がし、なんとか体温を元の状態に戻そうとします。このときに起こるのが心臓の動きが大きくなる(心拍出量の増加)、心臓の鼓動が増える(心拍数の増加, 頻脈)、呼吸が激しくなる(頻呼吸, パンティング)といった変化です。

冷却がうまくいかないと…

 血液の大移動でもなかなか体温が下がらず高体温の状態が続いてしまうと、そのうち今まで収縮していた内臓の血管でも拡張が起こり、静脈貯留と循環血漿量の減少が起こります。そして体を循環する血液量が低下し、熱を外に発散するメカニズムが障害を受けてさらに体温が上がってしまいます。要するに体の内側も外側もオーバーヒートしてしまうということです。 発熱メカニズムがうまく機能せず、体表温も深部体温も高くなった状態が熱中症  このとき、熱によるストレスを受けた細胞を顕微鏡で見ると、細胞膜の脂質破損、タンパク質の変性、化学反応を促進する酵素の不活性化、細胞にエネルギーを供給するミトコンドリアの機能不全などが起こり、最終的には死んでしまいます。このような細胞死が体全体で引き起こされて行き着くゴールが脳、心臓、肺、消化管、肝臓、腎臓などの多臓器不全です。具体的には以下のような症状となって現れます。
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犬の熱中症の症状

 熱中症に陥った犬で見られる主な症状は以下です。外ではもちろんのこと、家の中で発症することもありますので注意深く犬の様子を観察しておきましょう。

初期の症状

 初期症状は飼い主がまっさきに気づくべき症状です。熱中症は散歩中だけでなく家の中でも起こりうることですので、特に暑い季節は外気温、室温、犬の様子をモニタリングしておく必要があります。
  • 呼吸が荒い(パンティング)
  • よだれをダラダラ垂らす
  • 心拍数の増加(頻脈)
  • おもちゃや呼びかけへの反応が遅い・反応しない
  • 日陰に行きたがる
  • 歩きたがらずその場にうずくまる
  • ふらつく(運動失調)
  • 歯茎などの粘膜が乾燥する
  • 口の中が鮮紅色
  • CRTが1秒未満
  • 大腿動脈拍動の亢進や弱化
  • 視覚障害(皮質性)
  • 吐く・嘔吐する
CRT
CRTとは「キャピラリテスト」(Capillary refill time)の略称です。日本語では「毛細血管再充満時間テスト」とよばれます。犬の口を開き歯茎を指で押します。すると血液が押し出されて白くなるはずです。白くなったらすかさず指を離します。血液が戻り歯ぐきが再び赤くなるまでの時間を測ってみましょう。通常は2秒程度の戻り時間ですが、犬の体温が上がっているとスピードアップして1秒未満になります。

進行したときの症状

 熱中症が進行すると脳や臓器に障害が現れ始めます。人間を始めとする霊長類においては深部体温が39~40℃になると消化器の内壁がダメージを受け、腸内細菌が作り出した内毒素、グラム陰性菌、グラム陽性菌が循環血液中に混じってしまうとされています。犬においても同様の変化が起こり、血管内に病原体が紛れ込む「敗血症」(はいけつしょう)に似た症状を引き起こします。
  • 血液の循環不全
  • 脳症
  • 腎不全
  • 心筋症
  • 肝不全
  • 消化器の虚血や梗塞
  • 播種性血管内凝固症候群(DIC)
  • 横紋筋融解症
  • 急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
  • 点状出血・斑状出血
  • 血便
  • 下痢便
  • ミオグロビン尿(コーラ色)
  • 意識混濁
  • けいれん
  • 昏睡
  • 死亡
DIC
DICとは播種性血管内凝固症候群のことで、血液凝固反応が全身の血管内でランダムに起こった状態のことを指します。熱中症にかかった重症の犬では粘膜、耳介、カテーテル挿入部の皮膚などに点状出血が現れます。 熱中症にかかった犬の皮膚で見られる点状出血

遅れて現れる症状

 熱中症にかかったにもかかわらずそれに気づかなかったり、見かけ上の症状が消えたことに安心して病院に連れて行かなかったりすると、3~5日後になって以下のような遅延性症状を示すことがあります。
  • 腎不全による乏尿~無尿
  • 肝不全による黄疸
  • 心不全による不整脈
  • 呼吸器不全によるARDS
  • 播種性血管内凝固症候群(DIC)
  • 発作
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犬の熱中症の原因と予防法

 犬の熱中症を引き起こす原因は以下です。生まれついての体質など変えようのないものもありますが、飼い主の心がけで十分予防できるものもあります。犬における熱中症の死亡率は時として50%に及びます。昨日まで元気だったわんちゃんと突然のお別れをしなくてすむよう、一つ一つの原因についてしっかりとリスク管理を行ってください。なお暑い環境下における犬の体温調整については以下のページでも解説してありますのでご参照ください。 犬の体温調整・暑いとき

高い気温

 外の気温が高くなる夏において発症リスクが高まります。
 太陽の直射による熱のほか太陽によって温めれた地面からの輻射熱によって体温が上がりやすい状態になっています。ちょうど上下から魚を焼く二面グリルのような感じです。また室内やトリミングサロンにおいても、ドライヤーを長時間あてることによって発症することがあります。 暑い日の散歩は太陽の直射日光と地面からの輻射熱で二面焼き状態

散歩中の熱中症予防

 人間と犬が共に快適に散歩できる気温はおよそ15~25℃の範囲内です。25℃を超えるような日は散歩の時間を明け方近く、もしくは日没近くにずらし、太陽から受ける直射日光の量を減らしましょう。また夏場のアスファルトはまるでフライパンのように、目玉焼きが作れるほど熱くなっていることがあります。道路の温度は必ず手のひらで確認し、熱くなっていないことを確認してください。日本の各地域における気温変動に関しては以下のページでも解説してあります。 犬の散歩の基本

屋外飼育の熱中症予防

 犬を屋外飼育している場合はぜひ室内に入れてあげてください。それができないならせめて直射日光を遮り、飲み水を切らさないようにしてください。細かい熱中症予防法は以下です。
外飼いの犬を熱中症から守る方法
  • 室内に入れてあげる涼しい室内に入れてあげることが一番です。飼い主自身が厚手のセーターを着た状態で1時間ほど犬小屋の近くにとどまってみれば、犬のしんどさがわかります。
  • 日陰を作る直射日光をさえぎる「すだれ」や「よしず」、ビニールシートのようなものを小屋周辺に設置しましょう。
  • 飲み水を切らさない夏場はボールに入れた水も早く蒸発してしまいます。2~3時間おきに犬の飲み水を確認し、絶対切れないようにします。
  • 地面からの熱を遮断犬小屋を高床式にし、熱せられた地面からの熱が、直接床に伝わらないようにしましょう。
  • 日光の直射を避ける犬小屋の入り口が太陽の指す方向に向かないようにしましょう。
  • プール入れるのは、もちろん犬専用のプールです。体温より冷たい水に入るとかなりの冷却作用がありますが、必ず飼い主監視の下で入らせてください。
  • 犬小屋用扇風機扇風機には小屋の中にこもった熱い空気を若干低い外気と入れ替える効果はありますが、注意点もあります。まず一つは、犬が好奇心にかられて触ると、怪我をしてしまう恐れがあるという点。そしてもう一つは、外気温が体温と同じ、もしくは体温より高い場合、扇風機は体にドライヤーを当てているのと同じことになり、逆効果になってしまうという点です。使用する場合は外気温を確認し、飼い主が監視した状態を基本としてください。
  • 打ち水犬小屋周辺に打ち水をすると、若干地面の温度が下がってくれます。また、犬小屋の外壁に水をかけても、少しだけ小屋内の気温上昇を抑制してくれます。

屋内での熱中症予防

 電気代をケチってエアコンを付けないでいると屋内においても熱中症にかかる危険があります。犬に扇風機を当てても体温を大幅に下げることはできませんので、カーテンを閉めて日光を遮り、ちゃんとエアコンを付けて室温管理をしてあげましょう。設定温度の目安は人間も犬も快適に過ごせる24~25℃です。 犬が喜ぶ部屋の作り方

高い湿度

 湿度が高い場合、熱中症の発症率が高まります。
 犬が体温を下げるときはパンティングと呼ばれる激しい呼吸によって粘膜の表面積を増やし、そこから気化する体液の気化熱によって体温を下げます。空気が乾燥しているときは効果的に体液の気化が促されますが、空気がじめっと湿っているとなかなか気化が起こらず体温も下がってくれません。
湿度が高い時の熱中症予防
 アメリカでは湿度が高い南部において熱中症の発症率が高い傾向にあります。外気温を一定(54.4℃)にし、湿度にだけ15%と35%という違いをもたせたところ、犬の心拍数、血管pH、直腸温、PCO2に違いが生じたといいますので、湿度が高いとそれだけ体温調整が難しくなるのでしょう。日本でも梅雨時期(5月~7月)になると湿度が高まりますので、たとえ太陽が出ていなかったとしても熱中症に気をつけておく必要があります。犬が見せる初期症状はとりわけ注意深く見ておくようにしましょう。これは屋内においても同様です。

不十分な換気

 換気が不十分な環境では熱中症の危険が高まります。
 犬が体温を外界に放出する際は、体表面と気体とが接触することによって熱を移動する「対流」という方法もわずかながら利用しています。対流が起こるには体温よりも低い温度の空気を継続的に体表面に当て続ける必要がありますが、換気が悪い場所だと空気の入れ替えが起こらず、ぬるい(体温と同じ)~生暖かい(体温よりも高い)空気が体に当たり続けます。
換気による熱中症予防
 窓を閉め切った部屋や車の中では空気の流れがよどんで対流による熱の放散が起こりません。基本的には窓を開けて通気を良くしましょう。ただし空気が体温よりも高い場合は、ちょうどドライヤーをかけたときのように逆に体温が上がってしまいます。対流熱伝達が起こるためには「空気の温度が体温よりも低い」ことが条件になりますので、流れる風があまりにも熱い時は逆に窓を閉めましょう。

短頭種・鼻ぺちゃ

 マズルが短い短頭種の犬では熱中症のリスクが高まります。
 つぶれた鼻先によって空気の通りが悪くなり、効果的な気化が妨げられます。また空気を吸ったり吐いたりする時の空気抵抗が大きくなる分、呼吸筋を激しく収縮しなければならなくなり体温が上がりやすくなってしまいます。 呼吸に努力(筋収縮)を要し、気道が狭い短頭種の犬においては熱中症のリスクが高まる  2017年、52頭の短頭種と53頭の非短頭種を対象とし、寒冷環境(温度21.8℃ | 湿度62.2%)と温熱環境(温度32.9℃ | 湿度51.9%)における体温調整能力の比較テストが行われました。その結果、短頭種では温熱環境で呼吸数が増加が確認されたそうです。また2008年、熱中症にかかった54頭の犬を対象としたリスク解析を行ったところ、ベルジャンマリノワ(標準の24倍)、ゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバー(2.08倍)で高いリスクが確認されると同時に、短頭種で標準の1.7倍のリスクが確認されたといいます。
短頭種の熱中症予防
 生まれついての解剖学的な構造を変える事はできません。夏場は日中の散歩を避ける、こまめに水分を補給させる、激しい運動させないといった配慮によって、鼻ぺちゃというハンデを補ってあげましょう。ただし「短頭種気道症候群」を発症している場合は外科手術によっていくらか改善する可能性もあります。呼吸するたびに「グーグー」と鼻の奥から奇妙な音が出るような重症例の場合は、いちど動物病院に相談してみましょう。 犬の鼻腔狭窄

肥満

 犬が太り気味だったり明らかな肥満だと熱中症にかかりやすくなります。
 体脂肪にはエネルギーの貯蔵庫のほか寒いときの防寒具としての役割があります。丸々と太った北極のアザラシのように冬の間は役に立ってくれるかもしれませんが、夏になっても天然の防寒具を着込んだままだと、体温が効果的に外に逃げ出せません。人間でも「太った人は汗っかき」とよく言いますが、体が重くて筋肉への負担が増えることのほか、体脂肪が放熱を妨げていることが関係しています。 太った犬では体温と呼吸数が増え、熱中症のリスクが高まる  2017年、52頭の短頭種と53頭の非短頭種を対象とし、寒冷環境(温度21.8℃ | 湿度62.2%)と温熱環境(温度32.9℃ | 湿度51.9%)における体温調整能力の比較テストが行われました。その結果、犬の肥満度を示す指標「BCS」が高いほど体温も高くなるという正の相関関係が見られたといいます。また一回換気量と負の相関関係も合わせて見つかったとも。これはつまり「太っているほど呼吸が短く体温が高い」ということです。
肥満と熱中症予防
 丸々して可愛いという外見とは裏腹に、犬の肥満は様々な疾病の発症率を高めるサイレントキラーです。飼い主が責任を持ってダイエットを施し、標準体型にまで戻してあげましょう。具体的には以下のページでまとめてありますのでご参照ください。 犬のダイエットの基本

黒い被毛

 太陽光を吸い込みやすい黒い被毛の場合、熱中症にかかりやすくなってしまいます。夏場に黒い服を着た時、体温が上がりやすくなってしまうのと同様、黒い被毛は太陽光を吸い込みやすいため、その分温度が上がりやすくなってしまいます。
 2016年、オーストラリアにあるアデレード大学獣医科学部のチームは、レース犬の熱中症の危険性を高める外的な要因と内的な要因を明らかにするため、実際にドッグレースに参加した238頭(オス134頭+メス104頭)のグレーハウンドを対象とした大規模な調査を行いました。 被毛色が黒に近いグレーハウンドほど、熱中症のリスクが高まる その結果、レース後の直腸温度上昇は、明るいタイプの被毛(フォーン・ホワイト)が「2.0±0.4℃」だったのに対し、暗いタイプの被毛(ブラック・ブルー・ブリンドル)が「2.2±0.4℃」と顕著に大きかったといいます。
被毛色と熱中症予防
 犬の被毛色を変えることはさすがにできないでしょうが、濃い被毛色の飼い主は熱中症のリスクが高いことを理解し、散歩の時間帯をずらすなどの配慮が必要になります。また被毛色が薄くても、ファッションのつもりで濃い色のドッグウェアを着せるのはやめたほうがよいでしょう。夏場に放置された黒い車のボンネットのように熱々になってしまうかもしれません。

厚い被毛

 犬の被毛が厚いと体表面から放射と対流によって放出される熱が減り、熱中症にかかりやすくなります。
 犬における厚い被毛を人間で例えると、真夏にダウンジャケットを着込むようなものです。外からの熱は弾いてくれますが、内側の熱が全部こもってしまいます。テキサス州サンアントニオにある空軍基地で行われた調査によると、ハンドラと獣医師の75%もが「長い被毛」を熱中症の危険因子としてあげています。 軍用犬が熱中症に陥る危険因子
被毛の長さと熱中症予防
 被毛が長い犬種においては外気温が上がる夏の間だけ「サマーカット」を施し、放熱性を高めると効果的です。人間で言うとちょうど、ダウンジャケットをTシャツに着替えるような感じです。 地肌が透けて見えるまで刈り込んでしまうサマーカットは行き過ぎ  ただし地肌が見えるくらい短く刈り込んでしまうと、太陽光がもろに皮膚に当たって体温が上がりやすくなると同時に、紫外線による皮膚ガンの危険性も高まります。また被毛が元の長さに戻るまでに大体14~15週間(約4ヶ月)かかりますので、外気温が下がる秋から冬にかけて被毛が短いまま過ごす羽目になります。サマーカットを施す時は地肌が見えない程度にとどめておきましょう。 犬のトリミングの仕方

持病

 スムーズな呼吸を妨げるような様々な呼吸器系の病気が熱中症のリスクを高めます。犬で多いのは小型犬の気管虚脱、大型犬の喉頭麻痺などです。また体温の放出を促す循環器系の障害によっても発症リスクが高まります。具体的には心不全で心拍出量が少なくなるなどです。その他甲状腺機能亢進症による基礎代謝の増大など、内分泌系のパターンもあります。
持病と熱中症予防
 犬が持病を抱えている場合は、まず基礎疾患に対する治療しっかりと行います。特に犬が高齢になってからは1年に1回だった健康診断を半年に1回に増やし、病気の早期発見に努めましょう。

子犬・老犬

 犬があまりにも幼いと体温調整がうまくいかず熱中症にかかる危険性が高まります。例えば散歩デビューしたばかりの生後4ヶ月齢の子犬などです。神経系がまだ未成熟で体と脳の間のコンビネーションがうまくいかないとか、自分の限界を知らず後先考えずに動き回ってしまうことなどが主な原因です。
 逆に犬の年齢があまりにも高いとやはり体温調整がうまくいかず熱中症にかかりやすくなります。呼吸筋が弱くてパンティングをうまくできないとか、生体を高熱から守ってくれる熱ショックタンパク質の減少などが主な原因です。
犬の年齢と熱中症予防
 子犬にしても老犬にしても、太陽が照りつける日中の散歩を避け、明け方や日没にずらしましょう。また、好き勝手に動き回れないようリーダーウォークのしつけは必ず終わらせておきます。 犬のリーダーウォークのしつけ

熱ショックタンパク質の減少

 細胞内において生成される熱ショックタンパク質の少なさが熱中症に対するかかりやすさを左右している可能性があります。
 熱ショックタンパク質(ヒートショックプロテイン, HSP)とは急激な温度上昇に反応しほとんどすべての細胞内で作られるタンパク質の一種で、細胞内における酵素の能力を高めることで細胞の耐性を高め、タンパク質の構造を保つ役割を担っています。この熱ショックタンパク質の産生能力には個体差があり、遺伝的に産生量が少ない犬においては、熱耐性(thermotolerance)が低く熱中症にかかりやすくなってしまう可能性が指摘されています。その他加齢や馴化不足によってもタンパク質量が低下する可能性があります。

オス犬

 オス犬のほうが熱中症にかかりやすいことを示すデータがいくつかあります。
 2016年、オーストラリアのアデレード大学獣医科学部はグレーハウンドを対象として熱中症の危険因子に関する調査を行いました。その結果、レース後の直腸温に関してオス犬が「41.1±0.5℃」だったのに対しメス犬が「40.9±0.4℃」と顕著な格差が見られたと言います。
オス犬と熱中症予防
 オスであることは熱中症の確定的なリスクではありませんが、メスよりも筋肉量が多いため、激しい運動をした後の体温が上がりやすいのかもしれません。ドッグランで全力疾走させるような時は念のため、適度に休憩を取り、こまめに水分を補給するようにしましょう。

車内への閉じ込め

 犬の熱中症で多く報告されているのが車内への閉じ込めによって発症するというパターンです。
 実験では気温が22℃のとき、1時間で車内温度は47℃に達するとされています。また気温が31℃のときはわずか10分で40℃に達し、1時間で60℃に達するとも。さらに気温が29℃、湿度90%の車内に閉じ込められた犬の50%は平均48分で死ぬという恐ろしいデータもあります。 夏場に犬を車の中に閉じ込めるのは動物虐待  車の中は窓が閉められているため換気が悪くなり、対流による放熱が妨げられます。また飲み水がない場合パンティングによる気化が行われず、体温がこもってしまいます。さらに上昇した車内温度によって放射熱をもろに浴びますので、人間でいうとちょうどサウナに入っているときのような状態になってしまいます。車内に閉じ込められた状態は、サウナに入った後で出入り口をロックされ、出られなくなった状態と同じですので、絶対に作ってはいけません。
閉じ込めと熱中症予防
 室温が調整されておらず、犬が自力で逃げ出せない場所には絶対犬を閉じ込めないよう注意します。具体的にはクレート、屋外の犬小屋、車の中、空調のない閉め切った室内などです。「少し窓を開けて部屋の通気を良くして留守番させる」というのもNGです。
 海外では「善きサマリア人の法」により、閉じ込められた犬を発見した場合は車の窓ガラスをぶち破ってもよいとしている州や郡が結構あります。それだけ犬を車内に閉じ込めたまま外出する無責任な飼い主が多いということでもありますが、残念ながら日本においては単なる器物破損罪になってしまいます。例えば以下は2018年4月、カリフォルニア州で50℃近くまで熱くなった車内から救出されたチワワの「ピーウィー」です。車の窓ガラスをぶち破ったのは見かねた通行人でしたが、2017年に成立した「善きサマリア人の法」により飼い主は逮捕され、車の破損は罪に問われませんでした。 海外には犬を救うためだったら車の窓を破壊してもよいという「善きサマリア人の法」がある  またかつては温度が50℃以上になる貨物カーゴに入れて犬たちを飛行機で空輸するということもありました。しかし熱中症による死亡事故があまりにも多いため、各航空会社は輸送に関するルールを定めるようになっています。犬を飛行機で輸送せざるをえない場合は「短頭種の小型犬NG」などのルールがありますので、事前に確認しておきましょう。

激しい運動

 激しい運動によって筋肉を収縮させると体温が上がり、熱中症にかかりやすくなってしまいます。
 「おしくらまんじゅう」に代表されるように、筋肉が収縮すると熱が発生し、体がぽかぽかと温かくなります。冬ならば体温の維持に役立ってくれますが、夏の場合はオーバーヒートに陥る危険性が高まります。特にレースドッグ、訓練中の軍用犬、アジリティ競技の練習をしているペット犬などが要注意です。
運動と熱中症予防
 犬の熱中症に関する42の症例を検討した過去の調査では、20~30分という比較的短い運動時間でも熱中症を発症していることが明らかになっています(Drobatz KJ, 1996)。人間や馬を対象とした調査では長時間の運動によって熱中症を発症するとされていますが、犬の場合はもっと短い時間で病的な状態に陥ると考えておいた方がよさそうです。散歩で路上を歩かせるときやドッグランで走らせるときは、10分おきにこまめに休憩を入れるようにしましょう。
運動誘発性衰弱
 運動誘発性衰弱とは運動したことをきっかけとして突然足腰が立たなくなり、ふらふらになってしまうというものです。ボーダーコリーにおける「ボーダーコリー衰弱症候群」およびラブラドールレトリバーにおける「運動誘発性虚脱」が代表格として知られています。ボーダーコリー(およびその血が入った犬種)やラブラドールレトリバー(およびその血が入った犬種)を飼ってる方は熱中症のほか、この運動誘発性衰弱にも気をつけて犬の運動をモニタリングしておかなければなりません。

飲み水不足

 犬が体温を下げるときの主なメカニズムは舌を外に出して激しく呼吸することによって気化熱を増加させるパンティングです。飲み水が少ないと気化する体液の量が減り、また脱水症状につながりやすくなります。
飲み水と熱中症予防
 犬を散歩につれだすときには必ず携帯用の水を用意し、休憩を取りながら飲ませるようにします。犬が止まったまま動こうとしないとか、日陰に向かってにリードをグイグイ引っ張るといったときは「暑い!」というメッセージです。涼しい場所に犬を連れて行き、用意していた水を飲ませてあげましょう。また犬を屋外飼育している場合は、飲み水が絶対に切れないようにしてください。

馴化不足

 動物の体は寒い環境から暑い環境、逆に暑い環境から寒い環境に順応することができます。環境温が60℃を超える砂漠で軍用犬が数時間動き回れるのも、400mを走り終えたグレーハウンドの直腸温が42℃を超えているのに熱中症にかからないのも、日ごろからトレーニングをして温暖馴化が完了しているからです。しかしこうした順応が完了していない普通のペット犬が暑い中で動き回ると、熱中症に陥る危険性が高まります。
 温暖馴化において体内で起こる具体的な変化は、深部体温の低下、心拍数の減少、心臓予備力の上昇、気化冷却能の増進などです。しかしこの順応プロセスはパソコンのアップデートのように2~3時間で完了するものではなく、短くとも10~20日、通常は60日程度かかるものです。例えば、人間においては汗の産生量が1.5から4.0 L/時に増加し、イオンの過剰な喪失を防ぐためナトリウムの含有量が65mEq/Lから5 mEq/Lに激減します。もしこうした順応が無かったら、暑い環境下に置かれた途端に血液量減少や脱水症状が起こり血管収縮と心拍出量の低下が起こってしまうでしょう。
温暖馴化と熱中症予防
 馴化不足による熱中症が危険なのは、温暖馴化が完了していない春の終わりから夏の初めです。また寒い季節の急な夏日に喜び、太陽が照りつける屋外で好き勝手に運動させてしまうと、やはり危険が高まります。飼い主は常に気温を確認し、あまりにも大きなギャップがあるときは、散歩を控えたほうが無難でしょう。もしくは前日の気温と近い時間帯を選んだ上で外に出るようにします。

薬剤や有毒成分

 摂取した薬によって体温の上昇が引き起こされることがあります。報告があるものはヘキサクロロフェン、アンフェタミン、利尿薬、メタアルデヒド、βブロッカーなどです。麻酔の一種ハロタンによって引き起こされる熱中症は特に悪性高熱症とも呼ばれます。
 また有毒成分が高体温を引き起こすというパターンもあります。具体的には殺虫剤(有機リン酸エステル)、マイコトキシン(チーズやくるみ)、マカデミアナッツなどです。
薬や毒と熱中症予防
 上記したような薬や毒物を摂取した後で運動したり暑い環境にとどまると、熱中症にかかってしまう危険性が高まるでしょう。犬の誤飲誤食については以下のページに予防法が詳しく書かれてありますのでご参照ください。 犬にとって危険な毒物

感染症

 ウイルスや細菌といった病原体に感染すると、体は病原体が繁殖しにくくするように体温を高め、その間に免疫細胞でやっつけようとします。これがいわゆる「発熱」で、体温を調整している前視床下部のセットポイントが高まることで引き起こされます。特徴は熱中症にかかったときのようにパンティングが起こらないことです。感染症にかかって熱っぽいのにそれに気づかず、外に連れ出してしまうと体温が上がりすぎて熱中症に陥ってしまう危険があります。
感染症と熱中症予防
 犬の体温を日常的に測り、その犬の平熱を理解してれば、急な発熱にも気づくことができます。近年は耳の鼓膜で体温を計れるアイテムも売られていますので、犬のバイタルチェックは習慣化しておきましょう。具体的なやり方は以下のページをご参照ください。 犬の正常を知る
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犬の熱中症の治療

 熱中症の原因がわかりしっかり予防していたにもかかわらず犬がオーバーヒートしてしまった場合、飼い主は一体どうすればよいのでしょうか?犬の命を救えるかどうかは飼い主が行う適切な応急処置にかかっています。

熱中症の応急処置

 熱中症にかかった犬の死亡率は36~50%程度と推定されています。この死亡率に大きな影響を及ぼすのが飼い主による応急処置です。「熱中症にかかったかな?」と気付いた直後、どのような処置を施すかによって犬の生存率は大きく変動します。
 アメリカで行われた調査(Drobatz, 1996)では、何の応急処置もしなかった場合の死亡率が49%だったのに対し、行った場合の死亡率は19%だったとされています。また発症から動物病院の受診まで90分以上かかった場合、DIC(播種性血管内凝固症候群)の発症リスクと死亡率が高まるというデータ(Bruchim, 2006)もありますので、90分以内に応急処置を完了し、なるべく早く動物病院に連れて行くようにしましょう。具体的な応急処置の方法は以下です。優先度が高い順に並べてあります。

犬を涼しい場所に移動する

 犬の熱中症の初期症状でも説明したとおり、犬が散歩中によたよたと歩き始めたとか、ドッグランで走り回ってる時に倒れ込んだという時は熱中症にかかった可能性があります。そうした時は、取り急ぎ犬を涼しい場所に移動してあげましょう。 犬の熱中症応急処置~まずは日陰につれていき体温よりも低い場所に横たわらせる  太陽の直射日光が当たると体温が上がってしまいますので、日陰を見つけてください。また地面が体温より高い状態だと逆に体温が上がってしまいます。断熱性のある毛布などを敷いた上で寝かせてあげてください。

水をかけて風を当てる

 犬を涼しい場所に移動したら水をかけて風を当てましょう。犬は汗をかかないため皮膚からの気化熱による熱の放散がありません。汗の代わりにペットボトルの水や濡れタオルなどで地肌を濡らし、そこに風を当ててあげると気化熱が大量に奪われて効果的に体温を下げることができます。ポイントは、地肌を濡らして地肌に風を当てるという点です。被毛を濡らして被毛に風を当てても、ドライヤーで髪を乾かす時のように毛は乾いてくれるものの体温の方はなかなか変わってくれません。 気化による体温の低下を引き起こすときは地肌に水をかけて風を当てる

太い血管に氷水を当てる

 氷をすぐ用意できるようなら、ビニール袋に氷と水を入れて氷嚢(ひょうのう)を作り、首、腹部、腿の内側、脇の下など比較的太い血管が存在している温かい場所に当ててあげましょう。また脳が熱くなって神経細胞が死んでしまわないよう、頭のてっぺんに当てるのも効果的です。 犬の体を氷水などで冷やすときは太い血管が通った部位を冷やすと効果的
  • 短毛種の場合 犬が短毛種の場合、氷嚢を当てると接触部分の毛細血管が収縮し、放射による血液から環境中への体温の放出が妨げられてしまいます。また部分的なシバリング(筋肉の反射的な震え)が起こり、逆に体温が上がってしまう危険性もあります。皮膚と氷嚢の間にタオルを1~2枚くらい挟むとちょうどよい温度勾配になり、熱伝導によって体温が効果的に氷水に移っていきます。人間においては「体表温を28℃以下にしない」となっていますので犬にも応用できる目安になるでしょう。
  • 長毛種の場合 犬が長毛種の場合、被毛が緩衝シートになってくれますのでタオルを敷く必要はありません。

水風呂に入れる

 家庭用プールなど、すでに水が溜まっている状態でしたら犬を水につけるという方法もあります。
 外が無風状態だったり、近くに扇風機やあおぐものがないときは犬を水につけ、体表面を冷やしてあげましょう。ただし水の温度が体温より低いことを確認してください。体温より高いと水風呂ではなく単なるお風呂になってしまいます。
 適度な風が吹いていたり、近くに扇風機やあおぐものがあるような場合は、犬を水につけてすぐ外に出し、風に晒した方が効果的です。
 いずれにしても熱中症にかかった犬はぼーっとしているため、水に入れている間に溺れてしまわないよう十分注意してください。

冷やしすぎに注意!

 犬の直腸温が39.4~39.7℃に達したらひとまず冷却治療をストップします。これ以上体温を下げてしまうと逆にシバリング(ぶるぶるという震え)が起こって再び体温が上がってしまうかもしれません。また病院に到着したとき、体を冷やしすぎて37.7℃以下にまで低下してしまった場合は逆に死亡率が高まってしまいます。
 体温を耳の鼓膜で計測する場合は、直腸温度よりも0.6℃ほど低くなるという誤差がありますので、39℃を目安にするようにします。体温が安全域に届いたら犬に水を飲ませてすぐ動物病院に向かいましょう。なおこの時、犬を歩かせたら再び体温が上がってしまいますのでエアコンをかけた車を使って移動してください。

病院での治療

 飼い主の応急処置によって犬の体温がすでに下がっていたとしても、臓器に対するダメージは多かれ少なかれ起こっていますので、24~48時間は病院に入院して様子を見たほうが無難です。飼い主の自己判断で「もう大丈夫ですから」と言って勝手に帰らないようにしましょう。最悪のケースでは、自宅に着いた後で遅延性症状を示し、悪化して死んでしまうこともあります。
 応急処置を施した犬が動物病院に着いたら、以下のような治療が行われます。仮に生き延びたとしても腎臓、心臓、肝臓などの臓器に後遺症が残る可能性を覚悟しなければなりません。また神経系の障害が残って体温調整が下手になり、熱中症にかかりやすくなる可能性もあります。
病院での主な熱中症治療
  • 輸液
  • 血液検査
  • 酸素吸入
  • 糖分(デキストロース)の投与
 かつては冷やした生理食塩水などで浣腸、腹膜洗浄、胃洗浄を行って体温を内側から下げるという方法がありましたが、手間がかかって侵襲性が高く、また体温を正確に測ることが難しいといったデメリットが大きいため、現在ではあまり推奨されていません。

熱中症からの回復

 以下のような項目が見られる場合、一般的に疾患からの回復具合(予後)が悪いとされています。このような状態になる前にすばやく応急処置を行い、いち早く動物病院に連れて行くのが生命線です。
予後を悪くする危険因子
  • 昏睡
  • 受診時の37.7℃以下の低体温
  • 神経症状の悪化
  • 難治性低血糖
  • 輸液に反応しない高窒素血症と乏尿の悪化
  • DIC(発症から受診まで90分以上かかった場合)
  • 難治性低血圧
  • ビリルビン濃度上昇
  • 心室性不整脈
  • 高タンパク血症
  • 肺浮腫
 イスラエル・ヘブライ大学獣医学校のチームが行った調査によると、熱中症による犬の死亡率に関し、受診から24時間時点におけるフィブリノーゲン濃度が172mg/dL未満のときが75%、24時間時点におけるaPTT時間(活性化部分トロンボプラスチン時間)が37.5秒超のとき70%と推計されています(→詳細)。犬を病院に連れて行ったとしても、受診直後における血液分析値では患犬の予後を十分に予測することができないため、24時間は定期的に血液を採取してモニタリングする必要があるとしています。費用面から頻繁な血液検査ができないような場合は、少なくとも受診時と4時間後のタイミングで行い、急性DIC(播種性血管内凝固症候群)への対応が遅れてしまわないよう気をつける必要があるとも。
 また熱中症における死亡例は受診から24時間以内に集中しているものの、逆に48時間まで持ちこたえられた場合はほぼ全数が回復したという報告もあります(Teichmass, 2014)。犬に関しては受診から48時間が山といったところでしょうか。
おわりに
 熱中症は飼い主の注意によって十分に予防が可能な疾患です。原因別の予防策をしっかりと把握し、絶対にかからないようにケアしてあげましょう。なお直射日光が当たる場所に犬を長時間つなぎっぱなしにすることは動物虐待に相当します。ハーハーと苦しそうな息をしている外飼い犬を見つけたら、地方自治体の動物愛護センターや保健所に連絡してあげてください。飼い主に対する個別指導が入り、犬の苦境がいくらか改善することがあります。
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