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動物愛護法・第6章~罰則

 「動物愛護法の第6章・罰則」では、法律に違反した際の罰について定められています。動物を傷つけたり苦しめたりすることのみならず、えさをあげなかったり遺棄することも違法となり、罰則が発生します。
🚨2019年公布版に関してはまだ施行されていないため内容に反映されていません。変更・新設された部分に関しては取り急ぎ「改正法・2019年公布版」でご確認ください。

動物愛護法に違反した場合の罰則

 「動物愛護法に違反した場合の罰則」は第44条で定められています。なお法律で愛護動物とされているのは、「牛、馬、豚、めん羊、やぎ、犬、ねこ、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」、および「人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」です。

罰則・その1

 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
 例えば以下のような事例があてはまります。
愉快犯的な動物虐待例
  • 猫やフェレットの虐殺画像を掲示板にアップロードし、閲覧者が騒ぐのを見て優越感に浸る
  • 道端に劇薬メソミルをばらまき、口に入れた犬が死ぬのをニュース報道で見て悦に入る
  • カモや野良犬にボーガンの矢を突き刺し、マスコミが騒ぐのをこっそり楽しむ
 ちなみに上記したように傍から見て気づく虐待ならまだ制裁の加えようがあるのですが、家庭内で飼われている犬に対して虐待が行われている場合、第三者には知りようがありません。
隠れ動物虐待例
  • ポメラニアンがキャンキャンうるさいと言ってほうきで叩く
  • マルチーズのしつけが面倒になって、暗い押入れにケージごと閉じ込める
  • 赤ん坊が生まれたので、室内飼いだった寂しがり屋のダックスを外飼いにする
  • シェルティーを炎天下に強引に散歩に連れ出し、おしゃべりに夢中で水も与えない
 こうした「隠れ動物虐待」に関しては枚挙にいとまがありませんし、制裁の加えようもありません。

罰則・その2

 愛護動物に対し、みだりに、給餌もしくは給水をやめ、酷使し、またはその健康及び安全を保持することが困難な場所に拘束することにより衰弱させること、自己の飼養し、または保管する愛護動物であって疾病にかかり、または負傷したものの適切な保護を行わないこと、排泄物の堆積した施設または他の愛護動物の死体が放置された施設であって自己の管理するものにおいて飼養し、または保管することその他の虐待を行ったものは、百万円以下の罰金に処する。
 旧法では、ただ単に「給餌又は給水をやめることにより衰弱させる等の虐待」と記されていた文言が、2013年9月1日に施行された「改正動物愛護管理法」により、具体的に記されるようになりました。また「五十万円以下」だった罰金が、「百万円以下」にまで引き上げられています。
 違法行為の具体例としては、「経営に行き詰ったブリーダーが、犬をケージに閉じ込めたまま餌を与えないで死んでくれるのを待つ」とか、「経営に行き詰ったドッグパークの経営者が、犬を園内に放置して餌を与えない」などです。より生々しい例を挙げると、以下のようなものがあります。
ニグレクト(放置)による虐待例 【 2012.6.26 読売新聞より引用 】
 秋田県鹿角(かづの)市の「秋田八幡平クマ牧場」(6月1日廃業)で女性従業員2人がヒグマに襲われて死亡した事故で、業務上過失致死容疑で逮捕された元経営者の長崎貞之進容疑者(68)が施設閉鎖後、残ったクマの餌を減らし、抗争させるなどの方法で殺処分する考えだったことが、県が動物愛護法に基づき行った立ち入り検査の報告書で分かった。
 県によると、長崎容疑者は逮捕前の5月28日、県の立ち入り検査に対し、引き取り先が見つからないクマの殺処分方法について、「(6月以降)餌を3分の1くらいに減らし、抗争による自然淘汰(とうた)を考えている」と説明。
 6か所のクマ舎にいる27頭を集約して給餌量を減らし、餌の奪い合いで個体数を減らしていく考えを示し、「最後に残ったクマは2週間くらい絶食させれば動けなくなる」と話したという。

罰則・その3

 愛護動物を遺棄した者は、百万円以下の罰金に処する。
 いわゆる「捨て犬、捨て猫」のことですが、もちろんその他の愛玩動物も含まれます。旧法では「五十万円以下」だった罰金が、「百万円以下」にまで引き上げられました。
 動物愛護センターの前に子犬を置き去りにしたり、猫カフェの前に生まれたばかりの子猫を置き去りにするなどの行為は、全て「遺棄」とみなされ、処罰の対象となります。