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動物愛護法・第5章~雑則

 「動物愛護法の第5章・雑則」では、主として動物を殺す際や実験等に用いる際のルールについて定めてます。前者は保健所や動物愛護センター、もしくは食肉関連業に対して、そして後者は薬剤や科学的な実験等を行う機関などに対して適用されます。
🚨2019年公布版に関してはまだ施行されていないため内容に反映されていません。変更・新設された部分に関しては取り急ぎ「改正法・2019年公布版」でご確認ください。

動物を殺す場合の方法

 動物を殺すことにかかわる仕事としては、各都道府県にて殺処分業務を担当する保健所や動物愛護センター、そして食肉関連業などがあります。

動物を殺す場合の方法

 「動物を殺す場合の方法」は第40条で定められています。
 動物を殺さなければならない場合には、できる限りその動物に苦痛を与えない方法によつてしなければならない。
 各地方自治体の保健所や動物愛護センターに引き取られた犬や猫の公示期間(飼い主や引き取り手が現れる可能性を考慮して生かしておく期間)が切れて、殺処分しなければならない場合は、なるべく苦痛を与えないように殺すということです。
 一昔前は「硝酸ストリキニーネ」という毒薬(大変な苦痛を伴う劇薬。「かわいそうなぞう」というお話の中で、象の花子に食べさせようとした毒)を用いて毒殺したり、バットで脳天をかち割って撲殺していました。しかし現在は職員の安全面やコストなどとの兼ね合いから、炭酸ガスによる窒息死が採用されています。
 より苦痛の少ない方法としては「薬剤注射」がありますが、下関市や京都府など、まだごく一部の自治体でしか採用されていません。
 「炭酸ガス」を用いた方法では、5~20分くらいかけてじわじわと窒息死させていきますが、死ぬ間際になると痙攣(けいれん)して苦しそうに悶え死にます。担当者は「苦痛を伴わず、安らかに天国にいけますよ」と、口を揃えて言いますが、殺処分映像を見る限り、残念ながらそうは思えません。
 表層だけ見るとセンターの職員が悪者のように思えます。しかし、こうした殺処分業務を発生させているのは、実は犬や猫をゴミのように捨てていく一部の心無い飼い主たちであることを忘れてはなりません。 犬の殺処分について

科学上の利用に供する場合の方法等

 「科学上の利用に供する場合の方法等」は第41条で定められています。

科学上の利用・事後措置等1

 動物を教育、試験研究又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供する場合には、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、できる限り動物を供する方法に代わり得るものを利用すること、できる限りその利用に供される動物の数を少なくすること等により動物を適切に利用することに配慮するものとする。
 例えば、小学校の先生がカエルの内臓の位置を生徒に教えるのに、現在ではビデオやDVDがありますので、その映像を見ることで学習することができます。わざわざカエルの生体解剖を行うのはやめましょう、ということです。
 また獣医学校を始めとする医学系の学校における犬の解剖も挙げられます。これも現在ではビデオやDVD、或いはパソコンソフトがありますので、わざわざペットショップで売れ残った犬を引き取ったり、殺処分施設(保健所や動物愛護センター)から捨て犬を引き取ったりして、生徒を集めて生体解剖をするのではなく、代替手段で補いましょう、となります。こうした考え方やスタンスはアニマルフリー(animal-free)とも呼ばれます。
 このアニマルフリーを実践した企業の具体例としては、2013年4月から開発に着手する化粧品・医薬部外品における動物実験を廃止した資生堂などが挙げられます。

獣医師による通報

 「獣医師による通報」は、第41条の2で定められています。
 獣医師は、その業務を行うに当たり、みだりに殺されたと思われる動物の死体またはみだりに傷つけられ、もしくは虐待を受けたと思われる動物を発見したときは、都道府県知事その他の関係機関に通報するよう努めなければならない。
 2013年9月1日に施行された「改正動物愛護管理法」により新設された部分です。獣医師が、意図的に傷つけられたと思われる動物を発見した場合は、速やかに都道府県に報告するという規定です。
 海外では「法医獣医学」と呼ばれる分野が進んでおり、交通事故に遭った動物と人間によって虐待を受けた動物を区別するための知識体系が整えられています。獣医学のカリキュラムに組み込んでいる大学もあるくらいです。一方日本においてはまだまだ黎明期(れいめいき)の段階で、数日間のセミナーが散発的に開催される程度にとどまっています。
 今後法医獣医学が一般化し、獣医師が虐待か否かを客観的に判断することができるようになれば、家庭内でひっそり行われている潜在的な動物虐待事例がどんどん浮き彫りになっていくでしょう。また福井県で発生したパピーミル事件(400頭近い犬を劣悪環境下にすし詰め状態にしていた事件)のようなケースが、裁判官の不可解な判定によって不起訴処分になることも減っていくものと期待されます。 事故に遭った動物と虐待を受けた動物の見分け方