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犬の老化について

 犬は人間よりもはるかに早く年を取ります。それは、人間よりも早く天国へ旅立つことを意味しています。全ての犬に例外なく訪れる老化というものに関してまとめましたのでご一読下さい。

初めて犬を飼う方へ

子犬の頃から犬を飼っていると、年老いてよぼよぼになったときの姿は、なかなか想像できないものです。  たいていの人は子犬のかわいい容姿に魅力を感じて犬を飼い始めます。しかしかわいい子犬の時代が永久には続かないという単純な事実に気づかないまま犬を飼うと、時として最悪な結末を迎えてしまうことがあります。
 ペットショップで一目ぼれし、衝動的に犬を購入してしまった人が、実際に介護が必要な段階になると戸惑い、ペットに対して抱いていた愛情も薄れ、結果として捨て犬や殺処分という選択肢を採ってしまうという現実が一部にはあるのです。2007年に海外で行われた犬の「QOL」(Quality of Life, 生活の質)に関する調査では、犬と共に暮らしている期間が長くなればなるほど、また犬が高齢になればなるほど、飼い主の犬に対する配慮が減っていくという傾向が明らかになりました(→出典)。長らく一緒にいると、そこにいることが当たり前になり、夫婦の倦怠期のような感覚に陥ってしまうのかもしれません。
 また、定年を迎えて時間に余裕の生まれた老夫婦が、巣立った子供の代わりとしてペットを飼うという状況がしばしば見られます。しかし犬の寿命は多くの場合10年以上です。犬が年老いて介護が必要になったとき、飼い主も70代になっているかもしれません。犬と人間との間における「老老介護」という現象も、今後無視できない社会問題として持ち上がってくるような気がします。現に近年は高齢者による飼育放棄が増加し、東京都福祉保健局が急遽「ペットと暮らすシニア世代の方へ」というパンフレットを作成・公開するという事態にまで発展しています(→詳細)。
 初めて犬を飼う方や老後のコンパニオンとしてペットを飼う方は、ペットを飼わないこともまた愛情という愛犬家の基本姿勢を思い出し、「犬の老化」というものについて自分の中で完全に消化してから行動を決定して頂きたいと思います。 犬の十戒 犬や猫の殺処分について
犬の十戒より一部抜粋
  • 犬の十戒その1私の生涯はだいたい10年から15年です。 あなたと別れるのは、何よりも辛いこと・・。 私と暮らす際は、どうか別れのことを念頭において下さい。
  • 犬の十戒その9私が年を取ったら、どうか世話をして下さい。年を取れば、あなたもまた同じようになるのです。
  • 犬の十戒その10「もう見てはいられない」、「私はここにいたくない」と言わず、私が旅立つその時まで、どうか一緒にいて下さい。あなたに寄り添っていると、私はうんと安らかでいられるのです。あなたを愛しているのですから。
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犬の年齢

 一体いつからが「老犬」なのかははっきり断言できません。しかしジョニー・D・ホプキンス博士の行った統計学的な調査によると、一般的な目安として 小型犬なら9~13歳、中型犬なら9~11歳、 大型犬なら7~10歳、 超大型犬なら6~9歳くらいから老化現象が始まると考えられています。また最も長生きした犬の例としては、アメリカのミックス犬マックスが記録した「29歳と282日」という記録がありますが、これはギネスブックに載るような例外的なものです。

犬の平均寿命

 2007年に行われた統計調査により、犬の寿命は体高と体重に反比例するという事実が明らかになりました(→出典)。すなわち背が高くて体重が重い犬ほど短命であるということです。通常哺乳類は、体が大きくなればなるほど寿命も長くなると考えられています(例:ネズミ2~3歳/ゾウ60~70歳)。なぜ犬だけは体の大きさと寿命が反比例してしまうのでしょうか?その理由についてはよくわかっていませんが、仮説としては人間が大型犬種を無理矢理作り出してきたため、命を脅かすような進行性の病気を発症しやすくなったからというものがあります。また胸の中央にある「胸腺」(きょうせん, thymus)と呼ばれる小さな器官が大型犬では生涯の早い時期に小さくなり始めることが関わっているのではないかという仮説もあります(→詳細)。いずれにしても犬の寿命に関するミステリーを解き明かすには、もう少し時間と研究が必要なようです。
体重別・犬の平均寿命
犬は体高と体重が増えれば増えるほど寿命が短くなるという特殊な動物
  • 5kg未満=13.8歳
  • 5~10kg=14.2歳
  • 10~20kg=13.6歳
  • 20~40kg=12.5歳
  • 40kg以上=10.6歳
 「体重と寿命の逆転現象」は万国共通であり、日本で飼われている犬にも当てはまるようです(→出典)。例えば上に示したのは、2010年4月1日から2011年3月31日までの期間、アニコム保険によって収集された合計299,555頭の犬のデータから試算した、体重別の犬の平均寿命です。「5kg未満」を除き、体重が増えれば増えるほど寿命が短くなっていることが一目でお分かりいただけるでしょう。

ヒトイヌ年齢換算表・2歳まで

 犬の老いがどの程度進行しているのかを分かりやすくするため、昔から犬と人間の年齢対応表というものが作られてきました。この対応表にはさまざまなバージョンがありますが、以下では2歳になるまでの代表的な犬と人間の年齢換算表を掲示しておきます。超小型犬だろうと超大型犬だろうと、最初の24ヶ月でほぼ体の成熟が完成すると考えられています。人間で言うと「成人式を迎える」といったところです。
2歳までの犬と人間の年齢換算表
犬の年齢人の年齢
1ヶ月1歳
2ヶ月3歳
3ヶ月5歳
6ヶ月9歳
1歳13歳
1歳半20歳
2歳24歳

ヒトイヌ年齢換算表・3歳以降

 犬は体の大きさによって平均寿命が異なるため、3歳以降は加齢のスピードが変わり、特殊な換算表が必要となります。以下は、カンザス州立大学の老齢医学専門家W.D.フォートニー氏らが2012年に考案した体重別のヒトイヌ年齢換算表です(→出典)。薄いカーキ色のマス目が「高齢」(人間で言うと中年)、濃いカーキ色のマス目が「老齢」(人間で言うと老境)を意味しています。全く同じ年齢であるにも関わらず、体型によって別のグループに振り分けられることがお分かりいただけるでしょう。
3歳以降の犬と人間の年齢換算表
犬の年齢小型犬中型犬大型犬超大型犬
328293139
433343849
538394559
642445269
746495979
850546689
954597399
10586480-
11626987-
12667494-
137079--
147484--
157889--
168294--
1786---
1890---
1994---
20----
  • 小型犬=9kg未満
  • 中型犬=9~23kg未満
  • 大型犬=23~54kg未満
  • 超大型犬=54kg以上
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犬の老化のサイン

 犬の老化を示すサインは以下です。子犬に近ければ近いほど少なく、老犬に近ければ近いほど多くなります。近年は「ラパマイシン」と呼ばれる長寿薬に対する期待が高まっており、盛んに実証試験が行われています。効果が確認された暁(あかつき)には、下で示したような犬の老化現象を幾分か遅らせてくれるかもしれません。
犬の老化のサイン一覧リスト
  • 散歩を催促しない・散歩に連れて行っても途中で帰りたがる
  • 怪我をしていないのに足を引きずるようになった
  • スムーズに立ち上がれない
  • 階段の昇降や段差のある場所に上がれない
  • 歩いている途中で物にぶつかることがある
  • ずっと寝たままの時間が長くなった
  • 睡眠時間が異常に短い
  • しつけを守れない(トイレなど)
  • 飼い主を識別できない
  • 無意味に徘徊するようになった
  • おとなしかったのに噛み付くようになった
  • 飼い主の言うことを聞かない
  • 夜鳴きをする
  • 呼吸するたびにゼーゼーと音がする
  • 息遣いが浅く静かになった
  • 息をすると痰がからんだような音がする
  • 咳をすることが多くなった
  • 水を飲む量が増えてきた(減ってきた)
  • 寒さに弱くなり室内でも震えている
  • 暖かい場所にずっといたがる
  • 子犬や他の犬と遊ぶことをしなくなった
  • ぐらつく歯がある
  • 口臭がするようになった
  • 食べ過ぎると吐いたり下痢をしたりする
  • 歯の汚れが目立つようになった
  • 食べ物の好みが変わった
  • 2~3日便秘のことがある
  • 睡眠中に体に触れても反応しなくなった
  • 体をなでても反応が少ない
  • 尾に触っても気にするそぶりを見せない
  • 肉球が以前よりも固くなった
  • 鼻が乾いていることが多い
  • 毛が薄くなり、地肌が見えるようになった
  • 皮膚の一部にいぼのようなものがある
  • 四六時中発情している(雌)
  • 発情が不定期になった(雌)
  • 睾丸が大きくなったような気がする(雄)
  • 感情の起伏が激しく、情緒不安定だ
  • 鳴き声がしゃがれてきた
  • じっとしていても眼球が小刻みに震えている
  • 頭部を上に向けたり、うなだれることが多くなった
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