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12月の犬ニュース

 2014年12月の犬に関するニュースをまとめました。一番上が最新で、下にスクロールするほど記事が古くなります。記事内にリンクが貼られていることもありますが、古い記事の場合はリンク切れの時がありますのでご了承下さい。

12月27日

 以前の飼い主により、口の周りをひもで縛られて虐待されていたと見られる保護犬に新たな里親が見つかり、このたび福井県から東京へと旅立ちました。
 めでたく里親が決まったのは福井県福井市の動物病院で保護されていたメスの雑種犬。体はやせ細り、また口の周りに深い傷があることから、前の飼い主によってひも状のもので縛られ虐待されていたと推測されています。
 11月下旬、この犬の存在を福井新聞社のホームページでたまたま知ったのが、東京都に暮らす吉川彰治さん。吉川さんはさっそく病院にコンタクトを取り、今月22日に病院を訪れ、めでたく養子縁組成立となりました。
 東京の吉川さん宅にはすでに、被災犬や虐待犬などを中心として10匹以上の犬がいるとのこと。「ココロ」と名付けられたこのメス犬も、他の犬とすぐに仲良くなり、新しい環境を楽しんでいるそうです。 Source---福井新聞
新たな飼い主が決まった虐待犬「ココロ」

12月27日

 アメリカ・カリフォルニア州で22日、13歳の老犬がマンションの15階から落下したにも関わらず、ちょうど真下にあった露天プールのおかげで命拾いするという奇跡が起こりました。
 落下事故があったのは、カリフォルニア州サクラメントの中でも最も高いマンションの一つ。ここの15階に暮らすビル・マッコートさんが、飼い犬のボストンテリア「サミー」(Sammy)と、いつものようにベランダに出て外の空気を吸っていたところ、どういうわけかサミーが手すりを乗り越えて落下してしまったといいます。彼は13歳という老齢で、なおかつほとんど目が見えないことから、落ちた瞬間ビルさんは「もうだめだ!」と諦めたそうです。
 しかしサミーが落下したちょうど真下に露天プールが位置していたことと、すぐに近くの動物病院へ搬送したことが幸いし、九死に一生を得ることができました。診察の結果、骨盤骨折と複数の肋骨骨折があるため、向こう6~8週間はリハビリが必要とのこと。ただクリスマスが近かったこともあり、治療費は担当医の好意により無料になったそうです。
 この奇跡的な出来事を受け飼い主のビルさんは「サミーとのバルコニーの日々はもう終わりだ」とし、決して彼をベランダに近づけないことを誓ったそうです。 Source---NY Daily News
15Fから落下して九死に一生を得たボストンテリアのサミー

12月24日

 イタリア北部の都市ブレシアで、チャウチャウをパンダと偽って記念写真を撮り、荒稼ぎしていたサーカスの団長が逮捕されました。
 逮捕されたサーカスの団長は、白と黒に着色しただけのチャウチャウを「パンダ」であると言い張り、主に子供から写真の撮影代金をせしめていたといいます。不審に思った客に対しては、「これは犬とパンダのハイブリッドだ」と意味不明なことを言ってお茶を濁していたとのこと。通報を受けた警察では、動物虐待と詐欺の疑いでこの男を取り調べる予定です。なお哀れに着色された2匹の犬たちは、カメラのフラッシュに晒されて眼をしょぼしょぼしているものの、健康状態は良好だといいます。 Source---UPI
パンダに着色されたチャウチャウ

12月19日

 動物の権利を守るために活動する「PETA」のアジア支部は、革製品の材料を手に入れるため、中国で日常的に行われている犬虐殺の実態を明らかにしました。
 今回の暴露を行ったのは、これまで数多くの潜入捜査を行ってきた「PETA」(動物の倫理的扱いを求める人々の会)のアジア支部。中国北部・河北省にある工場に潜入した局員は、革製品の材料にするため、作業員が無造作に犬を棒切れで殴り殺す現場を目撃したといいます。中には半殺しの状態で皮をはがれる犬もいたとか。
 このようにして確保された犬の皮は、加工されて「本革」・「羊革」といったラベルを貼られ、イギリスをはじめとするヨーロッパに安値で輸出されるといいます。PETAは、法規制が甘い中国では、こうした虐殺行為が日常的に行われているとにらんでおり、人々に対し、革製品の購入や使用を自粛するよう呼びかけています。 PETA Asia-Pacific(※残酷な動画あり!) Source---Daily Mail Online
中国で革製品に加工された犬の皮

12月17日

 生まれつき前足に障害を抱えていた犬が、3Dプリンタ技術によって作られた義肢により、見事走ることができるようになりました。
 新しい義肢を手に入れたのは、前肢が未発達な状態で生まれたダービー(Derby)という名の犬。彼は今まで、柔らかい場所以外では思う存分動き回ることができなかったといいます。今年の3月、彼を保護した動物保護団体「Peace and Paws Dog Rescue」は、3Dプリンタ技術を提供する会社「3D Systems」の協力を得て、ダービーにジャストフィットする義肢の試行錯誤を繰り返していました。
 このたび完成した義肢は、ちょうどドクター中松が発明した「フライングシューズ」のような形をしており、地面からの反発力をほどよく受け止め、推進力に変える性能を有しています。新たな足を手に入れたダービーは、生まれて初めて走る爽快感を味わい、ご満悦の様子です。ちなみにダービーと同様、3Dプリンタによって義肢を手に入れた動物の先例としては、アヒルの「ダドリー」(Dudley)がいます。 Source---Fast Company

12月15日

 トリミングやペットホテルなど、犬に関するサービスを提供する「GREEN DOG」の新店舗「GREEN DOG湘南」は、広島県で動物保護活動を展開するNPO法人「ピースウィンズジャパン」と協働し、身寄りのない犬たちのための里親募集窓口を開設しました。
 「GREEN DOG」は、神戸、東京(ミッドタウン/代官山)などで犬に関わるサービスを提供するグループ。今月12日に神奈川県で新規開店した「GREEN DOG湘南」では、従来の「グルーミング」、「カウンセリング」、「ドッグラン」といったサービスに加え、里親募集中の保護犬を紹介する「ピースワンコ・ジャパン湘南譲渡センター」を開設することとなりました。保護犬たちはすべて、広島県神石高原町で捨て犬や迷い犬の保護・譲渡活動を行う「NPO法人ピースウィンズ・ジャパン」からの預かり。引き取り希望者は、店舗内にあるお見合いルームで犬と対面した後、適性調査と家庭訪問を受け、スタッフからOKが出たら縁組成立となります。また譲渡までの飼育・医療費の一部として1万5千円が必要とのこと。 ピースワンコジャパン GREEN DOG湘南
ピースワンコ・ジャパン湘南譲渡センター

12月12日

 去年、極端な肥満体でネットの話題をさらったダックスフントの「オビー」(Obie)が、このたび25kgのダイエットに成功し、スマートな姿をお披露目しました。
 オスのダックスフント「オビー」は、平均体重の2倍に相当する35kgの超肥満犬。2012年8月まで、甘やかし放題の年配の夫婦に飼われていたためこのような体になったといいます。その後オレゴン州ポートランドに暮らす元獣医療関係者、ノラ・ヴァネッタ(Nora Vanatta)さんに引き取られ、食餌療法と運動療法によるダイエット計画が進められていました。
 その努力が実り、かつて「世界一の太っちょソーセージ」と揶揄(やゆ)されていた体は、10.5kgの細身に変身。オリジナルカレンダーを作り、肥満に苦しむ他のペットを励ますために一肌脱ぐことになったそうです。なおオビーのおなかにある大きな傷跡は、たるんだ皮膚を除去した痕跡だとか。 Obie Dog a special dog's journey 犬のダイエット
極端な肥満体でネットの話題をさらったダックスフントの「オビー」

12月10日

 宇都宮区検察庁は9日、栃木県内で小型犬の死骸が相次いで発見された事件で、元ペットショップ従業員・木村正樹(39)と菊池弘樹(21)の両氏を、廃棄物処理法違反と動物愛護法違反などの罪で略式起訴しました。
 起訴状などによると、2人は共謀し、10月30日午後10時~11時ごろ、犬の死骸45匹を宇都宮市芦沼町の鬼怒川河川敷に、そして死骸27匹と生きた犬8匹を、那珂川町富山の林道崖下に捨てたとされています。宇都宮簡裁は9日、木村元従業員に対して罰金100万円、菊池元従業員に対して罰金50万円の略式命令を出しました。 Source---下野新聞

12月9日

 ルーマニア政府は、アフガニスタンで従軍し、多くの兵士の命を救った軍用犬を殺処分の危機から救うため、法律自体を改正することを決定しました。
 殺処分の危機にさらされていたのは、アフガニスタンで2度従軍し、爆発物の探知活動に当たった5歳のジャーマンシェパード「マックス」。マックスは引退後に病気を患ってしまいましたが、ルーマニアには引退した軍用犬の飼育を政府が引き継ぐ制度がないため、このままいくと保護施設から殺処分という運命をたどる公算が大きかったといいます。
 これを見過ごせなかったルーマニアの愛犬家たちは、マックスを救おうと2万7000人近くがオンライン請願書に署名。この流れを受けたミルチャ・ドゥシャ国防相は8日、引退した軍用犬を政府が後見人として預かるための法改正を命じました。改正は週内にも行われるとのこと。また、飼育費を国防予算から捻出できるかどうかも模索中ということです。 Source---AFP
アフガニスタンで2度従軍したルーマニアの軍用犬「マックス」

12月8日

 日本の整形外科専門獣医師グループは、3Dプリンタモデルを使うことにより、従来では難しいとされていた外科手術の時間短縮に成功しました。
 新たな手術メソッドを試みたのは、藤井動物病院と整形外科専門獣医師グループ「ONE for Animals」。手術の対象となったのは、従来より難しいとされてきた、骨に複数の変形点がある症例です。手術時間を短縮するためにチームが取った作戦は、まずCT撮影した患部を3次元の画像に変換した後、3Dプリンタで実物大の骨の模型をつくること。次にこの模型を基にして矯正計画を立て、実際の手技に入る前に模擬手術でシミュレーションを行いました。
 このような3Dプリンタ技術を駆使した最新のアプローチ法により、手術時間は従来のものよりはるかに速い40分にまで短縮されたといいます。またこの症例は、2014年度の「日本小動物獣医学会・地区学会長賞」を受賞したとのこと。 藤井動物病院 公式ブログ

12月8日

 ギリシア・ザキントス島で、死にかけていたパートナーの犬を救うため、3日間何も食べずに助けを求め続けた犬の話が感動を呼んでいます。
 セッターの血が混じった4歳になる野良犬「ロミオ」(Romeo)は、何者かの悪質ないたずらにより、体中に38発もの鉛の弾を撃ち込まれ、側溝から顔だけ出して死にかけていました。この窮状を察して救いの手を差し伸べたのが、恐らくずっと以前から仲良しだったと考えられる「ジュリエット」(Juliet)。この野良犬は、3日間飲まず食わずで吠え続け、通りがかる人の気を引こうと躍起になりました。その必死の努力が実り、心ある通行人によって動物病院に搬送されたロミオは、生死の淵をさまよいながらも九死に一生を得ることができたといいます。
 「捨てる神あれば拾う神あり」のことわざ通り、この話をFacebookで知った善意の第三者は、地元の動物保護団体「Zante Stray」に多額の寄付をしました。この寄付金によりロミオとジュリエットは共にイギリスへと送られ、さらにロミオに関しては、リハビリのための集中治療を受けられることになったそうです。
 治療の甲斐もあり、すっかり元気を取り戻したロミオは現在、イングランド南部のウエストサセックス州にある「Holbrook Animal Rescue」で、新たな飼い主を募集中です。しかしロミオとジュリエットの結束が非常に固く、お互いに離れようとしないため、2匹同時に引き取ってくれる里親が現れるのを待っているとのこと。 Source---Daily Mail Online
死にかけていたパートナー「ロミオ」を救った「ジュリエット」

12月5日

 アメリカ・オクラホマ州でパピヨンのブリーダーをしている女性が、自身の引退を機に所有していた数十頭の種犬をオークションにかけることとなり、物議をかもしています。
 自宅でのオークション開催を決定したのは、1998年から15頭ものチャンピオン犬を輩出したパピヨンのブリーダー、シャロン・ヘイゼルベイカー女史。今年で65歳を迎え、また膝に持病を抱えていることなどを理由に、今年限りの引退を決意しました。問題になっているのは、彼女がオークションにかけようとしている40頭近い犬たちです。一部の動物保護団体は、これらの犬たちがパピーミル(劣悪な環境で犬を繁殖させる悪徳業者)に売り飛ばされることを懸念し、全ての犬を競り落とすための資金集めに奔走しているといいます。
 ブリーダーが卸売業者や小売業者に販売する場合は、アメリカ合衆国農務省(USDA)による厳しいチェックの対象となるものの、ブリーダー間の私的な取引に関しては規制が緩く、法の抜け穴として利用されることもあるとか。こうした指摘に対しヘイゼルベイカー女史は、「犬たちは全て素性のはっきりした他のブリーダーたちに譲る」とし、オークションの正当性を主張している模様です。
 日本においてもブリーダーと小売業者の間に存在するオークション業者が、パピーミル根絶の足かせになっていますが、売買の対象が生体である限り、同じような問題はどこの国でも起こりうる様です。 犬猫のせり・オークション Source---THE OKLAHOMAN

12月4日

 栃木県警宇都宮東署は2日、栃木県内で大量の犬の死体が遺棄されていた事件で、那須塩原市のペットショップ従業員・菊池弘樹容疑者(21)を、廃棄物処理法違反などの疑いで新たに逮捕しました。
 警察によると菊池容疑者は、10月30~31日にかけ、同事件ですでに逮捕されている木村正樹容疑者(39)と共謀し、宇都宮市の鬼怒川河川敷に、犬45匹の死骸を遺棄したほか、那珂川町の山林に27匹の死骸と生きた犬8匹を捨てた疑いが持たれています。
 菊池容疑者は調べに対し、「やったのは間違いない」と容疑を認めているとのこと。なお同容疑者は、那須塩原市のペットショップにおいて木村容疑者と同僚だったといいます。 Source---読売新聞

12月1日

 2012年9月から犬の殺処分ゼロを継続している北海道旭川市の動物愛護センター「あにまある」が、犬の譲渡事業のモデルケースとして注目されつつあります。
 「あにまある」の殺処分ゼロ記録が続いているのは、センターが郊外から市の中心部へ移転した2012年9月から。移転前にはほとんどいなかった見学者が、年間4千人ほどに増えたといいます。また犬や猫の収容スペースも、従来の6倍に当たる約70平方メートルに広げ、保護期間を長く確保。こうした変革の結果として、移転後から2014年10月末までに引き取った犬260匹のうち、病死や保護中を除いた248匹全てに、新たな飼い主が見つかったそうです。
 犬の殺処分ゼロを目指す動きは旭川以外でも広がりつつあり、札幌では今春から10月末までゼロ、函館と小樽では3匹ずつと、着実に殺処分数を減らしています。環境省でも「旭川の姿勢が広がってほしい」と、犬の譲渡事業のモデルケースとして期待を寄せています。 旭川市動物愛護センターあにまある Source---どうしんウェブ