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犬の喉頭麻痺

 犬の喉頭麻痺(こうとうまひ)について病態、症状、原因、治療法別にまとめました。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い犬の症状を説明するときの参考としてお読みください。

犬の喉頭麻痺の病態と症状

 犬の喉頭麻痺とは、息を吸うときに自動的に開くはずの声門裂が思うように開かず、十分な酸素を取り込めなくなった状態のことです。
正常な喉頭の声門
正常な喉頭の声門~吸気で開き呼気で閉じる
喉頭麻痺の声門
喉頭麻痺の声門~吸気でも呼気でも閉じっぱなし  犬が呼吸する際は、空気の通り道となる「声門裂」(せいもんれつ)と呼ばれる門を、披裂軟骨(ひれつなんこつ)とそれに付着する筋肉、およびその筋肉をコントロールしている反回喉頭神経(はんかいこうとうしんけい)でタイミングよく開閉しています。しかし喉頭麻痺においては、筋肉か神経のどちらかが障害され、通常であれば息を吸うときに開くはずの声門裂を広げることができず、十分に空気を吸い込むことができません。その結果、以下のような症状を示すようになります。
犬の喉頭麻痺の主症状
  • 呼吸困難
  • 喘鳴(ぜーぜーする)
  • 運動を嫌がる
  • 鳴き声が変わる
  • チアノーゼ
  • 酸欠による失神
 以下でご紹介するのは、喉頭麻痺を発症した大型犬が呼吸する時の様子です。息を吸い込むときに声門が邪魔になり、いびきのような騒音を出しています。 元動画は⇒こちら
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犬の喉頭麻痺の原因

 犬の喉頭麻痺の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
犬の喉頭麻痺の主な原因
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犬の喉頭麻痺の治療

 犬の喉頭麻痺の治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬の喉頭麻痺の主な治療法
  • 応急処置  著しい呼吸困難を呈している場合は、取り急ぎ救命治療が施されます。具体的には緊急気管切開や酸素吸入などです。
  • 外科手術 この病気は進行性であり、放置して治るものではないため、根治を目指しての外科手術が行われます。手術には披裂軟骨外転術(片側・両側)、披裂軟骨部分切除術、喉頭形成術などがあり、2016年に行われた調査では、原因がよくわからない特発性喉頭麻痺に対する手術的な介入は、犬の生活の質および術後の生存期間を延長するとの結果が出ています(→詳細)。手術に際して注意すべきは、のどを開きすぎて誤嚥性の肺炎が起こらないようにすることです。なお、多発性ニューロパチーを基礎疾患として持っている場合の予後はあまりよくありません。
  • 安静療法 呼吸する際の負担を減らすため、激しい運動や暑い環境中での散歩などをなるべく控えるようにします。また首輪はのどへの負担を増やしてしまうため、ハーネスに切り替えるようにします。当然ですが、しつけと称してリードをぐいっと引っ張る手技(ジャーク / ラピッドチェック)を行うのはNGです。
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