トップ犬の種類は行に属する犬の種類ポーチュギーズウォータードッグ

ポーチュギーズウォータードッグ

 ポーチュギーズウォータードッグの体の特徴(体高・体重・分類)、誕生した場所や来歴、一般的な性格やお手入れする際の注意点などを写真や動画とともに詳しく解説します。

ポーチュギーズウォータードッグの基本情報

ポーチュギーズウォータードッグ
  • 体高
    オス⇒ 43~57cm
    メス⇒ 43~57cm
  • 体重
    オス⇒ 16~25kg
    メス⇒ 16~25kg
  • 分類
    ワーキンググループ
犬の購入や繁殖の前に  現在犬の購入や繁殖をお考えの方は、日本におけるペットの現状を読んでおくことをお勧めします。保健所や動物愛護センターには、飼い主を待っている犬がいるかもしれません。お近くの里親募集機関もぜひご参照ください。また犬を迎えるときの基本情報に関しては以下のページでも詳しく解説してあります。 犬の購入・入手方法 犬を選ぶときの注意 ペットショップで犬を買う前に

ポーチュギーズウォータードッグの歴史・ルーツ

ポルトガルの位置  ポーチュギーズウォータードッグの起源は、ポルトガル(右地図)南部の海岸地域で数百年に渡って漁師と共に生活してきた犬だといわれています。この犬の祖先犬は中央アジアの牧畜犬と考えられており、5世紀頃に西ゴート族によって、あるいは8世紀頃にベルベル人とムーア人によってポルトガルに持ち込まれたと推測されています。この牧畜犬はプードルアイリッシュ・ウォータードッグなどにも影響を及ぼしたとも言われ、「波状の被毛」という大きな特徴をヨーロッパ各地に残しました。
 ポルトガルに持ち込まれたこの犬種は、その卓越した水中作業能力を生かして魚網の回収、船の見張り、網の中への魚群の追い込み、水の中に落ちてしまった道具の回収など、様々な仕事を器用にこなす万能犬として漁師の間で重宝がられました。 ヴァスコ・ベンスアーデ
 しかし1900年代に入るとポルトガルの漁業が衰退し始め、ポーチュギーズウォータードッグの活躍の場も減り、必然的に頭数が減って一時は絶滅の危機に瀕します。1930年代、海運業の大事業家であるヴァスコ・ベンスアーデという人物(写真右)がポーチュギーズウォーター・ドッグの保護活動を始め、ようやく絶滅の危機から脱します。1950年代にはイギリスでドッグショーデビューを飾り、1984年にはアメリカのAKCで公認を受けています。
 この犬種はかつて、「水の犬」を意味する「カオ・デ・アグア」(cao de agua)と呼ばれていました。これは、ポルトガルからアイスランドにかけて航行するトロール船に乗って活躍していたためです。現在の犬名もその名残を受け、「ポルトガルの水中犬」を意味する「Portuguese Water Dog」と呼ばれています。愛称は「ポーティス」(Portis)です。

ポーチュギーズウォータードッグの性格・特徴

 ポーチュギーズウォータードッグの性格は明るく愛情にあふれています。しかし八方美人と言うわけではなく、どちらかと言えば一人の人間に対して強い結びつきを築くタイプです。非常に物覚えがよく、しつけにもよく反応します。水中作業犬として発展してきたため、何かを口にくわえて引っ張るという行動が好きな個体が多いようです。後足による二足歩行が得意で、テンションが上がると人間に飛びついてしまうことがありますので、適切なしつけが必要となるでしょう。
 身体は、被毛が短めの「巻き毛タイプ」(Curly)と長毛の「波状毛タイプ」(Wavy)の2種があります。シングルコートで抜け毛が少なく、放っておくと延々と伸び続けるため、定期的なトリミングが必要となるでしょう。色はブラック、ブラックアンドホワイト、ブラウン、シルバーティップなどのほか、体の一部に白や黒の斑点が不規則に入る「パーティカラー」などもいます。耳は水が入りにくい垂れ耳で、指の間が水掻きのように発達しており、漁労犬としての特徴を残しています。

ポーチュギーズウォータードッグのお手入れ・注意点

 ポーチュギーズウォータードッグには毎日の散歩や運動が必要です。長めの散歩や、暑い季節には水の中を泳がせるといった運動を取り入れると喜ぶでしょう。毛が自然に生え変わらないため抜け毛は少ないのですが、2日に1回くらいの頻度でコーミングをし、最低でも2ヶ月に1度はトリミングが必要です。トリミングには、下半身の毛を広範囲に渡って短く刈り込む「ライオンカット」や、全身の毛を均一に、約2.5センチメートルに刈り込む「レトリバーカット」などがあります。

ポーチュギーズウォータードッグの動画

 以下でご紹介するのはポーチュギーズウォータードッグの動画です。
 スペインのアルマダ艦隊では、海を泳いで船から船へと移動し、メッセージを受け渡したと伝えられています。現代では、アメリカ・サンフランシスコジャイアンツが、球場外に飛び出したホームランボールを水中から回収するためにこの犬を用いています。また、オバマ大統領がホワイトハウスで飼っていることもあり、一時的にブームになりました。トリミングは後ろ足の被毛を刈ってしまうライオンクリップと、全身の被毛を残すリトリバークリップがあります。抜け毛は少ないですが、もつれを予防するため週2~3回のブラッシングが必要でしょう。健康面では股関節形成不全症と網膜萎縮症への注意が必要です。
元動画は→こちら
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