トップ有名な犬一覧有名な俳優犬ストロングハート

ストロングハート

 ジャーマンシェパード人気を高めた俳優犬「ストロングハート」について解説します。

ストロングハートとは?

 ストロングハート(1917~1929)は、1920年代に活躍したジャーマンシェパードの俳優犬。
動物訓練士ローレンス・トリンブル  「ストロングハート」(Strongheart)は芸名で、本名は「Etzel von Oeringen」と言います。彼はドイツで警察犬として訓練を受けた後、第一次世界大戦中はドイツ陸軍の軍用犬として活躍していました。
 彼の運命が大きく変わったのは、戦争も終わった1920年、彼が3歳のときでした。動物訓練士ローレンス・トリンブルと脚本家ジェーン・マーフィン夫妻に出会い、俳優犬になるべくアメリカへ渡ったのです。役者としての素質はあったものの、彼は警察犬として訓練されてきたため、人を攻撃しないよう慣れさせるために数ヶ月を要したといいます。
1920年代、俳優犬として大活躍したジャーマンシェパードの「リンティンティン」(Rin Tin Tin)  基礎訓練を終え、すっかりと人馴れした彼は、映画「The Silent Call」(1921)でデビューするや、一気にスターダムにのし上がります。その後も順調に主演作を増やし、リンティンティンを始め、「二匹目のどじょう」を狙う後輩犬も多数産み出しました。また私生活も充実しており、妻である「レディジュール」との間にたくさんの子孫を残しました。孫に当たる「ライトニング」(Lightening)や「シルバーキング」(SilverKing)は、1930年代に活躍した俳優犬として有名です。
 ところが、人気も絶頂だった1929年、彼は突然の悲劇に見舞われます。映画の撮影中、熱く焼けた照明の上に落下し、大ヤケドを負ってしまったのです。結局そのヤケドは完治しないまま腫瘍化し、事故から半年もたたない6月24日、あっけなく死んでしまいました。
著名人の殿堂「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」にはめ込まれたストロングハートのプラーク  彼が後世に残した足跡は大きく、著名人にだけ許される「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」に、犬ながらプレートを残しています。また作家のJ・アレン・ブーンは名著として名高い「動物はすべてを知っている」(Kinship with All Life)の中で、ストロングハートと暮らした日々について語っています。さらに、彼の名を冠した「Strongheart Dog Food」というペットフードは、75年以上経った今でも売られてるロングセラー商品です。 動物はすべてを知っている Strongheart the Dog Strongheart

ストロングハートの写真・動画

 以下でご紹介するのは、ジャーマンシェパード人気を高めた俳優犬「ストロングハート」の写真と動画です。 ストロングハートの顔アップ写真
 トリンブルがストロングハートを見つけたのは、それまで飼っていたジーンを失い、失意の中でヨーロッパ視察の旅を行っている最中だった。写真の出典はこちら
映画「The Return of Boston Blackie」(1927)の一場面
 映画「The Return of Boston Blackie」(1927)でボブ・カスターと共演するストロングハート。写真の出典はこちら
ストロングハートとその妻「レディジュール」のツーショット写真
 ストロングハート(左)とその妻「レディジュール」(右)の2頭は、映画「The Love Master 」(1924)で共演したのがきっかけで結ばれた。写真の出典はこちら
ドッグフードブランド「Strongheart Dog Food」のラベル
 ストロングハートの名を冠したドッグフードは、70年以上売られ続けている長寿商品。写真の出典はこちら
The Return of Boston Blackie
 以下でご紹介するのは、1927年の映画「The Return of Boston Blackie」です。 元動画は→こちら