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犬の条虫症

 犬の条虫症(じょうちゅうしょう)について病態、症状、原因、治療法別にまとめました。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い犬の症状を説明するときの参考としてお読みください。

犬の条虫症の病態と症状

 条虫症とは、細長くて平べったい体が特徴の条虫と呼ばれる扁平動物が、ヒトやイヌ、ネコなどの小腸に寄生することによって現れる症状全般のことです。成虫の形態が細長い場合は、一般的に「サナダムシ」とも呼ばれます。犬に寄生するものとしては「ウリザネ条虫」、「豆状条虫」、「エキノコックス」などが有名です。 犬の肛門から頭を見せる条虫の節  犬の条虫症の症状としては以下のようなものが挙げられます。犬のお尻を観察すると、肛門からはみ出した条虫を発見できることがありますので、お尻のチェックは定期的にするようにしましょう。ただし、お尻の穴から飛び出した白いものは、条虫のほか、間違って飲み込んだひも状の異物という可能性もあります。腸管内に引っかかって重症化してしまうことがありますので、動いていない場合はむやみに引っ張らないようにしてください。
犬の条虫症の主症状
  • 肛門周辺を壁や地面にこすりつける
  • 肛門周辺を舐める
  • 肛門周辺に白いゴマやひものようなものが視認できる
  • 下痢
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 毛づやの悪化
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犬の条虫症の原因

 犬の条虫症の原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
犬の条虫症の主な原因
  • ノミの体内侵入  「ウリザネ条虫」は、条虫を媒介するノミが何らかの形で犬の体内に入ることで感染します。この条虫は瓜(うり)の種のような形の節が100個以上連なった形をしており、節の一部を分離して感染犬の便と一緒に体外に出します。その後、節が破れて出てきた卵をノミが食べてノミの体内で孵化します。そして何らかのきっかけで犬がそのノミを口に入れてしまうと感染成立です。幼虫は鋭い牙で小腸壁に噛み付き、そこから血液を吸い取って生きていきます。
  • 経口摂取 「豆状条虫」は、虫を保有しているウサギやげっ歯類を捕食することで犬の体内に侵入します。また「エキノコックス」はキタキツネ、イヌ、ネコなどの腸内に寄生し、感染力のある何百もの虫卵を生み出します。糞便を通して外界に出たこれらの虫卵は、熱や乾燥さえなければ1~2年にわたって感染力を保ったまま環境中で生き続けます。このようにして環境中で待機している虫卵を、水や食物などを通して経口摂取すると感染成立です。エキノコックスは、終宿主であるイヌやネコといった動物ではほとんど無症状ですが、ヒトが経口摂取すると、時として致死的な疾患をおこすことがあります。これが「エキノコックス症」です。一般的に東北より北の地域に多く、2007年の調査では、北海道内の600匹の飼い猫のうち1匹から虫卵が検出されたと報告されています(北海道大学)。しかし2014年には、愛知県の山中にいた野犬がエキノコックス症を発症したとの報告もあるため、生息域は徐々に拡大しているようです(半田保健所)。
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犬の条虫症の治療

 犬の条虫症の治療法としては、主に以下のようなものがあります。ほとんどの条虫症は、症状が全く出ないか、あっても軽微なものです。しかしお尻の周辺や糞の中で白いものがうごめいている状態は、見た目が極めて不快なため、早急な治療が求められます。
犬の条虫症の主な治療法
  • 駆虫薬  駆虫薬を投与して寄生虫を除去します。
  • 感染源の遮断  ウリザネ条虫を媒介するノミを駆除することが、治療、および予防になります。ノミ駆除薬の投与、部屋をこまめに掃除する、薬用シャンプー、殺虫剤の噴霧など色々です。エキノコックスは人間の体内に入ると時に重篤な症状を引き起こしますので、野良犬、野良猫、野ギツネの糞便には絶対に近づかないようにした方がよいでしょう。
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