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犬の心を読む練習問題・場所や物編~写真と動画で学ぶ犬のボディランゲージ

 犬と場所・物との接触で観察される、声・表情・しっぽの動き・姿勢などから犬の言葉や気持ちを察するため練習問題です。日ごろから犬の発するメッセージを瞬間的に捕らえ、その意味を理解できるようにトレーニングしておくと、犬とのコミュニケーションがぐんとはかどります。

Q1~Q5

 犬が特定の場所にいるときに発せられるメッセージがよく表れている状況を集めました。犬の心を読む訓練で学んだ基本的な犬語を元に、犬の言葉や気持ちを推理してみましょう。声、耳の位置や口元の開き具合、しっぽの位置や動き、姿勢や重心などが着眼点です。

Q1

 飼い主が買い物している間、待たされているのでしょうか、お店の外にジャックラッセルテリアがつながれていました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 店の外につながれている犬  口元は閉じられ、緊張している様子が伺えます。耳は後方に引かれてて恐怖心を表し、だらりと垂れたしっぽは状況に対する不安感を示しています。
 こうした状況から、「なんだか怖いなぁ・・・いつまで待たされるのかなぁ・・」といった感じで、不安にさいなまれていると考えるのが妥当でしょう。

Q2

 飼っているウェストハイランドホワイトテリアをトリミングサロンに連れて行きました。無駄毛をカットされている間、ずっと写真にような姿勢をキープしています。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 トリミングサロンで被毛をカットしてもらうウェスティ  本来ならピンと直立しているはずのウェスティの耳が後方に倒されています。このことから、気分が滅入り、意気消沈している心境がうかがえます。またしっぽが股の間にだらりと下がっており、自分の置かれている立場が居心地悪く、早くこの状況から脱したいという声も聞こえてきます。
 こうした状況から、「こんなことやめて、早く家に帰ろうよ!」といった感じで、早く現状から逃れたがっていると考えるのが妥当でしょう。

Q3

 飼い犬を年に一度の定期健診につれてきました。大きな声で吠えることはありませんでしたが、診察されている間は、ずっと写真のような様子でした。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 診察台に乗せられて医師の診察を受ける犬  口は閉じられ、目はうつろです。耳は後方に引かれて恐怖心を示しています。しっぽは後足の間に挟まれるような感じで垂らされており、相手に対する屈服の意思を伝えています。
 こうした状況から、「手荒な真似だけは勘弁してください・・・」といった感じで、恐怖心と服従心がない交ぜになった心境と考えるのが妥当でしょう。

Q4

 捨て犬を引き取ろうと思い、事前にシェルター(犬を保護している施設)を見学しに行きました。すると保護されている犬が立ち上がり、自分に向かってしっぽを左右に大きく振り、クーンと鼻声を出してきました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 シェルターに保護されている犬  目がパッチリと見開かれており、相手に対する興味の深さを物語っています。しっぽを大きく振るのは、相手と友好関係を築くときの典型的な動きです。弱々しい鼻声は、恐怖心や痛みを伝えて、何とか助けてもらおうとするときによく聞かれます。
 こうした状況から、「なんかここ怖いんです・・・仲良くしましょ!」といった感じで、今の状況から逃れるため、なりふり構わず助けを求めていると考えるのが妥当でしょう。なお、寝そべったままこちらに見向きもしない場合は、もはや自分の運命を悟り、希望を捨ててしまったものと考えられます。 犬や猫の殺処分について

Q5

 ペットと泊まれる宿を予約し、飼い犬と初めてのドライブ!走っている間、犬が写真のような表情を見せました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 車の助手席に載せられているときの犬の表情  目はランランと輝き、視界に入ってくるものをまんじりともせず眺めています。耳は前方に傾けられており、好奇心の強さを示しています。口角は後ろに長く引き伸ばされ、軽く開いた口から舌が見えます。
 こうした状況から、「楽しいっすねぇ!」といった感じで、流れ行く景色を楽しんでいると考えるのが妥当でしょう。なお、車内が暑すぎるときも犬は口を開けますので、これを「楽しんでいる」と勘違いしないようにしましょう。 犬との生活・夏の注意 犬との外泊とドライブ

Q6~Q8

 犬が特定の物と接したときに発せられるメッセージがよく表れている状況を集めました。犬の心を読む訓練で学んだ基本的な犬語を元に、犬の言葉や気持ちを推理してみましょう。声、耳の位置や口元の開き具合、しっぽの位置や動き、姿勢や重心などが着眼点です。

Q6

 犬の前にミニカーを滑らせたら、すごい形相でにらみつけてきました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
車のおもちゃをにらみつける犬
 耳は前方に倒され、明らかな攻撃姿勢を示しています。上唇を引き上げ、歯の一部を見せているのは、戦闘態勢が整ったことを意味します。鼻の上のシワは、7歩留まりといったところで、「激怒」といった感じではなさそうです。
 こうした状況から、「うっとおしいから近づかないで!」いった感じで、威嚇の意味の方が強いと考えるのが妥当でしょう。

Q7

 飼い犬のラブラドールレトリバーを連れて公園に散歩に行ったら、石像を見つけて興味津々に近づいていきました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。 石像に近づこうとするラブラドールレトリバー  口を閉じて対象に集中しています。体重は前のめりで意気揚々としているかに見えますが、しっぽは垂れて若干の不安を示しています。
 こうした状況から、「会うの初めて・・・だよね?」といった感じで、ややためらいがちに相手との距離を縮めようとしていると考えるのが妥当でしょう。

Q8

 ラブラドールレトリバーに犬型おもちゃを見せたら以下の動画ようなリアクションを見せました。このときの犬の気持ちを推理してみましょう。
犬とおもちゃ
元動画は→こちら
 耳は前方に開き、対象に対する興味の強さを示しています。水平付近でしっぽを緩やかに振るのは、不安な心境の表れ。3~4回吠えては飼い主のほうをチラッと見るのは、こちらに警戒を促しているのでしょう。
 こうした状況から、「ちょい!変なのが家にいるけど・・いいわけ?!」といった感じで、飼い主に対して注意を呼びかけていると考えるのが妥当でしょう。