トップ犬の心を知る犬の言葉・気持ち犬が心ここにあらずの表情をする

犬が心ここにあらずの表情をする~このしぐさの意味は?

 犬の言葉や気持ちをクイズ形式でまとめました。問いにある写真を見て犬が何と言っているのか当ててみてください。下にスクロールすると答えが出てきます。サンプル動画や写真もあわせてご紹介しますので、楽しみながら犬の言葉を学びましょう!
 なお、犬のカーミングシグナル犬の心を読む訓練もあわせてご覧ください。

心ここにあらずの表情をする状況

 犬がうつろな目をしてどこかをみつめています。まさに「心・ここにあらず」といった感じですが、さてこの時の犬の気持ちは? 「犬が心ここにあらずの表情をする」・設問写真

心ここにあらずの表情をするときの気持ち解説

「犬が心ここにあらずの表情をする」・解答と解説  遊びたいのに遊び相手がいない、走り回りたいのにご主人が散歩に連れて行ってくれない、などのストレスがあるときによくこのような表情を見せます。飼い主はストレスのシグナルとして覚えておきたいものですね。こうした犬からのシグナルを放置すると、最悪の場合はカーペットやカーテンを破る、自分の足を病的になめ続けるなどの破壊行動につながる危険性もあります。犬のストレスの原因を突き止めて、晴れやかな心にしてあげましょう。 犬の舐性皮膚炎 犬の強迫神経症
 2013年に行われた調査により、犬が退屈しているときやストレスを感じているときに見せるちょっと悲しげな顔は、太古の人間が犬を選択繁殖するときの基準になっていた可能性があることがわかりました出典資料:Waller, 2013
 当調査の対象となったのは、眉の中央を上げて目を大きくする「AU101」と呼ばれる表情と、犬が動物保護施設から里親の元に引き取られるまでの日数の関連性。「AU101」とは、表情を客観的に分類するときに用いられる「Facial Action Coding」というシステムにおける略号です。 人と犬が見せる「AU101」(物憂げ顔)の表情  観察の結果、「しっぽを振る」といった愛嬌あふれる行動よりも、「AU101」を見せた犬の方が早く引き取られる傾向があったといいます。さらにこの「AU101」が、2分間の対面中5回見られた場合、新たな家庭にもらわれていくまでの日数が49.83日、10回見られた場合は34.88日、そして15回見られた場合は28.31日まで短縮するとも。
 この事実から研究者は、顔の中における眼球の面積を増やす「AU101」は、犬をより「子犬」らしく見せること、および太古の人間が犬を選択繁殖して家畜化していく過程で、犬の表情が持つ「可愛さ」というものが大きな役割を果たした可能性があることを明らかにしました。 犬の顔面における内側眼角挙筋(LAOM)と外側眼角後引筋(RAOL)の位置関係  さらに2019年に報告された最新の調査では、オオカミと犬の顔面の筋肉を比較した時、犬においては眉毛の内側を上に挙げる「内側眼角挙筋」(LAOM)および目尻を耳の方に引っ張る「外側眼角後引筋」(RAOL)という筋肉がとりわけ発達していることが示されています。犬がときおり見せる「黒目がちの可愛い顔」は、人間に家畜化されていく中で進化したのかもしれませんね。 犬とオオカミにおける表情の違いは選択繁殖の結果

犬が心ここにあらずの表情をする動画

 2017年に行われた調査では、犬が眉の内側を上げる「AU101」という表情を見せる頻度は人間の顔が自分の方を向いているときに増えるという面白い結果が報告されています。ひょっとすると犬にとってこの表情は、飼い主に対して何らかのメッセージを伝えるためのツールになっているのかもしれません。飼い主は「可愛い!」だけで終わらせるのではなく、犬の幸せとストレスなどを参考にして、犬を取り巻く環境を今一度見直してみるようにしましょう。 犬は人間の注意の方向に合わせて表情を変える
元動画は→こちら

犬が心ここにあらずの表情をする写真

「犬が心ここにあらずの表情をする」・サンプル写真 どの犬も暗~い表情をしていますね。近くの公園にでも散歩に連れて行きたい感じです。犬にとっての散歩は子供にとっての遠足のようなものです。体にとっていい運動になると同時に、心に刺激を与えて活性化してくれます。体調不良でもないのに犬がよどんだ表情をしていたら、ちょっと外に連れ出してあげるとよいかもしれません。 犬の散歩