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チアシード~安全性と危険性から適正量まで

 ドッグフードのラベルに記された「チアシード」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも犬に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

チアシードの成分

 チアシード(chia seed)とはメキシコやからグアテマラを原産国とする植物の一種「チア」(Salvia hispanica)から採取された種(シード)のことです。ドッグフードの成分として用いられる「チアシード」 大きさは1mm程度、色は白、茶色、グレー、黒などさまざまです。種子の25~30%は油で、中にはチアミン、ナイアシン、オメガ-3-脂肪酸やα-リノレン酸が豊富に含まれており、人間用の健康食品としてパンやドリンクなどに混ぜて食されます。具体的にはスムージー、シリアル、エナジーバー、グラノーラ、ヨーグルト、トルティーアなどが挙げられます。

チアシードは安全?危険?

 チアシードを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?
 動物はもとより人間における厳格な実験データもないため、健康効果に関しては逸話レベルなものしかありません。たとえば2018年には、健康な人、アスリート、糖尿病患者、メタボリックシンドローム患者を対象として行われた12の研究に関するメタ分析の結果が報告されています。簡潔に言うと「何も効果がなかった」というものです。かろうじて食後の血中グルコースレベル、善玉コレステロールとも呼ばれるHDLの血清濃度が低下、拡張期血圧の低下に影響を及ぼす可能性は見られたものの、科学的なエビデンスとしては信頼が置けないと結論づけています出典資料:Teoh SL, 2018
 逆に危険性としては、サルビア属の植物、ゴマ、カラシナ種子にアレルギーのある人では反応が出るかもしれません。しかしEFSA(欧州食品安全機関)は世界的に広く使用されている状況から考慮し、パンの中の含有量として5%までなら安全だろうとの見解を示しています。
なおチアシードに含まれているオメガ-3-脂肪酸の犬に対する有効性に関しては以下のページで詳細にまとめてありますのでご参照ください。 犬にオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)を与えると何がどう変わる?