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パピーウォーカーの家庭環境が盲導犬候補生の行動特性を作る

 盲導犬候補の子犬を預かるパピーウォーカーを対象としたアンケート調査により、1歳になるまでに過ごす家庭環境が、成長してからの行動特性に影響を及ぼすことが明らかになりました(2016.6.2/イギリス)。

詳細

 調査を行ったのは、イギリス・ノッティンガム大学の獣医科学部チーム。視覚的アナログスケール(※下ボックス)を用いた「パピーウォーカーアンケート調査」(PWQ)と呼ばれる質問票をパピーウォーカーに渡し、家の中で預かっている盲導犬候補犬が5、8、12ヶ月齢になったタイミングで回答してもらいました。
視覚的アナログスケール
 10cmの線を引き、一方を「最低点」、他方を「最高点」と設定したもの。評価者はある特定の質問に対し、最低~最高までの間のどの辺が回答として適切かを考え、評価を書き込む。視覚的アナログスケール
 また同時に、犬の行動特性を明確化するときに用いられる「C-BARQ」と呼ばれるアンケート調査、および家庭環境に関する11項目の質問にも回答してもらいました。「PWQ」で明らかになる行動特性は「訓練性」、「気の散りやすさ」、「一般的な不安」、「身体的敏感さ」、「階段への不安」という5項目、そして「C-BARQ」で明らかになるのは「興奮しやすさ」、「分離に関連した行動」、「愛着と関心を求める行動」、「活動性」という4項目です。
 調査の結果、11項目の家庭環境のうち9項目が犬の行動特性の予見因子になっていることが明らかになったといいます。全てに共通していたのは「人間や他の動物との社会的な関わり方」という要素で、具体的には以下のような関連性が見い出されました。
社会環境と犬の行動特性
  • 家庭内に子供がいる「活動性」、「興奮しやすさ」、「気の散りやすさ」の値が高くなる
  • パピーウォーカーの経験値が高い「活動性」と「気の散りやすさ」の値が低くなる
  • 他の犬と遊ぶ機会が多い「分離に関連した行動」の値が低くなる
 この調査はまだ試験段階ですが、1歳になるまでに過ごす家庭環境と、成長してからの行動特性の関連性がもう少し明確化すれば、盲導犬としての合格率を高めたり、盲導犬に最も適した家庭を選ぶ際のヒントになってくれるだろうと期待されています。 Social rearing environment influences dog behavioral development クイールについて 訓練に入るまでの期間、盲導犬候補生を預かって世話するパピーウォーカー