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マルチック

 動物愛護の気運を高めたロシアの野良犬「マルチック」について解説します。

マルチックとは?

 マルチック(Malchik)は、動物愛護の気運を高めたロシアの野良犬。
モスクワのメンデレーフスカヤ駅でマスコット犬として可愛がられていた野良犬「マルチック」  ロシア語で「少年」を意味する「マルチック」と名付けられた野良犬は、ロシア・モスクワにある地下鉄メンデレーフスカヤ駅に暮らす雑種犬でした。マルチックは駅の構内で3年近く暮らしているうち、駅員からも利用客からも愛されるマスコット的な「駅犬」になっていきました。
 2001年の冬のある午後、そんな人気者のマルチックに突然悲劇が訪れます。22歳の女性モデル・ユリア・ロマノヴァが、歩行者地下道で眠っていたマルチックに、自分のペットであるスタッフォードシャーブルテリアをけしかけたのです。さらに彼女の乱心はそれだけにとどまらず、バッグに手を入れるや、出し抜けにキッチンナイフを取り出し、何とマルチックを6回も刺してしまいます。腹や背中などを刺された哀れな駅犬は、わずか数分で命を落としてしまいました。
 彼女はすぐに逮捕されて裁判に掛けられ、1年間の精神科治療を命じられたものの、そんなことで大衆の怒りは収まりません。このやり場のない怒りは結局、放浪動物全般に対する虐待防止の気運という形で、モスクワ中に広まる結果となりました。
 事件から6年後の2007年2月、マルチックの記念碑が、動物虐待防止を訴える広告塔としてメンデレーフスカヤ駅に建立されています。「思いやり」と題されたこの記念碑の作成には、趣旨に賛同した多数の彫刻家が協力し、また除幕式には多数の芸術家が参列しました。 Malchik pravda.ru MOSCOW METRO

マルチックの写真

 以下でご紹介するのは、動物愛護の気運を高めたロシアの野良犬「マルチック」の写真です。 いわれのない暴力の犠牲となり命を落としたロシアの駅犬・マルチック
 一人の女性の凶行により命を落としたマルチックの銅像が、2007年2月17日にお披露目された。設置されたのは、事件があったモスクワのメンデレーフスカヤ駅。台座にある「сочувствие」という文字は、「同情」や「思いやり」という意味をもつロシア語で、動物に対する愛護精神を表している。写真の出典はこちら