トップ2016年・犬ニュース一覧1月の犬ニュース1月29日

犬のアレルギーを引き起こしやすい食材トップ5

 過去に発表された食事性アレルギー皮膚反応に関する研究を総括した結果、犬に対して最もアレルギー反応を引き起こしやすい食材リストが明らかになりました(2016.1.29/ドイツなど)。

詳細

 調査を行ったのは、ドイツミュンヘンにあるルートヴィヒ・マクシミリアン大学を中心としたチーム。2015年1月、1985年~2015年の期間に発表された「食事性アレルギー皮膚反応」(CAFR)をテーマにした研究論文を、医療文献データベース「CAB」と「Web of Science」の両方において検索し、それらを総括するメタ分析を行いました。その結果、合計297頭の症例が選抜基準をクリアし、アレルギー反応を引き起こしやすい食材として、以下のようなリストが出来上がったと言います。
犬のCAFR誘発食材
食事性アレルギー皮膚反応の原因食材リスト(犬)
  • 牛肉 →102頭(34%)
  • 乳製品→51頭(17%)
  • 鶏肉→45頭(15%)
  • 小麦→38頭(13%)
  • 大豆→18頭(6%)
  • ラム肉→14頭(5%)
  • とうもろこし→13頭(4%)
  • 卵→11頭(4%)
  • 豚肉→7頭(2%)
  • 魚 →5頭(2%)
  • 米 →5 頭(2%)
 データとして最も不満が残るのは、参考にした研究論文の多くが「食材を与えて症状が悪化した」という事実に基づいてその食材をアレルゲンと即断しており、「食材の投与をやめたら症状が軽減した」という確認プロセスを行っていないという点です。そこで研究者は、「給餌」と「除外」という双方向性のアレルギーテストを行った研究に絞って調査しました。すると、合計5つの論文が見つかり、その中では牛肉、鶏肉、小麦、大豆、乳製品がアレルゲンとして最も多く言及されていたと言います。この結果は、全体を通して得られた結果とほぼ一致するものです。
 こうした知見から研究チームは、上記したデータは必ずしも真実を反映しているわけではないし、犬全体に一般化することはできないものの、参考程度にはなるだろうとしています。具体的な応用方法としては、食品アレルギーが疑われる患犬に対して「食材給餌テスト」や「食材除外テスト」を行うとき、最も確率の高い「牛肉→乳製品→鶏肉・・・」という順番で行うなどが考えられます。 犬の食品アレルギー Common food allergen sources in dogs and cats