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パブロフの犬

 条件反射と無条件反射に代表される「古典的条件付け」の研究に用いられた犬「パブロフの犬」について解説します。

パブロフの犬とは?

 パブロフの犬とは、条件反射と無条件反射に代表される「古典的条件付け」の研究に用いられた犬。
ロシア人初のノーベル賞受賞者となったイワン・パブロフ  パブロフ(1849~1936)とは1800年代後半から1900年代初頭に活躍したロシアの医学者で、フルネームをイワン・パブロフといいます。「パブロフの犬」とはこのイワン・パブロフが実験中に用いた犬の総称であり、ある特定の1匹を指し示しているわけではありません。
 パブロフは1890年代のある日、彼が部屋に入るたびに、実験室の犬がよだれを出すことに気づきます。このよだれは、彼がエサを持っていようがいまいが起こったため、当初は厄介ごととしか思っていませんでした。この汚らしい「よだれ現象」を本格的に研究しようと思い立ったのは、それからしばらく経った1902年のことです。
 犬がよだれを垂らすのは、「部屋に入ってきた自分の姿と、大好きなエサとを結びつけて学習した結果ではないか?」と予測した彼は、この単純な現象の裏に、何か重要な学習メカニズムが働いていることを直感します。ここから彼の犬を用いた大々的な実験が始まりました。
パブロフのまとめた実験結果は今日「古典的条件付け」として多くの学問に取り入れられている  まず彼は、犬の頬に手術で管を通し、唾液の分泌量を数値で測定できるようにしました。次に 「ベルを鳴らしてからエサを与える」というセットを繰り返し、犬の唾液分泌量を測定しました。その結果、彼の予測どおり、犬はベルを鳴らしただけで唾液を出すようになったといいます。
 彼はこの実験結果を「条件反射」、「無条件反射」としてまとめ、1904年、ロシア人として初めてノーベル生理学・医学賞を受賞しました。また彼の発見した「条件反射」と「無条件反射」は今日「古典的条件付け」と呼ばれています。これは、彼の行った研究が、その後の学問に大きな影響を及ぼす「古典」として位置づけられているためです。 なお「古典的条件付け」は犬をしつける際の基本的手法としても重要ですので、詳細は犬のしつけの基本理論をご参照ください。 Ivan Pavlov SimplyPsychology
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パブロフの犬の写真・動画

 以下でご紹介するのは、条件反射と無条件反射に代表される「古典的条件付け」の研究に用いられた犬「パブロフの犬」の写真と動画です。 モスクワ生物学博物館に展示されているパブロフの犬
 「モスクワ生物学博物館」に展示されているパブロフの犬は、頬と胃に管が通され、試験管につながっている。パブロフはこのようなアナログ手法で唾液と胃液の量を測定した。写真の出典はこちら
 犬にとっての「エサ」のように、生理的な反応(唾液分泌)を引き起こす刺激のことを「無条件刺激」という。この「無条件刺激」(エサの味やにおい)によって引き起こされる反射が「無条件反射」(唾液分泌)。
ロシア・リャザンにあるパブロフ美術館に展示されているパブロフの犬。
 「パブロフの犬」は特定の1匹を表しているわけではないので、リャザンの「パブロフ博物館」にはモスクワの博物館とは全く違う犬が展示されている。写真の出典はこちら
 犬にとっての「ベルの音」のように、毒にも薬にもならない刺激のことを「中性刺激」という。ベルを鳴らした後に「エサ」を与え続けると、そのうちベルの音を聞いただけで無条件反射(唾液分泌)が引き起こされるようになる。このように、最初は中性刺激(ベルの音)だったものが、生理的反応(唾液分泌)を引き起こす刺激に生まれ変わったものを「条件刺激」と呼ぶ。
パブロフの犬
 以下でご紹介するのは、イワン・パブロフが実際に犬を用いて実験しているときの映像です。 元動画は⇒こちら
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