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犬の糖尿病性ケトアシドーシス

 犬の糖尿病性ケトアシドーシスについて病態、症状、原因、治療法別にまとめました。病気を自己診断するためではなく、あくまでも獣医さんに飼い犬の症状を説明するときの参考としてお読みください。なお当サイト内の医療情報は各種の医学書を元にしています。出典一覧はこちら

糖尿病性ケトアシドーシスの病態と症状

 犬の糖尿病性ケトアシドーシスとは、糖尿病が長期化した結果、血中のケトン体が増加し、様々な障害を引き起こした状態を言います。発生メカニズムは、「インスリンの不足や機能不全で細胞内に取り込まれるエネルギーが減る→足りないエネルギーを貯蔵している脂肪で補おうとする→分解された脂肪からケトン体が生成される→酸性のケトン体が増える→酸性に傾く」というものです。
 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの症状としては以下のようなものが挙げられます。1日~1週間という比較的短い期間で、急に症状が現れるのが特徴です。
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主症状
  • 食欲不振
  • 水を飲まなくなる
  • 元気がない
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 昏睡
ケトン体
 ケトン体とは「アセト酢酸」、「β-ヒドロキシ酪酸」、「アセトン」という3つの物質に対して与えられる総称です。これらの物質は、おもに筋肉を構成しているアミノ酸や脂肪を構成している脂肪酸を代謝したときの副産物として生成されます。ケトン体が異常に多くなってしまった状態が「ケトーシス」、血液が酸性に傾いてしまった状態が「ケトアシドーシス」、そして「ケトアシドーシス」の原因が糖尿病である場合が「糖尿病性ケトアシドーシス」です。ケトン体の化学式
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糖尿病性ケトアシドーシスの原因

 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの原因としては、主に以下のようなものが考えられます。予防できそうなものは飼い主の側であらかじめ原因を取り除いておきましょう。
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な原因
  • 糖尿病 糖尿病に長期間気づかなかったり、治療方法が不適切だった場合に発症します。多いのは、インスリンを分泌する膵臓(すいぞう)の機能不全を伴う「I型糖尿病」(インスリン依存型糖尿病)です。
  • 基礎疾患 感染症、炎症、心疾患といった基礎疾患と糖尿病とが併発したとき、ケトアシドーシスを発症しやすくなると考えられています。
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糖尿病性ケトアシドーシスの治療

 犬の糖尿病性ケトアシドーシスの治療法としては、主に以下のようなものがあります。
犬の糖尿病性ケトアシドーシスの主な治療法
  • インスリン注射  治療は緊急を要するため、効き目が早い即効性のものが用いられます。
  • 輸液  輸液によって体内の電解質バランスを回復します。また心臓の拍出量と血液の循環量を維持し、血糖値を低下させる効果もあります。
  • 糖尿病治療  症状の原因となっていたケトン体が正常値に戻り次第、再発予防のため基礎疾患である糖尿病への治療が行われます。また感染症、炎症、心疾患が共存している場合は、併せて治療が行われます。
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