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ケール~安全性と危険性から適正量まで

 ドッグフードのラベルに記された「ケール」。この原料の成分から安全性と危険性までを詳しく解説します。そもそも犬に与えて大丈夫なのでしょうか?また何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

ケールの成分

 ケール(kale)とは地中海原産アブラナ科の野菜。キャベツの原種とされ、日本語ではハゴロモカンランとも呼ばれます。ビタミンの含有量が多く、ミネラル類、酵素類、葉緑素などと混合して青汁に利用されています。同じアブラナ科に属するキャベツに比べ食物繊維が豊富です。 ドッグフードの成分として用いられる「ケール」

ケールは安全?危険?

 ケールを犬に与えても大丈夫なのでしょうか?もし大丈夫だとするとどのくらいの量が適切なのでしょうか?以下でご紹介するのはケールに関して報告されている安全性もしくは危険性に関する情報です。

グルコシノレート

 グルコシノレート(glucosinolates)はアブラナ科の植物に多く含まれる代謝産物の一種。辛味を有していることからカラシ油配糖体とも呼ばれます。
 酵素の働きによりイソチオシアネートやゴイトリンといった物質に転換され、甲状腺におけるヨウ素の取り込みを阻害します。その結果、長期間摂取すると甲状腺ホルモンの合成を抑制して甲状腺腫を発症する危険性が指摘されています。ウサギにおける摂取量の上限値はエサ1kg当たり8mmolまで、単胃動物は1~1.5mmolまでとされています出典資料:EFSA

SMCS

 SMCSはケールに含まれる「S-メチルシステインスルフォキシド」という天然アミノ酸。コレステロール値との間に関連性が示唆されており、特定保健用食品(青汁など)の中にはSMCSを関与成分として「コレステロールが気になる方に適する」という保健用途の表示が許可されているものがあります。
 なおこの物質は、ウシを始めとする反芻動物が大量摂取すると腸内細菌の作用により「ジメチルジスルフィド」という有害成分に変化し、溶血性貧血を起こします。犬や人間では問題ありません。
犬におけるケールの安全性、危険性、および適正量に関してはよくわかっていません。