トップ犬の食事ドッグフード成分・大辞典酸化防止剤BHA(ブチルヒドロキシアニソール)

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)~毒性から安全性まで

 ドッグフードのラベルに記された「BHA」(ブチルヒドロキシアニソール)。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とは何か?

 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)とは1949年に初めて合成された脂溶性の酸化防止剤です。動物用飼料中のビタミンA、ビタミンE、カロテン、動物性油脂などの酸化を遅くする酸化防止剤として使用されています。また1954年に食品添加物に指定されてからは、油脂を含む食品の風味や香りの劣化を遅らせる目的で使用されています。化学構造式は以下です。 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)の分子構造  一方、BHAは1980年台初頭、名古屋市立大学の研究グループが行ったラットを対象とした実験により、極端に過剰摂取した場合(1,322mg/kg/日)は発がん性を発揮する危険性が示されています。そのため日本国内においても海外においても摂取量の使用基準が設けられています。
 成分の分類上は「酸化防止剤」に属し、食品が酸素と結合して品質が低下することを防ぐ作用を持っています。
BHAの安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=2B
  • EFSA=使用基準1.0mg/体重1kg/日
  • JECFA=使用基準0.5mg/体重1kg/日
  • ペットフード=エトキシキン、BHA、BHTの合計量が1g中150μgまで

日本での安全性情報

 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は1954年から厚生労働省によって指定添加物として認可されており、「魚介冷凍品(生食用の冷凍鮮魚介類および生食用の冷凍かきを除く)」の浸漬液に対して1g/kg、「油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品、乾燥裏ごしいも」に対して0.2g/kgの使用基準が設定されています。ただしジブチルヒドロキシトルエンと併用する場合は両成分の合計量が基準値を越えてはいけません。
 ちなみに2013年、マーケットバスケット方式で行われた日本人の酸化防止剤摂取量調査では、20歳を超えた成人の1日平均摂取量は「ゼロ」と推計されています出典資料:厚生労働省。人間向けの食品には酸化防止剤としてほとんど使われていない現状がうかがえます。

海外での安全性情報

 BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は現段階では人間を対象とした実験データがないことから、IARC(国際がん研究機関)の分類では2B、すなわち「ヒトに対して発がん性がある可能性がある」という分類になっています。
 JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)における一日摂取許容量(ADI)は体重1kg当たり0.5mg、EFSA(欧州食品安全機関)におけるそれは1.0mgとされています。

ドッグフードに入れると危険?

 EFSA(欧州食品安全機関)では家畜用飼料1kg中150mgを使用基準として設定しています。日本のペットフード安全法では、エトキシキン、BHA、BHTの合計量がペットフード1g中150μgを超えてはならないと設定されています。
 ヒトに対する発がん性が否定されていないため、犬にも同様のリスクがあると想定するのが妥当でしょう。
BHAは人間向けの食品にはほぼ使われていません。有名ブランドにも含まれているようですが、ペットフードにも安易に使ってほしくないところですね。