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プロピオン酸~意味や目的から安全性まで

 ドッグフードのラベルに記された「プロピオン酸」。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

プロピオン酸とは何か?

 プロピオン酸(propionic acid)とは臭気を有する石油類の一種です。哺乳類の腸内にはたいていプロピオン酸菌が生息しており、植物に含まれるセルロースやヘミセルロースと接触すると嫌気的な発酵によりプロピオン酸などの短鎖脂肪酸が生成されます。またプロピオン酸菌と乳清(乳から乳脂肪分やカゼインを除いた水溶液=ホエイ)が接触すると、プロピオン酸菌発酵物と呼ばれる成分が生成されます。
 「1,4-ジヒドロキシ-2-ナフトエ酸」(DHNA)を含むこのプロピオン酸菌発酵物に関しては、ビフィズス菌だけを特異的に増やす特徴を有していることから、「おなかの調子を整える」という保健用途の表示が許可された人間向けの特定保健用食品も出回っています。
 プロピオン酸の化学構造式は以下です。 プロピオン酸の分子式  成分の分類上は「保存料」に属し、フードの鮮度や質を保つ作用を持っています。
プロピオン酸の安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=発がん性なし
  • EFSA=プロピオン酸ナトリウムは食品(食肉調理品・加工肉・魚)1kg当たり5gまで
  • JECFA=未設定
  • ペットフード=データなし

日本での安全性情報

 日本では厚生労働省によって指定添加物として認可されており、プロピオン酸やプロピオン酸ナトリウムがチーズ(食品1kg中3.0gまで)、パン・洋菓子(食品1kg中2.5gまで)の保存料として使用されています。またプロピオン酸イソアミル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ベンジルが香料としても用いられます。

海外での安全性情報

 プロピオン酸はIARC(国際がん研究機関)によって発がん性は確認されていません。
 JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)では使用基準を設定していませんが、EFSA(欧州食品安全機関)ではプロピオン酸ナトリウムの使用基準を食品(食肉調理品・加工肉・魚)1kg当たり5gまでとしています。

ドッグフードに入れると危険?

 EFSA(欧州食品安全機関)が設定しているプロピオン酸の安全レベルは、家禽で餌1kg中10gまで、水1L中4gまで。ブタで餌1kg中30gまで、水1L中10gまでです。またプロピオン酸アンモニウムに関しては日本でもEUでも人間用の食品添加物として認可されていません。データがないものの、体内における代謝経路が類似していることからプロピオン酸として扱うものとされています。
ビフィズス菌を増やすとされる「プロピオン酸菌発酵物」とは別物です。フードに含まれていても整腸作用はありません。