トップ犬の食事ドッグフード成分・大辞典着色料赤色102号

赤色102号~使用基準から安全性まで

 ドッグフードのラベルに記された「赤色102号」。この成分の意味・目的から安全性までを詳しく解説します。何のために含まれ、犬の健康にどのような作用があるのでしょうか?
成分含有製品 ドッグフードにどのような成分が含まれているかを具体的に知りたい場合は「ドッグフード製品・大辞典」をご覧ください。原材料と添加物を一覧リスト化してまとめてあります。

赤色102号とは何か?

 赤色102号は食品を赤く染めるときに用いられる着色料です。タール色素に分類されニューコクシン(New Coccine)とも呼ばれます。
 2013年に日本で行われた調査では、赤色102号の中から3種類の微量不純物が検出され、それらが指定外着色料アゾルビン、ファストレッドEの構造異性体、および赤色102号の過剰反応物であることが確認されています出典資料:Goda, 2013。これらの物質は製造工程における副生成物ですが、色素粉末中に数十~1,000ppmレベルと微量であるため、今のところ健康に悪影響を及ぼすとは考えられていません。
 赤色102号はジアゾ化ナフテン酸とG酸(2-ナフトール-6,8-ジスルホン酸ジナトリウム塩)を原料とし、三ナトリウム塩に転換することで製造されます。以下は化学構造式です。赤色102号(ニューコクシン)の分子式  成分の分類上は「着色料」に属し、フードの色合いを調整して犬の食いつきを良くする作用を持っています。
赤色102号の安全性情報・概要
  • 厚生労働省=指定添加物
  • IARC=発がん性なし
  • EFSA=使用基準0.7mg/体重1kg/日
  • JECFA=使用基準4mg/体重1kg/日
  • ドッグフード1kg当たり37mg

日本での使用基準

 日本において赤色102号は厚生労働省によって指定添加物として認可されており、カステラ、しょう油、食肉、鮮魚介類、茶、豆類、みそなどを除外した食品全般への使用が認可されています。使用基準は特に設定されていません。

海外での使用基準

 赤色102号はIARC(国際がん研究機関)によって発がん性は確認されていません。
 マウスにおいては体重1kg当たり1日70mgまでの摂取ならば問題がないとの報告があります。このデータを元に、EFSA(欧州食品安全機関)では赤色102号の人間における一日摂取許容量(ADI)を体重1kg当たり0.7mgと定めています。またJECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)における使用基準はやや多く4mg/kgです(Ponceau 4Rで検索)。
 アジア、オーストラリア、ヨーロッパにおいて赤色102号は食品添加物として認可されていますが、アメリカの食品医薬品局(FDA)では認められていません。

ドッグフードに入れると危険?

 赤色102号に関してEFSAが2018年に行った最新の調査では、ドッグフード1kg当たり37mgまでなら安全だろうとの結論に至っています。
犬は赤色を認識できないので色付けする意味はあまりありませんけどね。