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犬の埋葬の種類と特徴~個別墓地から自宅供養まで

 ペットを火葬にした場合、四十九日や命日、ペットの誕生日などを区切りとして、ペットの遺骨をしかるべき場所に安置します。このプロセスが埋葬(まいそう)です。以下では一般的な埋葬のパターンと特徴について解説します。

合同埋葬

 合同埋葬(ごうどうまいそう)とは、合同葬で火葬したペットの遺骨を、他のペットの遺骨と共に、供養塔(くようとう)や合同墓(ごうどうぼ)と呼ばれる共同埋葬施設に安置することです。合同壇には、ペットの名前が書かれた塔婆(そとば)が立てられたり、墓地に埋葬された後は、定期的に「合同慰霊祭」(ごうどういれいさい)などが行われます。
共同墓をもつペット霊園の例
ペットの遺骨を一緒に埋葬する合同墓の一例

納骨堂への納骨

 納骨堂(のうこつどう)とは、ペット霊園などに併設されている骨壷を効率的に安置するための空間です。コインロッカータイプ、棚タイプ、個室タイプなどがあり、他のペットと合同で納骨するパターンや個別に納骨するパターンがあります。また、1年単位で更新する契約や、永代供養してもらうという契約などがあります。一般的には、個別葬によって弔われたペットの骨壷が入ります。
納骨堂をもつペット霊園の例

ペット霊園への埋葬

 ペット霊園への埋葬とは、一般墓地のペット専用区画や、ペット専用墓地などに遺骨を安置することです。一般的には、個別葬によって弔われたペットが入ります。
個別墓をもつペット霊園の例
 2017年1月、大阪府枚方市にあるペット霊園「宝塔」が、利用者への通知がないまま突然閉園しました。その結果、ペットたちの遺骨が埋葬されることなく野ざらし状態になるというひどい事件が起こっています。事の発端は敷地の無断使用という幼稚なものだったようです。経営者の行方がつかめないまま、遺骨は同市内にある別の慰霊塔が受け入れることになりました。 毎日新聞(2017年4月27日) ペットの遺骨を放置して経営者が雲隠れしたペット霊園「宝塔」
事前の下調べはしっかりやっておいたほうがよいでしょう。

人間用の墓地に埋葬

 人間用の墓地にペットのお骨を埋葬することも不可能ではありません。
 「ペット可」を謳っている霊園があれば問い合わせてみましょう。またペットの埋葬を許可していなくても、「副葬品」として墓地への納骨を認められることがあります。「墓地、埋葬等に関する法律」(1条)による副葬品の条件は「宗教的感情」に適合することです。ペットの遺骨がこの条件に合致しているのかどうかは墓地の管理者と事前に話し合いましょう。OKが出ればペットと飼い主が同じお墓に入ることもできます。

自然散骨

 自然散骨(しぜんさんこつ)とは、遺骨を自然環境内にまくことです。海に散骨することを「海洋葬」(かいようそう)、山に散骨することを「山葬」(さんそう)、木の苗とともに墓地内に埋めることを「樹木葬」(じゅもくそう)などと呼びます。飼い主が自分で行う場合もありますし、骨の粉末化から散骨までを代行してくれる業者もいます。
 ちなみに遺骨を環境にまく行為の合法性ですが、一般的に常識の範囲内であれば法に抵触(ていしょく)することはなく、特別な埋葬許可証も必要ありません。ここで言う「常識の範囲内」とは、たとえば以下のようなことです。
自然散骨が許されるケース
  • 他人の私有地に無断で散骨しない
  • 自分の土地に散骨する場合でも、近隣住人に迷惑をかけない
  • 農耕地や養殖地などに散骨しない
  • 遺骨は第三者が見て「骨」とわからないよう、砂粒より小さく砕く
  • 散骨する際、喪服を着たりお供え物をしない
とはいえ、各自治体で特別な条例等を設けている場合もありますので、事前に確認は必要です。
お骨ではなく犬の遺体をそのまま海に沈めると軽犯罪法に抵触します!詳しくは犬の土葬で。

自宅埋葬

 自宅埋葬(じたくまいそう)とは、自宅の庭などに遺骨を埋めることです。ペットが常に身近にいるような安心感があります。近年ではプランター(植木鉢)の中に遺骨を埋葬し、集合住宅の室内やベランダなどに安置する人もいるようです。

手元供養

 手元供養(てもとくよう)とは、納骨や埋葬のかわりに遺骨を自宅に保管する供養方法です。自宅供養(じたくくよう)ともいいます。大別すると、以下の二種類に分類されます。
手元供養の種類
  • 納骨型供養納骨型供養(のうこつがたくよう)には、インテリアとしても使えるデザインを重視したオブジェの中に遺骨を納める「納骨オブジェ」や、故人やペットの遺骨(遺灰)の一部を細かく砕いたものをペンダントに収納して身に付けられるようにした「メモリアルジュエリー」(カロートペンダント)などがあります
  • 加工型供養加工型供養(かこうがたくよう)には、火葬後の遺灰や遺骨から抽出した炭素、或いはその炭素を一部使用して製作した合成ダイヤモンドである「遺灰ダイヤモンド」(通称メモリアル・ダイヤモンド)や、遺骨を釉(うわぐすり)の一部として焼成した陶器などがあります。
 手元供養の最たる例は、「ペットを剥製にして部屋の中に飾る」というものです。これは火葬に付した後では絶対にできないオプションですので、興味がある方は専門業者を調べてみて下さい。