詳細
「トコジラミ」とは、人間の血液を吸うときに残す体液により、激しいかゆみを引き起こす体長5~8mm程度の小さな虫。1970年代にはいちど収束しましたが、近年の訪日観光客の増加に伴い、荷物に紛れて入国した虫から再び感染が拡大するのではないかと懸念されています。
トコジラミを見つける際の正攻法は目視確認です。成虫や幼虫の体、卵、糞便などを見つけることにより、その場所が汚染されているかどうかを確認しますが、この方法は時間と労力がかかる上、不正確であるという難点を持っています。その他の方法としては、広範囲分光測定、 DNA検査、匂い検知機といったものがあるものの、非常に高価で一般的とは言えません。比較的実用性が高いのは二酸化炭素、熱、フェロモンなどを用いて成虫を導く「誘因トラップ」、そして近年注目されている「トコジラミ探知犬」です。 嗅覚によってトコジラミの居場所を突き止める探知犬の能力については、海外においていくつかの調査が行われており、「非常に実用的」とするものと、「まだ早いのでは?」とするものが入り混じっています。具体的には以下です。なお「陽性検知率」とは「虫がいるときにいると判定できた確率」、「偽陽性検知率」は「虫がいないのにいると誤判定した確率」を意味しています。
トコジラミを見つける際の正攻法は目視確認です。成虫や幼虫の体、卵、糞便などを見つけることにより、その場所が汚染されているかどうかを確認しますが、この方法は時間と労力がかかる上、不正確であるという難点を持っています。その他の方法としては、広範囲分光測定、 DNA検査、匂い検知機といったものがあるものの、非常に高価で一般的とは言えません。比較的実用性が高いのは二酸化炭素、熱、フェロモンなどを用いて成虫を導く「誘因トラップ」、そして近年注目されている「トコジラミ探知犬」です。 嗅覚によってトコジラミの居場所を突き止める探知犬の能力については、海外においていくつかの調査が行われており、「非常に実用的」とするものと、「まだ早いのでは?」とするものが入り混じっています。具体的には以下です。なお「陽性検知率」とは「虫がいるときにいると判定できた確率」、「偽陽性検知率」は「虫がいないのにいると誤判定した確率」を意味しています。
トコジラミ探知犬の能力
- Pfiesterらの調査(2008年) アリ、ゴキブリ、シロアリとトコジラミを弁別するテストにおいては「陽性検知率97.5%・偽陽性検知率0%」、死んだ虫、皮膚の一部、糞便と生きたトコジラミや卵と弁別するテストにおいては「陽性検知率95%・偽陽性検知率3%」だった。またホテルの室内を用いて行ったテストでは、生きたトコジラミを98%の正確性で検知できた。しっかりとトレーニングを受けた犬は、トコジラミ探知犬として十分に実用化できるようだ(→出典)。
- Sumaらの調査(2013年) 訓練したロットワイラーとゴールデンレトリバーを用い、カナリーヤシに隠したトコジラミの成虫や幼虫を検知させるテストを行った。その結果、検知率は78%だった。探知犬を実用化する前に、実地テストでのさらなる検証が必要である(→出典)。
- Cooperらの調査(2014年) ハンドラーと探知犬からなる11のチームが実地テストに参加した。その結果、全てのハンドラーが95%の確率で検知できると信じていたにも関わらず、全体の成績は「陽性検知率44%(10~100%)・偽陽性検知率15%(0~57%)」と振るわなかった。探知犬を実用化できるかどうかについては、さらなる調査が必要である(→出典)。