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犬の鼻を「感染症検知器」にする試みが進行中

 犬の嗅覚を用いてウイルス性の感染症にかかっているかどうかを判別するという新たな試みが進行中です(2016.1.11/アメリカ)。

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 実験を行ったのは、アメリカ・オーバーン大学の研究チーム。嗅覚によってガンの有無を高確率で判別する「ガン探知犬」の存在にヒントを得たチームは、同じことが感染症を対象としてできるかもしれないという仮説を証明するため、2頭の犬を用いた弁別試験を行いました。その結果、事前に覚えこませた「牛ウイルス性下痢ウイルス」(BVDV)の匂いを、8つの選択肢の中から以下のような確率で嗅ぎ分けることができたと言います。
嗅覚による感染症弁別率
  • 感度(sensitivity)陽性のものを正しく陽性と判定する確率
    犬1=85.0%・犬2=96.7%
  • 特異度(specificity)陰性のものを正しく陰性と判定する確率
    犬1=98.1%・犬2=99.3%
 こうした結果から研究チームは、犬の嗅覚は悪性新生物(ガン)や代謝性疾患のみならず、ある種の感染症を発見するのに役立ってくれるだろう、と結論づけています。なお、嗅覚による疾患検知の理論的根拠は「病原体の状態によって体が発する特有の揮発性有機物質を嗅ぎ取っている」というものです。 嗅覚弁別し堅で用いられる「セントホイール」(Scent Wheel) 犬のガン探知能力 Real-Time Detection of a Virus Using Detection Dogs