詳細
調査を行ったのはアメリカ・フロリダ大学の心理学研究チーム。保護施設における犬の譲渡率を高める要因を明らかにするため、仲介者が犬の自然な行動を促す「介入グループ」と、何もしない「非介入グループ」における引き取り率を調査しました。「介入グループ」の具体的な内容は、里親候補者が「犬の排泄を促してあげる」、「犬とおもちゃで遊ぶ」、「犬が候補者の横で伏せをする」というちょっとした交流を持つというものです。
観察された合計160のご対面を集計したところ、「非介入グループ」の引き取り率が23.3%だったのに対し、「介入グループ」のそれは39.2%という好成績を記録したといいます。こうした知見から研究チームは、仲介者が里親候補者に対し、犬の自然な行動が発現するよう促してあげると、それだけで譲渡率がアップするという可能性を明らかにしました。 Preference assessments and structured potential adopter-dog interactions increase adoptions
観察された合計160のご対面を集計したところ、「非介入グループ」の引き取り率が23.3%だったのに対し、「介入グループ」のそれは39.2%という好成績を記録したといいます。こうした知見から研究チームは、仲介者が里親候補者に対し、犬の自然な行動が発現するよう促してあげると、それだけで譲渡率がアップするという可能性を明らかにしました。 Preference assessments and structured potential adopter-dog interactions increase adoptions
解説
この知識は日本における保護施設でも十分応用が可能だと思われます。現在多くの施設では、悲しみに沈んだ犬の写真を公開するにとどまっています。しかし譲渡率を高めるためには、悲しい顔の代わりに明るい表情をとらえた犬の写真をアップしたり、丸くなって打ち沈んでいる姿の代わりにおもちゃで遊んでる姿を動画でアップしたりするといった工夫が必要となるでしょう。引き取り数が減り、保護施設の職員が一頭一頭にかけられる時間が十分に増えてくれれば、こうした取り組みも実行に移しやすくなると考えられます。