トップ有名な犬一覧日本国内で有名な犬タロとジロ

タロとジロ

 南極における苛酷な環境の中で、1年間生き延びた犬「タロとジロ」について解説します。

タロとジロとは?

 タロとジロは、南極における苛酷な環境の中で、1年間生き延びた犬。
南極越冬隊にそり犬として同行した樺太犬  1956年(昭和31年)、南極大陸の学術的な観測を行うことを目的とした「第1次南極観測隊」の派遣が決まると、現地で働くそり犬として樺太犬を同行させるという話がまとまりました。樺太犬が選ばれた理由は、寒さに強くて体が頑強だからです。
 早速、当時北海道に生息していた約1,000頭の樺太犬の中から23頭が選抜され、来るべき遠征に備えて訓練が開始されました。以降の流れは、時間に沿って記します。
南極観測隊と犬たち
  • 1956年(昭和31年)11月 総勢53名の第1次南極観測隊が、東京湾より南極観測船「宗谷」で南極へ出発。タロ、ジロを含む22頭の樺太犬も同乗した。
  • 1957年(昭和32年) 「宗谷」が南極に到着。53名の隊員のうち11名が第1次越冬隊として選抜され、南極大陸北東の沿岸にある昭和基地に向かった。同行した犬たちは、基地においてそり犬として活躍した。
  • 1958年(昭和33年)2月 第2次越冬隊を乗せた宗谷が南極付近に到着するも、悪天候のため昭和基地には到達できなかった。
 1958年2月の悪天候は激しく、第1次越冬隊はかろうじて基地から観測船に戻ってきたものの、第2次越冬隊が入れ替わりで昭和基地に行くことは不可能でした。また基地からの戻り組は、15頭の犬たちを観測船まで連れてくるだけの余裕がなかったため、首輪につないだまま基地に残してきました。つまり実質的な見殺しです。この行為は後に、国民の激しい非難を招くこととなります。
過酷な南極大陸で1年間生き延びたタロとジロ  犬たちを南極に置き去りにしてから約1年後の1959年(昭和34年)1月14日、第3次越冬隊が南極上空から昭和基地の様子を観察しました。すると驚いたことに、そこには生きている2頭の犬の姿があったのです。第1次越冬隊で犬たちの世話をしていた北村泰一氏が確認したところ、それは紛れもなく、1年前に置き去りにしたタロとジロであるとのこと。他の13頭の犬たちは助からなかったものの、この2頭だけは何とか飢えを忍び、過酷な南極の地で生き抜いていたのです。
 タロとジロの起こしたこの奇跡は当時の日本に大きな感動をもたらし、銅像や歌、映画など数多くの文化作品を生み出す結果となりました。そしてその感動は、今日に至るまで語り継がれています。
「タロとジロ」関連物
  • 映画 1983年、高倉健と渡瀬恒彦主演で「南極物語」が公開された。
  • ドラマ 2011年、TBS系列で木村拓哉主演の「南極大陸」が放映された。
  • 記念硬貨 2007年、南極地域観測50周年を記念して、タロとジロをデザインした500円硬貨が限定発売された。
  • 銅像 1987年、大阪府堺市の大浜公園内に「カラフト犬慰霊像」が設置された。
  • 記念碑 1960年、北海道・稚内公園の頂上に「樺太犬訓練記念碑」が建立された。
  •  1958年、「タロー・ジローのカラフト犬」が東芝レコードより発売された。
  • アニメ 1984年、テレビ東京系列で、「宗谷物語」が全21話で放映された。
タロとジロ 稚内市青少年科学館

タロとジロの写真・動画

 以下でご紹介するのは、南極における苛酷な環境の中で、1年間生き延びた犬「タロとジロ」の写真と動画です。 北海道大学植物園に展示されているタロの剥製
 タロは帰国後、1961年から1970年まで札幌市の北海道大学植物園で飼育された後、1970年8月、14歳7か月で他界した。死後は剥製にされ、同園で展示されている。写真の出典はこちら
国立科学博物館に展示されているジロの剥製
 ジロは1960年(昭和35年)7月9日、第4次越冬中に昭和基地で病死。享年5歳。現在は東京・上野の国立科学博物館で剥製として展示されている。写真の出典はこちら
南極観測船「宗谷」
 以下でご紹介するのは、6度に渡って日本と南極を往復した観測船「宗谷」の船内の様子です。1979年(昭和54)からは、東京・臨海副都心にある「船の科学館」前に係留され、永久保存展示されています。 元動画は⇒こちら