ドーシャ

　ドーシャ（Dosha）は、たった1日の内で度重なる不幸に見舞われたにもかかわらず、無事に生き延びた「ダイ・ハード犬」としてギネス記録に残っているピットブルのミックス犬です。
　2003年4月15日、10ヶ月齢になった彼女は、カリフォルニア州クリアレイクにある自宅の庭で遊んでいました。次第にテンションが上がってきた彼女は、120センチメートルほどあるフェンスを飛び越え、敷地から抜け出してしまいます。彼女にとって第一の災難は、道路をさまよっていたところ、トラックに引かれてしまったことです。
　動かない彼女の姿を発見した近所の人は警察官を呼び、犬の処置を頼みました。到着した警察官は「苦しそうだから楽にしてあげよう」と気を利かせ、彼女の頭を拳銃で撃ってしまいます。これが第二の災難です。
　無事に「安楽死」を遂げた彼女はその後、袋に詰められて地元の動物保護センターに運ばれました。センターでは動物の遺体処理も行っていたため、彼女の入った袋はしばらくの間冷蔵庫に入れられます。これが第三の災難です。 　このまま冷蔵庫に入っていたら、ドーシャは本当に死んでいたかも知れません。しかし彼女にとって幸運だったのは、冷蔵されてから約2時間後、センターの職員が偶然冷蔵庫を開けたことです。行儀よくちょこんとお座りをしている彼女を発見した職員は、すぐさま動物病院へ直行し、治療を受けさせました。
　幸い、警察官が撃った銃弾は脳をかわして顎の下で止まっていたため、命に別状はなかったそうです。その後、右耳は聞こえなくなったものの、元気な余生を送ったとのこと。 People.com BBC NEWS GUINNESS WORLD RECORD

　以下でご紹介するのは、三度のピンチを乗り越えて無事に生還した犬「ドーシャ」の写真です。

　「安楽死」という建前でドーシャを撃った警察官ボブ・マクドナルド氏はその後、「犬に反撃されるのを恐れただけのではないか？」という疑いが持たれ、取調べを受けた。写真の出典はこちら。

　ドーシャが当時、首輪をしていなかったことが、この災難の引き金を引いたともいえる。写真の出典はこちら。