犬に必要なミネラル一覧

 AAFCO(米国飼料検査官協会)が2016年に公表した最新データに基づいた犬におけるミネラル(無機質)の栄養摂取基準です。
 「最少栄養要求量」の上段はドッグフードの乾燥重量1kg中における含有量や含有率です。下段はドッグフード100kcal中における含有量を示しています。フード1g中に想定されているカロリー(熱量)は4kcalです。単位に「μg」が含まれていますので「mg」と混同しないようご注意ください。「1mg=1,000μg」です。またカッコ内は、成長期や妊娠・授乳期にある犬を対象とした時の数値で、通常の成犬におけるよりもやや多めのミネラルを必要としていることがわかります。
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カルシウム

  • 機能骨や歯の構成成分となる、血液の凝固を助ける、筋肉の収縮、神経伝達、細胞膜の透過性に影響を及ぼす
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.50(1.20)%~1.80(2.50)%
    ✓125(300)mg~450(625)mg
  • 過剰症食欲の低下、ネフローゼ、歩行困難、肋軟骨の接合部分の肥大
  • 欠乏症成長の抑制、食欲の低下、骨の石灰化の抑制、歩行困難、自然骨折、歯牙の緩み、テタニー、くる病

リン

  • 機能骨や歯の構成成分、筋肉の形成、脂肪・炭水化物・タンパク質の代謝、リン脂質とエネルギーの生産
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.40(1.00)%~1.60(1.60)%
    ✓100(250)mg~400(400)mg
  • 過剰症骨の損失、尿石の生成、体重増加の抑制、食事量の低下、軟組織の石灰化、二次的な上皮小体機能亢進症
  • 欠乏症食欲の減退、異食症、食事効率の低下、成長の抑制、生殖能力の低下、自然骨折、くる病

カリウム

  • 機能筋肉収縮、神経刺激伝達、酸塩基平衡の調整、浸透圧の維持、エネルギー輸送
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.60(0.60)%~上限なし
    ✓150(150)mg~上限なし
  • 過剰症不全麻痺、徐脈(非常に稀)
  • 欠乏症食欲不振、成長抑制、無気力、運動能力の低下、カリウム血症、心臓と腎臓の障害、やつれ

マグネシウム

  • 機能骨と細胞内液の構成成分、神経筋の伝達、様々な酵素活性成分、炭水化物と脂質の代謝
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.06(0.06)%~上限なし
    ✓15(15)mg~上限なし
  • 過剰症尿石の生成、筋肉弛緩性の麻痺
  • 欠乏症筋肉の弱化、刺激過敏性、痙攣、食欲不振、嘔吐、骨の石灰化減少、体重減少、大動脈の石灰化

ナトリウム

  • 機能浸透圧の調整、酸塩基平衡、神経刺激伝達、栄養摂取、老廃物の排泄、水分代謝
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.08(0.30)%~上限なし
    ✓20(80)mg~上限なし
  • 過剰症喉の渇き、かゆみ、便秘、発作、最悪の場合は死亡
  • 欠乏症成長の抑制、食欲不振、疲労、被毛の消失

塩素

  • 機能浸透圧の調整、酸塩基平衡、神経刺激伝達、栄養摂取、老廃物の排泄、水分代謝
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.12(0.45)%~上限なし
    ✓30(110)mg~上限なし
  • 過剰症喉の渇き、かゆみ、便秘、発作、最悪の場合は死亡
  • 欠乏症成長の抑制、食欲不振、疲労、被毛の消失

  • 機能酵素の成分、酸素の活性化、ヘモグロビンやミオグロビンの成分
  • 最少栄養要求量~上限値✓40(88)mg~なし
    ✓1.0(2.2)mg~なし
  • 過剰症食欲不振、体重減少、血清アルブミン濃度の低下、肝機能不全、ヘモジデリン沈着症
  • 欠乏症貧血、被毛の荒れ、無気力、成長の抑制

亜鉛

  • 機能200種類にも及ぶ酵素の構成成分、皮膚や傷の治癒、免疫応答、胎仔の発達、成長速度の調整
  • 最少栄養要求量~上限値✓80(100)mg~なし
    ✓2.0(2.5)mg~なし
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症食欲不振、成長抑制、脱毛、角化症、繁殖能力の低下、嘔吐、被毛の色素脱失、結膜炎

  • 機能酵素成分、ヘモグロビン形成の触媒、心臓の機能維持、細胞の呼吸、結合組織の発達、色素沈着、骨の形成、ミエリンの形成、免疫機能の維持
  • 最少栄養要求量~上限値✓7.3(12.4)mg~なし
    ✓183(310)μg~なし
  • 過剰症肝炎、肝臓酵素の活性増加
  • 欠乏症貧血、成長の抑制、被毛の色素脱失、骨の障害、神経や筋肉の異常、繁殖の障害

マンガン

  • 機能酵素の構成成分、脂質と炭水化物の代謝、骨の発達、繁殖能力の維持 、細胞膜の保全
  • 最少栄養要求量~上限値✓5.0(7.2)mg~なし
    ✓125(180)μg~なし
  • 過剰症特になし
  • 欠乏症繁殖不良、脂肪肝管、曲がった足、成長の抑制

セレン

  • 機能酵素の構成成分、免疫機能の維持、繁殖力の維持
  • 最少栄養要求量~上限値✓0.35(0.35)mg~2.0(2.0)mg
    ✓8(9)μg~50(50)μg
  • 過剰症嘔吐、ふらつき、ヨダレを垂れ流す、食欲減退、呼吸困難、口臭の悪化、爪の欠落
  • 欠乏症筋ジストロフィー、繁殖障害、食事量の低下、皮下の浮腫、腎臓の石灰化

ヨウ素

  • 機能チロキシンとトリヨードチロニンの構成成分
  • 最少栄養要求量~上限値✓1(1)mg~11(11)mg
    ✓25(25)μg~275(275)μg
  • 過剰症食欲減退、無気力、被毛の荒れ、免疫力の低下、甲状腺腫、発熱
  • 欠乏症甲状腺腫、胎仔の再吸収、被毛の荒れ、甲状腺肥大、脱毛、感覚の鈍麻、粘液水腫、無気力