トップ犬の体図鑑犬の舌・味覚

犬の舌・味覚

 がつがつとわき目もふらずにものを食べることを「犬食い」といいますが、なぜ犬はあんなにがっついてエサに食らいつくのでしょうか?犬の習性や味覚などについて、写真や動画つきで解説していきます。
 なお、犬の歯や口の健康チェックや手入れの仕方については犬の歯のケアで詳述してあります。

犬の味覚と人間の味覚

 人間と犬の舌の構造や味覚の違いなどについて解説します。人間にも犬にも、舌の上に味蕾細胞(みらいさいぼう)と呼ばれる味を感じる細胞が存在している点は同じですが、その性能には大きな違いがあるようです。

犬と人間の味覚・比較図

犬の味覚と人間の味覚比較図
  • 人間の味覚 人間の味を感じる味蕾の数は約1万個あり、甘い、辛い、しょっぱい、すっぱい、苦い、うまいの5つの味を感じることができます。舌の上における味覚地図(どの部位でどの味を感じるか)も明確で、舌先では甘味、舌の脇では塩味や酸味、そして舌の奥では苦味を感じるという配置です。
  • 犬の味覚 犬の味蕾の数は約2千個で人間の1/5程度しかないと言われています。味覚地図も人間ほど定かではないく、舌のどの部位でどういう味を感じているのかは「犬のみぞ知る」といった状態です。しかし水に反応する特殊なセンサーがあるといわれています。

犬の舌にある味蕾の機能

 上記したように、犬の味覚についてはよく分かっていません。Boudreauが1980年代に行った実験によると、犬の舌の機能はおおむね以下のようにまとめられます。 ドメスティックドッグ(チクサン出版社)
犬の味蕾細胞と味覚
  • 甘味 主にA群レセプターと呼ばれる受容器が糖に反応します。人工甘味料にも反応しますが、特に果糖(果物に含まれる甘味)やショ糖(砂糖に含まれる甘味)に最も強く反応するそうです。またD群レセプターも、特にフラノールやメチルマルトールなど、人間が果物の甘さとして感じるものに反応します。
     ちなみに猫が甘味を感じないのに対して犬は甘味を感じることができます。この理由は、猫が肉食に特化したのに対し、犬は雑食動物として進化してきたためです。つまり犬は肉だけでなく、甘い果物などもエサとして生き抜いてきたということを意味しています。
  • 苦味 主にA群レセプターと呼ばれる受容器がキニーネなどの苦味成分に反応します。A群レセプターは甘味受容器でもあるため、甘味と苦味を同じレセプターが受け持っているようです。
     ちなみに苦味は人間同様、舌のやや奥の方で感じると言われており、苦味成分が舌の奥に到達するまで多少のタイムラグがあります。苦味を利用したしつけ用品を口にしてから、実際に対象を吐き出すまでに、若干の「間」があるのはそういうわけです。
  • 酸味 主にB群レセプターと呼ばれる受容器が、アミノ酸(タウリンやシステインなど)、および蒸留水や無機質の酸に反応します。
  • 旨味(?) 主にC群レセプターと呼ばれる受容器が、核酸に反応します。核酸とはいわゆる「肉らしい味」の根源となる成分ですので、便宜上「旨味」(うまい)と表現しておきます。
  • 塩味 奇妙なことに、塩分を特異的に感じる味蕾が、犬の舌には全体的に欠けています。これは犬が雑食ながらも、肉食をメインとして進化してきたことを示唆しています。すなわち、野生環境で獲物を捕らえると、肉食動物は血液を始めとする体液ごと体内に取り込みます。血液には塩分が含まれていますので、肉さえ食べていれば勝手に塩分バランスが取れるという自然の法則を体が知っているというわけです。従って、塩味に鈍感な犬は、肉食をメインとして進化してきたという推理が成り立ちます。
犬の不凍液中毒  犬に中毒症状を引き起こす物質として、自動車の不凍液が挙げられます。これは自動車エンジンの冷却水の凍結を防ぐ目的で用いられますが、舌で舐めたとき、強い甘味として感じられます。もし、車のラジエーターや冷房装置から漏れ出して緑色の水たまりになっている不凍液を犬が誤って舐めてしまうと、中型犬ならわずか55グラム程度で命を落としてしまう危険な物質です。
 不凍液が入れられる秋、および外される春にはとりわけ中毒に気をつけることと、不凍液の素材をプロピレングリコールなど、より毒性の弱いものに切り替えるなどの配慮が必要です。 犬にとって危険な毒物
犬の舌・味覚トップへ

犬の食性について

 犬の食べ方、唾液の役割、水の飲み方や好き嫌いなど、犬の食性(食べることにかかわる習性全般)について、写真と動画を用いて解説していきます。なお、犬の食べ方や水の飲み方に関しては、思わぬ病気を発見できることがありますので犬の食習慣チェックを参考にして常に観察するようにしましょう。

犬の唾液(だえき=よだれ)の役割

犬のよだれは食物の消化よりも、口の中の食べ物を胃の中に強引に押し流す潤滑駅の役割  犬はエサを目の前にすると滑稽(こっけい)なくらいよだれを垂れ流しますが、このよだれには人間と違う役割があります。人間の唾液にはアミラーゼという分解酵素が含まれており、この酵素がデンプンなどを麦芽糖(ばくがとう)まで分解してくれます。ごはんをよくかんでいると段々と甘くなってくることからも分かるとおり、人間の唾液には食物を分解するという重要な働きがあるのです。
 一方犬の唾液にはこのような酵素は含まれていません。犬のよだれは食物を分解するというより、食物を胃の中に流し込む「コップの水」としての働きがメインなのです。丸飲みでエサを食べる犬に適した役割と言えるでしょう。
 ちなみに犬には4対の唾液腺(頬腺・舌下腺・顎下腺・耳下腺)が備わっており、肉を食べるときは粘液質の唾液を、そして植物系のものを食べるときは水っぽい唾液を分泌します。めったにありませんが、人間の流行性耳下腺炎、すなわち「おたふくかぜ」が犬に移り、唾液腺がパンパンに腫れ上がってしまうこともありますので、感染者がいる場合は念のためペットとのコンタクトを避けた方がよいでしょう。

犬の唾液は万能薬?

動物は本能的に自分の傷口をなめようとします。  余談ですが、犬や猫のほか、ねずみなどのげっ歯類や人間を始めとする霊長類は、本能的に自分の体の切り傷をなめる習性があります。これは唾液の中に傷の治癒を早める何かが含まれていることを生まれながらに知っているためです。具体的に言うと、唾液にはリゾチーム(lysozyme)やラクトフェリン(lactoferrin)などの酵素が含まれ、IgAと呼ばれる抗体によってバクテリアの繁殖を妨げたり、またトロンボスポンジン(thrombospondin)と呼ばれる血小板タンパク質はウイルスの繁殖を妨げたりします。その他極めて多種多様な酵素が含まれていることを考えると、「傷なんて舐めてれば治る!」というワイルドな風聞もあながちデタラメではなさそうです。
安易に犬に傷口をなめさせると、人獣共通感染症にかかる危険性もあります。  さて「Langue de chien, langue de medecin」(犬の舌は薬の舌)というフランスのことわざにもあるとおり、古くから犬の唾液は傷の治癒に効果的であると考えられてきました。この考えは現代においても多少生き残っており、「フィジーの漁師たちは自分たちの傷口を犬に舐めさせて治癒を早める」という報告があったり、またイギリスの医学情報誌「Lancet」では、犬の唾液と傷の治癒に関した研究が掲載されたこともあるそうです。
 このように犬の唾液は傷を治してくれる万能薬といった印象を受けますが、それは早合点です。犬の唾液がバクテリアの繁殖を防ぐ酵素を含んでいることは確かですが、それと同時に高確率でパスツレラ菌やカプノサイトファーガ・カニモルサス菌と呼ばれる人獣共通感染症(じんじゅうきょうつうかんせんしょう)の原因となる菌を保有しています。人獣共通感染症とは人にも動物にも感染する病気のことですから、お年寄りや持病を抱えた人など、免疫力の衰えた人たちの体内に傷口を経由して犬の唾液が入り込むと、上記した感染症を引き起こす危険性があります。ですから皮膚表面の切り傷や擦り傷に犬の唾液が触れないよう十分な注意が必要となります。 パスツレラ症(子猫のへや) C.カニモルサス症(子猫のへや)

犬の食べ方

犬の歯は食べ物を摺るつぶすのではなく、肉を引き裂くことに特化している。  犬の歯列は、草食動物にあるような臼歯(きゅうし=すりつぶすための歯)よりも、肉を引き裂くための裂肉歯(れつにくし)が発達しています。つまり犬は物をよく噛んで食べるのではなく、口に入る大きさに引き裂いたらそのまま丸飲みするように既に解剖学的に作られているのです。これは悠長によく噛んで味わって食べていたら外敵や兄弟に餌をとられてしまう危険性のあった野犬の頃の習性が残っているためといわれています。 犬の歯 犬がエサを丸飲みするのは?
犬の早食い
 以下でご紹介するのは犬の早食いを如実に表す動画です。ほとんどかまずに丸呑みしている様子がうかがえます。 元動画は⇒こちら

犬の水の飲み方

 犬は汗をかかないため、人間に比べると体内から出て行く水分量が比較的少ない動物です。しかし体温調整する際はパンティング(panting/あえぎ呼吸)という方法によって唾液を気化させますので、定期的に水分を補給しなければ脱水症状に陥ってしまいます。
 犬は水分を補給するとき、舌を後方に巻き込んで柄杓(ひしゃく)のような形を作って水を汲み取ると考えられていました。しかし2014年に行われた研究によると、この舌の形は柄杓としての役割よりも、効率的に水柱を作るという役割の方が大きいようです。水柱とは、舌先が水面から勢いよく離れる瞬間にできる円柱状の水の塊のことです。犬の舌は恐らく、高速で動きながら舌の裏の窪みで水を掬い取り、さらに舌の表面で水柱を作るという器用な芸当を、同時に行っているのでしょう。
犬が水を飲むときは、舌を後方に丸め込み、ちょうどひしゃくで水をすくうようにする。
 なお、犬や猫など肉を主食とする動物には、水にだけ反応する特殊な味蕾細胞があるといわれており、水を飲むときに少しだけ丸める舌の先端に存在しているそうです。甘いものや塩辛いものを食べた後に、とりわけ細胞の感度がよくなるという事実から、水をすばやく摂取して体液の水分バランスをいち早く回復させるために発達した特殊細胞だと思われます。
犬が水を飲む瞬間
 以下では犬が水を飲むときのスローモーション動画をご紹介します。舌を後方に丸め、自前のスプーンのようにして水を掬い取っている様子が見て取れます。また舌の表面からは、水面から続く水柱も確認できます。 元動画は⇒こちら
 以下でご紹介するのは、犬が水を飲んでいる姿をX線で撮影した動画です。 元動画は⇒こちら

犬の味わい方や好き嫌い

犬にとって食べ物の見た目などどうでもよい。  犬の舌は人間ほど敏感ではありませんが、全く味を感じないわけではなく、甘さ、しょっぱさ、苦さ、すっぱさを感じることができます。犬のしつけ用品に「ビターアップル」(直訳すると”苦いりんご”)がありますが、これは犬のもつ味覚に「苦味」という不快な刺激を与えることを目的としています。
 犬は匂い>食感>味>見た目の順で餌(エサ)を吟味しているといわれています。人間は食事を五感を全て用いて楽しむことができますが、犬の前に綺麗に盛り付けしたフランス料理を並べても、匂いを嗅いだら大したありがたみもなくあっという間に平らげてしまうでしょう。犬にとっては「食べることができるかどうか」が問題なのであって、「きれいかどうか」や「おいしいかどうか」ということはそれほど重要ではないのでしょう。そうでなければ腐っているものや自分の糞(!)を平気で食べることはできません。
 また過去に行われた幾つかの実験により、犬の食べ物に対する嗜好性がわずかながら判明しました。ずいぶん古い研究のため現代の犬にそっくりそのまま当てはまるかどうかは微妙ですが、参考までに記しておきます。  
犬の食べ物に対する好み
  • 好きな肉 アメリカ・コーネル大学獣医学部のキャサリン・ハウプト教授が行った実験(1978)によると、犬が最も好む肉は、牛肉>豚肉>ラム肉(羊肉)>鶏肉>馬肉の順だそうです。
  • エサの水分含量 乾燥フードよりも半生タイプのほうを好むといわれています(Kitchell, 1978)。
  • 調理の有無 生肉よりも調理された肉を好むとされます。具体的には、出来合いの缶詰肉>その場で調理した肉>生肉という順番です(Lohse, 1974)。
  • 食べ物の温度 冷たいものよりも温かいものを好むことが分かっています。この温度の好みには、「しとめたばかりでまだ生暖かい獲物の肉が一番新鮮である」、という野生時代の記憶が本能に残っているからかもしれません。あるいはただ単に、温かい物の方がおいしい匂いを発しやすく、嗅覚の鋭い犬を魅了するからかもしれません。
飼い主の持つ安心感  イギリスのウォルサム・ペット栄養学センターの研究によると、犬は飼い主の手から直接与えられた食べ物なら、何でもおいしく感じるそうです。食欲不振の犬や老犬などには、お皿からではなく飼い主みずからが自分の手を用いて食べさせてあげると、ちょっと反応が変わるかもしれません。
犬の舌・味覚トップへ

犬の嗜好性の形成

 一般的に犬は人間ほどグルメではなく、おなかさえすけばどんなエサでも食べてくれます。しかし食べ物に対する嗜好性(しこうせい=好みのこと)が全く無いわけではなく、個体によっては特異的な好き嫌いを示すことがあります。では、犬の嗜好性を決定している要因があるとすると、それはどういったものなのでしょうか? ドメスティックドッグ(チクサン出版社)

羊水中での味覚経験

 ラットが子宮内でリンゴ溶液にさらされると、成長後はその風味に対する嗜好性を示すそうです。またシトラール(味のないレモンの匂い)にさらされた子獣は、シトラールのにおいが付いた乳首に好んで吸い付くとも言われます。
 一方、Ferrelの実験(1984)によると、犬の味覚神経は、生まれた時点で舌の科学的刺激に反応することから、子犬の味覚末梢器官は生まれた時点、あるいはそれ以前に科学的刺激に対して反応していると考えられています。
 こうした事実から考慮すると、母犬の羊水の中にいるときにどのような味覚経験をするかによって、生まれてくる子犬の嗜好性がある程度左右されるのではないか、という推論が成り立ちます。ちなみに妊娠期の母犬が食べる食事は体内に取り込まれて分解された後、血漿成分の中に混じりこんで羊水中へと流れ込みます。ですから妊娠期の母犬の食生活が生まれてくる子犬の嗜好性に影響を及ぼす可能性があるというわけです。

母乳の味

 Cambellの実験(1976)によると、授乳期にあるメスブタの食事に特殊な風味を加えておくと、その乳を飲んでいた子豚は離乳後、その風味のついたエサを好むようになるそうです。
 この事実から、母犬が授乳期に食べている成分が母乳を介して子犬の体内に取り込まれ、嗜好性を決定することは十分考えられます。

6ヶ月齢までの食生活

 Kuoのチャウチャウを用いた実験(1967)によると、大豆食や野菜食など、生後6ヶ月齢まで特定の食品しか経験しなかった子犬は、食べ物に対する嗜好性が固定されるようになり(つまり好き嫌いが激しくなり)、逆に様々な食品や舌触りを経験した子犬は、初めて目にするエサでもすんなりと食べてくれるそうです。
 この実験結果から、生まれてから6ヶ月齢までの食生活が、子犬の嗜好性に大きな影響を及ぼすという可能性は十分あるでしょう。 犬の食事のしつけ
ネオフォビア(新奇恐怖症)  犬は病気や怪我を負ったとき、あるいは慣れない環境につれてこられたとき、なじみのない食べ物には口を付けたがらなくなります。ネオフォビア(新奇恐怖症)とも呼ばれるこの急性の変化は、慣れない環境において毒性のあるものを誤食しないようにする本能的な反応であると同時に、安心感と結びついている幼い頃の食べ物へ回帰しようとする、ある種の赤ちゃん返りでもあります。
 犬が食欲不振に陥ったときは、病気や怪我のほか、環境に大きな変化が無かったかどうかを吟味してみましょう。
犬の舌・味覚トップへ

犬の舌チェック

 健康な犬の舌はきれいなピンク色で表面は唾液でつやつやしていますが、様々な理由で舌の色が変化することがあります。舌の変色は、時に重大な病気のサインにもなりますので、以下では舌の色とその原因についての一般的な相関関係を述べます。
犬の舌の色と異常一覧
  • 犬の舌が生まれつき青黒い  犬の舌に生まれつき青黒い斑点があったり全体的に青黒かったら、それは先天的な犬の個性で問題ありません。全体的な変色はチャウチャウシャーペイが代表で、部分的な斑点はミックス犬や一部の純血種に見られます。人間で言うと「ほくろ」と同じでまったく問題ありませんので、獣医さんによる診察は不要です。 生まれつき舌が黒い犬種色々
  • 犬の舌が赤、青、黄色、緑など  舌の色が赤、青、黄色、緑など、通常ではありえないような不自然な変色をした場合、おもちゃなど犬が口に入れた可能性のあるものを調べてみましょう。着色料などが舌に付着した可能性があります。中国産のおもちゃに有害物質が付着しており、犬が中毒症状をおこしたという事件が海外で発生していますので、念のため犬の様子を観察し、具合が悪そうだったら獣医さんの診察を受けます。
  • 犬の舌の上に黒い斑点  今まではなかったはずのに、舌の上に突如として黒い斑点が現れた場合、それはメラノーマの可能性があります。メラノーマとは別名「悪性黒色腫」(あくせいこくしょくしゅ)と呼ばれるガンの一種ですので、獣医さんによる早急な診察と治療が必要です。見分け方のこつは、輪郭がほくろのようにはっきりせずくねくねしており、また色も濃い部分と薄い部分があります。これはガン細胞が周囲へ勢力を広げようとしているために現れる特徴です。
  • 犬の舌が白く変色  犬の舌が部分的に白っぽく変色した場合、何らかの化学薬品との接触を疑います。身近に犬が口にするような薬剤がないかどうか確認し、誤飲・誤食が疑われる場合は中毒症状を起こす前に獣医さんの診察を受けます。
     また全体的に白っぽく変色している場合、貧血の可能性があります。非常に多くの理由がありますが、白血病、体内における出血、外傷による出血、骨髄の異常などです。元気がないようでしたら獣医さんの診察を受けます。
  • 犬の舌が赤い  犬の舌が赤く変色している場合は、まず一酸化炭素中毒が考えられます。犬が室内で飼い主と同居している場合、人間にも不調が現れます。よくある原因は火鉢や古いガスストーブの使用などです。その場合は早急に室内の換気を行います。
     またナイアシンと呼ばれるビタミンの一種が極端に欠乏すると「ペラグラ」と呼ばれる病気になり、舌全体が赤く変色することがあります。犬が偏食(へんしょく)しているときなどは獣医さんと相談し、診察とともに正しい食生活に戻します。
  • 犬の舌が赤くなり潰瘍がある  犬の舌が赤く変色し、潰瘍(かいよう=組織が崩れてぐじゅぐじゅになった状態)ができているような場合は、尿毒症(にょうどくしょう)を疑います。尿毒症とは腎臓の機能が低下し、本来体の外に排出するはずの毒素が体内に滞り、体調不良を引き起こす病気のことです。舌の発赤とともにアンモニアのような口臭を放つようになりますので、早急に獣医さんの診察を受けます。
  • 犬の舌が全体的に青黒い  犬の舌が全体的に青黒く変色している場合、「チアノーゼ」という病態を疑います。これは血液中の酸素量が不足し、本来は赤であるはずの血液が青っぽく見えてしまう症状です。原因は心臓疾患喘息、何らかの中毒など様々ですが、歯茎やほほの内側の粘膜にも同様の変色が見られますので、この症状を発見した場合は早急に獣医さんの診察を受けます。また運動を嫌がったり咳をしたり、呼吸が苦しそうな場合も獣医さんに診てもらいましょう。
     歯茎やほほの内側の粘膜が健康なピンク色で、舌の色だけ青黒く変色している場合は、何らかのストレスにさらされた可能性があります。雷や他の犬とのケンカなど、強い刺激が加わると一時的に舌の色が変わることがあります。通常は元の色に戻りますが、なかなか色が戻らない場合は獣医さんのアドバイスを受けます。
犬の舌・味覚トップへ