トップ犬の食事犬のダイエットダイエットの注意点

ダイエットの注意点

 犬のダイエット計画を進めていく上で、ついついやってしまいがちな失敗と予防法について解説します。

盗み食い・おすそ分け

 ダイエットで小腹がすいた犬は、飼い主が見ていないすきを狙って盗み食いしている可能性があります。こうした盗み食いが起こらないよう、食べ物の保存は厳重にしましょう。また、他の人が善意からくれるおすそ分けも、「ダイエット中」ということを伝えて全て断るようにします。鳥を飼っている家庭においては、鳥のエサを盗み食いするというケースもありますので要注意です。
 多頭飼いの家庭においては、他の犬に用意したエサを別の犬が食べてしまうということがあります。盗み食いをしないようにしっかり監督し、場合によってはダイエット中の犬だけ隔離することも必要です。また家族内でダイエットに対する共通理解がないと、せっかく食事制限しているのに、「おばあちゃんが知らない間にボーロを与えていた!」という状況が生じるかもしれません。家族全員が肥満のリスクを理解し、行動を統一することが重要です。
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無駄吠えの増加

 ダイエット伴う問題点の1つは無駄吠えの増加です。今までもらえていたご褒美が急にもらえなくなったとき、犬は「何か忘れていませんか? 」という意味を込めてギャンギャンと要求吠えを繰り出してくることがあります。この現象を「消去バースト」と呼びます。
 消去バーストに対する対処法は「無視」の一言です。犬のうるささに根負けして一度でもおやつを与えてしまうと、犬はその経験に味をしめ、今後さらに激しく吠えるようになります。ですから家族全員が首尾一貫して無視を決め込み、一度の例外もなく態度を徹底することが重要です。詳しくは犬の無駄吠えのしつけをご参照ください。
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プラトー

 人間の場合と同様、理論的には正しいことをしているにもかかわらず、なかなか体重が減ってくれないことがあります。これを「プラトー」と呼びます。プラトーの発生理由は、摂取エネルギーの減少に伴い、体全体の代謝が低下して消費エネルギーが減少することです。
  1ヶ月ほど様子を見て体重に変化が見られないようでしたら、摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスを微調整し、新しいエネルギーバランスを作り出します。ただし、急激に食事量を減らしたり運動量を増やしたりすると、犬の心身に対する負担が大きいので避けるようにします。例えば、摂取エネルギーを「RER×1.4」にしている場合は、やや減らして「RER×1.3」にするくらいが妥当です。
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リバウンド

 リバウンドとはダイエットによって一度は減った体重が、しばらくすると元に戻り、逆にダイエット前より増えてしまう状態のことです。摂取エネルギーを減らすでも解説した通り、急激な食事量の減少や断食は、体内における脂肪以外の組織(除脂肪体重)を減らしてしまいます。その結果、本来エネルギーを消費してくれるはずの筋肉までが減ってしまい、太りやすい体質になってしまうのです。
 タンパク質不足のほか、このリバウンドが起こりやすいのは以下の3つのタイミングです。飼い主はこうした落とし穴にはまらないよう注意しておく必要があります。
リバウンド危険期
  • ダイエット開始直後 今まで適当な感覚で行っていた給餌を、厳密なルールに従って行うようになると、飼い主は面倒臭さを感じて食餌量を戻してしまうことがあります。
  • プラトー期 理論的に正しいことをしているにもかかわらずなかなか結果が出ないと、「やっても無駄だ!」という具合にモチベーションが低下し、食餌量を戻してしまうことがあります。
  • 計画終了直前 ある程度の結果が出て緊張の糸が切れてしまうと、ご褒美と称していつもより多めの食事を与えてしまうことがあります。
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不妊手術の影響

 オス犬でもメス犬でも、不妊手術後は体重が増加する傾向にあります。もしダイエットで体重を減らした後に手術した場合、それまでと同じ食事量を与えていると再び太ってしまう危険性がありますので要注意です。
 1986年、オス犬4,109頭、メス犬3,828頭を対象として行われた調査では、未去勢オスの肥満率が16.6%だったのに対して去勢オスでは37.9%、未避妊メスの肥満率が21.8%だったのに対して避妊メスでは45.3%となっています。ざっくり言うと、不妊手術を受けた犬の肥満率は2倍になるということです。
 一般的に、避妊・去勢手術をした後の摂取カロリーは、安静時エネルギー要求量×1.6とされています。この計算式から必要カロリー数を導き出し、体重や体型の変化をモニターしてみましょう。体重が増加傾向にある場合はカロリー数を減らし、逆に減少傾向にある場合はカロリー数を少し増やして調整します。なお犬の安静時エネルギー要求量に関しては摂取カロリーを調整するをご参照ください。
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肥満の再発

 せっかくダイエットに成功したにもかかわらず、再び肥満に陥ってしまうことがたびたびあります。犬の肥満再発を予防する際、最も重要な事は飼い主の意識を変えることです。犬が肥満に陥る原因は、肥満を誘発する内科的病気を除けば、ほとんどが飼い主の管理不足です。日々の摂取エネルギーを管理している飼い主の意識を変革しなければ、また容易に犬の肥満は再発してしまうことでしょう。例えば以下に列挙するような考え方はすべて改めなければなりません。
飼い主に必要な意識変革
  • 自分も太っているので、犬の肥満を責められない
  • 太っている方が可愛く見える
  • 肥満を病気だと思っていない
  • 餌を与える自分を神のように扱ってくれるのが嬉しい
  • 太っているのは生活が豊かな証である
 こうした意識が飼い主の中にある限り、犬の肥満が再発する危険性は常に潜んでいるといえます。何よりも重要なのは、肥満は病気の一種であるという危機感を持つことです。
 「ペットに暴力をふるって骨折させた」ということと「犬にエサを与えすぎて太らせた」ということは、一見全く違うことのように思えます。しかし「犬の健康を損ない苦痛を与えている」という点においては、実は同レベルなのです。
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