「犬の祖先はオオカミである」という風説が、まことしやかに語られています。
しかしこの風説は、一体どの程度信憑性があるのでしょうか?
犬の進化の歴史をひもときながら、
ちょっとだけ科学的に検証していきましょう。
ミトコンドリアDNAとは?  犬の細胞の中には核、ゴルジ体、小胞体など多数の細胞小器官が存在しますが、
その中に「ミトコンドリア」と呼ばれるものがあります(写真右)。先述した核の中にもDNAはありますが、
このミトコンドリアの中にも独立したDNAが存在し、これは「核DNA」と区別して特別に「ミトコンドリアDNA」と呼ばれます。
核DNAとの違いは、「母型のDNAが100%次世代に受け継がれる」という点です。この特徴により、
もし二つの細胞中に含まれるミトコンドリアDNAが同一である場合、その二つの細胞の属する二つの個体は、
血縁関係にあるということが断言できるのです。この特徴を利用して犬の祖先を探るという研究がなされた結果、上記したように
「約13万5000年前にオオカミから突然変異種として分岐した」という事実が判明しました。
 ちなみに、1991年アルプスの雪山で、およそ5000年前の人間の遺体が、ちょうど冷凍保存された形で発見されました。
この遺体(通称「アイスマン」)の子孫を現在の世の中に探そうとする試みが企図されましたが、
この時活躍したのも「ミトコンドリアDNA」であり、DNA調査の結果、 アイスマンは現在の北部ヨーロッパに子孫がいるという事実が判明しました。
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