犬の進化一覧図

ミアキス(Miacids)  現在存在している全てのイヌ科の動物の祖先であると同時に、 全てのクマ科、そして全てのネコ科動物の祖先と考えられています。
約4000万年前に生息していた動物で、大きさは今のミンクくらいです。
キノディクティス(Cynodictis)  ミアキスから進化して誕生した動物で、約3500万年前に生息していました。爪があったので樹上でも暮らすことができ、また走ることも得意だったので地上でも暮らすことができました。
キノディスムス(Cynodesmus)  キノディクティスから更に進化した動物で、大きさはハイエナくらい、姿形はネコに近かったとも考えられています。現在のイヌ科・リカオン属の祖先と考えられます。
トマークトゥス(Tomarctus)  キノディクティスから進化したキノディスムスとは別系統の動物で、 現在のほとんどのイヌ科動物の祖先です。大きさも見た目も現在の犬に似ています。
イヌ科11属の派生  現在の分類ではイヌ科に12属がいますが、約700万年前、リカオンを除く11属が枝分かれを始めます。
イヌ属7種の枝分かれ  イヌ属が更に枝分かれし、7つの種が誕生します。
イエイヌの誕生  「イエイヌ」とは、現在我々が一般的に「犬」と呼称する動物のことを指します(種類に関しては犬の種類参照)。 「イエ」とは”家畜化された”という意味であり、言い換えれば”人間と共生する”という意味でもあります。
 近年、ミトコンドリアDNAの解析により「イエイヌとは今から約13万5000年前に、オオカミから派生した突然変異種である」という事実が証明されました。 この証明により、従来有力だった「イエイヌとはオオカミとジャッカルとの混血である(コンラート・ローレンツなど)」という説が否定される結果となりました。 しかしどちらの説が事実であるにしても、「犬の祖先はオオカミである」という風説には、一定の科学的な根拠があるようです。
 犬の習性の中にオオカミとの共通点が多いのもうなづけますね。